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表題作12時の鐘が鳴る前に(新装版)

傲慢で皮肉屋の元医者
朋也
負けず嫌いの高校生

その他の収録作品

  • 新装版あとがき
  • Short Stories

あらすじ

「服を脱いでサイズを計れ。まず胸からだ」高校生の朋也が家政婦として訪れた、荒れ果てた古い屋敷。そこの主・叶は皮肉屋、傲慢、人ギライと三拍子揃った嫌な男だった!出会うなり「乳首のサイズを計れ」と高飛車な命令。当然反発した朋也だが、だんだん叶の隠れた面を知り、彼に惹かれていって…!?

作品情報

作品名
12時の鐘が鳴る前に(新装版)
著者
ひちわゆか 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784862632487
4.6

(66)

(49)

萌々

(10)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
18
得点
303
評価数
66
平均
4.6 / 5
神率
74.2%

レビュー投稿数18

古い作品ですけど完成度の高い、私の中で殿堂入りの素敵な一冊!

年の差カップルの王道ストーリーに、乙女チックかつ、ファンタジックな内容を、細かいエピと絡ませ盛り込んでいるのでドキドキ新鮮!
笑いあり、涙あり、感動もあり、この一冊の中に色んなドラマと、沢山の萌が詰まった、甘くロマンチックな夢のようなおとぎお話の世界に、どんどん引き込まれてしまう作品です。
久々に再読してみて、『萌』という言葉の奥の深さを実感させられました。やっぱりひちわワールドは大好きです♡

お話の構成はもちろん、情景描写も上手いし、キャラは魅力的で、その動向やセリフ一つ一つにセンスが光ってます。
「おい、35点」なんて…さすがひちわ先生だな〜と最初からそのセリフに溺れてしまいました(笑)
テンポ良く進んでいく中でも、じっくり読ませてくれる手腕は、改めて素晴らしい作家さんだなあと感心します!

古びた屋敷に住む、気難しい医者•叶 × 負けず嫌いの高校生家政婦•朋也の年の差&年上攻もの。

傲慢・鬼畜・皮肉屋で人嫌いな叶は、勤務先の人間関係のトラブルが原因で失業中の医者。しかも、友人の三上の不注意で足を骨折。家政婦のバイトとして三上が連れてきたのが朋也でした。
三上の職業や、それまでの家政婦⁉︎に問題があったものだから…最初から色々誤解が生じてしまう訳なんです。
早く追い出そうと、セクハラや数々の意地悪をしかける叶。朋也は困惑しながらも、頑固で究極な負けず嫌いを発揮し、明るく健気に立ち向かっていきます。

2人の視点で描かれていくので、お互いの誤解や、苛立ち、戸惑う気持ちが読み手にもありありと伝わってきて、衝突しあう会話や、行動の数々は笑みが耐えませんでした。
朋也の手で、荒れ果てた家や庭が綺麗になるにつれ…叶の骨折も良くなるにつれ…2人の関係性にも変化がみられていきます。
ムワ〜っとする真夏の暑さを背景に、お互いに知らず知らず、過去の出会いや、深く悲しい傷跡に触れ合い、徐々に寄り添っていく姿は、せつなくもあり、何故か懐かしい気持ちにもさせられ癒されます。
刺々しいスタートをきった真夏の濃厚な2人だけの時間は、徐々に青臭い初恋の匂いが漂い始め…初々しく、甘い関係に変化していきます。そんな2人の心情描写のうつりかわりが本当に素晴らしいんです。
特に好きなシーンは、最後の暗闇で草むしりをし続ける朋也と、その姿を叶が見つけだすシーン。
お互いの必死な想いに涙せずには読めませんでした。

そして、このお話にはキーワードがいくつかあります。
『シンデレラ』、『懐中時計の鍵』『運命の人』、『百合の花』…もう一つ驚きのキーワードだと考えてしまうのが‼︎
実は『眠れる森の美女』も隠されているのでは…と⁉︎
「不眠症」、「全身に棘を纏ってしまった」の文中の言葉から推測できるんですけど…どうなんでしょうね⁉︎
そう考えると、朋也と叶は、それぞれにとって『運命の人』だったんだと、必然的な2人の深い繋がりが、より嬉しく感動でした。ひちわ先生だからこそあり得るなあ〜とファンとして惚れ直します!

