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表題作100万ドルの赤いバラ

従兄弟で愛人・真咲真弥・35歳
真弥の愛人・相崎祐輝(アユキ)・26歳

あらすじ

プールバーの雇われ店長をしている、美人で性格がキツメの相崎祐輝は、10年以上も前からオーナーでありいとこの美咲真弥と愛人生活を続けている。
身につけるものはすべて一流品であり、彼に買ってもらったものだけで周りをかためている。
金銭的にも恵まれた贅沢な環境や現状に不満はないように思えるのだが、やはり真弥の家庭のことが気にかかるのは否めない。
そんなある日、部屋の中で一途に待ち続けては、愛し合うだけの関係に疲れてきたのだなと勘づかれた真弥に、祐輝は情事のあとに別れ話を切り出され―。

作品情報

作品名
100万ドルの赤いバラ
著者
小林蒼 
イラスト
青海信濃 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
ISBN
9784883024414
3.5

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萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

不倫ものですが・・・

従兄弟の真弥と10年以上愛人関係にあるアユキ。
昔は恋人だったのですが、真弥が結婚してからは愛人として真弥の持つ店で店長として働き、真弥に与えられたマンションで彼が来るのを待っています。

不倫とか愛人とか、人に寄っては苦手にしそうなテーマで、私も不倫はちょっと…と思います。しかし、このお話はちょっと変わっています。
もともと恋人だった二人が、真弥の家が負債を抱えたために半場無理矢理よその家に養子としてやられ、政略結婚させられてしまう。
家のために泣く泣く引き裂かれた二人は、悲恋的でした。
それでも愛人として真弥の側にいることを選んだアユキは、髪を長く伸ばし化粧もして口調も本妻に嫉妬するその思考もどこか女性的です。

男性なのに化粧してるのは何故かと思っていたのですが、「女性だったらよかった」というアユキの気持ちの表れなのですね。
プライドが高く他人に対してはちょっと傲慢なくらいのアユキなんですが、真弥の前出だけは素直でベッドで「うん」、とか「はい」、とか言いなりになってるのは可愛かった。

真弥の妻も真弥を愛しているわけでなく、政略結婚だと割りきっていて、「会社の椅子に黙って座ってくれてたらいい、あなたにはそれしか役にたたないでしょ」みたいな感じです。その態度があまりに酷く、そのおかげ(?)で不倫ものだからと言っても罪悪感や背徳感のようなものを感じられないのがよかったかも・・・。

家のためにと引き離された二人が、「それでもあなたが一番好きだ」「一生好きだから信じていて」と囁きあうのがなかなかせつない作品でした。
でもこの設定がよかっただけに、肝心のストーリーはかなりあっさりな感じもしました。
最後はハッピーエンドなんですが、やけにあっさり気味。
もう少し味のあるお話にもなったんじゃないかな?と勿体無い気もします。味気ない…といえばそうでした。
短編集形式になってるからかもしれないんですが。

後半はやっと結ばれた二人のその後のアメリカでの生活です。
アユキがかなり強気で奔放な性格なので、やんちゃな受けと大人な攻めの歳のさが好きな方にはオススメです。

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