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表題作恋の一秒は千年の忍耐

九零,天性の才能で世界を渡り歩くカメラマン
真屋渚,攻様の弟の友人で広告代理店クリエーター

あらすじ

広告代理店で働く真屋渚には、ずっと片思いをしている男がいた。親友の兄であり、カメラマンとして天性の才能を持ちながら、自由に生きる男・無花果零。真屋はいつも零に翻弄されてばかりだった。高校時代、間違って飲んでしまった媚薬のせいで昂った身体を無理やり慰められ、他人の手で達かされる悦楽を教えられた。その後は身体だけを求められた。最低な男だと分かっているのに気持ちは抑えられない。そんな時、行方が分からなかった零と偶然街で再会して!?

作品情報

作品名
恋の一秒は千年の忍耐
著者
火崎勇 
イラスト
高群保 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773099652
2.5

(6)

(0)

萌々

(0)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
13
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

生真面目な初恋の行方

今回は天性の才能で世界を渡り歩くカメラマンと
広告代理店のエリートクリエーターのお話です。

二人の出会いから2度の別れと再会を経てまとまるまで。

受様の好きな人は親友の兄で7つ年上の男。
当然、彼が今回の攻様です♪

受様は小学生の時に
九<いちじく>という変わった名前の子と知り合います。
小柄で可愛い彼はイジメられっ子で
気になって声をかけた受様はすぐに友人になります。

彼は六人暮らしなのに家に帰ると一人だと言い、
祖母と二人暮らしで寂しさの判る受様は
彼の家に遊びに行く事にします。

そこで友人の兄・攻様に出会うのですね♪

攻様は既に高校生。
幼い弟も受様も同じ扱いで
乱暴なスキンシップで接されますが、
兄貴らしく受様達に出来ない事もやってのけます。

友人は兄に憧れて何でも真似をしましたが、
受様は違いすぎて尊敬するのが精一杯。
尊敬の念はいつしか切ないまでの恋心になります。

しかし攻様にとっての受様は「弟の」友人であり
弟同様まだまだ子供の域を抜けません。

しかも大学を出た攻様は
没頭していた写真の世界に飛び込む為か、
カメラと身の回りの必要なものだけ持って
行き先を告げずに家を出ます。

家族にも残さなかった行き先を受様が知る術もなく、
攻様と会わなくなって6年近くの年月が流れ
ようやく攻様の事で胸の痛みを感じなくなった頃、
受様は彼と偶然の再会を果たします。

どんなに辛くても忘れてはいけないよ
と誰かに囁かれるように。

はたしてこの偶然は二人の関係を変える転機となるのか?!

『一秒でも世界は変わる』のスピンオフ。
前作の過去編ですが、
メインキャラが違うのでこちらから読んでも問題なし!!

受様はとても真面目な性格なので、
いくら心底惚れてはいても
攻様が性欲の赴くままに抱く女達と同じ扱いなら
自分の恋を告げる気は有りませんでしたが
再会した時、チャンスを生かそうとします。

片や攻様は受様を弟の恋人と誤解したが故に
自分の相手としても意識し始めるのですが、
受様の「好き」を理解しません。

噛合わない二人の様子に
ホントにまとまるのかとドギトキ♪
2度目の再会で受様が頑張らなければ
攻様は一生逃げてたかも?!

我が道を行く為に何事にも執着しない攻様の
唯一の戻る場所となった受様。
今後は攻様のほうこそ執着しそうなカップルです。

今回はリンク作の『一秒でも世界は変わる』をオススメ。
こちらは本作の未来編で無花果弟編ですが
本作の受様のお仕事ぶりが窺えます♪

1

本当に浮気したら、捨てられるよ~

攻・無花果零。自由人で天才カメラマン。
受・真屋渚。広告代理店勤務。趣味はフリーのマネジメント業。
年の差は7歳。

出会いは小学生のときでした。
最初は「かっこいいお兄さんだなぁ」というレベルの感情でしたが、中学生のとき、無花果(弟)の部屋に遊びに来ているときに、無花果(兄)の部屋から聞こえてきた喘ぎ声を聞いてから、そういう意味で意識するようになりました。
弟にお灸をすえるつもりで(どういうお仕置きだよ・・・)で飲み物に催淫剤を混ぜて置いておいたのを間違って飲んでしまい、零の手で慰められてしまいます。
中学生へのイタズラにしては質悪いですよね(笑)。
戸惑っている間に、零は家出をして姿を消してしまいます。
自分で決着をつける前に、恋心を取り上げられてしまった真屋。

