BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
胸の痛くなる作品でした。
ここまで悲惨ではないけど、主人公に昔の自分とかぶる部分があってさ。
当時軽く病んだ身としては、この受けの「ここまでできる強さ」が羨ましく、同時に美しすぎるおとぎ話のようにも思えました。けしてリアリティが欠落してるというわけじゃないんだけど、あともう一歩踏み込んで「善良な主人公が、追いつめられて汚さを露呈する姿」を読みたかったなとも思えました。てかそれを期待してしまったんだよね。根っこの善良な私もそうなったから(笑)
中盤で攻めにフラれる場面があるんだけど、そこにあったのが失恋の痛みだけというのが非常に残念。その感情の中に「楽にお金を得る手段がなくなったことを惜しむ気持ち」が混ざっててくれてたらなと。そして自己嫌悪してくれてたら最高だったのになと。
ただ凪良ゆうさんの実力を考えると、「そこまでは描かないこと」を選択したんだろうなァと思います。BLだし。でも個人的には描いて欲しかったです。
対する攻めは最初は王子様のようです。
でもその姿は虚像で、メッキがどんどん剥がれ落ちていく。なのに、最後はなぜか最初より愛おしい男になってました。
残念なのは、二人の一ヶ月限定同居がやたら駆け足だったこと。ここ、できたらじっくり読みたかったな~。とはいえ、ここをじっくり描いたら一冊ではおさまらなくなるわけで。二冊でも三冊でもどーんとこい、凪良ゆうさんなら何冊になろうとついていくぞとか思いました。
いろいろ書いてますが、私はこの作品が好きです。
主人公のつく嘘の数々が悲しくてさ。家族に嘘をつき、好きな人に嘘をつき。その嘘は相手のためだったりするんだけど、それ以上に極めて利己的な理由があるんだよね。どんな状態でも、守りたいプライドがある。攻めの前でノーテンキな大学生を演じ、それによって癒されてた気持ち、すごくよく分かりました。
凪良ゆうさんはそこを最後まで攻めに気づかせなかったけど、カップリングとなる二人がなにもかもを晒し理解しあう話より、こういう話のほうが好きなんですよね。
最後に次男GJ!
この次男でスピンオフとか無理でしょうか。
人間として男として、主役のふたりより好きです。
叶わないって言うより、
生きている限りは、どうしたって絶対、
死んでしまった人には敵わないって話だよね。
弱くて狡い大人を好きになっちゃった、長男くんのお話。
両親をいっぺんになくして、弟3人抱えて、生活するのも大変。
その上辛い恋まで背負い込んで、それでもがんばり過ぎちゃう長男気質。
そんな彼が、更に、愛の力で、壊れかけの大人まで治しちゃうんだ。
なんて、健気なんだ。
子供が頑張る話って、かなわないよなぁ。
ただいま凪良先生の小説を読み返しをしていて、こちらは叶わない恋という題名に惹かれて購入しました。
凪良先生の小説をはじめて読んだのはこちらの小説だったと思います。はじめて読んだとき、感動して泣いたのを覚えています。
凪良先生の作品の特徴は、ストーリーが凝ってて、いつも感動して泣けるストーリーが多いという印象です。私は凪良先生のその作風が大好きで、ちょっと泣きたいなぁ…と思ったとき、必ず凪良先生の小説を読んでます。そして毎回泣いてます…(笑)
どの作品も大好きですが、はじめて読んだ小説ということで、思い出深いです。
さて、内容ですがあらすじはみなさん書いてますので、割愛。
印象に残ったことは攻め様がちょっと酷い…
最初に読んだときそう思いましたが、改めて読み直してもやっぱりそう思います。
しかし、そんな酷い攻め様にフラれ(?)ようともめげずに攻め様のために調教(?)する姿はかっこよかったです。(あれは調教…ですよね?)最初は自分の家なのにお茶っ葉がある場所さえわからなかったのに、今では料理や掃除までするのですから!
攻め様を思い、頑張る健気な受け様…素敵でした。
終始、攻め様や家族のために頑張る受け様に心を打たれ、攻め様にはいい加減にしろよーと文句を言いたくなりましたが、攻め様の事情も事情ですので、仕方ないんですかね?
やっぱり、死んだ人には敵わないのかなぁと。
しかし、最後は無事ハッピーエンドに終わってよかったです!受け様の努力が実りましたね〜!
