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運命の中華シンデレララブ?
中華系ジャンルのお話です。視点は受け三人称。
挿絵は石田要さん。
表紙の色味は青龍を意識してか濃い色目なのですが、口絵は淡くとても美しい。
うっとりいたしました。
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受けの瑛鈴は、天界から人間界に落ちた宝玉。
人間の中で育ったせいもあり、己の本性に自信が持てない奥ゆかしい性格。
攻めは青帝と呼ばれる仙界青東国の龍王、延揮。
長いこと失った宝玉を探し求めていた、不老不死の美丈夫。
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養い子だった瑛鈴はその年の不作と戦により、口減しで山へ捨てられた10歳の子。
そこを延揮に救われ桃源郷で女仙の指導の元18歳まで育ち、その後延揮へと嫁ぐことに。
しかし宝玉と期待されていながら実は何の力も発揮できない瑛鈴は、己が紛い物ではないか、宝玉だからこそ延揮が求めているのではと疑心暗鬼になっていきます。
確かに玉ですから性別がないわけで、本来は龍王が男性なのでその相手となる玉は女体へと転化する。
こういう設定は中華物では時々あるのですが、BLともなると女体を求められるというのが好き嫌いがありそうです。
実際は女体へと瑛鈴は転化出来ないで終わりますが、その可能性があるのは嫌だと感じる方もおられそうです。
個人的にはこういうジャンルですと、受け視点の中でももう少し俯瞰した方がファンタジックな世界に入っていけるのではないかと感じます。
加えて本編は160ページほどということで、雑誌掲載に加筆されているようなのですがかなり駆け足。
ファンタジーですと設定に説明が必要で、その分ページを食うのでよけいかと。
そしてそのせいか、序章で延揮が瑛鈴を見つけた際には完全に宝玉として発見したことを喜んでいたはずが、いつの間にやら宝玉だから側に置きたいわけでないと延揮の心中が変化したことについてあまりに触れられず違和感が。
宝玉でなくともということになると、書き下ろしで語られる瑛鈴の過去が不必要になってしまうというのもあります。
ですので、もう少し幼少時を削って成長してからの部分を多めにして貰えた方が、大人の人間としての瑛鈴に惹かれていく様が伝わってきたのではないかと思います。
表紙の受けはタレ目のせいか女の子にしか見えません。
石田要先生のイラストは好きなんですけどね。
10日に1度は瑛鈴に愛に来ていたのに、急に何年も来なくなったのはなんで?
戦などで忙しいとしても、いきなりだなと思いました。
好きなシーンは瑛鈴が生まれ変わる前、宝玉だったころの記憶ですね。
戦いで傷が付いてく宝玉に延揮はもう一緒には行けないみたなことを言うですが、宝玉も堅くなで宝玉と龍王は一緒にあるべきだという考え。
宝玉が玉の形ではなく、龍の姿だったら一緒に飛ぶことが出来た、人間の姿だったら睦み合うことを出来たと宝玉を失いたくないそれが、延揮の望。
宝玉が消え去って300年、宝玉は瑛鈴として生まれ変わったんです。
最初、瑛鈴は宝玉だったころを覚えてないですが。
宝玉のままの性格だったら萌え萌えだったかも。
寡黙な玄武が気になる。
石田要さんの美麗な龍王さまと、愛らしい瑛鈴のイラストががとってもきれいでした。
モノクロの挿絵も多くて一層楽しめました。
いかにもな可愛い女の子みたいな瑛鈴のイラストやキャラ設定がだめという人には受け入れられないかもしれませんが、私は好きな方なのでとってもよかったです。
その昔、失った宝珠を探し求めていた青龍が漸く見つけたのは、極貧の中雪の森に捨てられた少年の姿だった。
幼く健気な瑛鈴がもうかわいくてかわいくて、延揮でなくても腕の中に囲いこんで離したくなくなります。
特別な力があるから求められたのか不安になったとき、宝珠だから嫁にしたのではない、もし宝珠としての力がなくても大切に思っていると再度のプロポーズが感動です。
めでたしめでたし。
龍王さまのライバルというか敵将となる白虎と、仙界に迷い込み瑛鈴と出会った少年 琥珀の恋物語がスピンオフの『白虎の花嫁~白帝の恋着~』です。
秋山さんの中華風ファンタジーです。人外です。その上花嫁です。
どれをとっても私の好みの範疇です。
秋山さんは『中華風ファンタジー』が多いですが、こちらはいつもとはちょっと違って『仙界』が舞台になっています。神話風?
ラブ面では、これも『育て系統』というのか(実際に面倒を見るのは本人じゃないんだけど)、幼い頃に拾われて育てられ、大人になったら花嫁にっていうヤツです。
一途な純愛ですね~。
レーベル的にも、適度な切なさはあっても結局は甘~い王道ファンタジー。でも、そこがいいんです。
秋山さんのこういう路線が堪らなく好きな私。
龍王(青帝)・延揮(攻)のキャラクターがなかなか見え難いので、表面的には感情のなさそうな何とも掴み所のない男のようにも思えてしまう。
でも、こういう武骨なキャラクターは決してキライじゃないんです。むしろ好感が持てました。←『わかりにくい』けど、別に乱暴働くわけじゃないしね。いかにもじゃないかもしれないけど優しいいい男だと思う。
それよりも瑛鈴(受)のほうが好みは分かれそうな気はします。
これはイラストの印象も大きいとは思うんですが、かなり『女性的』に感じられるかも。
『BLのキャラクターは男らしくないと!』という方には向かないでしょう。
ちなみに、私はそういうのはまったくこれっぽっちも気になりません。瑛鈴はとにかく健気で可愛くて、こういう子は好きです。
まあ確かに『あまあまファンタジー』ではあるんですが、単なる雰囲気だけではなくストーリーも読み応えあって面白かったんですよ。
とてもよかった。好みです。
スピンオフ・白虎編『白虎の花嫁~白帝の恋着~』も出ています。
ファンタジー・人外・擬人化と大好きネタ満載な作品です。
秋山先生は初読み作家様ですが、しっかりとした文章を書く方で
ファンタジーですが、世界観が想像しやすかったです。
攻様が龍王で受様が人の形をなした宝玉です。
宝玉ですよ!みなさん。あの、よく龍が手に持っている珠です。
もう、このカップリングの発想が面白いというか。
受様は自分が宝玉であるという記憶がないまま人間界で育てられていたのですが、
口減らしの為に冬の森に捨てられてしまいます。
あとは死を待つだけというところに龍王が現れるのですが・・・
受様はまだ子供なんですよ。この、子供の頃から龍王のことが大好きで嫁になる為に
けなげに修行をするんですよね。
本当は攻様の国に受様を連れて帰りたかったのですが、攻様の国の気が強すぎて受様の身体では耐え切れず大人になるまで人間界の気に誓い桃源郷で過ごすんですね。
その辺は読んで頂くとしてですね。
正直1度、読んだときには星3つくらいかなという感想でしたが
最後まで読んで、受様の本当の正体がわかってから、もう1回読むと攻様の台詞が
全然違った意味あいで感じるんですよね。
攻様は受様の本当の正体を知っていたので、2回目読むといかに攻様が受様を大事に
していて、優しい言葉をかけていたのか!というのが良くわかります。
基本あまあまなお話なので続編とか読んで見たいですね。
只、受様が本当の力を取り戻せは、女体にも男体にもなれるみたいですが
何故、取りあえず男として生まれてきたのかというエピソードがあればよかったなと、思いました。