だから、愛してなど、いなかった

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表題作この嘘がつづくまで

平岩鉚二 建築士と偽り店に通う警視庁公安部の刑事
瀧本峻 創作和食店経営者で料理人のシングルファザー

あらすじ

惣菜ダイニングを営む竣は、真摯に料理と向き合う為、愛息子と二人都会を離れ、小さな街で暮らしはじめた。素材にこだわる定食処の常連客に加わったのは、設計事務所の建築士・平岩だった。男気あふれる平岩に息子を救われ、次第に惹かれる竣は、三人で囲む食卓に癒されていく。力強く抱き寄せられて身体を暴かれても、平岩ならと許容する竣。しかし、時折彼によぎる一縷の影に、ただならぬ不安を感じ!? 本当の幸せは平穏な暮らし? それとも――。.

(出版社より)

作品情報

作品名
この嘘がつづくまで
著者
妃川螢 
イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
ブライト出版
レーベル
ローズキーノベルズ
発売日
ISBN
9784861232510
3.4

(7)

(1)

萌々

(1)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
24
評価数
7
平均
3.4 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数1

嘘の中に見える真実

独りで子育てしながら頑張るシングルファザーと公安部で裏の仕事をしている為に
全てを嘘で固めている男との大人テイストの恋模様でした。
既刊の「LOVE TARGET」もシングルファザーで警察関係者でしたが、こちらの方が
公安部と言う同じ警察でも裏方的な感じが強い警察官なので、全てが秘密で素性も
嘘で武装されているからか、シングルファザーの受け様の子供がいなければ重めで
切ないばかりのストーリーになってしまいそうですが、やはりこの作者様はその辺の
緩急の付け方が上手いようで大人の事情に子供の無邪気さをプラスしてほのぼのとした
要素もプラスしているので、読み終わった後は幸せの景色が見えるような気がします。

そして、主人公二人の他に、このお話の事件での主役の研究員が出てくるのですが、
人を好きになる愚かさと切なさを倍増させてくれる設定です。
平凡で落ち着いた日々を捨てて、自ら騙されていると、犯罪だと知りながらも
己を止める事も出来ないままに堕ちていく愚かさは切なかった。
ラストでも行方知れずになったままなのですが、その後が気になりました。

人気でイケメンな料理人でTVにも出ていた受け様は、父を亡くし、妻とも離婚して
本当に安心して食べる事が出来る食の提供をめざし、小学生の息子と二人で都心の店から
少し田舎の方でカウンターだけで、受け様一人で切り盛りできるくらいの店舗と自宅の
店を始め、ランチだけの見せながらいつも満席状態で感謝しながら店を営業してる。
ランチだけと言うのも息子との時間を取る為と言う親心で、ほのぼのします。
そしてこの息子も小学生なのにその辺の下手な料理人よりも凄腕なんですよね。

そんな店に新規で訪れたお客が攻め様で、受け様は初対面から何故か気になる。
建築事務所に勤める設計士の攻め様はそれから常連になっていくのですが、ある日
受け様の子供が評判の良くないTV番組の関係者に絡まれているところを助けた事で
その子供に懐かれてしまった攻め様。
その事を切っ掛けに二人の自宅に食事をごちそうになる事が増え、ある日攻め様は
受け様を抱いてしまうのです。
でも純粋な感情からなのかはわからない、受け様の店には攻め様が捜査している対象が
常連客として来ていて、その情報を得る為に受け様に近づいたのです。

何処までが本当で何処までが嘘なのか、受け様の立場で考えたら、かなり混乱して
切ないですが、それでも、危険を伴うと解っていても諦められない、忘れられない
思いが大きく育っていたんです。
受け様とその息子が危険に巻き込まれてしまう事態になった時に、攻め様の気持ちも
大きく揺れ動く事になります。
ちょっぴり大人テイストのラブストーリーって雰囲気でした。

2

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