強いられた口淫よりもむしろキスが苦手だった

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表題作深愛 プライベート写真

郡上健児,35歳,フォトジャーナリスト
上原七瀬,29歳,ある能力を持つ冴えない公務員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

七瀬は、横暴な恋人・宅見に金をむしられて放り出された直後、郡上と名乗る報道カメラマンと出会う。力強く端整な郡上に内気な心を解きほぐされた七瀬は、そのまま一夜を共にしてしまう。快感を高め合う初めてのセックスに、あられもなく乱れる七瀬。しかし現実に戻れば自分はちょっと変わった能力があるだけの、地味でつまらない公務員…。郡上の仕事ぶりを知るほどに募る想い。ところがひょんなことからその能力を目の当たりにした郡上に請われ、七瀬は臨時アシスタントをすることに。想いを知ってか知らずか、郡上は試すようなキスや愛撫をしかけてきて…
(出版社より)

作品情報

作品名
深愛 プライベート写真
著者
今城けい 
イラスト
宝井さき 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576110806
3.1

(19)

(1)

萌々

(4)

(11)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
7
得点
57
評価数
19
平均
3.1 / 5
神率
5.3%

レビュー投稿数7

ウジウジとジレジレを乗り越えた先が良かった。

面白かったです。
ちょっと受けのウジウジ感はひどかったんですけど、もしこのままもうちょっとこの先の二人を見れたならこのウジウジ感もちょっと成長するかなぁ~♪そのあたりの甘~いのも読んでみたいですね~♪

でも受けの特殊能力が結構良かった!ちゃんと物語にも生きていて楽しめました。

二人のすれ違いというかやっぱり受けのウジウジ感とネガティブな所がなかなか二人がCPにならなくてジレジレしましたね~♪

ウジウジ七瀬。ゲイなんだけど、自分に自信もないし、人とのコミュニケーションが苦手。
そんな七瀬が現在付き合っている?のは宅見というとんでもない男です。
まず七瀬を呼び出してお金を持ってこさせる。様はいいよに扱われています。
気が向けばその後Hをしたりもするんですが、殆どが金づる的な物ですね。

冒頭で呼び出されてお金を渡すとそのまま帰れと言われてしまいます。
酷いことを言われても何も言い返さずに誤ってばかりの七瀬。
そんな七瀬を見ていた一人の男:郡上が何故言われっぱなしなのか?と聞いてきます。
彼にも謝ってしまう七瀬なんですが、郡上はそのまま七瀬を連れて店を出て二人で飲みなおすことにします。
そしてそのまま身体の関係を持つのですが・・・。七瀬にしたら彼はとても素敵な男性だったのですが、一夜の関係だと思っていたので、割りと奔放なHを求めてしまいます。
そんな七瀬に煽られてしまいながらも、そんな七瀬に腹を立ててしまう郡上。

七瀬は自分の痴態を思い出して逃げ帰ってしまいます。
それでももう一度彼に会いたくて彼の居るホテルまで足を運んでしまいます。そこで郡上に見つかってそのまま連れて行かれます。
連れて行かれた先が彼の所属する事務所だったのですが、そこに女性が居ました・・・。
どうやら彼女は郡上にストーカーしているみたいなのですが、二人が出会った日に自分と郡上は関係を持った恋人同士だと言い張ります。

そんな彼女に七瀬の能力が発揮されます。
そう!七瀬の能力というのが、写真記憶というもので頭の中で写真のように細かくその時の現状が思い出されるという能力です。
そんな素晴らしい能力を持っているというのにこのウジウジ君はなんなんでしょうね?もっと自信を持ってもいいと思うんですけれど・・・。
すごい写真を撮るカメラマンという事で七瀬にとっては本当に高嶺の花のような存在だったんでしょうね。
でも、郡上に仕事を手伝って欲しいといわれ、仕事が終わった後に彼のホテルに行って秘書のような仕事をします。またアメリカに帰ってしまう彼なので、期間限定という思いもあります。
そんな七瀬の態度にちょっと?かなり郡上の方も煮詰まって?きてます。
彼との仲を最初の段階で掛け違えてしまったのでなかなか修正できないのと、七瀬のウジウジ思考と郡上と噛み合わないのが原因なのか?
そして元彼の宅見がまた七瀬にちょっかいをかけて来て、今度は郡上を脅してお金を巻き上げるみたいな事を言い出します。それを防ぐ為に郡上に嘘をついて、側を離れます!
健気なんですけど、涙はそそられない・・・。切なさもあまり感じはしなかったのですが、お話は気に入りました。
もうちょっとウジウジ感を抑えてくれたら切なさも湧くかな?って感じでしたね~♪

