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「堕ちる花」「姦淫の花」に続いての完結編です。
序章が父親の独白スタイルで、この物語の真の恐ろしさ、「薫」という女の存在がくっきりと浮かび上がります。
「姦淫の花」のラストで登場した尚吾の母親・薫が、遂に尚吾と誠に近付いてきます。
薫と対面した尚吾は何とか誠を守ろうとするのだけれど、詳しい事を何も教えずに1人で抱え込んでいるため、薫が誠のバイト先のオーナーに収まって素知らぬ顔で近付いてきている事の情報共有ができません。
その事だけでなく、尚吾の独りよがりは何度も誠の単独行動を呼んでしまい、結果誠が危険にさらされてしまう…尚吾の俳優仲間・安里が鬼喰い草にやられて誠を襲おうとするところなんて、読んでてハラハラが凄かった!勿論、煽っているのは薫です。
薫は普通の人間ではありません。正に狂気。サイコなモンスターです。
「堕ちる〜」と「姦淫〜」はまだサスペンスという枠組みで語れたと思うけど、本作の薫はホラーじみている。
一番辛いのは、多分お父さん、でしょうね…
今回、尚吾と誠の関係がお父さんにバレてしまいます。当然引き離されて、尚吾は心中も覚悟するのですが…ここでも誠の不思議な清らかさが2人を救います。
尚吾はいつも何かあると、いや何もなくても激しく誠を求めてもうドロドロに追い詰めますが、誠の清潔感は失われません。
終盤、どことなく浮ついた制服プレイの途中で、尚吾が高校生に戻ったつもりと言って告白してきます。『……生まれた時から好きだった』……魂の叫びのような真摯さが溢れて。
そして終章は再び父親視点による、誠が生まれた時の尚吾の様子。
尚吾が心底誠を、誠だけを求めて、誠がいなければダメになってしまう事がよくわかります。胸が痛くなるよう。
3作とも、イラストは水名瀬雅良さん。非常に美麗で最高でした。
うーむ………
夜光花さん好きなんですけど、
1〜3作目を一気読みしたのもまずかったかなとは思うんですけど、
ちょっと最終巻の今作は、私にはちょっと飽きてしまいました。
1作目はミステリーの部分がしっかり書かれてて面白かったんですけど、
今回は暇さえあればのエロ度を感じて、
他に性奴隷みたいなのは出てくるしで、
好みの問題だとは思いますが、
エロの多さに肝心の話が全然頭に入らなくなってきて、つまらなかったです。
性奴隷…裸で首輪って、うーむ…受け付けない。
つくづくこれは好みだなーと思う。
私の場合はちょっと地雷みたい。
なんというか人間のエゴとかそういうストーリーありきだと「嫌だな」と思っても面白いなと思うんですけど、
(木原さんの熱砂〜は面白かった!)
そういうのがないと、ただのオブジェ。
人間の一部の標本を模ったおもちゃのキーホルダーとかを見せられた時の不快感を感じる。
また、妖しい女にしてもやっぱりその女に対しての魅力を感じなければ、
「そんな高らかに笑われても…」とか「胸見えてっから…」とかツッコミたくなる安い女にしか見えない。
「狂ってる…」とゾワッとされても、怖さを感じないから逆に興ざめしちゃったりする。
ちょっと今回はそういうのを感じてしまい、
お話自体は好きなのに、この兄弟も好きなのに、
エロと雑な展開に肝心な部分が見え辛くなった気がして残念でありました。
尚吾の不安、誠の焦燥、
父親の怒り、葛藤、決断。
そこが面白い。
特に尚吾の不安は、1作目から読んでて解ってはいたけれど、
マンションで2人が引き離される時に改めて感じて胸が痛かった。
かっこいい尚吾なのに、急にふっと幼い頃を想像させられた感じ。
他にも好きだと思っただろうなーと思うシーンがあるのに、
父の怒りと決断は後で考えるともっと楽しみたかったなー、面白かったなーと思うのに、
読んでる時はそこまでがエロ疲れで、肝心な心情に心が追いつけてなくて、
全然面白くなかったんですよね。
エロが始まると「あー、また始まっちゃったか」と思った事とか、
もう〜そこは解ったから先に進んで!と思った事、
誠は随分開発されちゃったなぁ〜なんてのが残りました。
エロが多いと、話が進まないんだよなー、全部おんなじに見えてきちゃうんだよなー変化がないんだよなー。
家族が絡んだミステリー部分好きだったんだけどな。
最後は雑な妖しいドロドロの執着もんになってしまった気がして、ちょっと残念。
…と思うのと同時に、これは一気読みしたからかな〜違う日にこれだけ読んだら変わるかな?と思う自分もいたり…
