電子限定おまけ & イラスト付
幼なじみの御曹司から頼まれたバイトが女装!?
甘くて可愛い作風が大好きで、作家買いしています。
で、今回も大変甘くて可愛らしいお話でした。
いやもう、攻めの愛が深い! 攻めの愛がめちゃくちゃ深いよ!!
なのに、いつも彼の愛情は空回り気味・・・。
恭一郎、可哀想に・・・!!と、終始ニヤニヤが止まりませんでした。
甘々なラブコメがお好きな方、おすすめですよー!!
内容ですが、幼馴染みの初恋もの。超甘くて可愛いラブコメです。
幼馴染みの御曹司・恭一郎から、5才の従兄弟・悠斗の子守りのバイトを頼まれた紫苑。
男性を怖がる悠斗に合わせ、女装姿で恭一郎の祖父の屋敷に向かいます。
ところが屋敷では、恭一郎の恋人として紹介され、驚く羽目に。
実は祖父が気に入る恋人を連れて来た孫に財産を譲ると言う話になっていて、恭一郎から恋人役を頼まれますが-・・・・と言うものです。
金坂先生の作品ですが、とっても甘くて可愛い所がお気に入り。
なのですが、甘くて可愛いだけでは無い所が更に好きなのです。
一人一人のキャラクターがしっかり掘り下げてあり、血の通った人間に仕上がってる所が素敵なのです。
それぞれにドラマがあるからこそ、ストーリーにリアリティと深みが出る!!
そんなワケで、とっても魅力的な主役二人。
まず受けである紫苑ですが、強気で面倒見が良いタイプ。
実家が花卉農園と、お花が大好きな青年です。
屋敷では、孤独な悠斗にあたたかな愛情を注ぎ、庭の花の手入れにいそしみと、とても好印象です。
また、元気いっぱいに見える彼の、心の底にある「傷」。
この設定がとても巧みに生かされてもいて。
対して攻めである恭一郎。
彼は溺愛攻めです。
若干ヘタレ気味と申しますか、不器用と申しますか・・・。
終始、紫苑の視点で語られますが、恭一郎が紫苑を好きで好きで仕方ないのは最初から(読者には)バレバレなんですよ。
恋人役と言う事で、一緒のベッドで眠れば、朝寝不足で目をしょぼつかせてる。
そして紫苑が怪我する事を恐れ、庭には毒や棘の無い花しか育てずと言った具合で。
そう、実はかなり過保護で紫苑をとても大切にしてるのです。
が、かなり鈍くて、そんな恭一郎のいじらしい努力や忍耐に気付いていない紫苑。
自分に付いて回る恭一郎に対して、かなりぞんざいな扱い。
恭一郎、可哀想に・・・!!みたいな。
と、こんな二人の日常ややりとりなんかも楽しくて仕方ないんですね。尻に敷かれ気味の恭一郎が笑えるのです。
また、恭一郎の祖父や従兄弟の紫苑と言ったサブキャラ達もとても魅力的。ちびっ子は可愛いし、お祖父ちゃんはとっても良い味出してます。
ここに財産を狙う従兄弟により、紫苑が危機にと言う展開。
恭一郎がとっても格好いいのですが、雄々しく抵抗する紫苑も格好いいよと。
ところで、個人的に一番萌えた部分になりますが、恭一郎の度量の大きさ。
先に、恭一郎はぞんざいな扱いと書きました。
屋敷では常に紫苑(と悠斗)に付いて回り、彼から邪険な扱いをされたりする。それにスゴスゴと従いと、若干情けなく見える恭一郎。
が、そんな扱いを受けつつも紫苑にくっついている理由は-、と彼の行動には深い理由があったりして。
いやもう、紫苑を守る為に、黙ってやってるトコが格好いいよ!!
彼はかなり器の大きい攻めだと思うんですよね。
全然、そうは見えないトコが気の毒なのですが。
恭一郎、可哀想に・・・!!
