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高速エンジェル・エンジンBGH

kousoku angel engine bgh

  • 紙書籍【PR】

表題作高速エンジェル・エンジンBGH

その他の収録作品

  • エンエンBGH最終話の苦悩
  • あとがき

あらすじ

21世紀、日本――この世界は3種類の生物に寄って支配されていた。
人間、天使、悪魔…天使を最上級に置いたヒエラルキーの中で、悪魔は一方的に狩られる存在だった。
悪魔狩りの現状を知った人間は"愛と平和"の名の下に天使と悪魔の和解に乗り出す。
天使に親を狩られた孤児の悪魔・タク、そんなタクと知り合う事で悪魔と天使の関係に興味を持つ人間・ハナ、そして金銭と引き換えに復讐として天使を狩る悪魔・蓮二と天使・菫、4人の運命が複雑に交差しながら"愛と平和"、その本当の意味をアナタの心に問い掛ける。

作品情報

作品名
高速エンジェル・エンジンBGH
著者
本仁戻 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS ~ポーバックス~【非BL】
シリーズ
高速エンジェル・エンジン
発売日
ISBN
9784893937773
3.5

(4)

(2)

萌々

(0)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
13
評価数
4
平均
3.5 / 5
神率
50%

レビュー投稿数3

この番外編の“キレ”っぷり、素晴らしいと思う。

未完シリーズの「番外編」という位置付けがパッと手を出しにくい感じなのですが、個人的にはこの番外編を猛烈にプッシュしたい!
1人でも多くの方に読まれてほしい!!
この1冊で完結していますし本編からは独立したストーリーなので、本編未読でも大丈夫じゃないかなぁとは思うのですが、一応ざっくり説明すると↓こんな世界でのお話です。

地上に「人間」と「天使」と「悪魔」がいる世界のお話。
ヒエラルキーの頂点は天使で、
天使にとって、人間は凡庸でつまらない存在、悪魔は存在すら厭わしい最底辺の害虫。
自分達こそが“正義”の天使は、地上を浄化するという正義の名の下に、地上の“害”的存在の悪魔を狩る。
「神様」はいない。
完全な弱肉強食の世界。

そんなクソッタレの世の中に反旗を翻そうぜ!と、天使の〔菫〕と悪魔の〔蓮二〕がタッグを組んで“天使狩り”をしているのが本編の「高速エンジェル・エンジン」。
そしてこの番外編はというと、
天使vs悪魔の本編では蚊帳の外にいる「人間」が、菫&蓮二によってコテンパンにやられる(各々の愚かさを自覚させられる)お話です。

天使と悪魔を共存させることが自分達「人間」の役目と信じて平和運動をしている〔星野〕は、「天使と悪魔と人間“様”」思考な己の差別意識に気付きもしない女性。
そんな彼女の下には彼女の平和運動に賛同する何人かの人間が集まっている。〔ハナ〕もその一人。皆んな“善意”で集まっているが、人の意見に流されやすく簡単に集団思考に陥るタイプの人間達、という、まぁこの手の団体によくありがちな集合体。
この偽善団体を利用しようと近付くのが、善意のお金持ちの皮を被って、孤児院から悪魔の子供を引き取っては犯して殺すペドフィリアの天使〔佐山〕。

さて。
ここで少し考えてみたい。
「“悪”って何だろう?」
佐山が“悪”なのは間違いない。だからこの男にはハッキリと制裁が下されている。
だけど、ここに出てくる人間達は?
多かれ少なかれの害はあったとしても、彼らは“悪”ではない。
「そう?」と感じる人もいるかもしれないけど、これは“愚か”であって“悪”ではない。
現実でもここの線引きがごっちゃになってなんでもかんでも悪者呼ばわりする人、多い気がする。
そして、ここでこの人間達を“害”だからと狩ろうもんなら、それこそこの世界の「天使」と同じ穴のムジナなわけです。
では、どうしたら良いのか。

というところで、菫と蓮二がスカッとやってくれます!

善意を盾に偏向思想を押し付けてくる人間には何がおかしいかを徹底的に教え込み、
他人の考えに乗っかってばかりの思考停止人間には己の頭でちゃんと考えろと促す。
そして、完全なる悪には鉄槌を。
実に痛快な勧善懲悪ストーリーが読んでいて非常に気持ちいいのです!
本編よりド直球で社会を風刺している印象を受けるのは、作者自らがあとがきで少し触れているように、この作品が9.11だけでなく3.11も経て発表された作品だからでしょう。
この二つの出来事(特に福島原発の方かな)後の世の中を見て私が感じたモヤモヤがそのまま反映されているようなストーリーに“キレ”のいい本仁拳が飛ぶラストは心底スカッとしました。

ところでこのシリーズが面白いのは、リアルを手厳しく反映させた風刺漫画として読んでも面白いのはオマケの産物的なもので、やっぱり本来の“天使は悪魔を狩るのがアタリマエの世界”のバトルファンタジーとしてしっかりと面白く描かれているからだと思ってます。
“そういう世界”でどう生きるか。
それこそ思考停止していては絶対に描けないものですよね。
それを読むのが面白いし、自分が思う「面白い」漫画の基準だったりします。

今年2017年は「エンエンと飼育係の年!」と新年に宣言してらっしゃったので、本編の15年以上振りの続巻発売を期待していいのかな?
待ってます!٩( 'ω' )و

※シリーズ
「高速エンジェル・エンジン」1〜3巻(非BL)・・・本編/未完(2017年2月現在、連載再開中)
「ポイズン・チェリー・ドライブ」(BL)・・・スピンオフ
「高速エンジェル・エンジンBGH」(非BL)・・・番外編

