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表題作幸福の王子さま

朝岡風哉(18)
杜宮一夢(高校2年生)

あらすじ

高校2年の杜宮一夢は、自然やおとぎ話を愛する純真な少年。叔母夫婦の経営する喫茶店に花を飾ってくれる優しい人に、いつか会ってみたいと願っていた。ようやく果たされた出会い。その人はひとつ年上の、印象的な目の少年。何かが始まりそうなイイ予感。けれど彼、朝丘風哉の瞳に映っていたものは…。

作品情報

作品名
幸福の王子さま
著者
池戸裕子 
イラスト
四位広猫 
媒体
小説
出版社
ワニブックス
レーベル
Kirara novels
発売日
ISBN
9784847032899
3

(1)

(0)

萌々

(0)

(1)

中立

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趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

優し過ぎる二人

心の優しい二人が出会うべくして出会ったみたいな感じで、受け攻め共可愛いです。
目が見えない攻めという設定が珍しいです。
四位広猫さんのふわんとした甘めな絵が、話の内容とも凄くマッチしていたと思います。

事情があって目が見えない朝岡風哉(18)トラウマ真面目攻め×杜宮一夢(高2)天然純粋朗らか受け
夢見る母親と童話作家の父親に育てられたので、一夢の関心は自然や植物で、夢見がちで優しい少年。
叔母夫婦の経営する喫茶店に綺麗な花を飾って持ってくれる人のことが、一夢は気になっていた。
目が見えないのには驚いたけれど、イメージ通りに素敵な人で優しい風哉と友達になって。

夢見がちな穏やかな家庭で育ったので、現代の高校生っぽくない高校生です。
クラスの皆が飽きたハムスターの世話をしたり、植物が好きだったりする性格のいい良い子な受けです。
タイトルの幸福の王子さまのように、攻めの風哉は自己犠牲に満ちたタイプです。
母親が亡くなってから心を閉ざし、悲しいものを見たくないと思ったら、心理的な問題で目が見えなくなります。
初めて好きになった人でさえも、弟が好きだと気づいたら自分も好きなのに弟に譲ったりと、自分の幸せを考えないのです。
そんな優しい二人が出会ったら、穏やかに惹かれていくのも当然です。

悲しいものをみたくないから何も瞳に映したくないと思った風哉が、男同士の禁忌を感じながらも、一夢に触れながら泣きながらキスをするシーンが切なくて好きです。
優しいが故に、風哉にはまた女の子を好きになって幸せになれるからと諦めようとして、つきあっている女の子が一夢にはいるからと、好きだからとどちらも互いの為に諦めようとします。
幸せと言うのは、普通の女の子の側にあると思っていて、好きなのに二人で幸せになるって選択肢がないのです。
男だけど、相手を好きになってしまってという葛藤があるのが、いまや珍しい。
この葛藤があるからこそ、好き同士なのに自分が一緒では相手の幸せがないと思っている所に、切なさを誘われました。

優しい二人が幸せになれてよかった!と、純粋に思える話です。こういうピュアな話がもっと増えて欲しいですね。

エロ:★1 切ないキス、朝チュン未遂
総合:★5 心が洗われるような純粋な話で、ピュアカップルに惚れました。

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