と、とても甘くて可愛い。また、しっかり読ませてくれる部分もある素敵なお話でした。
紫苑の無自覚な恋心が、恋愛に発展するまで-。
この丁寧な心理描写も、またとても良かったです。
今回は大企業の御曹司である大学生と
花卉農園の農業技術専門学校生のお話です。
攻様の財産争いに絡めて
攻様が受様を伴侶とするまで。
受様は花の苗や生花を栽培する
花卉農園の息子で「花屋の王子様」であり
年の離れた妹を可愛がるお兄ちゃんです。
二年制の専門学校に通う受様にとって
今の夏は最後の長期休暇でしたが
農園のお得意様である家の息子で
受様の幼馴染でもある攻様に
祖父宅に預けられた5才の男の子の子守の
アルバイトを依頼されてしまいます。
攻様の家は祖父の代に大成した大企業で
攻様はお坊ちゃまらしく高圧的で我儘で
出入りの花屋の息子である受様は
初めて出会って以来12年間、
いろいろと振り回されて育ちます。
今回のバイトは衣食住全て負担でもあり
受様は何とかなるかと引受けたのですが
当日迎えに来た攻様に件の男の子は
男性が苦手だから常に女性として振舞えと
ワンピースを渡されて唖然とします。
男の子には込み入った事情があり
迂闊な人物は雇えないという
攻様の言い分は無茶苦茶でしたが
受様は時給アップで渋々引き受けます。
受様は犬が苦手な攻様の牽制と
男の子の関心を引くために
農園の営業部長である愛犬とともに
攻様の祖父宅に向かうのですが
辿り着いたお屋敷では
使用人達に並んで出迎えられた上
攻様の恋人として扱われて
びっくり仰天してしまいます。
なんと攻様の祖父は
未婚の男孫3人を恋人同伴で呼び寄せ
祖父のお眼鏡にかなった娘と結婚した孫に
財産を譲ると言い出したのだそうで
恋人のいない攻様は
結婚する気のない女性を連れてきて
その気になられても困るからと
受様を連れてきたというのです。
その為、
受様が相続争いに関わる必要はなく
男の子の相手だけで良く
気になったら庭いじりも可ということで
そのまま滞在することになりますが
受様はバレずにバイトを完遂できるのか!?
攻様の祖父の相続争いの勝者は!?
攻様の祖父の遺産相続を絡めた
幼馴染同士の恋物語になりますが
相続争いを巡る騒動連続で
主役に絡まる登場人物が多いのですが
それぞれの立ち位置や心情描写が
しっかりされているので
とても読みやすいかったです。
平和で幸せに見える家族の中で
受様が抱えている悩み、
攻様が受様のバイトの理由とした
男の子の出生の秘密、
祖父の要請でやって来た孫と
その恋人それぞれの思惑等々に
攻様が長く患ってきた受様ラブが
見え隠れしつつ物語が進みます。
攻様は出会った当初から
受様への好意をアピールしていますが
いじめっ子気質な上に独走的過ぎて
鈍い受様には通じません(笑)
攻様の祖父の提案の手前上、
人前では恋人として振舞う状況で
攻様の本気と受様のフリのすれ違いぷりは
かなり美味しかったです (^-^)
攻様の真意が見えてきて
受様が徐々に攻め様への恋を自覚して
2人が結婚式を挙げる終幕まで
とても楽しく読めました♪
街子先生のイラストも
雰囲気ばっちりで良かったです。
今回は受様が女装させられるお話で
秀香穂里さん『じゃじゃ馬花嫁』を
ご紹介作とします。
こちらの攻様は正しく俺様です(笑)
タイトルで想像していた内容とは違ったました。
もっと溺愛ものだと思っていたのですが、ただただ受けが溺愛される話ではなかったです。小さい時からずっと受けが好きな攻めが、一族のごたごたに受けを巻き込みつつ、これを機に告白しようと画策する話でした。
<あらすじ>
受け視点、最後少しだけ攻め視点。
水沢紫苑(受け)は幼馴染の矢嶋恭一郎(攻め)からの依頼で、夏休みの間恭一郎の従弟・悠斗の住み込みシッターを引き受けます。
悠斗が男性が苦手だからと女装させられ、悠斗のいる恭一郎の祖父・健勇の屋敷に行くと、何故か恭一郎の恋人だと認識されてびっくり。
