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夜の観覧車のなか、親友からの突然の告白。
…という、そのまま流されるか?気持ちが揺れるか?というBLにありがちなシチュエーションから始まるけれど。
暁行は清々しいほどに『ノンケ』で、
遥から想いを告げられても良くも悪くも意識は何も変わらず。
でも決して遥の気持ちを軽々しく扱わないところに誠実さが見えていたのかな、と。
ただデリカシーの無い発言にはかなりモヤっとしてしまい、どこか線を引いているような暁行が許せないかも。と思った部分もありました。
でもその場の雰囲気に流されたり簡単に気持ちを変化させたりせず、あくまでも自分を貫くところこそ暁行の良いところなのだと気付かせてくれるストーリーになっていて、
彼への印象も変わるし遥が好きになったのも理解できるような展開だったなと思いました。
そして。あえて多くを望まないようにしている、控えめな遥の健気な想いに触れたとき。
暁行の感情が一気に爆発したのがすごく良かったです…!
どうやったってこえられないと思っていた壁を乗り越えたあとの暁行は潔くて強くて、
ブレない想いで遥を見ているのが伝わってくるのがすごく嬉しかった。
そしてこれまでひとりで何もかもを抱えてきた遥が幸せになってくれて本当に良かったなと思いました。
遥のいじらしさに泣いたー。
とはいえ、遥自身の心はとても強くて、人の心の機微もわかり、愛想はなくても人を傷つけることなく真っ直ぐに生きている子だなと感じた。
暁行は素直、初めて知った遥の想いに戸惑いながらも真摯に友達付き合いを続けて。
決して、簡単な恋愛ではないし、諦めから始まったような恋が、少しづつ暁行の心に染まっていく。
いや、気付いたのかも。
潜在的に暁行も恋をしていたのかな?気付いていなかっただけで。
遥の梯子は強かった、末長く幸せで。
終始独特な雰囲気に包まれた作品で、とても惹き込まれました。
p.64の"時々、自分があの透明な〜"という台詞が胸にグサッと刺さりました。
他にも付箋を貼りたくなるような表現が沢山。
(これはどうでもいいんですが)表紙の手前のキャラの指が青く染まっていて、あらすじに"爪の先をいつも青く染めている遥"とあったので、てっきり手前の子が遥だと思って「ビジュアルが一般的な組み合わせと逆で珍しいな」と思いながら読んでいたんですが、違いました...笑
〜以下、私情〜
暁行のデリカシーの無さとフラフラしてる感じが何とも...
遥が健気受けすぎるくらい健気受けで、暁行のことでいくら傷ついても一途に想い続けていたからこそ、暁行の気持ちがそれに見合っていない気がして不安になりました。
本当に同情じゃないのかな?と。
ただ、最後の描き下ろしは二人ともラブラブで惚気ていたのでその調子で愛し合っていてほしいです!☺︎
内容がわからないまま作家買い。
最初読んだ時は攻を好きではありませんでした。
受と彼女の間で揺れすぎって思ってましたが、ノンケが男を好きになって付き合うなんて選択をすぐにできるわけないですよね。
もともと親友だし、異性愛者が同性に告白されたからって恋愛対象として見られるかと言われたら、絶対にできないし。
でも、自分の気持ちに気付いて、受の所にすぐに行った攻はとてもかっこ良かったです。
書き下ろしは本編とは真逆で甘々なのも良かった。
一穂さんの小説は言い回しが綺麗で読みやすいし、好き。
暁行は、夜の観覧車で遥から好きと言われた。
三年間友だちとして一緒にいた同性からの告白。気持ち悪さはないが、同性からの告白を受け入れることはできない。自分には彼女もいるし。。。でも遥との友人関係は心地よい。
その悩みをblogで綴るようになる。
暁行があまりにノンケすぎて、この話は悲しい終わり方をするのでは?!と思うくらいでした。
受け入れてもらえると思っていないから、今まで通りでいいと言う遥。それってかなり辛いよ。
表情や言葉で表さない分、遥は色々と諦めがちな性格。でも変に意志は固く、そんな遥には藍色という色がにぴったりでした。
全く受け入れられないと思っていたはずの暁行が、遥の身に何かあったのでは?!と、どしゃぶりの中走って訪ねたり、夏の1カ月近くを、遥の実家の手伝いに行くなど、少しずつ心惹かれていったのかなぁ。
何度か、このままくっつくの?と思う場面があるのですが、そんなにアッサリいかない所が、三年間も友人をしていた間柄を物語っていると言うか、そうそうすぐには、受け入れられないものだよなぁと、現実味帯びていて良かったです。
特に作中出てくる暁行の彼女。早々別れるかと思いきや、かなり後半まで付き合っていました。何度、別れちゃいなよ~と思ったか(笑)
遥サイドから見るお話もあり、最後はラブラブになった後のイチャイチャ話。
この先、二人はずっと遠距離なのかなぁ。二人で家業を継いじゃえばいいのに。とか読者としては、甘々な事ばかり考えてしまう、そんな終わり方もいいなぁと思いました。