1

人に愛されて自分が好きになれる

七瀬は自己評価と対人スキルが極端に低く、恋人という名の都合よく気ままに扱う最低男からも離れられないし、郡上にも対して自分の気持ちを伝えたり言うべきことも言えずすれ違ってしまう。

自分のような者を愛してくれる人なんていないし、まともに付き合うことなどできるはずなどないと思い込んでいます。
本当はすごい能力(ずば抜けた記憶力)もあるのにとても残念、だれか何とかしてあげてほしいと思わせるいい子なんです。

ご褒美のシーンがキャハっていうくらいエロチックなイラストでした。
シャツをはだけぱんつのままの七瀬の脚の方から郡上が手を入れ根元を擦りながらもう片方の手は布の上から先端を握るような感じです。
でもこの場面ちょっと悲しいんです。
心がすれ違ってて。
郡上にとって七瀬は気になる子なんだけど何考えているかわからない淫乱ちゃんだし、七瀬は郡上に好きな気持ちを知られたら嫌がられるし仕事が終わればニューヨークに帰ってしまう人。

郡上が自分の仕事の手伝だい了承したときその理由を「憂さ晴らしか」と尋ねたのは恋人に振り向いてもらえない憂さ晴らしからかという意味だったのに、七瀬は役所の仕事のストレス解消かと聞かれたと受け取り「いいことじゃないけどそういうものだから」…と言っちゃうんですね。
ますます距離ができてしまうじゃないですか。

自分が嫌いで他人が怖くて居場所がない七瀬。
好きになった人から体だけでも求めてもらえる喜びを、残り僅かな時のすべてを記憶しておきたいとコンタクトを買うところが切なすぎる。

だから郡上の「七瀬に関しては狭量になるとか俺専属だというラベルを貼っておきたいとかかわいい」という言葉にたいしてもアシスタントとして高評価をしてくれたと恐縮するばかりなんです。

この自己評価の低い哀れな子には何を言っても理解できないみたいです。
もう二人じゃあどうにも先に進めない、と思った時に郡上の仕事仲間が登場し、やや引っ掻き回し気味に取り持ってくれてようやく信じるところまでこぎつけます。

年上の彼氏に溺愛されて公私ともにパートナーとしていい仕事をしていけばきっと自信もついて一段と成長するんでしょうねということがうかがわせる終わり方ですっきりしました。

公務員を辞めて郡上の秘書として活躍する七瀬を見てみたい気がします。
数年後、しゃきしゃき仕事をするかっこいい七瀬に秋波を送る仕事関係者や同業者が出てきてしまいそうです。

1

メガネにつられた\(^o^)/

表紙の気弱そうなメガネちゃんにつられて購入。
想像よりもずっとネガティブちゃんでした(´∀`)

なににつけても「俺なんか・・・」
自分みたいなダメな人間はどう扱われてもしょうがないんだ・・・って。
でもいそうです。
極端にネガティブで、端から見てると「生きてて楽しいの?」って人間。
だーかーら、あんな暴力ヒモ男につけこまれちゃうんだよッ!

でも実は、七瀬ほどじゃないけど、ちょっとネガティブ思考の自分は共感できる部分もあったり(^_^;)
完璧と思った攻めの、苦手なものを知って「この人にも苦手ってあるんだ」と安心しちゃったり。
うんうん、あるよね、そーゆーの。
自分を下に置いて安心しちゃう、とか。

ウジウジながらも、群上の役に立ちたいと一生懸命だったり、けっこう可愛いです♪
Hの豹変ぶりも見どころ。

あと、個人的にイラスト、◎です!