キャラも魅力的です。
ただの鬼畜攻×健気受カップルでない所が、心を掴まれてしまいます。
家事全般器用にこなしてしまうスーパー高校生の朋也は、根性も据わっているし、一本筋の通った信念もしっかり持っている男の子。健気なくらい周囲に気を配る姿は高校生とは思えません。
子供の頃からの背景が、今の朋也を作り出したのかと思うと感慨深い気持ちにさせられる、愛くるしい受様でした。

叶は、本当に嫌な大人です(笑)
よく医者なんかと思ってしまうわけなんですけど、読み進めていくうちに、彼への印象も変わっていきます。
本来の人好きな性格であったり、滲み出てしまう彼の優しさを見つける度に心を掴まれてしまいます。
なかなか素直になれない、不器用過ぎる部分が可愛く見えてきてしまうんです。朋也によって叶の心も溶かされていく過程は見所!
想いを遂げてからは豹変(笑)激甘オヤジ化振りで…特にHシーンは、オヤジスキーの私には萌ツボでした♡

脇キャラも魅力的な人達ばかりなのもポイント大。
特に三上親子は大好きでした。
息子の方は、必然的なのか偶然なのか…二人の誤解の発端を作って引っ掻き回した強烈な人でした(笑)
でも実は、お互いのモチーフでもある、魔法使いの立ち位置は彼だったと思います。
仲は悪い親子でも、そっと叶を見守り続けた優しい似たもの親子。彼らの存在は、間違いなく2人にとって恋のキューピットでした。

最終的には、プロローグで用意されていた伏線に結びつき、ラストで全てが明確になっていくシーンは、見事なくらい素敵なハッピーエンドです。
ラストの叶の王子様っぷりは、本当に絵本の中の王子様をインスピレーションしてドキドキ見惚れます♡
どこか懐かしい気持ちと、ロマンチックな甘い幕引きにいつまでも幸せな余韻にひたれました。

書き下ろしSSをどうしても読みたくて、新装版を入手したんですけど…この書き下ろしが期待以上♡嬉しくなる位に素晴らしいのです!
短いストーリーの中に凝縮された、エピや想いに萌させて頂きました!ひちわ先生のセンスには感嘆です♡

イラストが円陣先生なのも、作品の素晴らしさにひと役かっていると思います。何処をとっても無駄のない作品でした。
本当に満足度の高い神評価です。

シンデレラストーリーや、鬼畜攻や健気受が苦手な方こそ読んで欲しいと思う作品です。
予想とは違う展開に、新しい扉が開けるかも(笑)
たくさんの萌と愛の詰まった一押しの一冊です‼︎

7

優しさや純粋さに強く惹かれて

元医者と高校生の組み合わせで年の差カップルです、一回り以上の差があるのかしら?

3歳の頃産みの親を亡くし、新しい母親に中々馴染めなかった幼い頃、自分を勇気付けてくれた男性の落としていった懐中時計の鍵を巡り、三上という男の紹介で叶と言う男の骨折した足のギブスが取れるまでの間身の回りの世話をすることになった朋也
世話をする相手は皮肉屋で傲慢で人嫌いと三拍子そろった嫌な男だったのです。
会ったその日に朋也に「35点」と点数を付けるわ、金をばら撒いてこれもって家に帰れと追い出そうとする始末。

それもそのはず、叶は朋也を三上の経営する男相手のデリヘル(デリバリーヘルス)で働いている子だと思っていたのです。

しょっぱなから嫌がらせをされるものの、負けず嫌いの正確が災いし、一度引き受けた仕事を途中で投げ出す事は出来ないと叶の家に通い続けるうちに、彼の隠れた優しさに触れ朋也は少しずつ叶を受け入れて行きます。

