電子限定おまけ付き
蜂谷湖は、架空の地名。
これを読んだら、野営に困らないと思う。
揃える道具。スキレットやダッチオーブンとか、想像すると楽しくなってしまう。
竈の設営。ターフを張る場所。テントの位置。
帰る前の片づけ・・等々、著者が知る限りの智慧が書かれていた。
キャンプの醍醐味を軸にした恋愛物語。
今、西洋版飯盒= メスティ=が流行しているそうなので、家庭でキャンプ料理を練習するのもいいかも。
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楽しかったから、登場したメニューをメモ。キャンプ料理は、漬け置きや、マリネなど保存食が主体。
▶スポーツ用品会社の四代目社長、深山は男前。料理もできるけど持ち込んでいない。
焙煎コーヒー。
▶白玉は、料理上手の雑誌編集者。可愛らしい外観。
スキレットで、
シャケのワイン煮/牛肉で焼肉 /炊飯/ パン /オイルサーディン/チリコンカン/ガパオ/肉の串焼き/タコとエビのアヒージョ
ダッチオーブンで、ローストビーフ
「モルグの番人」のような暗さの無い、野営の醍醐味紹介本のような構成で楽しかった。
物語の完結部で、深山は自社製のテントの中にダブルベッドや自社製グッズで揃えて、なんでもありの状況で白玉と愛し合う。・・外は冷えるけれど美しい満天の星空。
・・・いいなぁ。
こちら、キャンプBLです。
BLはたくさん読んでますが、キャンプネタは初めてだったりします。
私はですね、虫が嫌いだし、こう埃っぽいのも嫌いなのです。
キャンプじゃなくとも、野外での食事はしたくない。
虫とか埃とか入ってそうだしね。
とまぁそんな私でさえ、なんだかキャンプをしたくなる素敵な作品なのです。
こう、満天の星の下で、美味しい珈琲を飲みながら寄り添って語る二人ー。
優しく繊細に綴られる主人公逹の恋愛に、超ロマンチックな気持ちにさせてもらえたりして。
ところでこちら、とっても素敵な表紙ですが、星を見上げて語り合うと言う本編の中のシーンになります。
イラストは言わずもがなですが、タイトルのデザインも可愛いんですよ~。
「愛」のパーツの一部がハートで、「ごちそう」のパーツの一部が星。
些末事ではございますが、めちゃくちゃ可愛いのでどうしても言いたくなりました☆
内容ですが、よくキャンプ場でかち合う物静かな男・深山×雑誌社の記者でキャンプ好きの青年・白玉によるキャンプBLになります。
一人キャンプを満喫している白玉。
よく一緒になる、こちらも一人キャンパーの深山と、とあるアクシデントをキッカケに仲を深めて行きます。
そんな中、仕事上で深山の会社と関わり、彼が社長だったと初めて知る白玉。
二人の仲は更に親密さを増して行きますが、それぞれ抱えている過去があってー・・・と言うものです。
で、こちら、作品のキモとなるのがキャンプ!
とにかくキャンプの描写が丁寧かつじっくりでして。
単純に、テントを設営して料理を作ってと言う部分から、キャンプを通して二人の距離が近づいて行く様までー。
なんか、白玉の作る料理がオシャレな上に美味しそうなんですよね。
オイルサーディンにちゃちゃっと手を加えておつまみにしたり、ちぎりパンを焼いてみたり、アヒージョだのガパオライスだのを手際良く作ってみたり。
こんなん家でもやらないよ・・・。
いや、お料理上手な姐さん方は作られてるでしょうけど。
で、そんなお料理上手な白玉が料理を作ってはお裾分けし、深山からは本格的な珈琲をご馳走される。
珈琲を飲みながら、星空の下で語り合う二人のシーンがとても素敵なのです。
これはいい雰囲気になっちゃうよね~て感じで。
と、徐々に距離が近付いて行く二人ですが、そんな中現れる白玉の元カレ。
フリーの記者である彼は、白玉と深山の関係に気付いてスクープにすると脅して来て・・・と言った流れ。
更に深山には、まだ整理しきれない暗い過去があってと言った感じで。
これ、二人が二人とも、辛い思い出や後悔している出来事なんかを抱えているのです。
二人が出会った事により、そんな過去をゆっくり昇華して本当の意味で人を愛せるようになるー。
優しく繊細に綴られる、この部分になんとも心を打たれます。
なんと言いますか、二人で星を語り合うシーンが要所要所であるのです。
地上から見れば隣り合って見える星も、実際は何万光年、何億光年も離れてると最初は語っていた深山。
それがですね、ラストでは「あの星逹はずっと一緒に居続ける」と白玉に語るんですよね。
なんか感動しちゃって。
くっ、ロマンチック過ぎるだろーと!
