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やー……本当に、名作だわ、の一言に尽きるというか…
再読なんですが、以前読んだ時から時間が経っていたので、初めて読むような感覚で夢中で3冊、貪り読みました。
どこかふわふわしていて、庇護の対象だった宙が決心したこと。
「自分が、繋いだ手を離さなければいい」という一言にぐっと胸が詰まって、また泣いてしまいました( ; ; )
あの苦い別れが必然だったとは言えないし思わないけれど、大人になり、2度目の再会を果たし色々あった今だからこそ、そんな決心ができたのかな、と。
宙…!!強くなったなあ。と思ったけど、実は宙は最初からそういう強さを秘めていたよな、てっちゃんてっちゃん、とてっちゃんを追いかけていたけど、全面的に頼り守ってもらおうとは最初からしてなかったな、と。
精神的に脆く弱いのは、実は攻めの方だったな…なんて思ったりしました。
大人になってからの再会で、「俺がいなくても大丈夫なんだな」「安心したよ」とてっちゃんが宙の頭を撫でるシーンがあるけれど、寂しさの裏返しですよね。。あ…思い出すとまた切なくなる。
全編通して切なくて胸が締め付けられたけど、これからは春夏秋冬、幾千の夜を2人手を繋いで超えてゆくんだな…と、孫となハッピーエンドにため息が出ました。
タイトル回収も素晴らしかった✨
最終巻を読んで、やはり木下先生の繊細な心情描写が好きだなぁと感じました。シリアスな雰囲気ではあるけれど、どこかにずっと仄かな甘さが漂っていて、終始湿っぽい雰囲気ではないんですよね。穏やかに、リアルな展開が続いていく。2度目の別れを経て偶然の再会を果たした2人は、お互いに今度はどういう風に相手に接するべきか悩みます。ずるずると曖昧な関係を続けていくくらいなら、拒絶し綺麗さっぱり忘れて新しい一歩を踏み出そうと考えるてっちゃん。真っ直ぐ想いを伝えてくれていたてっちゃんに、今度は自分から積極的に行動して簡単には諦めないようにしようとする宙。
最初はお互いの方向性がずれていてすれ違ってしまいますが、やはりこの2人は出会えば相手に惹き付けられる運命のようですね。彼女がいても、相手のことはけっして忘れられない。離れていた期間で、宙はすっかり自立し、てっちゃんは宙の自立心を受け入れる心の余裕が少しはできていて。自分の駄目だった所、相手と一緒にいるのに必要なことを、きっとお互い何度も考えただろうと思います。2人にとっては必要な時間だったのでしょう。恋人として、穏やかな愛も性的な愛もようやく噛み合って、どの面でもどちらかがどちらかに寄りかかっているのではない関係性になれたことが嬉しかったです。てっちゃんにしてもらうのが好き、と言った宙が本当に可愛かった。これからは安定した甘い生活が築けそうですね。
3巻まとめての感想です。
私は長編好きなのですが、木下先生のはやはりいいですね。
さらっと書かれていて読みやすいけど、これだけボリュームあると読み応えがある。
幼なじみで、両思い、お互いのことが大事で大好き。このことがすんごく伝わってくる。これだけでもうたまんない。
でもどれだけ相手のことを思っていても、うまくいかない。
相手のことを思えば思うほど、傷つけたくないし、側にいたくても離れた方がいいという選択をする。
これがじりじりはするんだけど、2人の気持ちがわかるし、違和感なくすっと入ってくるので、イライラはしないんですよね。
うだうだが3周くらいすると、長い〜〜と感じてしまう私にはとてもありがたく好きな作風です。
その分、くっつく場面がまたぐっとくる。
2人もだし、読んでいる自分もよくがんばったわ〜という気分になりますw
てっちゃんが、宙のことを好きで好きてたまんない描写が激萌えでして。
木下先生の黒髪長身クールイケメンが大好きなんですが、無愛想な彼が相手のことを何よりも大切に思って切なくなる描写がめっちゃ萌えです。
宙はかわいらしくて、それだけじゃない自立心もあるしっかりした子なんだけど。
てっちゃん呼び…これだけで毎回萌え萌えでした。
あれ?3巻が一番スラスラ読めちゃった。あんなに切なくて苦しかったのに。お願いしますくっついて!って祈ってたのに。
6年後くらいでしょうか。お互い忘れられず今でも好きで街でお互いを探したり夢に見たり。切ないよ!
