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とりあえず、久々にこんな性格の悪い攻めの話を読んだ!というのが率直な感想です。
最後は勿論ハッピーエンド、甘々で良い感じでENDになるけれど「こういう攻め嫌い!」て方は多いんじゃないかとも思いました。
でも、最後まで読むとこの性格悪めの攻めレイモンの十里への落ちっぷりに「それ見たことか!」と小気味いい気分になれるのでした。
健気受けの勝利を見た!
恋心を逆手に取られ、あれよあれよと初心な十里はレイモンに抱かれてしまうし。
十里はレイモンへの恋心が抑えきれなくて、流される。
辛いけれど、こんな関係はダメだと思っているけれど、結局のところ十里の中では「初めて好きな人と体を重ねることのできる喜び」という部分が勝っているんだろうな、と。
十里は実はゲイで、いつも叶わない片思いの恋しかしたことがなかったのです。
少し幼く見える可愛い容姿というような設定みたいですが、好きな人を思って自分を慰める、そういうシーンが結構、生々しかったです。ああ、男だなぁと。
作者さんの後書きにも書かれていますが、攻めのレイモンが性格悪いです。
ちょぃちょぃ「うわぁ、いい性格してるな」と思わせられるシーンがあり、なんて利己的で、傲慢で、そして酷い男だろう、と思わずにはいられない程に。
レイモンにはアンリという子供がいますが、この子は亡くなった姉の息子。
青髭と噂されるレイモンはアンリの為に母親になってくれる女性を求め、結婚と離婚を繰り返していたので、そんなあだ名が。
あだ名だけではなく『青髭』のお話のエピソードもクライマックスに絡めた展開が良かったです!
開けてはならない部屋は実は・・・。
この部分がロマンチック!
小さな子供が出てくるお話では、出来過ぎなぐらい『子はかすがい』を実行してくれるけれど、こちらのお話もお約束的にアンリがとても良い働きをしていました。
「新しく母親になるであろう女性をどう思うか?」というレイモンの問いかけに答えたアンリの言葉が重く心に突き刺さります。
レイモンは結婚が上手くいけばアンリの母親も手に入るし、思い掛けず目を惹いた十里は手を出してみれば大変美味しかった、素晴らしい愛人。
妻と十里は別物。
妻はアンリのこれからの成長のために必要で、十里は愛で可愛がりたい存在。人見知りのアンリが懐いているし、とかとか。
ストレートに最低!と思わせてくれる。こんな考えが変化していく様子や、余裕に構えていたのが焦って焦って、ど、どうする!?というレイモンのヘタレ展開が面白かったです。
番外編のアンリのお話も大変可愛く、成長が楽しみなお子様です!
神香さんの2011年のお話です。
こちらが初の外国人攻めと日本人受けだそうで。黄金パターンの原点なのですね!
パリの貴族レイモンと留学中の大学院生の十里。
攻めが受けにぞっこんムラムラ溺愛じゃない…。それどころか強引に受けをセフレにして他の女性にプロポーズもしてて。
もうレイモンがだめんずといいますか、倫理観がずれてるといいますか。
亡き姉夫婦の忘れ形見アンリのためにも幸せな家庭を築かなければ!そのためにもアンリを可愛がってくれる女性と結婚して母親を!と3度の離婚を繰り返し、今4度目のプロポーズという。
なのに自分に好意があるのがバレバレな可愛くて絶妙な色気のある十里を、抱く。エッチの時に插入できなくて、ああ、女と違ったな。とか、結婚と恋愛は別だ!結婚しても十里と身体の関係を続けるとか。十里が嫌がって逃げようとしても許さず。デリカシーがなくとことん自己中で。
なんて酷い!受けを虐めたい泣かせたい欲のある攻めは苦手なんですよ。最悪なのがエッチを拒んだ十里を無理矢理カウチに縛り付けて、pipiを…。
ここまでされても十里は、嫌いになれない、でも好き…って。目を覚ましなよ!あんな男ハンサムで王子様でも男としてダメだって!と何度言いたかったか。
やっと自分の気持ちを自覚したレイモンが仕掛けた一世一代の仕掛け。
あんなに女好きで去るもの追わずなレイモンが。
そしてあっさり許して受け入れる十里。なんでー?
青髭公はやっと真実の愛を知ったのであった…。
お話は長くて凝ってて青髭公になぞらえてて、読み応えはあったのですが…。レイモンを好きになれず。アンリは可愛かった〜♡
短編ではアンリの可愛いお話があります。