教わるなら、達川先生がいいです。

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表題作初心者マークの恋 だから

出来る教師:達川聡史
新米教師:新屋謙吉

その他の収録作品

  • ライバル同士の恋だから
  • あとがき

あらすじ

年上のいい男に口説かれて、ホテルに入った新米教師の謙吉。なのに土壇場で怖気づき、彼がバスルームにいる間に逃げてしまった。後で悔やんでも、後悔先に立たず。ところが数ヵ月後、他校の会議室でその男・達川と再会した。そして、高文連弁論部門の専門委員として、共に活動することになったのだ。男としても教師としても憧れと尊敬の念を抱かせる達川に、謙吉は惹かれていき……。教師達のラブ・ディベート!

作品情報

作品名
初心者マークの恋 だから
著者
いつき朔夜 
イラスト
夏目イサク 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403521980
3.2

(18)

(1)

萌々

(3)

(13)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
57
評価数
18
平均
3.2 / 5
神率
5.6%

レビュー投稿数9

若葉マークの恋は日進月歩

ベテラン教師×新米教師のカップリングと夏目イサクさんのイラストに釣られ購入。初読みの作家様だったので最初はあまり期待してなかったのですが、読み終わった今はその文句なしの面白さに「買って良かった~(≧∇≦)」と大満足です!!


お話の概要などは皆さんが素晴らしいレビューをしてくださっているので、ここでは私が萌えたポイントをいくつか…^^


まずは受けの謙吉がとにかく恋に不慣れでなかなか先に進めなかった事がポイント高し。端から見れば両想いなのは明白なのに、スレ違いや疑心暗鬼でこじれまくる焦らし展開が私は大好物です!!でも主人公がこんな感じだと途中で間延びしてダレてきがちなんですが、にも拘わらずこのお話がテンポ良く進んだのは弁論部というマイナーな部活に重点を置いてたからだと思います^^私もこのお話を読むまではそんな部活が存在することすら知りませんでした。だからこそ自分の知らない世界に興味と読書意欲を掻き立てられたと言いますか。スピーチってホントは奥が深いものだったんだな~と思わず見方が変わっちゃいました^^

それから今回私が最大に萌えたのは攻である達川のキャラ性です。達川は謙吉より一回りも年上で、男としても教師としてもキャリアを積んだデキる男。それは最初から全面に推し出してたので何の違和感もなかったのですが、実は謙吉に二度も振られてかなり凹んでたり(これはまぁ分かる気がする・苦笑)学生のスピーチした動物ネタでマジ泣きしたり、ひっそり謙吉との年の差を気にしてたりとおよそ想像してなかった彼の本質が露呈してそのギャップに萌えまくりでした(≧∇≦)
デキ過ぎの男は見方によってはかえってイヤミっぽく思われがちだけど、達川の場合はその意外性がいいクッションとなって益々彼の魅力を引き立たせてたと思います^^あとたまに透けて見える可愛い嫉妬も心くすぐられました(笑
しかしそうは言ってもそこは30を超えた経験豊富(?)なオッサン。エロシーンでの彼の豹変ぶりはまんまスケベオヤジ丸出しで笑えました!!
これから色々「教わる」んであろう謙吉も何かと大変です^^



今回初めていつきさんの作品を読ませて頂きましたが、すごくタイプな作家様だな~という感じでした^^今後は作家買いしそうな予感?というか他の既刊本も是非読んでみたいです(o^∀^o)v

1

ビギナーは大変!

発売が延期に延期されていた作品ですが、
この度めでたく無事に発売されました!
一時は本当に発売されるのかと不安でしたが、良かったです。

恋愛に関しては全くの初心者・謙吉と、
経験豊富な大人の男・達川の恋物語です。

口説かれてホテルに行った男・達川と、
高文連弁論部門の専門委員として再会してしまった謙吉。
土壇場で逃げ出し何も無かったとは言っても、
気まずい再会です。

しかし達川は余裕で、涼しい顔で謙吉に接してきます。
委員会の活動を共にし、教師としてやり手な達川に触れ、
謙吉はわだかまりを残しつつも、男として達川を尊敬し、
更に惹かれて行きます。

達川への恋心を自覚しつつも、身体的なコンプレックスがあり、
なかなかその恋へ飛び込めない謙吉。
恋愛初心者な彼のグルグル悩む姿が健気ですが、
どことなく笑いも誘います(笑)

そして飄々と余裕たっぷりに見えていた達川が、
実はお互いの年の差を気にしていて。
内面では葛藤に焦りまくっていたのが可愛いです!

