あの名作が、ついに復刊! 白泉社様ありがとうございます!

座布団

座布団
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神28
  • 萌×23
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
152
評価数
31
平均
4.9 / 5
神率
90.3%
著者
剛しいら 

作家さんの新作発表
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イラスト
山田ユギ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸単行本
発売日
価格
¥1,100(税抜)  
ISBN
9784592862758

あらすじ

師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。その胸の内に、一枚の座布団の上で常に話芸の極みを目指し別世界を繰り広げ続けた誇り高い落語家への想いが去来する…。噺家は一生涯の全てを自分の芸の肥やしにするものだと、学ばせてくれたのも師匠だった。たとえそれが情愛でも、別れでも…。
(出版社より)

表題作座布団

寒也
山九亭感謝・森野要

その他の収録作品

  • 座布団
  • どどいつ
  • 品川心中
  • 蚊帳
  • 相方

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レビュー投稿数5

すごい…としか言い様のない

ず~っとず~っと読みたくて仕方なくて、どうやっても手に入らなかった本です。
白泉社さんありがとうっ!ホントにホントにっ!!!

お話は、山九亭感謝の師匠、山九亭初助の訃報を知らせる電話から始まります。
だから、すべてが回想。
これが凄い。
もちろん普通に読んでも間違いなく神級の作品なんですが、物語がすべて過去のお話で、それを経て今の語り部たちがある、今の語り部たちはこんな経験を経て今過去を語れている、というのがもう、なんとも言えない深みを作品に与えていたように思います。

初助がもう過去の人で、作品に描かれている彼の人となりはすべて、あくまで第三者の目に映る「初助」でしかないのです。
それが…なんというか…、凄いというか……。
やっぱ言葉にならない……。

同姓同士の性描写があるしBLとして発行されたものだから、やっぱりBLなんでしょう。
だけども、「これはBLではない、文学だ」と感じました。
性描写も、エロでもエッチでもなく、物語や人となりを作り上げるための不可欠なエピソードでした。
榎田さんの「夏の塩」を読んだときにも思ったな。
こう感じさせてくれる作品にはなかなか出会えません。
そして、出会えたときは本当に幸せで、「神様ありがとう!」って気分になります。
今回は神様に加え、「白泉社さんありがとう!」です。

ストーリーを説明するには「初助と弟子たちの生き様」以外の言葉が無く、この雰囲気も読後感も、この作品に入って頂かないと伝わらないと思います。
「読んでください」ってよりも、「作品世界に入ってみてください」という感じです。

5

満を持して

長らく絶版だった、あの名作がついに復刊!!

絶版になって久しい作品なのに、ドラマCDだけがでて、原作本を読みたくて歯がみしていました。
その「座布団」を、続編「花扇」と同時に、同人誌の作品も含めて復刊して頂き、白泉社さんにはなんと御礼を言ってよいのやら。
実に、実に、ありがたい。

そんな期待値MAXで読んだこの本。
期待を裏切らない、
それ以上の本でした。

内容は、BLの萌や趣味嗜好を超越した、「芸に生きた男」の話です。
なので、BL読みさんじゃない、広く一般の方にも読んで頂きたい。
男同士の性愛描写は当然ありますが、むしろ、初助や要の人生に「男女間の恋愛や結婚」なんてものが存在しない分、「落語という芸の道に生きる」初助や要の生き様が、よりストイックで鮮明なものとして迫ってきます。

この本、ぜひ3冊買って頂いて、1冊は自分で読む用、2冊目は永久保存用、そして3冊目は布教用に!!

その位、オススメ!

3

じんわりと大きな感動

いろんな所で名作と聞いていて期待しすぎてはいけないと思いつつも、
期待以上の作品で本当に素晴らしかったです。

あらすじと表紙から受ける印象ではシリアスなお話しなのかなと思いましたが、全然そんなことありませんでした。
落語家である主人公とその恋人を通して、師匠の一生が語られています。
師匠の死から始まるお話は基本的に思い出話で切なさがありましたが、彼らの生き様には切なさが内包された温かさがありました。

また、実際の落語とストーリーが巧みに絡められている所もこの作品の面白さの一つだと思います。
登場人物達の心地良い軽さと笑いが、ほぼ古典芸能化している落語のとっつきにくさも打ち消していると思います。
切なさと小気味よさが温かく大きな感動を呼びました。

ただ、師匠との回想を挟むことで時系列が前後するし、40代の主人公が江戸弁なので時代感覚がよく分からなくなりました。
個人的には年代を具体的な数値で知りたかったです。

