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榎田さんのラブコメはやっぱり面白いなあ。
話のテンポと配分がすばらしい。会話も生き生きしているし、進行の運び方が絶妙なので途中でやめられない。
そして榎田さんの作品って、ほんとにいつも思うのだけど、絵師さんの作品になってしまうということ。
まるで草間さんの漫画を読んでいるかのような気がするのですよ。
他のどの作品もそう。そのときのイラストを描かれてる絵師さんの作風のような気がして不思議だなあと思うのです。
大学生で20歳の栄田惣は、長身だしきっとカッコイイと思うんだけど、ウブで真面目で優しすぎて、かなりビビリ。
そんな栄田が、准教授の宮隆由紀に一目惚れしてしまう。
この宮先生、40歳には見えない瑞々しい風貌で、たおやかで品があり、生徒には「殿下」などと呼ばれていたりで、たいへん人気のある方です。
しかし。ストイックな昼間の顔とは裏腹にSM趣向の持ち主で、きちっとしめたシャツのボタンの隙間から、そこはかとなく漏れ出してしまう壮絶な色気。
彼の淫靡な香りを嗅ぎつけてしまう輩は多く、先生の魅力に心酔してしまう者は男女関係なくストーカーと化してしまうのでした。魔性もいいとこだ。
こんなハイレベルの先生に、恋愛初心者マークべったりついた栄田が、太刀打ちできるはずもなかろうというとこから始まるのんだもの、面白くないわけがない。
SMということで、なかなか手が伸びなかったけど、全体的にほのぼのとしていて、痛いシーンもなく、楽しく読めました。
さて、気になるのは名脇役の王さん。
宮先生の助教授という役回りだけかと思いきや、SMの調教師でもあるという。
脇役と言うよりも準主役ですね。とても重要な役ですし、実にいい味出してました。
先生と王さんが自宅キッチンで、恋愛話をしながら作っているのは晩御飯ではなく、緊縛用の縄(笑)
この人たちにとってはSMは日常であるということがよくわかる、このシーンがすごく好きです。
お話の最後を飾るは王さんの考察でしたが、これはスピンオフを期待できるような余韻を残してるな~と鼻をクンカクンカさせてます。
彼が素敵なお相手をみつけたお話を読ませてもらえそうな予感がします。その際に、5年後ぐらいの殿と番犬君がどうなってるのかなんてのも読めたら最高だな。
榎田さん作品には、何となくペットラヴァーシリーズでSM調教の片りんをチラ見せしてくれていたので、今回の題名にドキワクの期待をしておりましたよ♪
最初にイラストの事に言及してしまいますが、確かに”殿下”と呼ばれるとても40には見えないMの准教授が日本家屋に住んでいてという設定はあるし、攻めになる大学生はワンコなんで、カラー絵はよかったのですがちょっとピンと来ない感じがしてしまった気がうっすらと。。。
しかし、内容におきましてはエスエムスキー大スキーな人間からしても、とてもよいエスエムでございました!!
この関係やセッション(この本の中ではプレイとは呼ばない)は、実に理想的な姿で、
日頃、簡単にドMだのドSだとの使っているその言葉はただの記号であり、本質ではないということがわかります(偉そうですみません!)
でも、決して痛くないのでエスエム入門には最適かと(汗、、)
さておき、何よりキャラクターが魅力的です。
恵まれた体格と容姿に関わらず、ノミの心臓でまったくもって初心い学生・栄田。
その性格から恋もしたことがなかったのですが、それが社会学の講義でその講師である准教授の宮を一目見た時ににただならぬ気持ちを抱く。
それが何か分からずに、思わず妹にメールで問い合わせるという(爆笑!)
この栄田の妹も、いい存在感でしたね♪
それは、一目惚れっていうのよ!と教えてあげたり、宮が栄田を避けるようになって栄田が悩んでいる時は、相談にも乗る。
登場は多くないけど、何かほほえましいんですv
そしてMの宮のパートナーでもあり助教授でもあり、居候でもあり、宮の為に栄田にSを指導する王の存在。
時に宮の相談相手でもある。
彼もまたいい存在感で気になるキャラクターです♪
お話については読んでいただきたいので、具体的には言及すまいww
ただ、一途に宮が好きだから、最初はビビって口に手を突っ込むのさえ満足にできなかった彼が、Sのテクニックとしては学習はするけれど、
本当に宮と心を通い合わせて、愛し合うことで、ほんとうに恋人を喜ばせてあげたいという気持ちがわいてこそ、本当の宮の望む真のパートナーになりうるのでしょう。
それがラストに登場するエッチしーんだったのだと思います。
栄田、きっといいSの恋人になると思う!
本文にも出てきますが、SってサービスのSなんですもん♪
さて、ここで気になる人物について、、
宮がゲイであることに付け込んで、彼のMを最初に開発した鶴見!