まぁそんな感じで、心に傷を持つ二人が結ばれるまでを、キャンプと言う題材を上手に使って、優しく繊細に綴ってあるのです。
ところでこちら、エロが結構濃厚。
過去の後悔から、なかなか白玉に手を出さなかった深山。
ふっきっちゃった後は割と強引と言うか、ちょっぴりSと言うか。
ちょい変わったその雰囲気に、怖じ気づく白玉。
すると「逃がさないよ」「だからもう諦めて、私のものなりなさい」みたいな!( ≧∀≦)
白玉がまだ処女だと分かった時の、ものすごく嬉しそうな態度にも笑っちゃったりして。
あと、格好つけてますが、彼は割とムッツリなワケです。
二人が結ばれる前にもですね、白玉が深山の家に泊まるシーンがあったりするのですが、何故か自分のシャツだけ着替えとして出すのです。
「下はサイズが合わないからね」とか、もっともらしい事を言いながら。
素直に受け入れて、彼シャツ状態になってる白玉に、当然萌えたんですけど。
深山、こいつしょーもないな~とか言いつつ。
なんで彼シャツて、こんなに萌えるんでしょうかね。
と、ストーリーといいエロといい、とっても好みで萌える作品でした(* ´ ▽ ` *)
三連休に数年ぶりのキャンプへ行く事もあり、気分を盛り上げてみよう!と読んでみましたが、タイトルや表紙のイメージを裏切ることがない一冊で良かったです。
「ごちそうキャンプ」の通り、とにかくやたら美味しそうなキャンプ飯が次々と登場。
受けの白玉はアウトドア系雑誌の記者ということもあり、手作り鶏ハムを持参したり、牛もものビール煮を作ったり、ちぎりパンなんかもちょいちょいっと作っちゃうんだもん。すごいわ。
はぁ〜、BBQ一択の我が家のキャンプに、白玉がご馳走作りに来てくれないかなーなんて思ったりして。(割と切望)
恋愛面も「純愛」とタイトルで謳ってるだけあってロマンチックでした。
ソロキャンプの常連同士が次第に仲良くなるんだけど、いいなって思ったのは、焚き火を見つめながら、パチパチと火の爆ぜる音などを黙って聞いている二人の描写。
「沈黙を心地よく共有できる」というのが個人的な絶対条件なので、よし、合格!と思いながら読みました。(えらそー)
攻めの深山が、実は大企業の社長で、そして重い過去を背負っていて……
一方の白玉自身はゲイという自分の性的指向を明かせなくて……
とそれぞれの事情を抱えている二人の心の拠り所が、「いつものキャンプ場」となっているところが、とっても良かったです。
そして番外編では、二人がいればいつでもどこでもキャンプ♪みたいなところも良かった。
二人で星を見上げながら、深山が「あそこにある星がきみで、隣の星が自分で………いつか死んでしまったあともふたつは傍にいつづける。」と言うシーン。
めーっちゃロマンティックで、そして愛の深さに泣けてしまったでないの。
思わず泣いたわ。
ここのシーンがすごく良かったので萌から萌萌に。
他人とは馴れ合わない孤高のソロキャンパーといったイメージだった深山が、濡れ場になると仕留めた獲物は逃さない!といった黒豹っぽくなるところもツボでした。
(黒のレザージャケット・黒髪・シュッとしてるので黒豹っぽい)
初読み作家さんでしたが、ツボをしっかり押さえていて楽しめたので、他の作品も読んでみたいなと思います。
なにやらワケありな深山さんと、彼が気になるゲイの白玉君がキャンプを通して仲良くなっていき、実は大企業の社長だった深山さんのプロジェクトに参加するようになり、気持ちを確かめ合います。途中インフルエンサーの女性が深山さんにアタックして来ますが振られた後はサッパリとした良い人でした。白玉君の元カレに付きまとわれますが深山さんが元カレの弟に連絡を取り手紙を渡しますが、その後が書かれてないので気になりました。
深山さんの婚約者が亡くなった話と真実を黙って1人悪者になってたのはちょっと無理があったかなと思います。黙ってたのは良いですが、そこまで負い目に感じなくてもと思いました。全てをスッキリさせた後の深山さんの白玉君に対しての甘やかしぶりは良かったです。白玉君が料理上手なのでお腹が空いた時に読むと酷です。
寡黙な深山と、アウトドア雑誌の記者で正義感の強い白玉のソロキャンパー同士の恋。
おひとりさまキャンプってのも有りなんだね…
ソロキャンパーとしてアウトドアを楽しんでいる人もいるんだって初めて知った。
あと、作中では飯テロ注意報を発令しておいたほうがいい位に、アウトドアで映える料理のオンパレードだ。
野外での調理なのに随分と材料をふんだんに使った料理が多い気がするのだが、手慣れたら皆これ位のごちそうを作るのだろうか?
キャンプ場で知り合った深山が実は大手スポーツ用品メーカーの若手社長だったのだが、彼が大型アウトドア施設のオープンに力を入れているといった仕事上の繋がりも出来て、公私のバランスを保ったうえで親しくなっていくが…
白玉がゲイである事を子供の頃にからかわれたコンプレックスとか、深山が自分のせいだと己の内心で背負っている婚約者の死とか、お互いに惹かれていくうちにそれぞれの心に刺さっていた棘が抜けていく様子も感じられる。
ただ一つ、途中で白玉の元カレ・加東が金目当てに深山を強請ろうと絡んでくるも呆気なく撃退されたが、その場面で深山が手切れ金代わりに渡したものって何だったのだろう?ってのが気になるかな。
最初は無口だった深山が白玉に心を開いていくうちに、会話が増えていく様子がいいし、過去の気持ちを吹っ切って告白した後の彼はなかなかに情熱的だ。
おかげで、ゲイでありながらも行為に全く慣れていなかった白玉の身体があっという間に手懐けられているのだった。