両親が事故で亡くなり、大学生の長男は3人の育ちざかりの弟たちを養わねばならず。
そんな頑張っている兄弟達の姿に思わずウルっときてしまった作品でした。
厳密には、お兄ちゃんが俺達のために頑張って稼いでくれているんだから、俺達は俺達でやれることをガンバろうと、分担している弟達に・・・ですが(汗、)
それに絡む、何不自由ない生活をしてきて愛というものに鈍感で、優しさに欠けていた男性が、苦労している長男と出逢うことで、新たな目を開かれるという、このお兄ちゃんが弟達だけでなく、自分より一回りも年上の男性を、まるで自分の子供のように躾け直すお話の側面もありました。
主人公の恋愛面より、弟達の姿のほうが読後の印象が残っちゃいましたねww
兄弟だけになってしまった時に、離れたくないと泣いて訴える末っ子達の為に、親戚の手を借りずに自分達だけで生きていくことにした長男の志貴。
呑気で気楽な大学生活から一変、中退して慣れない会社で営業の外回りでクタクタになり、尚夜のバイトをして、体力もですが精神的にもかなりキツイと思うので、バイト先で出会った神谷が知り合いにそっくりだから、外で逢って欲しいと言われて、つい息抜きのつもりで同意してしまう気持ちはとても納得できます。
一緒に食事をするだけのエチもない健全な付き合いで、不本意ながら、神谷からお金を受け取るけれど、それでバイトをしなくてもすむのは、志貴にとってはよかったのですね。
でも、週に一度のデートとはいえ、きっとそうでない日はきちんと家の事をやっているんだろうけど、そういう描写がないので思わず志貴が家事を弟達に任せてしまっているのでは?と勘違いしそうになってしまうので要注意です!
でも、実際、次男の高校生は本当によくやってくれていると思うのですよね。
そして、志貴を諭したり、金の心配をしたり、本当にいい弟なんですよ。
思わず主人公の志貴より、この次男の多貴贔屓になってしまっていましたから(汗、、)
そんな生活を背負いながら、段々と神谷が好きになり、それにのめり込みそうになるんだけど、やはり弟達の面倒もと、その葛藤が魅せますね。
神谷には、自分の家族の事は一切告げてなくて気楽な大学生の振りをしてましたから。
初めて結ばれた時、自分を優先したために弟達に迷惑をかけてしまい、自責の念にかられ、そして後日見た神谷の真実。
ここで弟が一枚絡んでたんですよね!ここがひとやまです。
その後が、神谷のトラウマをといてやるリハビリ編というところでしょうか?
神谷は何物にも執着していなかったはずなのに、過去付き合った暁という男性が自分と連絡を絶って一人で死んでいたことにショックを受け、抜け殻のような人だったのですね。
そこで暁にそっくりな志貴に出逢った事で、志貴に執着してしまう。
暁にたいしての気持ちが何だったか自分でもよくわかってなくて、罪の意識にさいなまれ、自分で彼を忘れてはいけないと枷をはめてしまった、実に、実に不器用極まりない人。
殻に閉じこもってしまった神谷に窓を開けさせる仕事を志貴は自ら望んで行うのです。
そう見ると、志貴は本当に面倒見のよいお兄ちゃんだったな~と思うのです。
志貴によって、人間らしく生まれ変わる神谷の姿に、これは見守る愛なのかな?とも思いました。
冒頭にも描きましたが、弟達、特に次男は最優秀助演男優賞ものですv
幸せになってほしいな~と思うのですが・・・
…ううっ、泣けます。でもこの辺、民生委員とか親戚とかもっといろいろ言ってくるだろうよって、どこか冷めて考えてしまう。いけません。BLBL。
えー、そこへ現れた王子様神谷。ボンボンでセレブで大人の男。そして影がある。ん~むパーフェクト。怪しい(笑)
でもって、クラブの客として店に来た神谷は志貴を見初め、援助と引き換えに神谷の亡くなった恋人の身代わりとして神谷の傍にいてほしいという話を持ちかけたのでした。
最初からどうも神谷に胡散臭さを感じてしまって、恋人が死んだというのは嘘だったりして?なんて疑っておりましたが、神谷の嘘はそこじゃなかったんですなあ。
なにしろびっくりするほど、王子様はダメダメ男だったという。
志貴の嘘がいつバレるかとか、無理し過ぎな生活やなんかで、いずれ破綻が来るんだよそんなの、ってそんなことばかり気になってしまい、深いところまで読み込めない自分に気づきました。
なんだか切なさにどっぷり浸かれなかったなあ…
そして、最後の最後にすべてのお話が、まさかの神谷の夢オチか!と心底驚きそうになるんですけど、違いました。これ敢えてこうしたのかなあ。
ほかの作家さんだったらありそうですが、この作品はそういうの絶対しちゃいけないという雰囲気なので、ハッピーエンドにものすごく安堵しましたよ。いや~冷や冷やした~。
水名瀬雅良さんのイラストはイメージぴったんこでした。