大事な場面で足が攣ったり、「自主トレ」発言で笑えたり。
ワインを使ったプレイでおおっ!と盛り上がったり、
初心者の天然発言に萌えが暴走したり。
ムードがあるのか無いのかよく判らない二人の濡れ場が、
おかしいやら萌えるやらで、ツボでした。

あと弁論部の活動(合宿セミナーや大会)が
大変興味深くて面白かったです。

2

ともふみ

こんばんは~藤棚さん!
この本にはほんと、発売までにずいぶんヤキモキさせられましたよね~でも無事こうして読めて何より。
教師モノで、弁論という世界をひっぱりだしてくるの発想がスゴイですよね。いつもながら、資料からそのまま抜き出しただけじゃないリアルさに感心します。

>ムードがあるのか無いのかよく判らない二人の濡れ場が、
>おかしいやら萌えるやらで、ツボでした。
分かります!激しく同意します!!(鼻息)
ぷくくっとくる可笑しなエピソードを盛り込んでくれるので、可愛くて異様に萌えるんですよね~。でも、ほんのりエロスもあって。

とりあえずわたしは達川のおかげで、ひとつ知識が増えました。
「おわせ」…流石、国語教師と言うべきなんでしょうか。笑

ありのままの自分

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
私立女子高のベテラン教師・達川×男としても教師としても初心者マーク・謙吉

初心者には先輩が必要!
ということで、片や教師としてもゲイとしてもそろそろベテランの達川と、片や教師としてもゲイとしても駆け出し新米の主人公・謙吉という組み合わせです。
私立高校教師+弁論というちょっとだけ特殊な世界を題材にして、そんな二人の出会いから両思いになるまでの1作目、そして公私にわたるパートナーになるまでの2作目が収録。面白かった~!
あらすじは藤棚さんのファーストレビューが素晴らしいので割愛!

作中達川に「まっさらでまっすぐで、近道も抜け道も知らない」と言われる謙吉ですが、肝心な所ですくんでしまう臆病な面があります。
達川との最初の出合いの時にいざホテルという段階で尻尾を巻いて逃げ出したのも、コンプレックスのある体を見せる度胸がなかったから。
このエピソードを筆頭に、「みっともない自分、ありのままの自分をさらけ出す怖さや恥ずかしさ」とういう身近なテーマがあちこちに形を変えて散らばってます。
そしてそれは「ありのままの相手を受け入れる」ことにも繋がってるんだよ、と作者の声が聞こえてきそうです。

教師としても男としても尊敬する達川に惹かれていくのですが、臆病さがネックでジタバタと足踏みしてしまう謙吉の心理がいちいちリアル。
いい意味で本当に普通っぽい謙吉が、夏目イサクさんの描かれる、ちょっとぽわ~ともさっとしててでも目が真っすぐな感じがぴったりじゃ~

続く「ライバル同士の恋だから」では、1作目では出来る男という印象が強かった達川の意外な焦りや苛つきなんかも見えて、謙吉と一緒に頬が緩みました。にやにや。
欲張るなら達川視点の小話も読んでみたかった…。
これといってすんごいドラマな展開や涙腺を刺激するような切ない要素はない二人ですが、それだけに作者の筆力が重要なはず。
謙吉の初心者マークの恋愛と仕事を同時進行に、いつもの地に足着いた丁寧さと上手さでまったり読ませてくれました!ゴチです!

今回もめいっぱい萌えました~な絡みがあって嬉しい。
密かにいつきさんのエッチシーンのファンです。
いや、作家としてもちろんファンですが、いつも決して読者サービスではないちょっと印象的なエッチシーンを描かれるのです。(読者サービスエロもそれはそれで好きですけど)
ということで今回の初心者健吉くんですが…全力でお断りに笑った笑った!
にしてもあそこって攣るのかな??笑
自主トレとか…いい味だしてます謙吉。必見。

2

藤棚

ともふみさん、こんばんは!
コメントをありがとうございました。

ジタバタの謙吉の心理、リアルですよね。
ありのままの自分をさらけだし、受け入れるのは
なかなか難しく大変なものです。その辺りを丁寧に
作者が書かれていて、読み応えありありでした!
そして弁論の世界も!面白かった~

そしてともふみさん同様「おわせ」という言葉を知り、
ひとつお利口になったわけですが。
この知識はどこで披露すればいいのでしょうか(笑)

