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表題作愛してるとは言えないけど

受様の元恋人で町の牽引企業の営業部長・西島紘明
攻様の会社から買収話がある洋食店のシェフ・川上晴佳

あらすじ

祖父が経営する洋食店でシェフを務める川上晴佳は、ある男との再会に愕然とする。大手企業の御曹司である彼・西島紘明は、理由も告げず晴佳を捨てたかつての恋人。事業のため土地を譲ってほしいと店を訪れ、過去をないものとして振るまう紘明に憤った晴佳は理不尽な条件を出す。接待しだいでは考えてもいい、と。だが、過ぎた「接待」はやがて身体の関係に。そして再び紘明への恋情を募らせた晴佳は、身体を繋げても心は自分にないことを思うたび胸が痛み―。

作品情報

作品名
愛してるとは言えないけど
著者
名高江莉 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796401753
3

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萌々

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(4)

中立

(1)

趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
17
評価数
6
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

口にされない想い

今回は受様の元恋人で町の牽引企業の営業部長と
攻様の会社から買収話がある洋食店のシェフのお話です。

店の買収問題をからめて
かつての恋人との再会から元サヤに納まるまで。

受様は東京の下町の一角で
祖父が経営する洋食屋のシェフをしています。

受様の父は会社員となった為
受様は美味しいと評判の店の味を受け継ぐべく
七年前大学を中退して祖父に師事しました。

しかし長引く不況のせいか
オフィス街と名を馳せた町そのものが衰え
オフィスの撤退により空きビルが増えたり
老朽化が目立ってきていました。

受様の曾祖父が始めた店も
こまめなメンテナンスよりも建替えの検討が
祖父の口から出るようになっています。

そんな時に
町を代表する建設会社から
店の立つ土地の買収を持ちかけられます。
その担当者こそ今回の攻様になります♪

攻様は建設会社の御曹司で
営業部部長という肩書をもって
交渉に現れます。

攻様は受様の高校時代の同級生で
親友から恋人関係にまでなった仲でしたが

攻様は受様と関係を持った半年後に
一方的な別れを切り出して
イギリスに留学した男だったのです!!

残された受様は
攻様とともにいる為に進んだ大学を辞め
祖父の店で働き始めたのでした。

今回、攻様の会社は
合併による事業拡大で本社移転を計画、
所有地だけでは足りないため
近隣地区の土地を求めていたのです。

新事務所には商業施設も併設して
地域の活性化を目指すというモノですが
地域の協力が得られなければ
他地区への移転になるというのです。

町の過疎化が進む今
攻様の会社にまで撤退されたら
個人商店は経営悪化は免れません。

先々代の社長に恩義を感じる祖父は
移転も視野に入れている様ですが
受様の憤りは納まりません。

そんな受様に祖父は
店の今後を任せるべく今回の交渉も
好きにしろと言ってくれるのですが

攻様に振られた過去を引きずる受様は
攻様を振り回すべく交渉の席につきますが
誠実に対応しようとする攻様に
忘れていた胸のトキメキを覚えてしまいます。

恋を自覚した受様は最後の我儘と
攻様に一泊旅行を計画させるのですが
その地で再び攻様に抱かれてしまうのです!!

復縁を期待した受様てすが
攻様の口から出た言葉は七年前と同じく
今後の関係を否定する言葉で?!

名高さんの文庫デビュー作は
同級生同士の再会ラブになります♪

攻様と身体の関係を持った途端に
理由も告げられずに捨てられた受様は
攻様を忘れる為とシェフの仕事に打ちこみます。

しかし、
七年後に再び受様の前に立った攻様は
自社の事業拡大の為にと受様の祖父の店を
取り上げようとするのですよ。
受様的には許せるものでは無いですよね(笑)

状況的に移転に同意するしかなくても
攻様の思い通りになるのは面白くない受様は
攻様を振り回そうとするのですが

攻様は全く本心を見せないし
受様は惚れた弱みで初志貫徹できずな上
祖父の店に嫌がらせまで始まります。

店の買収問題に
受様の後輩シェフや攻様の部下の思惑や
攻様の婚約者の存在が絡まって

最初は受様優位だったはずが
攻様に強姦されたり軟禁されたりでして
最後まで先が読めない展開で
とっても面白かったです♪

2人の恋を邪魔していたのは
寡黙過ぎる攻様の性格だったのが
かなりツボったお話でしたので
次作も楽しみにしたいと思います。

今回は本作同様、
意地っ張りなシェフの恋を描いた水上ルイさん
『エグゼクティブの恋愛条件』をお薦めです。

3

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