「落語を通して人生を描く感動作」という謳い文句からBLというより文学作品に近いのかななんて思ったのですが、BL要素もめちゃくちゃ萌えました。
ビッ〇属性で魔性の初助(師匠)と、執着攻めだけどほのぼのとしたカップル寒也×要(主人公)との対比が良い意味で鮮やかでした。
それは、初助の弟子達に対する愛情がしっかり感じられたからだと思います。
初助は深い闇をもった複雑な人物であるのにひねくれた空気が全くありません。
初助と要の師弟愛が深く、お互いを尊重してる間柄がまた温かい気持ちになりました。

切なさや悲しさで引っ張らずに温かい空気で紡がれるお話はそれだけで読む価値があったと思います。

3

BLより初助の伝記

『座布団』剛しいら先生 読了

もっと早くこの作品に出会いたかった。少なくとも先生ご健在の時に読んで感想のお手紙を送りたかったです。こんなに素敵な作品をつくりあげた作者様がつい半年前に亡くなられたなんて、実感が湧かない。ご冥福をお祈りします。

強いて言うなら唯一の不足なところはBLであるところでしょうかね。直接的な濡れ場シーンもなかったし、少なくともジャンルがBLじゃなかったら、もっと色んな人に読んでもらえたのではないかと。

剛しいら先生が描いた初さんの聡明さ、淡々とする姿の上品さ、そして何より一挙一動一言一句の色っぽさ、本当にたまりません。要の目線を通して、男を食べ尽くし、それを落語の技の糧とする、色んな意味で化け物のような男がつくりあげられている。

人生の結末まで伝説のように、これ以上彼に合う人生の終わり方はないでしょうと思いました。もちろんこの作品では要の目線を通しての叙述であるという制限もあり、初さんの人生は本当に氷山の一角くらいしか覗けられていないでしょう。彼はどんな少年時代を送り、どんな人と出会い、どんな恋をして、そしてどんな失恋を経験したのかと色々連想してしまいます。謎だらけで、でもそれこそ魅力的で、罪の男でした。

人間は痛みによって成長する。そう剛しいら先生が考えられるでしょう。特に香山の最後の登場では随分と余裕の持てる男となったという展開がうますぎました。モブキャラさえもよく凝った書き方されるなっと感心しました。

あ、モブキャラって言ってすみません。でもどうしてもこの作品の主人公は初さんだけとしか考えられなくて…。やはり初さんの存在感というか、圧倒的な輝きオーラが凄すぎます。

ただし、1つだけ個人的にどうしても気になる所があります。キャラクターたちの顔が頭に浮かばない。初さんは最初からもう勝手に某漫画作品の師匠とイメージしてしまいましたが、そちらの作品はBLとは別で好きですので、その師匠にBL的な想像はしたくなくて、自分の中で初さんの顔を想像してみました。しかし作中に顔についての描写が一切なく、良い人の顔(?)、細い体格としか分かりませんでした。

初さんだけではなく、要も可愛い顔してる24歳男と、寒也は男前としか書かれていない。挿し絵が有り無しの話ではなく、ただ顔の雰囲気だけでもいいので…小説を読む時イメージがつかないと読みにくいタチなので、そこだけは個人的に少し残念なところでした。

でも全体的に見て神評価とさせていただきます。次の『花扇』は購入済みです。読むのが楽しみです。

1

芸人の生き様を描く

JUNEに掲載されていた作品の復刊かつ新装版。

江戸落語の師匠、山九亭初助と脱サラして入門した弟子、金目(かなめ・後の山九亭感謝)の師弟関係を軸に繰り広げられる人間ドラマといってもよい物語。続編に『花扇』がありますが、セットで味わいたいところです。『座布団』は弟子の金目を中心に描かれており、『花扇』は師、初助の半生を中心に描かれた物語。全体を通して時系列が入り組んだ構成となっています。本作はあたかも『花扇』で初助師匠を描きたかったための序章のようにも感じましたが、芸人として生きることについて、初助と金目の距離をおきつつもどこか熱さを覗かせる師弟関係を通してリアルに語られています。

正直、怖々読み始めたのですが、いつしかそんな感覚は吹っ飛び、生き生きとした人物描写に惹きこまれていきました。初助の言葉は胸に沁みますし、人間関係を通して色々と学んでいく金目の心情の変化も、グイッと読ませてくれます。実際に文章を辿り、物語の世界をぜひ体験していただきたい。この謎めいた初助師匠とお茶目な金目のキャラクターにハマれたらしめたものです。『花扇』を読まずにはいられません!

あとがきも素敵でした。再版に至るまでの経緯や作品の時代背景に関する解説などが心をこめて綴られており、先生のお人柄が伝わってきます。欲を申せば、カバーイラストだけでなく挿絵も入れていただきたかったです。山田ユギ先生の絵と人物の雰囲気がぴったりだなぁと感じました。

BLはコミックスばかりで、いつか小説を読みたいと思っていたところだったのですが、JUNEテイストが素地となっているであろうわたしにとって、この作品をお薦めいただけたのはとても幸運でした。

3

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