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俺のものにしたい。ていうかもう俺のだろ?
五年つきあって結婚の約束をしていた彼女から、日下は不審なメールを受け取る。別の男性に宛てたとおぼしきメールの内容は、浮気を示唆するものだった。
送信先アドレスを誤ったと思われる、別の男性宛のメールが何通か届き、日下はすっかり塞ぎ込んでしまう。
そんなある日、彼女の浮気相手から、直接会って話したいと連絡が入る。
緊張しながらも待ち合わせ場所に行き対面して分かったことは、彼女の浮気は確定である上に、二人の元に宛先違いのメールが届いており、もう一人別の男性の存在が見え隠れする、ということだった。
二人は意気投合し、同時に別れ話を切り出すと彼女を刺激するため、協力しあうことにする。……というようなお話。
珍しいタイプのお話だと思いました。あらすじ長くなってすみません。
この、婚約者である日下と、彼女の浮気相手1号である阿東が、最終的に結ばれるのです。
ノンケとノンケ、と思ってましたが、中盤で阿東がバイセクシャルと自白したので、バイ×ノンケです。
この彼女がすごいクセモノです。こんな女の子いるんだろうか。いやー。
日下にはわがまま放題(多分こっちが地なのだろうな)、阿東の前ではぶりっこ、だったのが、浮気相手2号と頽廃的な享楽に沈むようになってからギャル化?が進み、私は正直、薬物やってるのかとまで思いました。少なくとも精神を病んでいそうです。もうわがままという範疇には収まらない。ただのモンスターです。
物語の最初は、この彼女と浮気相手2号の得体が知れないために、事件の様相を呈していました。阿東の店が被害に遭ったり、弁護士やら警察やらに相談したり。
でも途中から、彼女と2号があまりに幼稚で愚かで文字通りモンスターで、日下と阿東と同じく読んでいるこちらもかなりゲンナリしてしまいまして。
このメイン二人の友情→恋愛も面白くはあったのですが、彼女がとにかく強烈すぎて、どうなんでしょうこの本は。BL本というよりも美久(彼女の名前)の本です。二人のことは忘れても、美久のことは忘れないと思います。
表紙と挿絵は今市子先生です。美麗で上品な画風が、今回ばかりは美久のせいで徒になった感じです。内容とのアンバランスがすごいです。
あと、信号機シリーズの伊勢さんと思われる弁護士がちらり登場しました。フルネームありませんでしたがおそらくそうだと思います。
BLとしては弱いけど、個人的にはストーリーがとても面白かったです。
主人公が5年付き合い結婚する気でいた彼女からの誤爆メールで浮気に気づき、その相手からメールが来て直接会って話をする事になり……。
と、そこから始まるこの話ですが、そうすんなりと解決せず、ただの浮気が事件に発展します。
途中弁護士が名前だけ登場しますが、信号機シリーズの伊勢さんで、そういうちょこちょこした世界観の繋がりも作品をたくさん読んでいる側としては楽しかったです。
「花がふってくる」という作品と世界観が繋がっている事はあとがきで気付いたのでまだそちらは未読です。
脇役も魅力的で、モンスターな彼女は怖かったですが世界観に没頭して一気に読み切りました。
BLとしての萌えや崎谷さんにしてはエロは少なめ。だけどストーリーが良いので、あらすじを読んで苦手じゃないと思いエロ少なめでも良い人は一読の価値あり!
花が降ってくるという作品のスピンオフという感じの作品。
本当はそちらを先に読むのが、一番いいのでしょうが、そちらを読まずにこちらを読む、という横着をかましてしまいました。
でも、十分に楽しめました。
物語は、付き合っている彼女から他の男との浮気を思わせるようなメールが届くようになった日下という真面目な青年が主人公。
彼は初めての彼女だったこともあり、あおの状況に思い悩んで食事も取れなくなるけれど、そんな時に、彼女の相手だと思われる男から連絡が来る。
彼は意を決して会いに行くけれど……
という話でした。
相変わらずの崎谷先生らしい優しいタッチの物語で、かなり彼女が変わってしまったところはホラーではあるんですが、無理やりな描写は一切なく、穏やかに楽しめる作品でした。
しんどい時に読むとぐっと染み入る作品。
でもやっぱり、彼女の突然の変貌と、三股までかけた理解不能さは同じ女子として、そこまでやらなくてもいいのに……というところはあるような気がしますが、それはそれ、これはこれ、だと思うことにして見なかったことにしておきます。
要は二人が幸せになってくれるお話が好きな人にはオススメします。
両極端な女性ふたりの印象が強くてBLとしてのカラーは弱い。
…けど物語としては面白かったです。
皆様方のレビューを読んで受け身がとれていたのかも(笑)
モンカノ(モンスター彼女)と化した美久の荒ぶりが強烈!
それこそ上を下への混乱へと巻き込んで、それが主人公たちの仲を後押ししたのは皮肉ですが。
受けの日下があり合わせで、ちゃちゃ、とご飯を作って、弱っている攻め:阿東に食べさせる場面があります。
ビストロのオーナーである阿東は和食が無性に食べたくなる。
華やかなイタリアンは公で十分。
普段、プライベートで口にするものは和食が好み。
これって阿東の持つパートナー観なのでは?
だからこそ、勤め先で縁の下の力持ちで頑張る日下の人柄に惹かれたんだよなぁ…と思うのは勘ぐりすぎ?
しかし誤爆メールの時点で本人にツッコまないのね…2人とも。
まぁ私もしばらく様子は見るか(笑)
今市子さんのしっとりした表紙が内容と真逆。
そして挿し絵が…申し訳ないけど少しレトロかなぁと思います。
この作品、後書きによると、受けがノンケなのが珍しくて、自分的チャレンジだったそう。
へえ、そうだったっけ?
崎谷先生、作品数多いから、気がつかなかったなぁ。
この作品、美久という女をはさんで、二股三股されちゃった男同士がうっかりくっついちゃうお話なので、美久と付き合っている(っていた)時点では、日下も阿東も二人ともゲイじゃない。
それが、美久へ対抗するうちにお互いに惹かれ合うようになっていく。
美久の所行がエスカレートするにつれ、二人の仲も盛り上がるけど、真面目でウブな日下には阿東の求愛はキャパシティオーバー。
でも、拒絶する気持ちがないって事は、日下も阿東を好きになっていて。
それにしても、美久みたいに、ここまで酷い女が出て来るのは珍しい。
お話の中の美久のモンスターぶりに比べて、挿絵の美久が普通にかわいすぎるのはちょっと興ざめだったけどね。