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表題作叶わない、恋をしている

神谷直人,恋人を失くしたエリート商社マン,32歳
片岡志貴,両親を亡くし弟3人を養う,21歳

その他の収録作品

  • shine
  • chill
  • あとがき

あらすじ

事故で両親が他界し、片岡志貴は大学を辞め、昼は会社勤め、夜はバイトをして三人の弟を育てている。頑張らなければと思う反面、徐々に身も心も疲弊していく。
そんな折、志貴はバイト先で知り合った神谷にある提案をもちかけられる。
それは、援助と引き換えに、神谷の亡くなった恋人・暁の身代わりとして神谷の傍にいることだった。
恋をしてはいけない、寝てもいけない、それが暗黙のルール。わかっていたはずなのに、神谷に惹かれていく自分を抑えることができず、志貴は神谷と越えてはいけない一線を越えてしまい…。
書き下ろしを加え、文庫化!

作品情報

作品名
叶わない、恋をしている
著者
凪良ゆう 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHY文庫
発売日
ISBN
9784813041382
3.3

(59)

(17)

萌々

(14)

(8)

中立

(11)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
9
得点
176
評価数
59
平均
3.3 / 5
神率
28.8%

レビュー投稿数9

「露と答へて消えなましものを」

何度か再刊された人気作。
でも、現実社会では有り得ない設定。

神谷:離婚処理中の妻子持ち。商社営業課勤務。暁の死を知り、鬱。
暁 :脳腫瘍で亡くなった神谷の恋人。志貴と似ている。
志貴:両親の死亡後、3人の弟を扶養。神谷から「暁の代理」を請け負う。

大学中退の19才が、いくら頑張っても3人の弟を養いきれる訳がない。
志貴が神谷の支援を受けることに導く設定だとしても、どうして弟3人にしたのか、謎。 

神谷には、忘れられない死んだ恋人が居る。
やり手の商社営業管理職の神谷は、「理解出来ない事は斬り捨て」で処理してきた。
神谷は「妻子と暁、双方大事にしたらよい」と割り切って、暁と交際。
海へ向かう途中、暁は具合を崩す。実は、暁は悪性脳腫瘍で余命僅か。
神谷に暁はそれを告げない。(告げられない暁の気持ち・・コレが神谷を苛める。)
「また行けば良い」と暁を説得して、家に送る。
「さよなら 神谷さん」と告げる暁。不愉快な神谷は振り返らず去る。
その後、暁は神谷を電話もメールも着信拒否。
神谷は、暁の行動が理解できず怒り、存在を脳内から消す。
暁の死を知ったのは、死の半年後、暁の友人から。
自責の念から神谷は自我崩壊。不眠になり妻子も失う。

志貴の弟の一件で、別れを告げる神谷に、志貴は一か月の同居を申し出る。 
一か月の間、志貴が要求したのは、家の埃の掃除とゴミ捨て。
最後は、神谷の暁への想いの整理。
志貴は両親と死別した体験を元に、神谷と向き合う。「暁の事は、忘れないで欲しい。」
神谷は、暁の思い出を大事にしながら志貴と生き直すことを決意。

その後のSSはコメディ。松坂牛5キロ。

★著者が書きたかったのは、神谷の心の整理と、志貴の対応?。 
過去の自分の振舞いのタラレバを引きずる神谷みたいな人は、昔からいる。
古典の「伊勢物語; 芥川」でも「露と答へて消えなましものを」と、
亡くした姫を想って泣いている。

0

攻めになんだかなぁ…と。

四社合同フェスタ「不憫受け特集」でリストアップされていたので、以前から気になっていたこちらをついに読んでみることに。

「叶わない、恋をしている」というこれ以上ないほど切なげなタイトル。
そしてあらすじの「交通事故で他界した両親に代わり、三人の弟を育てている」という健気そうな受けが、援助と引き換えに、攻めの亡くなった恋人の身代わりになるというやつ。

これは涙なくしては読めないだろうなぁと覚悟して読み始めたんだけど、一回も泣かなかった……。

あれれ?

私が期待する不憫受け作品って、懐が深い攻めに出会って健気な受けが救われるというやつなんだけど、この作品は懐が深いのは受けのほうであって、割とというかかなりクズで傲慢な攻めが救済されていたわ……。

で、その攻めに対して、別にこんな男、救わなくてもいいのでは?みたいに感じてしまったもんだから気持ちの持っていきようがなかったです。

亡くなった恋人をどれだけ深く愛していたのかと思いきや、まさかの不倫。
しかも自分が妻子持ちだと知ったうえでつきあい始めたのだから、納得してると思ってたと言ってのけるし、好きの程度も「好ましいと思ってた」程度だし……。
(その愛し方を、ガラスの花瓶に生けられた切り花に例える表現がとても好き。)

この作品の中で一番不憫なのは、亡くなった恋人だと思いました。
そして幼い攻めの娘も不憫で、後半、受けの兄弟達を可愛がる様子にモヤモヤするというか、あんたは本当は我が子とこうやって接するべきだったのに、他人の子で何やってるの?と言いたくなる。

