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表題作求愛プロセス

伊坂 肇 26才 海外事業部から来たエリート 
浅倉真一 28才 社内賞を受ける優秀社員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大手アパレル会社のマーケティング部に所属する浅倉は、恋人にプロポーズしようとしていたところを見知らぬ男に邪魔された。「その人はあなたにふさわしくない」そう言って強い瞳で見つめてきたその男は伊坂と名乗り、後日浅倉が指揮を取るチームのサブリーダーとして配属されてくる。年下だが他部署で大きな業績を上げた伊坂は社期待のエリートで、なぜか浅倉に対し並々ならぬ競争心と執着を見せてきて……。

(出版社より)

作品情報

作品名
求愛プロセス
著者
五条レナ 
イラスト
立石涼 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778113032
3.2

(23)

(1)

萌々

(5)

(15)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
72
評価数
23
平均
3.2 / 5
神率
4.3%

レビュー投稿数8

リスペクトするほど貴方が欲しい

ラブ的な要素で言えば盛り上がりに欠ける気がするストーリーなのですが
同性同士の恋愛だと思えばこんな形もアリなのかも知れないと思えるお話で
個人的にはかなり楽しめる1冊でした。

同じ会社の先輩後輩で、上司と部下になった二人、その数日前に彼女にプロポーズを
しようとしていた自分の気持ちを言い当てられてしまった事もあり、
それを、躊躇してしまったことまで見透かされたような初対面の出会いだったが
米国からのエリートで、自分とツートップの形でプロジェクトをする事になる相手が
攻め様なのです。
受け様も攻め様に感じるのはやりがいのある好敵手と言った印象だったが
攻め様にがっかりしたと思わせないでくれみたいな発言でかなり激論を交わすように
でも、それはお互いの仕事の取り組みや考えを認め合っているからなのです。

でも、攻め様はやけに受け様に対しては何でも知りたがるんですよね。
かなり細部まで受け様の事を知ろうとするんですが、プライベートな飲みなどには
全然応じない、ちょっと頑ななタイプでもあるんです。
攻め様を見ていると傲慢なんだから生真面目なんだか素直なんだかわからないタイプで
受け様に対する執着は尋常ではないくらいです。

受け様は過去の恋愛にも思えない相手との事が忘れられないでいて、
偶然にも攻め様にその相手を紹介して欲しいと言われ動揺してしまう。
過去の気持ちをどこか引きずっている受け様はその相手に攻め様を合わせたくない。
それは自分の全てを見透かしてしまうような攻め様を怖いと思う気持ちも・・・

その面談から二人の関係も微妙に変わってくるんです、まるで感情なんか無いみたいな
攻め様なんですが、受け様が尊敬してる相手と会ったことで執着の仕方が
ストーカー並になるんですよ。
受け様が幼なじみで昔関係の合った相手を信頼し頼っている事が受け様の弱さだと
厳しく追及してるのですが、冷静な大人のはずが後半になると単なる駄々っ子みたいで
受け様が大好きで一生懸命シッポ振ってる大型ワンコになっていくんです。
仕事は出来る男なのに、恋愛の事になると自分の気持ちすら満足に理解出来なくて
ひたすら受け様を困らしてる感じなんですよ。

受け様は、仕事以外で煩わされることで、攻め様を拒絶したりもするのですが
攻め様が現れたせいで過去の思いと向き合うきっかけにもなるんです。
一応ハッピーな展開だと思うのですが、この二人はベタベタよりもまずは仕事なんだって
思えるような向上心のあるエリートリーマンのお話でもありました。

3

年下エリートリーマンvs年上幼馴染みのできる職人

五条先生に立石先生なら、変でも黒でもどんなキャラでもドンと来い!
・・・の期待に反して、普通にイイ男達の甘い話でした・・・。

「浅倉真一」は、ルックスも人当たりも成績も良い幹部候補。
「伊坂 肇」は、初対面から浅倉に物怖じなく辛辣に自分の意見をぶつけてくる。
浅倉は困惑しつつも、伊坂の真摯で的確な仕事振りを認めて、自分も負けないように頑張っている。それが効して社内の評価が上がっていく。
だが、伊坂は自分に近付き過ぎていると感じた浅倉は、過去に簡単に捨てられた幼馴染み「高野仁」との事が思い出され、距離をとるようにするが・・?

