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表題作初恋の奴隷

勝間蓮治,アメリカ帰りの脳外科医
深津湊,親友に失恋した外科医

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

親友を愛しながら、その愛に抱かれる…。

失恋の傷を癒すため旅に出た外科医の深津湊は、恐ろしく魅力的で不遜な男・勝間蓮治と出会う。ゲイであることを隠し、親友に片思いし続けた惨めな自分を変えたくて、湊は蓮治に唆されるまま抱かれ、生まれて初めての快楽を貪った。だが休暇明け、湊は病院で思いがけず蓮治と再会する。彼は新任の外科医で、しかも親友・一条雅弘の兄だった。蓮治は欲求不満なら自分の相手をしろと脅迫まがいの提案をしてくるが……。

あすか先生、ショコラ文庫初登場!!

(出版社より)

作品情報

作品名
初恋の奴隷
著者
あすか 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
ISBN
9784778112318
3.1

(13)

(1)

萌々

(4)

(5)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
38
評価数
13
平均
3.1 / 5
神率
7.7%

レビュー投稿数3

無自覚の檻の中にいる受けさま

ドクター×ドクターとの切ないラブストーリーでした。
それも微妙な形の三角関係や兄弟同士の確執に知らずに翻弄される
どこか気弱で、でも医師としては優秀なのにそれさえも自覚出来ない
受け様を中心とした糸がからまるようなお話でしたね。
受け様は長年親友に片思いしていたのですが、親友が結婚してしまい
受け様は失恋の痛手を癒そうと一人で寂れた温泉で過ごしていたのですが
そこで態度が横柄で不遜な攻め様と出会い、一夜を共にしてしまう。
しかし、親友の実家でもある病院でその相手と再び出会ってしまう
それも親友の兄だと知り動揺する受け様。
それから二人は攻め様の半分脅迫めいた態度からセフレの関係に

攻め様と親友は兄弟だが攻め様がゲイなことが判明しそのせいで
母親と攻め様は家を出されてしまっていたんです。
でもその引き金が過去の受け様にあるのですがそれは後半に解ります。
親友はゲイに対してかなりの嫌悪を持っているんですがそれも
受け様の事があった為なんですよね、自分が兄のような性癖が少しでも
あるなんて認められない、でも受け様を親友として放したくない。
かなり歪な感情で受け様を絡めているのです。
でも受け様は自分の性癖を恥じていて親友に恋心を抱きつつも
気が付かれないように心に閉じ込めてるんです。
そしていつの間にか個人としても医者としても親友に依存するように
半分は親友の差し金でもあるのですが受け様は知りません。
それを暴いていくのが攻め様なんですよね、初めは昔の仕返しの
つもりも多少はあったために、弟が大事にしている受け様を奪う事で
仕返しをするつもりがいつの間にか本気になってしまう。
でも、この攻め様も自分では気が付いていなかったのですが
はじめから純粋に受け様に惹かれていたんですよね、後半で解ります。
受け様が知らない時から受け様を巡ってもめていた兄弟に受け様が
巻き込まれる形の設定なんです。
それに受け様の親友を思う恋心と好きな人がいながら攻め様と抱き合い
いつしかそれに溺れ心まで惹かれていく、そして二人の表面的な
思惑を知り裏切られたと悲観し大人しかった受け様がキレます!
でも最後はやはり心優しい受け様は全てを許して、親友への思いも
区切りがついて攻め様への思いを自覚する。
二人は今後ラブラブだろうと思うラストでした。

3

様々なコントラストがハッキリしている作品です。

「ショコラ文庫創刊1周年記念」フェアで初めて知りました。
その時から ずっと気になったまま、古本で購入しました。

受けが攻めと親友の兄弟に対してキレた所が一番 面白かったです。

親友や攻めのことで悩んでいる時や、仕事に対して真剣に取り組んでいる時など、
色んな場面で見せる受けのギャップが良い具合に良かったです。

攻めは、ゲイであることに強い非難を浴びても毅然とした態度を崩さなかったり、
受けにとって、ためになるアドバイスをしたりするなど、色んな行動や言動が
みんなカッコ良かったです。

受けはゲイであることに引け目を感じていて、攻めとは違うタイプのゲイで、
同じゲイでも心構えの違いのコントラストがハッキリと分かれているところが
面白いと思いながら読みました。

受けと攻めの関係やお互いの信頼などが深まっていくのがスムーズに感じられて、
とても読みやすかったです。
物語の展開や描写がとても上手いと思いました。

受けの片想いの相手である親友が、とても嫌な人に書かれていて、
元々、受けの想い人の名前は私の嫌いな名前の中の一つだったのもあって、
さらに嫌悪感が増しました。
そのため、兄と弟のコントラストが強くハッキリと分かれていたので、
読んでいて面白味が増しました。

湊くんの相手が蓮治さんで良かったと思いました。
どちらかの性格が少しでも何か違っていたら、
満足のいく組み合わせにならなかったと思いました。
とても お似合いの二人だと思います。

今回の評価は、迷うことなく「萌×2」です。
人物設定、物語の展開や文章構成など良かったです。
読後は満足感でいっぱいになる作品で、
新刊で買う価値もあると思える作品です。

3

医者もの

受けの気持ちがよくわからない、そんな印象です。

表紙で分かるように、お医者さん同士。
出会いのエピソードが鄙びた温泉宿で偶然、というのがうまい演出だなあとおもいます。
そして、本編が始まってみたらお医者さん同士でなかなか美味しい設定。手術のシーンや、仕事上での協力、敵対関係が恋愛に絡むのも読み応えがあります。

ただ、腐れ縁の雅弘(弟)に対する長年の恋心と、新たに現れた、とびきり腕の良い率直でグイウイくる蓮治(兄)に惹かれる気持ちが、美味しく調理されてはいなかったなあという感じで、ちょっと残念でした。

いつまでも雅弘に対して盲目でうじうじとしていて、仕事でも虐げられているのに気づかないという自分を大事にしないキャラが苦手なせいでしょうね。
一方、蓮治は、最初は湊を弟から奪おうと湊を騙してただけだったけど、本気になった、というのは良いとして、港は蓮治に惹かれたなら、最後のクライマックスでスタンガンを使っても雅弘とHしようとする、という心理が理解できなかった。

なんとなくスッキリせず、好みの設定だっただけに残念でした。

0

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