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2011年作品。
舞台は、終戦後の九州??
俠客と、流れ者。の物語のように読める。
主人公は、流れ者の根津。
根津は、ヤクザの次男だがヤクザとは距離を置く実業家の城戸に拾われて、城戸の運転手兼用心棒になる。
城戸には囲っている大切な人間がいる…
それが足の悪い、大人しくて優しい男性の譲。
城戸は自分の意志とは関わらず組の後継争いに巻き込まれていて、譲に累が及ばないように逃がそうとする…
この作品はBLというよりももっと「情」を描いているような。
カップルという意味で言えば、城戸x譲です。
だけど、根津は譲を「城戸の大切な人」として敬意とある意味愛情をもって接するし、それは結局城戸に対しての恩義。
譲は根津に好意を?と思わせるような空気感もありつつ、根津は城戸その人に命も、つまりは心も預け捧げたのではないのでしょうか。
ラスト、弱そうに見えていた譲は地に足をつけて生きている。
そこに葉書が届く…
誰からかも、どんな内容かも、読者に託されています。
「この世界でたった二人」というタイトル、作者様の意図する所ははっきりとはわからないけど、私は、この城戸・根津・譲の3人が、それぞれ他の2人だけが信頼できる、全て理解してくれる相手…そんな意味なのかな…と感じました。
まるで映画のような読み心地です。
どこかに答えがあるのではないかと何度も隅々まで読み返してしまいました。でも、回答はありません。二人がどうなったのか、手紙の主は誰なのか--。
私にとっては、たまたま購入した雑誌で最終回だけ読んでしまったという作品で、コミックスに描き下ろしがあると知り喜んだのですが…素晴らしい余韻あるラストでした。
この作品の攻め受けは、城戸義昭と譲です。それは間違いないのですが、三人目として登場する根津謙吾は、二人の傍観者ではありません。
とにかく読んで欲しいとしか言いようがない作品でした。
とても地味でラストもはっきり描かれていないので、だからこそ余韻が残り何度も読み直したくなる作品だと思います。
ヤクザの妾腹の息子で成功した商売人(義昭)とその愛人(譲)、用心棒兼運転手(根津)。
三者三様に心に鬱屈を抱えながらギリギリのところで精一杯に生きている様が危うく儚い印象で、古いモノクロ映画のようなノスタルジィを感じました。
そして、短い中で彼らの事情や背景がよくわかりストーリーに深みが増しました。
タイトルの「二人」というのが誰を指すものなのかはっきり示されていませんが、私はこの3人のそれぞれが自分にとってこ他の二人だけが信頼できる大切な人達だという思いを感じました。
譲が逃げ延びた先で逞しく生きている様子にジンときました。
そして、抗争の結果や誰のことを待っているのか、いつか来るのかは読者の想像に委ねられています。
私の予想というか希望としては、二人とも生きいていて欲しいのですが、根津が再び後悔することはさせたくないので涙を飲んで大切に思う二人のために殉じることで思いを遂げさせたいと思いました。
そして、義昭には面倒ごとが治ったら迎えに行くという手紙を譲に出して欲しいと思ってしまいました。
とても良い終わり方なのです。
余韻が残ります。
男の安否をじっと待つ場面。
生きてるのか? 死んでいるのか?
最後どうなったのか? 読者側に考えさせながら話が終わっていく。
話の立て方が上手いです。
作者の腕がうなりますね。
桃山なおこ先生の作品 要チェックですよ!
ヤクザの抗争 跡目争いです。
主な人物は ヤクザ・用心棒・男妾。
この3人の関係が 淫靡です。
じわじわと萌えが湧き上がってきます。
3人が それぞれにかっこいいのです。
選べないよ!惚れちまった!
一冊全部まるごとひとつのストーリーです。
桃山なおこさんの作品を初めて読みました。
この方の作品の多くが、この作品のようなつくりになっているのか
この作品が特別なのか・・・は解りませんが、
また、スゴイ空間を描かれる方発見!と思ってしまいました。
コミックを幾らか読んでいると、時々背景の白い作品に出会います。
それが気になる作品もあったりするのですが
この作品、何度か読んでいて「あー、白かったのね」と思うくらい。
そのくらいお話に引き込まれ、気にもなりませんでした。
用心棒の根津さん、カッコイイです。
ものすごくカッコイイです。
もちろん、主である義昭も頭のキレる男前でカッコイイです。
それから譲も・・・しっかり芯があってカッコイイです。
カッコイイ男達だらけで、とてもしびれる作品でした。
が・・・・・・・・。
結末。
この結末に、ヤラレた!ぅう~ん、スバラシイィ!という印象と、
もうひとつ、作者さんの思い溢れる結末もガッツリ見たかった
という気持ちと。
両方の思いが生まれました。
読まれた皆様は、どんな風に受け止められたのだろう・・・と
色んな意味で気になる作品となりました。