まぁ、それもどうかとは思うけど…
うーむ…という読後でありました。
『堕ちる花』『姦淫の花』の続きで、三部作のラストです。
序章と終章は、ふたりの父親の一人称。
このお父さんの語り部分がとても好きです。
本文自体は三人称です。
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三作通して異母兄弟のカップルです。
受けが弟の誠、攻めは兄の尚吾。
生まれ故郷の村で起きた忌まわしい事件(一作目)がきっかけで、体を重ね、子供の頃から劣情を抱いてきた尚吾のタガが外れ、また誠も尚吾への恋慕を自覚しました。
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尚吾の母である薫は奔放で淫らで美しい女性でした。
しかし当時からどこか狂気にまみれていて、尚吾が生まれ二年経った頃、薫の異常ともいえる行動が明らかになりました。
その薫が最終巻であるこの作品のキモです。
さすがヤンデレ王子尚吾の母親、病みっぷりも常人の比ではありません。
金銭的に裕福なのも大きいのでしょうが、罠の張り方も徹底しています。
一作目で登場した、誠の幼馴染み八尋も彼女の魔の手に堕ちてしまいました。
今回、薫のせいで関係が父に知られ引き離された尚吾と誠。
誠は確かに尚吾を愛していると言ってはいましたが、尚吾の方があまりに誠へ執着していたためにそちらの影に隠れてしまっていて今まであまり彼の本心は目立ちませんでした。
しかし引き離されて、誠も両親を捨てても尚吾をとると思うくらい尚吾を本当に愛していたんだなあとやっとクリアに伝わってきました。
今回の登場人物はその方向性は違っていても、皆、愛する者ものへ執着していました。
執着という言葉はどうしても薄暗いイメージがありますが、この作品にはぴったりかなと思います。
堕ちる花を読んだときに、読み切るのがつらくてもうこのシリーズは読まないつもりでいたのですが、なんとなく気になってここまで読んだら・・・面白かった・・・。
そうだよね!三部作だもんね!全部読まなきゃ面白さはわからないね!と自分の愚かさにあきれてしまいました。謎解きするところまで読まないと、そりゃ面白くないですね。ごめんなさい。
で、ちゃんと読んだら面白かったですよ!
お母さんがイっちゃってるのはともかくとして、印象的だったのはお母さんに尚吾と誠の関係を知らされるお父さん。気の毒一等賞でした。そして不幸のニオイしかしない安里さん。。。芸能人なのだからイケメンであるはずなのに不憫すぎる(笑)
そして、八尋君。ひどい有様です。
誠は自分から面倒に飛び込んでしまう困ったちゃんだし、振り回される尚吾はそりゃ憔悴するよね。泣かせたくもなるよね。その辺は同情しますが、中身はおっさんだね、尚吾(笑)誠もたいがいカマトトというか、いい子ちゃんぶっててちょっとげんなりするんですが、尚吾も変態だしなぁ・・・というめんどくさい兄弟で、正直あまり好みではないのですが、ここまで読むとだんだん楽しくなってきました。クセになったのか、もうちょっと読みたいと思ったりして。
そんなに面白いと思っていなかったんですけど、不思議(笑)
腹違いの兄弟の禁忌愛シリーズ完結作。
前作の終りの展開から今回では尚吾母のやっかいな干渉が入るんだろうなぁ、と予測できたんですが、その干渉の仕方が予想を上回る異常さでした(笑)。
相手を殺すことが愛の証と思っているということだけで、尚吾母を理解するのには困難をきたすんですが、でもよく考えてみると、結構周囲の状況に無頓着な所や、犯罪がばれてしまうことを余り恐れてないというか、そういうところが見えて推理ものとしては少し物足りなさを感じました(その点では1巻が一番面白かったかな・・・)。
でも、兄弟2人のラブラブぶりにはたくさん萌える所はあったので、そういう意味では評価萌x2です^^。
あまり禁忌を犯しているという感覚はこの2人には感じられないのですが、尚吾の執着ぶりには前作に引き続きすごいな~という感じです。
私的にはもうすこしHが控えめなほうが好みといえば好みなんですが、まぁ、これだから尚吾とも言えるわけで、誠はそういう尚吾によくついていってるな~と思います(笑)。
最後の完結には私も色々不満がないわけではないのですが、余り刑事的なところは深く考えずにサラッと読むにはいいかなと思います。