追跡者です^^伊坂は。
伊坂は入社直後に会った浅倉をずっと追い続けていて、社内報とか脳内に完コピ。
お料理教室には思わずププ♪
自分の知らない浅倉のプライベートにも、ベテラン刑事のように鼻が利く利く^^
浅倉の不可侵領域な男・高野を知ってしまったら、浅倉にとっての高野の位置を侵略するべく執拗になる。
だけどね、ストーカーでワンコながら甘やかさないのね、この年下エリートは。
浅倉が自分を卑下する部分を否定して、もっと輝いて欲しいの。
この人ならって。

意地悪く言うと、
高野のような器用な男が、浅倉の“自分追い”に無理して疲れて離れていったように、浅倉が伊坂の“自分追い”を面倒に思う時が来るんじゃない?
それに対して自答、
でもまぁ、追跡者と愛されたがりの、恋にまっすぐな者同士、ずっとブラッシュアップしていくんだよ。時たま横から高野が出てきて刺激されながらねvと、納得。

既刊『運命の男』路線で、更に読み易い文体になってます。
もちっと甘くなくても良いかな~。

6

甘さは控え目な大人の恋

とっつきにくそうな攻め・伊坂が、なんだか良かった~♪
すごく自分にも他人にも厳しいんだけど
なんでも冷静に分析、判断し、最良への道しか進まない。
でも、その実朝倉にだけはライバル心を燃やしつつ
誰より執着して…。
うーわー、恰好良すぎやしませんか?w
隙がない!できすぎくんです!(違う)

朝倉は過去に関係していた高野と仕事でまた接するようになり
内心動揺しまくりですが、決して表には出さないように努力します。
が、伊坂にはバレバレで……。

どんどん朝倉の心に侵略してくるような伊坂、お主、やりおるのう。
ちょっと強引だけど、そこがいい。

最後のページの
“いつもあなたを越える男でいたい。
伊坂らしい誓いの言葉。”というところで
常にお互いを高め合える存在がわかります。
ああ、イイっすね!!!

当て馬の高野はなぜかこの度私のタイプじゃなかったけど(なんでだ)
二人の刺激程度でまた何かやらかしてくれたらいいな。

立石涼さんのイラストがまた良い!!
大人のセクシーだが際立っていました!!

萌評価なのは…もう少しラブい二人が読みたかったからです。
でも、働く大人の男がお好きな方にはおススメですよ!

5

ロボットのようなエリートは実は隠れワンコだった!?

思い切り切ない作品でデビューし、3作目はお仕事関係もので少しその切なさが緩和されてきて、この4作目。
今度こそ本当に本格的仕事モノに移行いたしました。
全部読み終えて、この題名を改めて見た時に「あ、そうか!求愛プロセスだもんな。」中間地点で感じたモヤモヤとか解消した気がしました。

互いに切磋琢磨して、という部分もあるかもしれないけれど、ちょっと違う。
何せ相手は主人公を仕事上の理想のあこがれとして盲信し、理想を抱き、プチストーカーになってしまうほどの信者でもあるのですが、若干ロボットみたいなところがあって、情緒スキルが少し低い感がありるのです。
それに、主人公が慕い続けて関係してそして振られた幼馴染の男が関係してくるから、
3角関係のような様も呈しながら、彼等がどうやって近づいて、どうやって割り切って、どうやって気持ちを確信して、どうやって結末に至るのか。
本当に題名通りだったな~と
多分どの小説もそれが起承転結の展開ではあるのですが、改めて題名にされて、たしかにそれがテーマだよな、と納得するのであります。

朝倉の元に新しく配属になったのはアメリカで成績を残した優秀な社員・伊坂。
彼はその直前にパーティーで、朝倉が付き合っていた女性に対していきなり口出しをしてきた人物でした。
彼と組んで新しいプロジェクトをすることになった朝倉は、遠慮のない、もの言いに多少不快感を抱いたりもしますが、間違ってはおらず伊坂の優秀さをかうでのはありますが、。
それは、朝倉が成功を収めたきっかけとなった幼馴染・高野の工房へ連れて行った時から、その態度が変わりかなりの執着に変化していくのでした。

