可愛すぎる嫁の正体はオコジョさん!?

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表題作可愛いのも嫁のおつとめ

菅原敬吾,23歳,川で翡翠を助けた元料理人
翡翠,200歳,人間になって現れた「川守」

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小さな集落・浅瀬村。祖母の遺品を整理しに来ていた元料理人の菅原敬吾は、近くの川で不思議な男の子と出会う。「恩返しをするため嫁にしてほしい」と全裸で飛びついてきたその子は見た事もない可愛さだったが、名前はない、お風呂も電気も知らない、そもそも人間じゃないなどと言い出したため、見た目と違った闇を感じた敬吾は不憫に思いその子ーー綺麗な緑の目をしていたので“翡翠"と名づけ、しばらく匿ってあげることに。何も出来ないけど素直な翡翠の面倒をみるうち、職を失って傷ついた敬吾の心は癒され、もともと可愛い翡翠がもっと可愛く感じ始めてーー?

作品情報

作品名
可愛いのも嫁のおつとめ
著者
金坂理衣子 
イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344841512
4.2

(34)

(15)

萌々

(12)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
142
評価数
34
平均
4.2 / 5
神率
44.1%

レビュー投稿数7

金坂先生といえば…

『可愛い受×もふもふ×甘々』が代名詞と言っても
過言ではない程ほんわか話を多く書かれる作家さんで。
そんな好きな要素ばかりなので、いつも迷わず購入。
今回のは金坂先生のお話の中でも1番好きかも…!
なくらい、読後感はふわふわとした幸せでした笑。

攻めさんと受けさんが出会った時からの、
話が噛み合ってないながらも成り立っている会話が面白くて楽しくて…
川守として生きてきた翡翠が敬吾に出会うことで、
人間としての常識や知識を身に付けていく様や
川守のままだと経験出来ない恋をしていく姿、
健気で天然がかってる感じなのに川守の仕事をする時のかっこよさ
など、何にでも一生懸命な翡翠がキラキラ輝いて見えて
それはもう魅力的な受けさんでした。

そんな翡翠の名付けや親でもあり、恩返しの相手でもある
攻めさんの敬吾がもうね…
最初こそ今どきの冷めた日本人っぽい感じだったのが
翡翠と出会い交流していくことで
本来の優しくて包容力たっぷりで世話焼きな自分を取り戻していくかの様な
成長?展開?が、最初からそうである攻めよりも人間っぽくて親近感も湧き、
だからこそ好きになってしまうキャラでした。
翡翠が川守としての仕事の為に力を使い果たし、離れ離れになってしまう後半は
お互いがお互いを大事に必要に思ってる感が凄く伝わってきて、
この先の展開が気になるのに、ハッピーエンドだよね?と怖々読み進めてました…笑。


ファンタジーなお話なんですが、キャラや自然災害などの設定は現実的で
話にも入りやすく、且つ笑いもあり涙もそそる要素もあったりで
疲れた時の癒しの1冊になるかと思います(*´ω`*)

強いて言うなら、翡翠が呼ぶ『敬吾殿』が自分の中の意外な萌えポイントだったらしく
その呼び方がなくなる最後は、密かに残念でした…笑。

5

ピュアっピュアな受けがとにかくかわいい!

龍神様に仕える川守の翡翠(オコジョのような姿)が無邪気でほんとかわいくて、読んでて癒されました。

人間の姿で恩返しをする=お嫁に行くことだと思ってる翡翠。
立派な嫁になるべくあれこれ奮闘するんだけど、翡翠は「嫁」どころか、人間界についてまるっきり無知なんですね。

初めて見る電気や温かい食事にお風呂など、すべてが驚きの連続。
そんな翡翠の様子に、どんだけ未開の地で育ったのか、どんだけ不遇な生い立ちだったのか……とひそかに心痛める敬吾(攻め)というところが笑えます。

ほんと翡翠はピュアっピュアで。
狸兄弟などから聞きかじった半端な知識で、くっついて寝て旦那様を温めるのが「夜のお勤め」だと思ってる翡翠。
ここの「正しい夜のお勤め」に関するやりとりが本当に微笑ましくてかわいい。
すぐエロ展開にならないところも、いい。

両視点でお話が展開するので、攻めの気持ちの変化がわかるところもすごく好き。
(攻め視点愛好家なので)

とりわけ超絶いいなと思ったのが、川辺ではしゃぐ翡翠を見ながら

「無邪気に微笑む翡翠の存在が、世界のすべてを輝かせている気がする。翡翠のいる景色があんまり美しくて、愛おしくて、目が熱く鼻の奥がつんと痛くなる」

というところ。

尊い……!!!
受けがいないと世界が死んだも同然感に気づく攻め、最高……!!!