この話し、叶の優しさや朋也の純粋さにすごく惹かれます。

最初叶の事を皮肉屋で人嫌いと書きましたが、叶は昔から皮肉屋で人嫌いだったわけではないのです、信じていた父の裏切り、それに伴う母親の死。母を助けることの出来なかった自分…叶の心の中には長い間大きな蟠りが解けずにいたのです

そんな叶が朋也と接する事で、苦労知らずだと思っていた彼の隠された苦悩や、彼のまっすぐさに触れて癒され又もとの優しさを取り戻して行くその過程がすごく好きでした。

視点が上手い具合に入れ替わって二人の気持ちが割りと満遍なく判るので過不足なく楽しめる気がします。

しかしいくら思い込み勘違いしていたとは言え、朋也の事をずっと三上の店の子だと思っていて気づかない叶はすごいです(笑
銀行に借金してまでお金を作り、三上に「これで朋也を自由にしてやってくれ」なんて言っちゃったりするんですよ、朋也見てたらそんな事なんてやりっこないって気づくだろ普通?
そんな叶は、早合点やおっちょこちょい以上にかなりのおバカさんとも言えましょう
「恋は愚かというけれど」と言う邦題の歌がありますが、これも相手を思うが故の愚かさです(笑

最後まで投げ出さずに頑張ったいい子には神様がちゃんとプレゼントを考えていてくれるのですよね、朋也には嬉しいおまけが用意されていて見事めでたしハッピーエンド。
ひちわさんの作品ってやっぱりいいなぁと思った一冊でした。

5

あらすじに騙されました!

ドロップアウトした医者×負けず嫌いの高校生。足を折った男の家政婦のバイトをすることになった高校生。が、初対面から傲慢で、面接がセクハラつーか、あれは風俗の面接なんで…。こーゆー煽りは好きではないので読まなかったのですが、やっぱり中身はひちわさんでした。
押しかけ家政婦を追い出そうと嫌がらせをする男。でも負けず嫌いの高校生(と男は思ってない)は毎日通う。コメディのシンデレラみたいで楽しかったのですが。
風俗を営む友人が派遣した家政婦なので、勘違いするんですね。でも言動にギャップを感じるころから男の胸は軋みだす。そして、高校生には忘れられない男がいることを知って。
一方、高校生も、隠れた気遣いが気になり、淋しいだろうと考えたり、他の人が昔の彼を評するのをきいて自分だけが嫌われていると思ったり。
ひちわさんの書く人物は、血の通った立体感のある人間。萌えではなく、心の交流に涙するのです。恋愛の予感の後の過去話に、やー泣けた泣けた。
幼いころに出会った人の「いつか、心から自分を好きになってくれる、運命の人に出逢うよ」という言葉を胸に、役に立って好かれたいという想いが高じて負けず嫌いになったり。仲がよかった両親の死と真相をきっかけに世をすねたり。
「時間も、このセーターみたいに、ほどいて編み直すことができればいいのに」。それができないから、もどかしいのだ。焦らされました。
攻が時間を止めていたため、年の差は感じません。BLを超える、素敵な恋愛ものでした。

5

『運命の人』

こんなに素晴らしい作品が10年も前に出ていたとは…!!
旧版を読んで「うおー!!」と唸ったら
なんと新装版には描き下ろしSSがあるというじゃないですか!!
もう、急いで新装版手に入れましたよw
(通販って便利過ぎて散財してしまいますね)

SSの構成が珍しくて、まさにショートストーリーの詰め合わせ。
先にレビューなさっている、しのさんもおっしゃっていますが
「あかり」というSS,2行なんです。たった2行!!
それが吐血してしまうくらいなんです!!本当に!!
もちろん、本編+SSだからなんですが…効くわ、相当。

再会、勘違い、思い込み、運命のキーワードの作品で
もしかしたら№1かもしれません。
お互いの印象が悪い→好きだと自覚するという展開が
大好物なんですけど、エピソードが自然で無理が無く
早く先が読みたくてウズウズしますw

炎天下、庭の草取りの最中に30分もしないうちに
いちいちどうでもいい用事を言いつけられて全くはかどらず、
嫌がらせかと思いきや、
それは熱中症にならないように叶が朋也を気遣っていたからだとか。
こういうの、悶えるんですわ…。

あと、大好きなシーンがあるんです!
三上のお土産のワインゼリーを、
自分はソファに座ったまま、叶は朋也を目の前に座らせ
スプーンを使わずワインゼリーの中のさくらんぼを食べさせます。
…このエロい事ったら、もう!!!!