そして偶然会えたのに言葉が出ず。
大人になった自分を見て頑張ったと誉めて抱き締めて欲しかったのに。
宙が勇気を出して電話したのに友達だからとか言っちゃって。てっちゃんは元カノとよりを戻してしまいます。
何やってんの!いや今度こそこのままではダメだと思ったの?
色々あって宙も頑張ってなんとかやっとてっちゃんと宙がくっつきます。
甘々は程よい加減。
宙立派になったね!一人で暮らして仕事して。でも相変わらずの天然で。
てっちゃんも苦しんでいたんですよね。どうしても宙寄りで読んでしまいますが。
やっとお互いに納得のいく関係になれたんですね。長かった。
でも会えない6年もお互いに想っていて報われて良かった。
タイトルからして切なそうだったのでつい積んでましたがやっと読めて良かったです。
でもなぜか3巻の満足感が物足りないような。
3巻まとめてのレビューで失礼します。
長かった…。
作品のことではなくて、2人の気持ちが通じ合うまでが。
始まった時点から既に両思いなのが分かっているのに、「恋だ」と意識してから10年です。そのとき生まれた子が小4に、小1の子は高1になるほどの時間。もったいない!と思ってしまうのはわたしが老い先短いからなのか…。
宙が高校に入ってから1年は疎遠。てっちゃんが大学進学で完全に会わなくなって2年近く。その後一緒に過ごした時間が半年足らず。そこから会わずに7年くらい。やっぱりもったいない。
だけど必要な時間だったんでしょうね。
守ることばかり考えて、宙と並んで対等に歩くことを考えもしなかったてっちゃんではだめだった。てっちゃんの優しさに甘えるばかりでは自分がだめになると先に気付いた宙があそこで離れなかったら、2人ともだめになって、ぼろぼろで別れることになっていたかもしれない。
でも10年。長いなあ。
宙に関して言えば、この10年は無駄ではなかったと思えます。好きな人と両思いなのに一緒にいないのはやっぱりもったいなく感じるけれど、ひとりになったからこそ、大事な人の手を振り払ったからこそ強くなれたのだと思うからです。
でもてっちゃん…。わたしには分からないのです。てっちゃんが何か変わったのか。
今となっては大塚さんの役割って何だったんだろうと思います。てっちゃんと離れて、てっちゃんに顔が似ているひとに優しくされて、だけどそういうのはてっちゃんじゃないと嫌だ!と気付かせる役目だったのでしょうか。てっちゃんは存在すら知らない大塚さん。しかも宙のムスコさん的存在を初めて触った他人であろうはずの大塚さん。おそらくティックビーも舐めたであろう大塚さん。誰にもその事実が認識されていない大塚さんフォーエバー。
由衣もなかなか可哀想な役回りですが、初登場シーンでは宙にそっくりに見えたので、「わたしたち/オレたち、そっくり!?」という驚きの表情かと思いました。てっちゃん、そこまで宙の面影を求めていたんだな、と。それはわたしの勘違いでしたが、大学2年(19ー20才)で別れて26、7才で再会するまで引きずっていたのかなと考えると、てっちゃん、罪作りというか何というか。心の中にずっとひとりの人が居座っているのに、他の人と付き合って追い出してもらおうという魂胆がずるい。でもそれだけ引きずるということは付き合っていたときのてっちゃんがちゃんと優しかったからなんでしょうね。罪作りだ。
木下けいこさんの長編作品は「ああ、もうつらすぎて読みたくない」と思う作品が多いの、なぜか思い出したように読み返したくなります。Mではないと思うのですが、中毒性がある。
きっとまたしばらくしたら読み返してしまうんだろうなと思います。