ボタンを押すと即立ち読みできます!
うーん、文章の書き方も設定もキャラも話の進み方も嫌いじゃないし、むしろ好きなはずなのに、途中から伊織の気持ちについて行けなくなってしまい、萌え切れませんでした。
よくある(悪い意味ではなく王道という意味で)攻めからの告白を信じられずに逃げる受け、という構図の今作。
自分なりに、あぁなるほど、この告白で伊織は藤堂の気持ちを受け入れるんだな、と思ったシーンがあったのですが、そこでも伊織は逃げ出してしまうんですね。そこから伊織へ感情移入できなくなってしまいました。
その後の嘘の結婚式で2人がやっと心通わせるんですが、うーん、伊織の気持ちがよくわからない…。
ツンツンして去勢をはってるキャラは好きなんですが、なぜか今作ではそこまで私にヒットせず…。
個人的には色々と惜しい作品でした。
こちら、甘さより男のプライドとかかっこ良さとか、硬質な感じを受けるお話でした。
受け様の伊織には、学生時代からの自他ともに認める好敵手がいる。
それが攻め様である藤堂。
今ではイベント企画会社のやり手の社長となり、伊織は藤堂を完璧にサポートする秘書となって常に隣にいた。
でも伊織は、密かに藤堂へ時別な気持ちを寄せていて、その想いを隠し続けるのが辛くなってきていて。
甘い方が好みなので、途中まで、う〜ん(^_^;)
伊織、いろいろ抱え込みすぎてんだもん。
藤堂は無自覚に伊織に執着しまくりだし。
受け様好きとしては、部屋に軟禁しようとした藤堂を出し抜いて、きっちり鍵を見つけて部屋から出ていく伊織がカッコよくて、ピューって口笛吹きたくなった(° з°)~♪
藤堂への恋心を拗らせまくっていた伊織。
そんな頑なになっていた伊織へ、最後のチャンスをくれ、と賭けを挑み、断られたら「俺はどうすればいい?」と、癇癪をおこす藤堂に、めっちゃきゅん(≧∇≦)
どうしても受け様が欲しいだって喚いてる攻め様の姿、たまらなく萌えです(´ω`)
もう何度でも読み直しては、その姿を妄想してにやにやしちゃいます。
イラストは円陣闇丸先生。
いやもう、スーツ姿の2人がめっちゃかっこいい!!
病室で伊織の手を握りしめる藤堂もステキ\(^o^)/
対等に競い合う男同士の間に生まれる恋愛ほど萌える要素はないなあと実感した作品です。
今作では社長と秘書という関係で、立場上主と従という関係になりますが、役割分担としてそうなってはいてもどちらが上でも下でもなくお互いを補いあう完璧なbetter halfだと思いました。
だから、伊織が藤堂に対して自分の半分だと感じていたように(最後には自分の全部だと言い出すのですけどね)藤堂も自分の半分なんだと自覚した時、仕事上の有能な人材であること以上になくてはならない存在なのだという結論に達したんだと思います。
早々に自覚して、大学時代に賭けにわざと負けてまで藤堂の補佐役として付いて行く決心をした伊織と違って、うーんと鈍かった藤堂でしたが、スタートが遅れた分を取り戻すかのようにめっためたに夢中になってしまうところがおもしろかったです。
伊織は対等に競える好敵手と認識していた相手にそれだけではない思いを自覚して以来一度としてその思いが満たされる時が来ることを期待していないし想像すらしていないというところが読んでいて不憫で寂しくなりました。
見返りを求めずに無償の愛を捧げて生涯付いて行くことを心に決めている強いところに惹かれます。
一人でいられないから相手を求めるのではなく、一人でもできることを二人でやることで何倍にもパワーアップする最強のカップルだと思いました。
丸ごと1冊表題作です。
伊織(受け)の目線でストーリーは進んでいきます。
伊織は大学時代から一途に藤堂(攻め)を慕い、仕事のパートナーとして支えています。藤堂は会社のために結婚をしようとしますし、伊織にも同様に結婚を勧めるような仕事一筋の男です。伊織の気持ちを知っている黒部の脅迫を振り払うために、伊織は藤堂にゲイであることをバラしますが、それを知った藤堂は伊織に抱かせろと迫り…という話です。
藤堂は傲慢なオレ様です。読んでいて笑ってしまうくらい伊織の言うこと全然聞きません。一度きりは嫌だ、キスは止せも無視。ですが、腹の立つような子供のワガママぶりでなく、「欲しいから寄越せ」と伊織を欲している心情が透けて見えるので、読んでいてニヤけてしまいました。仕事と同様に強引に推し進めていき、結婚を止めてもいいと迫る藤堂に、強情な伊織がいつ折れて両思いになるのかが楽しみで、あまり切なさは感じませんでした。
リーマンもの、仕事のデキる男達、長い片思い、対等な大人同士の恋、オレ様な攻め社長、いじっぱりな美人受け秘書がお好きな方にお勧めです。至る場面で仕事が絡んでいるので、私は仕事と恋愛が同割合くらいの印象でした。
いきなり即物的な話で恐縮ですが、喘ぎだけでなく絡みのシーン全体が、近年稀に見る超好みな描かれ方だったので、ついタイトルにしてしまいました。
無駄を排したシンプルな文体ながら、スーツの衣擦れの音が聞こえてくるような、ストイックな色気漂う描写で、そうそうこういうのが読みたかったんたんだよ!と頷くことしきり。
絡みのシーンが、それ以外のシーンの静謐さを崩していないところが素晴らしいです。
そして、吐息系喘ぎの色っぽさ。
テンションの高い派手な喘ぎ台詞も別枠で好きですが、
耐え切れずに時々漏れるくらいの喘ぎが理想なので(特に男前受けは)
このくらいの控えめな喘ぎで、尚且つエロイというだけで最高に萌えでした。
話としては、結婚しても俺たちの関係はバレずにやってこうぜ…という攻めのノリにおいおいとは思うものの、無自覚に受けに惚れてるのが丸分かりなのと、受けが結構頑張って攻めを拒絶しているので、それほど嫌な感じはしませんでした。
ワンマンで破天荒な社長・藤堂×冷静沈着な秘書・伊織。
伊織は藤堂に学生時代から片思いしているが、あるときゲイであると藤堂にバレる。
興味をもった藤堂に求められるまま関係を持ってしまい、
なおも誘ってくる藤堂を拒絶する伊織だが、藤堂は諦めず伊織に迫り…という話。
この押し問答といい、絡みのシーンといい、お互い相手に媚びたりせず、いざという時は拳も辞さないガチ感が良いです。
特に藤堂が伊織を拘束して無理やり致すシーンは、殴り合いの末負けて征服されるも、その後自力で鍵を見つけて脱出する伊織…と、最後まで矜持を失わないところがかっこいい。
結局、藤堂も学生時代から無意識のうちに伊織が気になっていて、実はラブラブだったというお話なのですが。
それを直接言葉で表すのではなく、学生時代ライバルだった頃のように「賭け」でクールに決めようぜ…と最後まで様式美にこだわるところに、男のロマンチシズム?美学?のようなものを感じました。
伊織の藤堂への健気な片思い、藤堂の伊織への得体のしれない執着(どう見ても恋ですが)など、ウェットな部分もありながら、硬質な文章のためか、感傷的になりすぎないのが非常に良いバランスの作品でした。