そしてただの無邪気な志願嫁の奮闘記で終わらないところも良かった。

もっとたわいないお話かと思ったんですよ。
なのに、翡翠が川守として責任を果たした結果の切なさときたら……。
ちょっとウルっとしちゃいました。

こういうかわいいくてほっこり暖かい読後感が好きなので神です。

2

これだけ可愛いかったら何でも許す(*´∇`*)

金坂先生の書かれる、甘くて可愛いモフモフものが大好きだったりします。今回もまさに王道と言った、とにかく可愛い花嫁もの。しかもこれが甘いだけでは無く、優しい気持ちにさせてくれたり、ホロリとさせてくれたりと、しっかり緩急がつけてあって読ませてくれるのです!
のんびり気負わず読める作品だと思うので、ほのぼの系がお好きな方、ぜひチェックしてみて下さい。


内容です。
龍神の住む朝瀬川を守り続けて来た「川守」。三代前の川守が受けた恩を返す為、たまたま朝瀬川を訪れた「菅原」の一族である敬吾の嫁になろうと奮闘しー・・・というお話です。

こちら、両視点で進みます。
この「川守」である翡翠ですが、神通力を持つオコジョのような生き物。もともと人と関わる事無く生きて来たため、純真無垢で天然、世間知らずなんですね。
また、川守としての常識で行動するため、次々とぶっ飛んだ事を言ったり、やっちゃったりするのです。更に、微妙にズレて片寄った人間に対する知識で、「恩返しとは嫁になる事」だの、「人間のご褒美はチュー」だの、大真面目で実行しようとする。このあたりが大変笑わせてくれます。

そしてこちら、敬吾視点でもとても面白くて、いきなり全裸の男の子に抱きつかれ「嫁になります」ときたもんだ・・・。最初は保護するために仕方なく連れ帰るのですが、共に過ごすうち、翡翠の純粋で裏表の無いきれいな心に次第に惹かれ・・・と言った所。
あと、もともと「川守」な為、羞恥心なんかが欠如している翡翠。裸を平気で見せたり、無防備にくっついてきたりしてまして、敬吾がそれにドギマギしながら理性を総動員してるのが萌えました。

その後なのですが、正体がバレたらその人間のもとを離れなければならないと言う事で、結構切ない展開あり、思わずホロリとさせられる感動的なシーンありと、なかなか読ませてくれます。
ただただ可愛いだけでは無く、川守としてそこに住む生き物や人間の里を守ろうと、懸命に頑張る翡翠に胸が熱くなりました。

とにかくタイトル通り、めちゃくちゃ可愛い作品だと思います。とても楽しく読めました。

3

とにかく受けがかわいい


電子書籍を読了。挿絵はなし。
表題作+「焼きもちも嫁のおつとめ?」(電子特典)

都会から遠く離れた田舎の山。朝瀬川の竜神様に仕える川守(受け)は3代前の川守が受けた恩を返すため、菅原家の子孫がやってきてまじないを唱えるのを心待ちにしていました。
そこへ現れたのは亡くなった祖母の家のある朝瀬村にやってきた料理人になる夢に挫折した・菅原敬吾(攻め)。
昔、祖母から聞かされたまじないを朝瀬川で唱えた直後、「お仕えします。嫁になります」と川守が川の中から飛びついてきます。敬吾は素っ裸で震える川守を放っておけず家へ連れて帰ります。名前を付けてほしいと懇願され、川守の瞳の色が昔祖母からもらった翡翠の指輪と同じ色なのを思い出し、つぶやいた「翡翠」という名を川守が気に入って川守は「翡翠」になります。

昔話によくある異類婚姻譚です。
両視点で話は進むので、齢を重ねてはいても人間としては赤ん坊並みに何も知らない翡翠と23歳の普通の人間としての敬吾の思考の両方がわかってとても面白かったです。
この話はとにかく翡翠の可愛らしさ・素直さ・純粋さが印象に残りました。
川守としてはオコジョのような身体を持っていて、竜神様に掛けていただいた術によって人間に変身できますが、敬吾に本性を見破られたらそこで術は解けてしまい二度と人間にはなれません。
ただ、200年以上竜神様にお仕えしているので、山のこと薬草のこと天気のことには精通しているのに、人間とは接触してこなかったため、人間の常識を何一つ知らないというアンバランスさが翡翠の可愛らしさに拍車がか
かっているように思いました。
服を着ることすら知らない翡翠を、川守だと何度説明されても理解できない敬吾はただ虐待されてきた憐れな子供だと解釈し保護する名目で連れて帰るのです。
何も知らない翡翠は風呂をみては狸汁にされるんじゃないかと怯え、シャワーを見ては蔓から暖かい水が出ると驚き、ドライヤーの音を聞いては威嚇しているのかと思い、箸もフォークもスプーンも知らず、すべてのことに驚く姿が可愛くて、一生懸命役に立とうとする姿が可愛くて本当に癒されます。

翡翠は、3代前の川守が菅原某に助けられた恩を返すため菅原氏に仕えようと思っていただけなのですが、狸の兄弟の太郎丸・次郎丸から動物が仕えるということは嫁に行くということだと変な知識を与えられ、嫁に行こうと決意するのです。

