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表題作新進脚本家は失踪中

遠山裕一郎,28歳,バツイチの青年実業家
麻木望,26歳,脚本家志望の売れない役者

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

美形だけれど売れない役者の麻木望(あさぎのぞみ)の目標は、脚本家になること。ある日、構想を練っての散歩中、車とまさかの接触事故!! 怪我をした望の見舞いに訪れたのは、やり手の青年社長・遠山裕一郎(とおやまゆういちろう)。「完治まで自宅で面倒を見たい」と提案し、多忙の合間に食事から入浴までいたれりつくせり。その上、「このまま一緒に暮らそう」と突然の告白!? 居心地はいいけれど、脚本家の夢は諦めきれず!?
(出版社より)

作品情報

作品名
新進脚本家は失踪中
著者
水無月さらら 
イラスト
一ノ瀬ゆま 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199005978
2

(2)

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萌々

(0)

(0)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
2
評価数
2
平均
2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

さらら~

実はこの本、最初読むのにすごく苦労して、何か主人公達に共感をおぼえなくて放ってあったんですよね。
でも、寝かせて再度読んでみたらすんなり入ってきました。
作者さん1年半ぶりの作品です。

劇団員の望は、花が欲しくて道を徘徊していた時、車に当てられてしまう。
相手は電話中で忙しく英語でやりとりをしていて、互いの住所と電話番号を交換してその場は別れる。
しかし自宅に望が帰ると、実はひどい怪我で寝込んでしまうことになっていた。
その晩、車を当てた男・遠山が訪ねてきて、望の状態に医者に連れて行ってくれて、その身体では生活が大変だからと自分の家へ連れて行く。
手が不自由な望にかいがいしく歯磨きやシャワーや、食事や、逐一世話をやく面倒見の良い遠山。
その中で、二人は互いを意識していきます。

まず、運転中に電話って!!ほら、今は禁止よ!!罰金なんだからっ。
あと、望が周囲に自分が別の場所にいることを全く連絡しなかったとことから周囲に迷惑をかけていたってこと。
でも、それには色々な事情があって、、などと、望の抱える悩みやトラウマなんかに繋がっているのですが。
所属する減団の代表である女性・栗山を望は好きという設定なんですが、どうもそれは母への愛の代替えみたいな感じでした。
ところどころで、母からうけた言葉がわだかまりのトラウマとなっているような場面が挿入されるので、よほど寂しくて母との確執とか軋轢なんかがあるのかと思いきや・・・・
後半望の電話に出た母親はしゃきしゃきした、さっぱりした普通の母親でした!!何か拍子抜け?
女性を好きなのに、何故か男性に好かれて付き合うのは男性ばかりだったという過去にかなりのトラウマを抱えているのかと思えば、当の相手達はサバサバしたもので、、、これも拍子抜け?
何か、望が被害妄想に近いというか、自分自身の進む道に対して悩みを持っているのを、いかにもトラウマが・・・みたいな表現をもってきている部分が、自分をイラ付かせた原因だったのだ!ということが、読みなおしによって判明したのです。

一方の遠山ですが、何かさらっとして爽やかで、汗とか匂いとか存在感がパウダーみたいな(?)雰囲気を感じさせる人。
最初に望に出会った時、女性と勘違いしたという、ちょっとうっかりものの面もみせながら、面倒見はいいし、非の打ちどころのない人じゃん?って感じで、どっか人間臭さがほしかったのですよね。
バツイチなんですが、面倒見たがりの自分に対して、国際弁護士でかつやくする元妻は構って欲しくない人だったという、、、その組み合わせに、何で結婚したんじゃー!?な疑問。
3歳の子供がいて、すごくいい親子関係なんですよね。
とどのつまり、この遠山は男女こだわらない人だった、の一言。

結論として、望がこの経験を通して本当に自分がやりたかった脚本家としての道を歩むきっかけをくれて、書くことができた、という個人の成長の話に恋愛がプラスという感じだったのかな?という印象。
本当に作者さんの名前じゃないですが、さらら~と流れてしまって、それでも寝かせたことで、評価が一つあがったから良しとしましょうか。

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