大学生になって、偶然に零と再会。
趣味で無名のアーティスト達をマネージメントするようになっていた真屋は、零を通じて多くのアーティストの卵たちに出会い、また零の写真を見てぜひマネージメントをしたいと訴えます。
本当は「好き」なんだけど、零がセフレを連れ込んでるところに出くわしたりしてたので、自分の感情は殺すしかなかったんですよね。
零を好きなのではなく、「零の写真が好きなのだ」としか言えません。

そんな時、零の写真集が出ると聞いて傷つきます。
零の写真はパンフレットやメニューに添えるのではなく、写真集での発表が相応しいと思っていたから。
「お前に渡した写真は、何に使ってもいいヤツだった」
という零の言葉が真屋にトドメを刺します。

そしてまた零は行方不明に。
頻繁にいなくなってしまう攻ですが、これは零が自由人というだけじゃなくて、実は真屋から逃げている…ように思うんですよね。
無理を強いたという負い目の他にも、実は零は弟と真屋が恋人同士だと思っていたので。

これは寂しがり屋で甘えたがりの無花果(弟)が、兄に親友を取られたくないからと、いつも「真屋は俺のもの」といい続けてたんですね。
弟の言葉を裏付けるように、2人は中学も高校も大学も同じでした。
今だって無花果(弟)の作品をマネージメントしている。

零が誤解するのも無理はありませんが…強引系の攻のように見えて、実はヘタレですか?

再びの偶然で再会した二人。
誤解も解け、結ばれますが・・・零ときたら、
「私以外の人を抱かないで」と言う真屋に「それはできない」ってアンタ…っ。
しかも真屋は零の素行からして、真実味がありすぎるって納得しちゃってるし。

見えないところでの浮気は仕方ない、と諦めている真屋ですが、最後まで読めば…その心配はなさそうだなぁと思います(笑)。
何だかんだといって、零は完全に尻に敷かれていますので。

1

自分勝手な攻め×一途な受け

1冊丸ごと表題作です。
真屋(受け)の目線で進んでいきます。

真屋は九和哉と小学校の時に友達になります。それとほぼ同じくして7歳年上の和哉の兄・零とも知り合って好意を抱きます。中学生で、隣室で女性とエッチをする零に衝撃を受け、高校生で、媚薬入りの茶を飲まされ手でイカされます。零への恋愛感情を自覚させられた後日、零は家出をしてしまいます。それから数年、大学生になって零と再会し…。

できすぎたドラマのようだと思いました。
零は二度、真屋の前から姿を消しますが、真屋との再会は、二度とも零が真屋が男に絡まれているのをヒーローのように助けます。これが二度とも偶然というのがちょっと…せめて二度目は姿を見かけて気になって追いかけたとかできなかったのかな。

また、真屋に一途に思われる零ですが、カメラマンとしての才能はあるのでしょうが、真屋にフラれたと誤解したら直ぐに海外に逃亡するという、傍から見ればちょっと情けない人物です。

真屋には強引ですし、イラスト効果もあってカッコイイ男なんだろうなとは思いもするのですが…。真屋に再会してからも部屋にセフレを連れ込みますし、両思いになっても真屋がいないところでは浮気はすると断言をする男なので、どうにも好感が持てませんでした。

序盤に出てきた、「九」の姓を読みから「無花果」にした、という話は面白かったので、零か真屋が何かを誤解するのに使われるのかなと思ったりもしたのですが、単にそれだけで拍子抜けでした。

攻めである零に好感を抱けないと楽しめない作品だと思います。後日談ででも、零が真屋の尻に敷かれている場面があれば、もっと読後の印象が良くなったんじゃないかと思います。ちょっと惜しいなぁと思った作品でした。

なお、スピンオフで弟・和哉の「一秒でも世界は変わる」が出ているようです。そこで主役二人のその後が読めるのを期待したいところです。

1

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