敬吾ははじめからかわいい翡翠にやられていましたが、一生懸命の翡翠と一緒にいるうちに、ずっと一緒にいたいと思うようになるのです。
川守としての仕事もしつつ敬吾の嫁として頑張っていた翡翠に試練が訪れます。
大型台風により朝瀬川が氾濫の危機になり、翡翠は川守として川と村を守るため力を使い果たし、二人は離れ離れになってしまうのです。


登場人物は皆いい人ばかりでした。
竜神様は少し短気なところはあって素直ではないけど基本優しい人ですし、翡翠が長年山のために頑張ってきただけあって、山の動物たちは狸の兄弟の太郎丸・次郎丸はじめ皆、翡翠が大好きです。
図書館で出会った民俗学の元大学教授の深山をはじめ、敬吾が簡易の料理教室を開いたことにより仲良くなった村人たちもみんないい人ばかりで対人関係にストレスは一切ありませんでした。

朝瀬川のピンチの後は切ない展開で、読んでいてとても悲しかったでのですが、敬吾も頑張りました。彼の頑張りが人間を警戒していた動物たちも敬吾と翡翠の応援に回ってくれたんだと思います。
そして、深山は民俗学者なだけあって、翡翠がいなくなっておかしくなったと思われても仕方ない敬吾の話を聞き、一緒に翡翠を探したり、よく似た話はないかと調べてくれたりと心の支えになってくれたことは二人にとって僥倖だったと思いました。


SS「焼きもちも嫁のおつとめ?」

村の古民家カフェの店長になった敬吾は、村の特産品の山菜などを使った料理を考えているます。山菜は翡翠が採ってきてくれるのですが、最近は、太郎丸と次郎丸が人間に変化して持ってきてくれます。
驚いた拍子に狸に戻ってしまった太郎丸をもふもふする敬吾を見て「敬吾が抱っこしていいのは私だけ!」と焼きもちをやく翡翠でしたが、次郎丸に抱き着かれもふもふするうちに気分がよくなって、「もふもふは正義」と納得します。が、二匹が帰った後、敬吾に太郎丸の匂いがついてることに気が付いて再び「敬吾に匂いをつけていいのは私だけ!」と焼きもちを焼く翡翠が可愛くて仕方ない敬吾
なのでした。
普段優しい姿しか見ていない翡翠の怒った姿に狸はさぞかしびっくりしたことでしょう。
でも、冬毛の残る狸のもふもふの気持ちよさがこちらまで伝わってきて、うらやましいことこの上なかったです。


敬吾が最初から最後まで常に「可愛い」を連発しており、何度思ったかわからないくらいです。読んでいる私はその倍はかわいいと連発しており、とにかく翡翠がかわいい話でした。
竜神様のいう通り、短い人生を精一杯二人で楽しく生きてほしいと思いました。

3

うぶうぶ

「泣き虫うさぎ」が大好きだった金坂先生。今回はどんなだろうと楽しみに手にとりました。受けはもちろん可愛い、今回は攻めも可愛い♡「泣き虫うさぎ」がお好きだった方は、当作もお好きになるのではと思います。本編のみ250P弱+先生のあとがき です。萌2と悩んだんですが、これだ!というひと押しがちょっとなかったかも で萌にしました。

舞台は現代日本の、ど田舎。一人暮らしだった祖母が亡くなり、その遺品整理のために滞在していた敬吾が、スクーターの鍵を探しに先ほどまで訪れていた朝瀬川に再び来たところ、川から飛び出してきたのがすっぽんぽん+緑色の瞳の華奢な青年。青年はにこにこ、「これ探していたんですよね」と鍵を差し出し・・と二人は出会います。

攻め受け以外の登場人物は、龍神様、狸の兄弟、元大学教授夫妻、ご近所の方々等です。田舎の人間付き合いは濃い。

カラー口絵がめっちゃ良いんです。二人できゃっきゃ花火をしている図なんですけど、この話全体が夏っぽいので、初夏に読みたかったなあ・・・・モノクロ挿絵は10枚。どれもこれも攻め受けともめちゃ可愛いです。(オコジョさんもいます、中の花嫁衣裳はわたぼうし!いいなー憧れる~)

***************** 以下はもっと内容に触れる感想


受けはともかく、攻めがうぶうぶに感じられて、萌増量しました(笑)挿絵も基本的にてれってれな表情になっててめちゃ可愛いっ うぶうぶに興味ある方ではないと思うのですが、なんかこっちまで照れちゃう、うぶ度でした。
スレてるところは一切なし。うっぶうぶ大好き!な方には嬉しいんじゃないかなあ。可愛らしい二人の、ほのぼのハッピーお話でした。初夏に読みたいと上には書いたものの、こんな寒い冬に読むのも、やっぱいいかも と思い直しました。にまにまほわほわで終われますもんね。


2

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