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作者の和泉さんもあとがきに書かれていますが、時代はパラレルワールド的な蒸気機関が発達した産業革命後の世界。
個人的にはパラレルワールドという設定は何でもアリで苦手な部類ですが、多方向の視点から読めるので楽しめました。
受けは母譲りの容姿で誰もが可愛いと評す、珪。
戦いへ傾きつつある時代の中で、平和主義を訴える少年。
攻めのライルは、商船の船長。
金髪で真っ蒼の瞳を持ち、野性的で少しむこうみずですが、頭の回転の速い魅力的な男です。
珪の父は英国で研究を続ける天才科学者ですが、行方不明となったことで珪自身も身の危険を感じ、貨客船で日本を脱し英国へと向かいます。
女学生のかっこうで(苦笑
敵がわからないので、撹乱のために仕方なく女装した珪。
そんな中、航海中に嵐に巻き込まれ漂流していたのを助けたのがライルでした。
ライルはストレートに珪へ可愛いだとか人魚姫だとか口にしますが、これがまた自分が言われているようで妙にこそばゆいのです(笑
いかにも日本人とは違う率直さが気持ち良く、ファンタジーBLが苦手なわたしでも話に入っていけるキャラクターの魅力がライルにはありました。
珪も見た目こそ女の子ですが中身はキチンと男の子で、「これなら女の子でいいじゃんよ」というような受けではないのも良かったです。
ただ、登場人物の容姿を思い切り讃美するように説明される下りがありますが、それが若干読んでいて冷めます。
それ以外はスラスラ読め、気持ち良く終えます。
でも秘密をすべて解決しているわけではないので、続きが出るのかもしれませんね。
ちなみに、スピンオフで副船長のルカのお話が発売されているようで、そちらも購入してみようかと思います。
時代物?と思いきや、時代物っぽいパラレルワールド。
おおよそ明治時代って感じの設定なのだろうけれど、
なんちゃってなので、歴史の知識とか全く必要なし。
東京の全寮制の男子校に学ぶ珪の元に、
大英帝国で研究を続ける父が行方不明になったという
電報が舞い込む。
ただ一人の身内である父を捜すため、単身英国に渡ることになった珪は、
自身も狙われている為、女装をして一目を欺き乗船する。
ところが、彼が乗った客船は嵐にあって難破。
幼い水夫見習いのとノエと共に海に漂流しているところを、
謎の貨物船・リベルタリア号の船長であるライルに助けられ……
魔術省が出て来たり、聖歴という概念、神的機関(Divine engine)、
石炭燃料の飛行艇、英語で喋っているのにクラバット、
コウキさんの挿絵もあって雰囲気はファンタジーラノベっぽい。
(挿絵については、もうちょっとクラシックな方が個人的には良かった。
特に、フロックコートがどう見てもトレンチコートだったり……
より雰囲気をなんちゃってにしている。)
ライルとリベルタリア号の正体については、
早々に出て来る「ヤンキー・ライオン」というコードネームから凡そ見当はつく。
和泉先生の作品にしては、可愛いというか主人公に影やくせがなくて読み易い作品。
攻めの金髪のライルは普通にいい男だし、
受けの珪は大和撫子の外見なれど、中身は芯のある若き武士。
設定は大仰なんだけれど、二人の恋模様は比較的素直な話。
全寮制の男子校にいてこんなに性的に無知ってあり得ないよ!と笑ったが。
主人公達より、ライルの副官で大の日本贔屓のルカや
因縁のありそうな敵方サリエルことクロードといった脇役が面白い。
(Sariel:大天使、人の生死を支配する魔力を持つ月の統制権を持つ。)
チラッとしか登場しなかった魔法省の大物、
まるで幼子の容姿のプロフォンドム侯爵がかなり面白そうなんだけれど、
まだ様々なアイデアやイメージの寄せ集めの感があり、
こういうファンタジー設定をどう料理していくかは、
今後次第……
……ってカップルはまとまったけれど、続編ありますよね?!
元々中性的な容姿の珪は、父の失踪の知らせを高校の寮で受け取るのです。その父というのが、機関を研究する優秀な研究者なのです。
自分の身を守り、そして父を探しに行くため、「女装」して英国行きの船に乗り込むのです。
船が難破したとき、玉鬘は流されてしまったものの、私には袴のせいか女性にしか見えませんでした(笑)助けられた船の中で、船長のライル達と邪険にされながらも、下働きをしている姿が印象的でした。
ともかく読み終わっての感想は、カバー絵、扉絵、挿絵の珪が女性にしか見えないのです(笑)中世的な顔立ち、色白な肌という内容で、コウキ先生の絵がぴったりはまっていて萌でした。
表紙等見て、「時代物かぁ~」と思い読み始め・・・かなり後になってから「???」という感じでした。
Hもほぼ無く、BLと言われなければ、わからないかも(結局、最後にはHもするのでBLですけど・・・)
でも・・・ちょっと「ファンタジー寄り」かな?
受けちゃんが、もう少しハラハラさせるような性格だったら、もう少し盛り上がったかな?
嫌いなお話ではないけど、「船乗り」の荒っぽいところとか、受けちゃんを船から下ろそうという場面でガツガツ行って欲しかったな~。
大事件になっている割りに緊張感の無いお話で、全体的にボヤ~っとした印章でした。
商船の船長と遭難してしまって船長に助けられた女装訳あり男子とのラブ。
時代背景も設定も有りそうでなさそうなファンタジーテイストの作品で、
架空の世界でのお話と言う感じでなかなか面白いのですが、何やら気になる事も多くて
続編かスピンオフ作でもあったらいいなと思いましたね。
大日本帝国の受け様は帝都の学生なのですが、ある日英国で蒸気機関を研究開発してる
受け様の父親が行方知れずになり、単身受け様は父親を探す旅に出る。
しかし、父親の影響で英国政府に狙われている受け様は身分を隠して友人の助言で
女子学生の姿で船に乗り込み、受け様を探して現れた英国海軍の捜索隊が現れたと
同時にやって来た嵐に巻き込まれ、海に投げ出されてしまう。
一方で英国の無線を傍受していた攻め様は、黒真珠と言うコードネームを持つ英国が
探している東洋人の事を知りスリルを求めて受け様が乗っているであろう船に行く事に
そこで海で漂流して、溺れかかっている受け様を発見し助け出す。
攻め様は受け様が女装をしているのは知っていたが他の乗組員は女性だと思い込み
それゆえのトラブルも起きるが、受け様は父親の事があり、誰も信用できないと
素性を隠して、父親がいるであろう、倫敦まで送ってもらう事になるが・・・
父親を探す為にかなり無謀な計画をしてる受け様と、そんな受け様を助けたいと
思い始める攻め様との、少しずつ互いに信頼し合い、船の船員たちとの交流と
新世界と旧世界、英国と米国との対立構図なのを背景に描いた作品なんです。
それに、面白いと思ったのが、英国は新技術の開発もしてるのに、魔術省なるものがあり
政府関係者なのか、魔法を使うのですよ、相手の心臓を鷲掴み出来る芸当はビックリ
そしてもう一人気になるのが日本大好きで、受け様をヤマトナデシコと勘違いした
攻め様の船の副船長ですね。
対立する魔法省の幹部となにやら因縁が有りそうで、片手が魔法で取られて義手ですが
その義手も魔法で付いているみたいで動きがスムーズ。
ほんと不思議世界なんですよね。
是非この二人の因縁めいたお話も読んで見たいなんて思います。