叶は朋也を三上が経営するゲイ専門の秘密クラブの男だと
一人で勝手に勘違いしていたために
そんな事させるんですが、
朋也が何でも受けてたつ気性が仇となり
ますますこじれていくばかり…。

最初の乳首採寸だって、
普通やらせないし、言われた方もやらないでしょ!って感じですが
たまりませんよw

心を閉ざしてしまった叶の過去も、
家事をしっかりやるようになった朋也の経緯も
二人が再会したきっかけも
何もかもが胸にしみます!!

年上の余裕のあるH,
純粋な高校生が快感に素直に乱れる様はヨダレものです。

言いたい事の5分の1も表現出来ませんが
未読の方がいらっしゃいましたら、
是非!最初から最後まで集中して一気読みしていただきたいです!
(皆さんお忙しいでしょうから、なかなか難しいかもですが…)

読後、幸せなため息が出てしまう事間違いなしです!!

5

運命の出会いを否定した上で、もう一度肯定する強さ

いったいどんな乳首好きエロ魔人攻めかと思うようなあらすじ文ですが(笑)、トラウマ持ちの偏屈な元医者と、彼の元に家政婦バイトとして通う高校生の、ハートウォーミングな出会いを、コミカルに、でも優しく描いた物語になります。

懐中時計の鍵の落とし主…幼少の頃に一度だけ出会ったその人を探している高校生の朋也(受け)は、ひょんなツテで、足を骨折して不自由している叶(攻め)という男の家へ、ギプスが取れるまでの期間、家政婦バイトとして通う事になります。

この朋也がこれまた非っ常ーにいい子でして、じいちゃんばあちゃん世代には一も二もなく好かれそうな、今時珍しいほどのスレてない好青年。
健気で頑張り屋、でも稀にみる負けず嫌いという点が他の健気さんとは一線を画しています。
時には笑いをも誘うその魅力。やがては叶の冷えきっていた心を、知らず知らず蘇らせていくことになります。

あからさまに朋也を疎んじる叶と、負けじと家事に勤しむ朋也。
そんな二人の意地の張り合いのようなやり取りが、くすくす笑えてたまりません。
朋也の言動が、頑なだった叶の日々をその心ごと掻き乱し、日増しに真っ直ぐな気性の朋也に惹かれていく。その変化が文面からしっかり伝わってきて、思わず頬が緩んでしまうほど。
苛々し、混乱し、呆気にとられ、時には慰められる……エピソードをいくつも積み重ね、恋愛に至るまでの心の過程がちゃんと描かれているので、かなりの年の差・しかも高校生受けという危うさは気にならないのではないでしょうか。
むしろ「こんなガキに…」と眉間に皺を寄せる叶が、可愛く見えたり。

運命の相手というロマンス直球でありながら、叶という傷付いた男の再生物語の側面が、話に奥行きを与えています。
針を止めた懐中時計と同じく、停滞していた叶の時間に、再び時を刻ませた朋也。
挫けそうになっていた幼い朋也を励ました叶の言葉が、後の朋也の土台となり、その12年後に、今度は朋也の存在が叶を掬い上げるという優しい連鎖に、ホロリときました。
脇キャラも役割がしっかりと考えられていて、特に友人三上の父の存在が、導き手として話をピリリと引き締めています。

運命の出会いを否定した上で、もう一度肯定する強さ。
そこがたまらなく好き。
もう何回読んだかというくらい読んでいて、汚くなっちゃった…。でも中身に遜色は無し。癒されます。

タイトルから連想出来るように、あちこちにシンデレラ要素が仕込まれていて、著者の遊び心が楽しいです。笑いのセンスもまたしかり。
書き下ろしも、笑えて、可愛くて、甘くて、ほっこりして。
こんなに短いのに半端なく萌えさせてしまう力量がすごいなあ。

4

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