2

エロいギャップ

地味で超ネガティブの受けちゃんが超エロエロに変身するギャップが痛々しくて、一気読みしてしまいました。
帯に「強いられた口淫よりも、むしろキスが苦手だった」
これは的確に受けの気持ちを表わしているようです。
それだけ、酷い目にあっている受けちゃんということですね(涙)
今回の作品はイラストが宝井さきさんであっていたんじゃないかな?前作ちょっと悪いですが悲惨だったんで・・・

あらすじにもありますが、受けちゃんが特殊能力を持っていると書かれていますが、サイコではありません。
脳の突出した才能というべきか、そんなものなんで突飛さはありません。
しかも、ものすごく役に立つというわけではなくて、、、でも攻め様の仕事をお手伝いするにはとっても役に立つと思いますよv

28になりそれまでその性癖と明るく誰からも好かれる弟へのコンプレックスもありネガティブ一直線で生きてきた七瀬は思い切って出会い系で見つけた恋人・宅見というカッコイイ男性と恋人になるのですが、これがまったくもってヒモ気質のたかるだけたかって、愛情の欠片も見えない即物的な男だったのです。
ある日もたかられているところへ偶然居合わせたのが郡上という男性。
二人で飲んでその後、郡上の宿泊するホテルで一夜を過ごすのですが、目が覚めた七瀬は逃げるように出てきてしまう。
その場の行きずりだからと、たった一回だからと今まで満足に宅見に与えられなかったもの、自分の欲求を出せなかった分が弾けたように、郡上が我を忘れて被虐的になるほど煽情的に、官能的だった七瀬に、郡上も忘れられなくなるのですが・・・

この七瀬のエロスイッチは一体どこで押されるんでしょうねw
初めてが宅見で、しかもそれが下半身しか用がないようなエッチしかしてもらえなかったから全身を責めてくる郡上に、めくるめく官能を刺激された?ww
ま、ですね、このとっても自虐的なセックスをする七瀬がとっても、するたびに痛々しいんですよ。
あまりのネガティブさに、どこがいいんだ?こんな男とさえ、ちらっと思うほどに、優しい言葉を掛けられても素直に受け取れない。
思った事を言えなくて呑みこんでしまうために誤解を生みまくる。

また、郡上もさばさばしたイイ人そうではあるんですが、歯にきぬを着せないというか、デリカシーにちょっと欠ける部分がありそう?
七瀬がネガと淫乱の二面を見せるからとまどってしまうのだとは思うのですが、七瀬の精一杯の強がりに本気で挑んでしまうから、それが痛々しさを増すんでしょうね。
七瀬を誤解しながらも気になって、ちょい俺様で傲慢で、わりと自分で突っ走るタイプ。

結局のところ二人の誤解を説くのが、郡上の同業カメラマンのアランという人物。
ちょっときになる存在に書かれてましたね。
やはり、全体を通して七瀬のエロさが一番の見どころでしょう。

1

Tシャツのイラストにビックリ

1冊すべて表題作の長編です。七瀬(受け)の視点でストーリーは進みます。

七瀬は彼氏の宅見に酷い仕打ちを受けた場面を見ていた郡上(攻め)と一緒に飲みに行くことになります。お金をせびられても付き合いを続けようとする七瀬に、郡上はもっと大事にされて良いはずだと誘いをかけてきてという展開です。

初対面でベッドインする二人ですが、遊び人やビッチという感じはありません。
価値がないと思い込んでいる七瀬に、郡上が丁寧にアプローチをするものの思ったように伝わらず。世慣れた年上攻めが、無自覚な年下受けに、じれったい思いをしているのが読んでいて楽しいです。

七瀬が誤解する相手として、郡上の仕事相手・アランが登場します。彼はなかなかのイケメンなのですが、私が印象に残ったのはTシャツ。文中では「和柄Tシャツ」とだけあるのですが、イラストでは般若のアップのTシャツで、和柄でなんでこれなんだ?!と個人的にはかなりのインパクトでした。「ナナァセ」という呼び方も良いなと思いました。

あと気になったのは七瀬が役所勤めの公務員だということ。報酬なしなんでしょうが郡上は仕事を頼みたいという表現を使っていたので大丈夫なのかとちょっと心配になりました。
七瀬の記憶能力が仕事にも地味に生かされていたという場面か、逆に仕事ではまったく役に立っていないという場面があると、仕事モノ好きな私はなお楽しめた気がしてます。

ネガティブで不憫だった受けが、成長して攻めにすごく愛されて幸せになる話がお好きな方にはお勧めだと思います。そんなにイラつく印象はなく読みやすかったです。

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