この伊坂という人物のキャラクターがユニークではあります。
実にマシンみたいな?そして朝倉を尊敬して、自分の憧がれている人は完璧と思いこんでいるような風でもあるのだけど、だから理想と違うと口をはさむみたいな風にもとれてみれたり。
高野の事が出てきた時も、伊坂のその感情は多分嫉妬だと思うが、その根拠は恋愛感情なのか、尊敬感情なのか?測りかねる部分が沢山(多分恋愛だろ?って伊坂に突っ込んでやりたくなるのだがwww)
そして最後まで「好き」とも言わず、最初なんか寝てみてという朝倉を煽る持って行き方をしてみたり、ひょっとして不思議ちゃんなんだろうか?とも(笑)
とはいえ、本編はシリアスですからね、あくまでも自分の脳内の読みであります。
恋愛と尊敬の差がよくわかってなかったのかな?
そして、意外にも実は隠れワンコだったことが!!

そして、朝倉ですが、伊坂が尊敬するという割に、すでに役職についているせいか彼の優秀といわれる部分はちょっと良く解りませんでした。
むしろ主人公である為に、仕事より恋愛関係の人間関係の悩みに苦しむキャラクターに描かれていました。

高野はひょっとしてアテ馬キャラですが、結構おいしいところ摂りのちゃっかりキャラに見えてきましたよ。
最初は朝倉を結婚するからと見事に裏切って振って、トラウマを植え付けた酷い奴とは思っていたんですがw

ふたを開けてみると、過去の恋をひきずりながらも仕事にまい進する成功を収める男が、同じくエリートの後輩に理想を抱かれ好かれ、そして過去の男にも再びモーションをかけられ、という三角関係を通して、主役二人が新しい関係を築いていくというまさにプロセスだったのではないでしょうか。

甘さは少し低めではありますが、切なさも弱めでありますが、五条レナ贔屓としては、また新しい引き出しをみせてもらったようで満足ではあります。
・・・が・・・
また、あの思いっきり切ない話を読んでみたいな~♪と願っている自分もおりますv

3

甘みが少ないビターなラブ

もうちょっと甘みが欲しかった、と思うけれど、読後感としてはこれで良かったのかな?とも思いました。

年下のエリート攻と幹部候補の年上エリート受、そして受の忘れられない過去の男を絡めた話です。

どちらもできる男同士なので、譲れたり譲れない部分がある。
受と攻は初め仕事面で衝突するが、実はそれは「この人にもっと輝いてほしい」とか「自分が目指す理想の人だから、こんなもんじゃないだろう?」とか、そういった『かくあるべきな姿』を受に求めているから、らしかった。
これは最後まで読んだから言えるので感想なので、盛大なネタバレになる気もするのですが・・・
段々と二人の関係が変化していき、受と攻の膠着状態ともいえる関係に温かみが感じられるようになってくると、キツイ攻の印象がどんどんワンコにしか思えなくなってくる。
他のレビュアーさん達も書かれているけれど、本当にこの攻ワンコでした。
しかも、ちょっぴりストーカー気質。

受あるところに攻あり(ただし物陰から、または堂々とストーキング)。

また、受の忘れられない過去の男。
幼馴染で、青春の全てを捧げたといっても言いすぎじゃない気がします。
受は年上の彼について回り、彼に色々教えられ、彼に心酔し、彼と体を重ね、この関係がずっと続くと思っていた。
けれど、それは結婚という言葉によって清算させられる。
しかし、数年経った今、再び関係を持とうといわれて、受の心は大きく動揺したりして・・・ズルイ男ではありましたが、そのズルさが小賢しく感じない良い雰囲気の男前でした。
そんな過去の男の退行する、現・男(暫定)の攻の敵愾心というか競争心というか対抗心むき出しな部分に青さを感じるものの、その一直線に受を思う気持ちも良いなぁと感じたり。
個人的には、最後気持ちを確かめあって体を重ねた後、もう一度重ねるとかではなくずっっとお互いの話をしていた、というシーンが良かったです。
超・超・遠距離恋愛になるふたりが、お互いの事をもっと知りたいと思ったのでしょうか。
甘さが控えめな恋物語でしたが、たまにはこういうビターなのもいい!と思ったのでした。

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