健勇に自分の相続人候補の孫3人に恋人をつれてくるように厳命されたということで、現在恋人のいない恭一郎が女性に頼むと面倒だからということで紫苑を恋人に仕立てたというのです。相続人になりたいわけではない恭一郎から、悠斗の面倒をみていればいいからといわれ、しぶしぶ協力することにします。
主目的の悠斗の子守りは、悠斗は出生が複雑なためなかなか難しかったのですが、紫苑は自分の境遇に少し似ていることから悠斗に同情し、悠斗に寄り添い心を開くことに成功するのです。
紫苑は花の栽培販売を主とする花卉農園の息子です。
両親と妹の4人家族ですが、実母は幼い頃に他界しており、家族仲は悪くないのですが、疎外感を感じており、本音で家族と向き合えていません。
そのため、常に巨大な猫を被っていおり、出会ったときから軽い嫌がらせをしてきていた(と紫苑は思っている)恭一郎にだけは好かれる必要がないため素の自分を晒すことができています。
自分を取り繕う必要のない恭一郎と一緒にいる時が一番心穏やかにいられるときだということに、誰にも頼る人がおらず心を閉ざした悠斗と一緒にいることで気が付くのです。
恭一郎は小学生で初めて会ったときから紫苑にぞっこんです。
かれこれ12年のつきあいで、紫苑は恭一郎に下僕扱いされていると思っていますが、実情は逆で、紫苑が怪我をしないように気を遣い、自分好みのかわいい服を着せ、花好きな紫苑の行動に付き合い、恋人ができないように紫苑の妹を情報源に密かに邪魔をするという行動のすべてが紫苑に捧げているという感じです。
悠斗は恭一郎の従弟で、隠し子であるため大人の都合に振り回され人間不信気味になっています。
健勇との仲を取り持ちたいと思いながらもなかなかうまくいかなかったのですが、ある日のアクシデントをきっかけに事態は好転していきます。
悠斗の件に続いて、望んで蚊帳の外になっていた相続人選びのほうが動き出します。他の二人従兄の恋人たちの自立や自滅により話は思わぬ方向へ動くのです。
電子特典おまけ「御曹司は溺愛するのが仕事です」攻め視点
夏休みが終わって以降、二人は時間が取れると悠斗に会いに健勇の屋敷に出かけていきます。今日はテントウムシを採りに河原へやってきます。
仲良くテントウムシを探す二人を見ながら、自分がもっと強くなって二人を守れるようにならなければと決意する恭一郎の話でした。
二人のことは邪魔する人はいないし、二人の関係はそこそこスムーズに進むので、切ない展開などは一切なく進むのですが、その割には二人がくっつくまでが長かったように思います。
二人と健勇の3人でこれからのことを決めたところで終わったので、これからどうなるのかということが気になりました。
跡継ぎ問題のエピソードをもう少し削って、2人のその後を書いて欲しかった。
健勇の鶴の一声で矢嶋一族は大丈夫ということですが、できればちゃんとお披露目もして大丈夫というところまで読みたかったし、家族に対して遠慮しているところのある紫苑がちゃんと家族と向き合う所も読みたかったです。
また、悠斗のことも気になりました。健勇が今は後ろ盾とはいえ、高齢の健勇にもしものことがあった場合、恭一郎が面倒を見るつもりのようですが、親権はどうなっているのか気になります。母親が再び現れて悠斗振り回さないかとか、その辺りも安心したかったです。
ここで終わってしまうのがちょっと残念でした。
タイトルどおり溺愛攻めなんだけど、その長年の溺愛っぷりが受けにはちっとも伝わっていない……というところがすごく良かったです。
二人は幼馴染同士なんです。
だけど紫苑(受け)にとって恭一郎(攻め)って、腐れ縁の幼馴染にすぎない。
そもそも初めて会った日の印象が最悪で。
恭一郎に髪を引っ張られたり、水たまりに突き飛ばされたりしたもんだから、それ以来、高慢でワガママな坊っちゃま認定してるんですね。
だけど家業の大お得意様のおぼっちゃまということもあり、無下にもできず、ずるずると関係が続いている……と思っているのは紫苑だけ。
恭一郎からすると、初対面時の最悪な行動にもちゃんと理由がある!