真面目なお話

まだまだ新米の域のマジメな私立高校教師・謙吉と他校のベテラン教師・達川とのお話です。

自分でもゲイという認識はありながら、今まで恋愛経験の無かった謙吉は思わぬ出来事で達川と出会い、一目惚れのような状態になります。
相手も高校教師で「同業はわかると言ったが…同類もわかるんだよ」と告げられ、雰囲気に流されてホテルまで行ってしまったものの、土壇場で逃げ帰ってしまい気まずい関係になってしまいます。
その後高文連弁論部門(本当に存在するようですね。)の専門委員として再び顔を合わせる事になり・・・

謙吉は初めての恋に浮かれた自分に戸惑ったり、自信をなくしたり、相手が公私混同しないのでなおさら期待と落胆を繰り返したりと、波にゆれる小船の様です。
読者という第三者の立場で二人の関係を見ていると、端々で達川がどれだけ謙吉のことを大切にしているかがわかるので、いちいち不安になる謙吉にイラっとするときもありましたが、そういえば自分も若い頃、浮かれたり戸惑ったり自信が無くて告白もしなかったくせに落胆はしたなぁと、共感できる部分が沢山ありました。
そして、『僕はどこもかしこも未熟です。遊びの恋などできない不器用な人間です。・・・』と達川にはっきり言えずに悶々とする謙吉の、一歩踏み出すことを引き止めてしまうほどの真面目な部分にもどかしさをおぼえるけれど好感が持てます。

向いている方向は同じなのに上手くいかない二人がやっと上手くいった時、おばさんはホッとしてしまいました。
で、エッチのノウハウまで教えてやるからと言う達川はやっぱりスケベなオジサンだと思います。

2話目は「ライバル同士の恋だから」と言うタイトル。
え?誰と誰がライバル?謙吉の教え子、有能な弁論部員・安仲くんか?それとも嫌味な同僚・青柳か?って思っちゃいましたが、そういう意味ではもともと主人公の二人は弁論大会のライバル校に在籍していたんでした。

実は、1話目は二人の関係が三歩進んで二歩下がるのと弁論部がどんな存在なのかを読み解こうとしている部分があって、読書するリズムに乗りづらかったのですが、2話目のほうは謙吉が達川ラブを前面に押し出してきたのと、そこへ絡んでくる弁論大会関係の出来事が違和感無く進んでくれたので、テンポよく読み進められました。

「他の弁士に勝つことが目的なんじゃない。伝えることだ。より強く、より深く、自分の思いをわかってもらうこと。それは、恋と同じじゃないか。」という謙吉のモノローグに、このお話が初心者と弁論をキーワードにして伝えたかった部分が入っているのかなと思いました。

全体的に非常に真面目なお話であるとも思いました。
誠実さとか、勤勉さとか。

ちなみに、エッチシーンは両方あわせても2回だけですが、なにせ溜め込んでいますから濃厚です。

2

素直に面白かったです

雑誌掲載分と書き下ろし分と2つお話が収録されていたので、とりあえず雑誌掲載分だけ読もうと思っていたのに、ついつい最後まで読んでしまいました。
恋愛部分だけじゃなく、2人を繋ぐ『弁論部』簡単に言うと仕事の部分もガッツリ書いてあって、その塩梅がすごくよかったです。
しかし、受けの名前が『謙吉』って、思いっきり「これあり?」と笑ったら、ちゃんと理由があったことにまた笑えました。

達川って仕事も出来るし、助けてもくれるし、相談にも乗ってくれる。
謙吉はますます惚れちゃうし、ひょっとしてまだ好きでいてくれるのかなぁ? いやいや、図に乗っちゃいかんいかんとか、ひとりグルグル考える考える。
そんな謙吉が、可愛いやら切ないやら。

でも、達川からは謙吉を思い遣る気持ちは充分伝わってきてるんですよ。それに気が付かない謙吉って……。
それもこれも、謙吉に自信がないせいだとは思うんですが。自信がないだけでなく、自分が負い目に思っていることを隠そうとして、余計にドツボにはまってるっていうか。
達川が気の毒というか。

仕事も出来るいい男の達川が、年の差を気にしていたり、速攻自分のものにしたいと思っていたり、余裕をかましてそうに見えて、実はいっぱいいっぱいだったっていうのも萌えポイント高かったなぁ。
謙吉って、無自覚に達川を振り回してたんですね。

弁論部とか初めて読む設定でしたが、へ~へ~ってことが多くて、興味深く読むことが出来たし、ラブやエロも上手く挟んであって、さくさく読み終わっちゃいました。

2

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