S的気分になって、いっそこういう酷い男は王がその筋に売って豚のMに調教しなおせばいいのにwwって密かに思いました♪
そして付属のようにラストについた王エピソードですが、、彼にも運命のパートナーのMが早くみつかりますように☆
とっても優しくなれる、愛あふれるいいSMストーリーでした。
そうそう!信頼ですよ、信頼♪
すっっっっっっっごくよかった。
SMを扱う作品は数あれど、こういったアプローチの作品は少ないんじゃないかな。
SMってSが主であるように見えて、実はMが主導権を握っている。
恥ずかしくてシラフではできないようなことを探り当ててさせるけど、Mが本当に生理的に嫌がることはしない。
そういうSの哲学を感じることができてこの本は本当に素敵でした。
そういった意味で「教授の密やかな愉しみ(剛しいら)」もとても心地良いSM作品。
あれはあれでSの哲学が明確で心地良い。
<あらすじ>
繊細で心優しい大学生・栄田惣が、穏やかな雰囲気から学生に「殿下」と呼ばれる人気の文学部准教授・宮隆由紀に恋をしてしまう。
ある日、栄田はコンビニで宮と遭遇する。
いつもと違ってだらしなく開いたシャツのボタンと上気した表情でふらつく宮は、栄田が支えようとすると身体を震わせて…。
血を見るとクラッときてしまうようなくらい弱い栄田が、どうやって宮のSになっていくのかを描いた今作品。
普通ならば宮がMだとわかった時点であきらめてしまってもよかっただろう。
だが栄田はこの初恋を、人生で初めての恋を手放したくはなかった。
宮に『きみみたいな、虫も殺せない青年に、僕の相手が出来るわけがない』と言われても栄田は引き下がらない。
『先生がMだってわかっても……先生を好きっていう気持ち、なくなりません』
だから、試しにでもいいから、付き合ってください。
切ない声が訴える。
この一途な強引さにずるずると引きずられて恋はどこへ向かうのか。
こうご期待!ぜひ読んで!笑
そしてこの作品で私が大好きなのは、このピュアで純粋なSMラブを支える、表の顔は宮准教授の助教、裏の顔は調教師・王(ワン)。
とってもいいキャラ。
栄田にSの心得を教えつつ、宮の心のフォローもするし、宮と栄田を守るだけの経済力も味方につけてて、最強。
踏みつけられたい。←
王にスポットライトを当てるような続編が出るといいなー。なんて。
誰がSなの?
誰がそれを育てるの?
ワクワクしながら読み始めました♪
面白かったです!
教授に恋をしてしまう学生。
ラブコメなんだけど、SMが絡んでひとひねりアリの
とても楽しいお話でした。
ネタバレです。
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年齢を裏切るような、
可愛らしい美貌の持ち主の教授が、
なんとドMです。
つるつる頬で、サラサラ前髪の、
あの、華奢で可愛い、あの教授が、
縛られたり目隠しされたり、
はたまた玩具を使われたり、という展開は、
なんだかいけないものを見ているようで、
ドッキドッキでした(*^_^*)
そして登場人物がとても魅力的です。
教授の宮(受け)は、
言動も外見も可愛らしく、
とても39歳には見えないのですが、
年齢相応の奥ゆかしさや聡明さがある人物。
特に、授業で学生に発言を促す丁寧な所作や、
発言後「はいありがとう」と声をかける優しさ。
こんな教授の授業だったらぜひ受けたいです☆
そんな教授にひとめぼれした、
学生の栄田(攻め)はただひたすらに一途。
体は大きいのに気は小さく引っ込み思案という、
優しい大型犬のようなキャラクターで、
これは絶対応援したくなるというものです。
そんな二人のラブコメですが、
SMが絡むことでグっと深みが増します。
自分の性癖に、
栄田を引き込むことは出来ないと、
心を鬼にして距離を取ろうとする宮。
そして、宮のためにSになろうと決心し、
必死で努力する栄田。
そんな二人のすれ違いが続きます。
そして、助教授の王と、セッションと称し、
セフレ状態でプレイをしている宮の意外な一面。
そんなプライベートは危なっかしく、
はたまた人間らしく、
宮を不思議と魅力的に見せていました。
そしてこの王のキャラが良い♪
思い上がらず踏み込まない、
あくまで宮のSという立場を逸脱せず、
遠くから暖かく見守っているのです。
また、要所要所での
冗談まじりのアドバイスは深く的確で
その後の宮の行動にも、少なくない影響を与えていました。
Sになると決心した栄田に、
王が手ほどきをするシーンは
すわ3P!?という危ういものでしたが
3人の真剣な気持ちが伝わって来て、
エロ的な意味でなくても素敵なシーンです。
そしてこの王は、
終盤に、宮に危害を与える人物をねじ伏せ恫喝し、
その上で、宮と栄田の誤解を解き心を繋げるという、
大変大きな役割を果たします。
また、大きな声なんて出せなかった栄田が
宮は自分のものだと、その人物に怒鳴る場面も
胸が熱くなりました。
ラストのHも幸福感に満ちたもので、
読みながら「あ~、幸せ~」と思ってました☆
このお話の助演男優賞は間違いなく王で、
このキャラクターのスピンオフが…、
喉から手が出るくらい読みたいです(笑)
王が幸せになっているのかどうか、
発刊から時間がたった今、ぜひ確認したいです。
個人的に痛さが快感に繋がるというのは理解出来ませんが
そういう方々もいらっしゃるのはわかります。
ですので、利害一致しているならアリな世界だとは思っております。
彼女いない歴=年齢(20歳)の、デカい図体で小心者の栄田は
社会学概論を受けることとなり、
“殿下”と呼ばれる准教授の宮に一目惚れしてしまいます。
緊張のあまり質問にとんちんかんな事を口走ってしまったものの
宮に「いい答えだね」と言ってもらい、
そこからはもう今までの消極的な自分と決別して
必死に想いを伝えようとするのです。
年下ワンコ攻めは大好物なのですが、今回約20歳差!!!すごいわ…w
文献をひととおり読んだり積極的に質問に訪れたりレポート提出もバッチリ!!