1

ラブ&ピース☆

本編『高速エンジェルエンジン』を掲載していた雑誌が休刊したために、本編は中断中はもちろんのこと、その番外編として作られていた作品も同様で、そして新たにComicBeにて連載を開始したのが昨年。
7割方できていたこの番外編をBGHとして完結するにあたりました。
独特の世界観がある話なので、それを知らない方には「なんじゃこれ?」な作品であったかもしれないないということは、本作あとがきにて作者さんも触れられています。
BGHであっても、その根本は、天使も悪魔も人間も優越はないんだ。みんな「愛と平和」だよ♪そんなコンセプトは貫き通されていると思います。
ですからBLではないのですが、ラブ&ピースの名の元の強い友情で結ばれた(?)悪魔の蓮二と天使の菫が、友情以上の何かを匂わせる存在として主人公になっています。

BGHでは、皆が恐れる”悪魔”を本当は恐ろしくないんだと啓蒙する団体が、実は天使が悪魔を虐待するそのバックボーンとなっていたという設定のもと、
悪魔の子供・タクくんを通して、蓮二と菫、そして偉い天使の菽蔵、仕事人(本当は悪魔)の飯田の4人が一連となって、若干人間の女子ハナちゃんも加わって、一体誰が悪いのか、人間のエゴを暴き出す話になっておりました。

天使が悪魔を殺すシーンなど、結構グロな表現があるので注意してくださいね。
そして暴力シーンもあります。
この話の中、タクくんがかわいいです!だけど、だけど、とてもとても悲しいです(号泣)
こうまでしなければならなかったのか?という残虐さもあるのかもしれないのですが、間に合わなかった結果なのです。
一番汚いのは人間のエゴ。
無差別に己の快楽のために悪魔を殺す天使も残虐な存在ですが、第三者であるはずの人間が天使と同じ残虐性を持っている怖さ。
その中で菫と蓮二は、一番まっとうな者として描き出されています。
ラストの本当はタクくんは何を望んでいたのか?あれはちょっぴりウルっと来ます。
本当にタクくんだったら言いそうなんだもん!(あとがき作者案も捨てがたいがw)

BGHだけに、かなり匂いからも遠くなっておりますが
3月から本編の続篇が連載開始されます。
あちらは、蓮二が大変なことになっておるのです。
その続きが見られるということで、愉しみにしております。
まさに「ラブ&ピース」がテーマの本作品。
こちらで興味をもたれたら是非に本編も♪
なお、絶版になった本編も新装版になって近日発売になるそうですので、乞う期待!です。

4

橘盾

茶鬼さ―ん!
マメゾー繋がりだからと何度も読み返しても、イマイチ「へ?」だった本編でした!
それに、元仁先生、理伙やっちゃいますか―!ひょー(@0@;)!
まだまだ五分咲きだったのー腰重・元仁!
『高速エンエンBGH』は表紙のミスプリ欲しさに早速頼まなきゃー!
重ねてお礼申し上げまする―♡

あ、お早うございますっ!(挨拶、抜けてました;失礼をばっ!)

茶鬼

橘盾さま、こんにちは
番外編ですが再び彼等に会うことができました。
そして少なからずとも、本編に多少関係はあるのかも?なんて匂いを漂わせています。
本来だったら出るはずだった4巻に挿入されるはずのものだったそうで。
それにしても、十数年経て中断されていた作品が復活して続きが見られるなんて嬉しいですね!
「飼育係 理火化」も作者さん考え中とかですし。
首を長くして待ってるかいがあります。
尚、どうやら表紙からーの印刷の色の出具合がわるかったようで、もう書店には出てしまっていますが後日、カバーのみの交換をしてもらえるとの情報も作者さんツイッターで発せられていました(待てずに買っちゃったですがw)
それが気にならなければ、、、いざゆかん~!書店へ(´∀`*)

橘盾

元仁先生の「訳わかんねぇ~(@_@;)~★」作品(←本編)なので、どうしようかと迷っておりましたが、茶鬼さんのレビューを読んで、読みたい気持ちがモコモコと湧き上がってきましたw
ファンなら買わねば!と思いつつ二の足踏んでいたんです・・・
お早いレビューに情報も加えて頂いて、ホント助かります。
どうも有難うございました!<(_ _)>ペコリ  

重苦しくて悲しい

『高速エンジェルエンジン』シリーズ番外編、内容は奥深いし、作品としては
物凄く良いと思うのだけれど、個人的には痛すぎて受付けない。
悪魔が狩られる側、天使が狩る方、そして人間は傍観者的な無能ならまだ可愛いけど、
それ以下、下等なんて言葉で言い表せないくらい偽善者過ぎるのが出てくる。

それに、悪魔の子供たちが今回はバンバン狩られる・・・かなりヘビーで苦しい。
主役二人に可愛がられていた悪魔の子供が犠牲になった時には読むのを辞めようかよ
思う程悲しかったですが、ラストでなにやら希望的なセリフが出たのでちょっとホッと
するような下りはありましたが、やっぱり痛すぎて個人的には大好きなファンタジーが
この作品だけはダメでしたね。
でも、本当に作品としては凄く奥が深くて感動系だと思うけれど、
こればかりは個人の好みの問題なんだと痛感する作品でした。

3

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