辛口ですみません。

攻めに関しては「しゅみじゃない」けれど、受けの兄弟達が頑張る様子が良かったので、萌です。
そして攻めを救うために、受けが押しかけ女房をするのかと思いきや、あの方法を取るというのが、私には思いもつかなくて、そこは素直に感嘆してしまいました。

4

中途半端な印象です。

当たりばかりの凪良作品を読んできましたが、これは普通かなあ。
ちょっと無理がある展開(大学生が小さい弟全員引き取ったり)だったり、色々無茶だなあと思うところがあったりしましたが、漫画なら結構こういう感じの話はある気がします。
小説がよくて漫画が悪い、もしくはその逆という事は決してないのですが、同じページ数ならば小説の情報量の方が媒体的に多いのは当たり前なので、何となく小説の方が物語の重みを期待してしまう気がします。私の場合ですけれど。
そういう意味では、薄いかなあ。同じ話でも、掘り下げが少ないのでそう感じるのかも。中途半端な印象です。

でも、この話は古いんですよね。
最近のものばかり読んでいたので、まあ、こういうのもあるかなあという感じでしょうか。
嫌いではないですが、大好き!でもないので普通に「萌」で。

3

松坂牛、五キロ?!

曇天の空のようなお話し。
その重く重なった雲の隙間から、淡い光が差し込むような少しほっとする結末。

志貴が神谷を甘やかさずに支えるやり方が新鮮。

とにかく志貴の兄弟達に救われる一冊。

志貴の頑張りと、神谷の後悔が切ない。

スパダリかと思ったら、神谷はとんだヘタレだった!

箇条書きのレビューになってしまいましたが、
どう落ちるのかと、一気に最後まで読んでしまいました。
凪良さんにしては薄い気はしましたが、改訂版と知って納得。

個人的には、三男由貴が気になるので、由貴の話が読んでみたいですv

1

泣けそうで泣けない

こちらの小説(新装版)、
タイトルと「攻めがヘタレ」という前情報だけは
以前から頭に入っておりましたが
確かに攻めがダメな大人でしたw

しかし低評価の理由はそこではなく、作品として
訴えたいテーマが見えにくいと感じたためです。
設定にリアリティを感じないせいか、
「叶わない、恋をしている」受けが健気というより
恋に懸想するぼんやりさんに見えてしまうせいか、
切ない片想いモノとしても
清貧ホームドラマとしても
ガツンと響くものがないのが残念。

※ちなみに新装版書き下ろしは巻末の「chill」のみで
「shine」は旧版にも収録されています
(旧版の作品ページ参照)。


主人公の志貴(受け)は
両親を事故で亡くし、弟3人を養う長男。
大学をやめ、知人の会社で営業マンとして働く傍ら
夜もバイト三昧…という苦労人なのですが、
個人的には「良い子」というより「独り善がり」
に思えてしまいました;

世話を申し出てくれる親戚がいるのに
「兄弟で暮らしたいから」
という理由で自分一人で頑張るのは
あまり利口とは言えないし、
せめて大学を卒業して就職した上で
弟たちを引き取った方が
弟たちにも苦労をかけなくて済むような……。

家族愛を演出するためのエピソードなのでしょうが
設定が非現実的に思え、どうも乗れませんでした;


そんな志貴に目をつけたのが
エリート商社マンの神谷(攻め)。
亡くなった恋人に似ている志貴と(肉体関係なしで)たびたび会い、その度に金を渡してきます。
神谷は、亡くなった恋人とは不倫関係にあり
恋人が病死するまでは彼のことも遊び程度にしか
考えていなかったドライな人物。

恋人も妻子も失い、死んだように生きている神谷が
志貴によって変わっていく展開は
良かったと思いますが
弟たちを残して神谷の家に押しかける
志貴の行動は無責任に感じますし、
神谷を思うあまり風呂場で号泣&溺れかけ
弟に助け出されるというエピソードも
切なさを演出するにはやりすぎな気がしました。
おかげで志貴のキャラクターが男前とも恋愛脳とも
つかない中途半端なものになっているような。

志貴の貧乏設定をやめて片想いドラマ中心にするか
神谷をまともなキャラにして
志貴の貧乏エピソードだけで泣かせるか、
一つに絞った方が良かったのではないかと思います。

15

あやちゅけ

Krovopizzaさま

レビューを読ませて頂いて、確かにそうだなーと私も思いました。
貧乏設定はいまひとつだし、片思い設定もいまひとつですよね。
「ガツンと響くものがないのが残念」ってそのとおりだと思います。
私も思いました。
もっと心にドカーンと響くものが欲しかったです><
凪良さん作品は期待しているだけに、今回は残念でしたー。

●追伸
この物語と全然関係ないのですが、前コメントのリコメントが
あんなところにあるなんて、びっくりしました!
一言も作品名を言ってなかったのに、私が評価した作品を
当ててしまうなんて! Krovopizzaさまは超能力者ですか?(笑)

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