健気な事この上ない栄田の気持ちに早くも気づき
今迄どおり(そんな経験は数え切れずしてきた為)突き離そうとする宮。
しかし、栄田の計算も駆け引きも無い言動に次第に絆されて…。
宮はM属性で、Sな助教で中国人の王とセッションという名を好んで使う
いわゆる“プレイ”を共有する間柄。
純粋過ぎて“小鳥ちゃん”と呼ばれてしまう栄田は王に気に入られ
ある日偶然居合わせてしまったアクシデントで
全てを知らされることとなります。
その宮のエロさときたら!!
優しすぎて痛い思いをさせるなんてとんでもない栄田に
宮のご主人様は務まるわけもなく。
しかし宮に拒否されても食い下がる栄田は
生粋のワンコとでもいいましょうか…とにかく一生懸命で可愛い!!!
王の指導のもと、初心者用にうまく設定されたセッションを
途中で台無しにしてしまったり
宮に「いい子過ぎる君には無理だ」とまたはっきり言われ落ち込みます…。
そもそも、優しく愛したい人に酷いマネをするなんて
やっぱり栄田にしてみればツライわけですよね。
でも宮は酷くされたい、それが気持ちいいという相容れない壁。
恋がどんなものか、好きな人に立ち向かう衝動、
全てが栄田にとって初めてで、そこには理屈も理論も不要なのです。
食事を共にする際も美術館へ一緒に行く際も
栄田への愛しさは増すばかりの宮。
初めてだというぎこちなくてテクニックのひとつもないキスに
堕ちるのは仕方ないと思います…w
熱い体温とこめられる力と視線で、言葉以上の想いが胸に飛び込みます。
ところがそこへ、昔宮を仕込んだ怪しい男が再び姿を現し
実はそれが栄田の実の……!!というショッキングな展開。
血って、恐ろしい程に自覚しなくても似てしまったり
嫌でも消せないものがありますよね。
そこを乗り越えた栄田がまたいとおしかったですし
ちゃんと栄田本人を愛してくれた宮に胸が熱くなりました。
SMの基本は“信頼”。
王と宮のそれに戸惑いながら
王の人当たりの良さと、協力し励ましてくれた事にありがたさもありつつ
やっぱり嫉妬してしまうところとか可愛かったです!!!
「筑波山にも登ったことがないのに、
チョモランマをイメージしろと言われても無理である」とか
いちいち例えが相変わらず面白すぎてふきます。ところどころ。
でもきゅうっと切なくさせてくれたりハラハラさせられたり。
SMの世界は色んな嗜好があって素人には理解出来ませんが
だからこそ心を通じ合えるパートナーが必要なのですね。
痛みだけでなく、体だけではなく、
脳と胸の奥底までも委ねられる相手が栄田で良かったと思います。
それにしても王があまりにも味のあるキャラ過ぎて
榎田さんのあとがきに「シリーズではない新作」と言う言葉を読んで
思わず「王はどうなんのー!!??」と叫びたくなりました!!!
栄田と宮が幸せになって、それを羨んで……。
可哀想じゃないスか!!!
いくらSのスペシャリストでも、本当に愛する相手が必要ですよ!!!
誰か良いお相手を王に…お願いします…(泣)
初めはただ栄田を面白がっていただけでも、
だんだん協力してくれて情が移って
結局栄田と宮にあてられて気の毒過ぎる王、幸せになって欲しいです!!!
ちなみに、茶椀蒸しにはやはりぎんなんが必要でしょうか??
私はお子様なので(?)栗の甘露煮が良いです………。
とにかく、さまざまな性嗜好は改めて想像を超えますなぁ…w
草間さんのイラストで、大型ワンコの栄田、
一見ストイックそうで色気垂れ流しの宮、
憎めない王がとっても魅力的でした!!嬉しい♪♪