だけど、そりゃ伝わらないわ……みたいな。
とにかく不器用すぎて空回りぎみな恭一郎の愛情。
読んでて紫苑への愛情はダダ漏れなのに、紫苑はちっとも気づいていない。
それどころか、惚れっぽくて飽きやすいとヤリチン認定されてる始末……。
おまけに紫苑に「恭一郎、ステイ!」と言われて、すごすご引き下がる‥‥‥。
御曹司の攻め様なのに形無し!
ふふふ、お主、不憫よのう……と萌えました。
あと幼馴染モノの醍醐味がしっかり描かれていたところも、すごく良かった。
初めての本気の喧嘩も、初めての子供だけでのお泊りしたのもおまえとだったみたいな、成長を共にした幼馴染ならではの思い出の共有、そしてこれからは恋人に……っていいなーって思うので。
「男性恐怖症の甥っ子のために女装」だの「遺産相続レースのため恋人同士のふりをする」だの、そこらへんはツッコミどころも正直無くはないんだけど、ぶっとんだ金持ちならなんでもあり!な世界って感じで、さらっと読めます。
幼馴染同士の物語です。甘さと可愛さのバランスに長けている作家さんなので今回も楽しめました。
恭一郎にバイトとして頼まれたのは5歳の従弟の悠斗の面倒を見て欲しいというのですが、男性が苦手なので女装をしてという事でした。しかも祖父の屋敷へ着いたら恭一郎の恋人として紹介され遺産相続争いに巻き込まれ…という感じです。
紫苑ですが、花卉農園の息子なのでお花が好きで接客もしているので愛想もバッチリです。しかし、恭一郎の前では接客スキルである王子のような愛想も崩れています。お互い言いたい放題です。妹がいる事もあり、愛犬のプチ(大型犬)もあって悠斗とも打ち解けて一緒にいる事が多いです。
恭一郎ですが、紫苑の事が昔から好きなのに本人には全く伝わっていないちょっと不憫な子です。紫苑視点で進んでいますが、読者にはバレバレです。紫苑が見たいという花を取り寄せたり、怪我しないように棘の無いバラを育てたりと結構努力していて朱美さんという女性にもバレているのに、紫苑には気づいてもらえないです。
傲慢のような部分もありますが、ヘタレっぽい面も多く応援したくなるタイプです。ちょっと暴走してしまった面もありますが、愛が強かった故にという事でしょう。
ちみっこの悠斗ですがとても可愛いです。事情があり最初こそ無口であったり我儘を言う面もありますが子どもらしいなと感じるし、紫苑に懐いているのがとにかく可愛いです。
プチも一緒で可愛さ倍増です。
遺産相続候補は、恭一郎含めて達也・大輔と3人いて恋人の朱美と樹莉亜も一緒です。使用人もいるので登場人物は多いです。ちょこちょこ遺産争いらしい女性の言い合いなどもあります。
紫苑が巻き込まれてという事件も起きますが恭一郎達が助けに来てくれるので安心して読めます。悠斗の攻撃も地味にキツイ…それは痛い…
きちんと、ざまぁという仕打ちもありスッキリします。
大輔に関しては女性を見る目が無かったのかな…という印象が薄いままでした。
紫苑の家族についてはその設定必要だったのかなという印象もあります。悠斗との仲を縮めるのに必要だったかと言われればそうでもなく、じゃあ恭一郎との関係を深めるのにという訳でも無かったかなと思います。もちろん、王子のような愛想がそこからきていてもおかしくはないのですが、紛い物として生活をしていると思えるので、その部分が解決していないなと思い紫苑の部分ではスッキリしない面があったかなと思います。妹とはきちんと仲良しのようで一安心ではあるのですが、義母との関係がどうしても気になります。
甘いだけではなく事件もあり、紫苑がどんどん恭一郎への想いを自覚していくのは読んでいて面白かったです。