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表題作金木犀にさようなら

薄井奏
二人の時だけ女装する幼馴染
乃木明成
幼馴染の高校生

その他の収録作品

  • 実はこんなことがありました

あらすじ

同級生の北見に密かに想いを寄せていた乃木。
一方、幼なじみの奏と昔から続く逢瀬は、異常で禁断なものにエスカレートしていた。
終わりにしたいと思っていた乃木だったが…。
幼少時代、大の仲良しだった乃木と奏。乃木の独占欲からその関係は歪に捩れ、奏は少しずつ壊れていった。
心と体のバランスが保てない危うくも美しい思春期の、複雑な感情と関係を描いた人気連載。
KUJIRA、初BLコミックス!

著者:KUJIRA

(出版社より)

作品情報

作品名
金木犀にさようなら
著者
KUJIRA 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
ISBN
9784799712252
3

(27)

(4)

萌々

(8)

(5)

中立

(5)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
13
得点
72
評価数
27
平均
3 / 5
神率
14.8%

レビュー投稿数13

どうしたら僕を好きになってくれる?

ああー!超絶よかったデス
もう、皆に勧めます。
citoronで既読でしたが、やはり一冊にまとまるといいですねー。
本編その後の二人のチャレンジも見られて、本編が切な苦しかっただけに、クスクスっと笑えて、ほのぼのして。。。
11月は秀良子さんの女装男子がありました。
この作品にも、好きな相手の為に女装する男子が出てきます。
また違った意味合いの女装です。
その気持ちが苦しくて苦しくて。
主人公の気持ちも苦しくて。
でも苦しいばかりじゃない。
この結末とカプリングにどうして?って思う人もいるかもしれないけれど、
この形もありなんだと!
KUJIRAさんのシンプルで飾り気のない絵が、また印象を強くします!
表紙いっぱいの金木犀のオレンジ色。これも印象的で匂ってくるようです。
是非是非、多くの人に手にとって欲しいです。

高校生の乃木(あっちゃん)は同級生の北見と友達です。
この二人の一緒の姿が、普段自分たちが男子校生に萌える、うふふな日常を見せる姿、妄想を掻き立てる姿で生活している点がまず萌えさせます。

だけど、乃木には実は誰にも言えないことがある。
それは幼馴染の奏のこと。
小さい頃から友達で、その執着心からスレ違い、疎遠になってしまったりもしたけど、まだ密かにその関係は続いている。
それは、奏だと仲良くできないからと、従妹のかなでという別人格を自分で演じて密かに女装の姿をあっちゃんに見せているのです。
その二人の秘め事を、乃木はもうやめよう、やめようと思っているのですが・・・
北見といるとあっちゃんは笑顔をみせるのに、わたしといるときは見せてくれない。
乃木と北野の前に奏は女装姿のまま現れて、乃木は北見のことが好きだという。
そして、奏は姿を消すのです。

奏の執着はヤンデレでもありますが、最初に執着の種を植え付けたのは乃木です。
ただの乃木の子供が故のただの意地っ張りだったのかもしれなかったのに、奏にはそれにがんじがらめに縛られてしまったんです。
男の子じゃなくて、女の子になるという行為で、奏とは違って側にいて何の問題もない、好きでいてもらえる存在になろうとする気持ちを健気と呼ぶには、幾分ホラーめいて怖いです。
でも、でも、この一途な思い、壊れていると乃木に思わせるほど、奏にとって乃木は全てだったんですね。

実際、本を読んでいて北見と乃木の姿は、何も問題がなければこれは恋に発展するんじゃないだろうか?を匂わせるシチュが沢山ありました。
北見は奏が現れたことにも動じません。むしろ前向きに、男前だったと思います。
けっか、彼は失恋したんじゃないでしょうか?
乃木と北見がくっつけば、すごくすごく高校生らしいかわいいカプが誕生したと思います。
奏とくっついて本当によかったんだろうか?

そんな不安を覆すのが描き下ろしの後日談です。
乃木は諦めと仕方なくで奏を選んだんじゃないんだね。
安心しました。

細かいイロイロには触れていません。
どうか、そこの中に色々な気持ちを見てください。
それらのエピソードが、不安そうな奏の表情が、彼等のセリフが、心に響いて胸を打ちます。
奏の女装に込めた気持ちがぐっときます。

9

表紙買い

面白かった!

表紙イラストと帯に惹かれて買いました。初BL作品ということなのであまり期待せずに読みましたが、これが予想以上に良かった。

幼少期からの歪んだ愛情、嫉妬、独占欲…けっこうストーリー的には重いんだけど、わりとサラッと読めます。北見くんのおかげでしょうか?この北見くん、いわゆる当て馬キャラなんだけど、いい奴すぎてねぇ。乃木といい雰囲気になって当て馬とは思えないくらいお似合いで、もうこいつらくっ付けばいいじゃん!みたいな。てか、五話まではマジにどっちとくっ付くか分かんなかった。
まぁね、当然そうなりますよね。あのまま乃木と北見が上手くいけば、序盤の奏との物語は何だったんだ!?ってことになりますもの。何より奏がかわいそうすぎます。モヤモヤは残るけど、私は当然の流れだと感じました。

ただ…ね。最終話のその‘流れ’が唐突で急展開でページ数の都合しょうがないけど、説明不足気味なのがもったいない!全体的には『神』評価をつけたいくらい面白かったしお気に入りなんだけど、もうちょっと何とかならなかったかなぁと、そこだけが残念です。

カバー裏、北見くんと准教授のお話、期待して待っててもいいでしょうかwワクワク!奏と乃木のその後も読んでみたいですね。初読みの作家さんでしたが、次回作もぜひ買いたいと思います。

7

前半は傑作級

最後が駆け足過ぎて、惜しい!
何て勿体無い!と地団駄踏みそうになりました。

皆さま言われているとおり、金木犀の匂い立つような描写がお見事。
思春期の歪んだ感情の書き方が巧い。

幼い頃からの「好き」が変質し、人には言えない逢瀬を続ける幼馴染み・奏との関係。
友達から「好き」に変わった同級生・北見との関係。
主人公・乃木がこのどちらに傾いても、全くおかしくはなかったです。
なので決着の付け方に、あとひと押しが欲しかった。。

乃木の幼いからこその間違った愛情が、奏を女装へと向かわせるのですが、
この描き方がぞくぞくするほど恐ろしい。
そしてこの3人で話す場面も、怖いのなんのって。
思春期は驚くほど恐いことをやってのけるものなんですね。

しかしどれも奏が仕掛けたこととはいえ、全ては乃木の為なのですよね。
その思いが重すぎて乃木が逃げたがっていることも知っている。
彼の想いはひどく優しく切ないです。乃木にどんなことされても揺るがないのですよね。だからこの結末で喜んでいいんだけど、、うーん、別にこちらがくっつかなくてもよかったかなと思えてしまいました。
何はともあれ奏が女装を卒業できたことに、胸がぎゅっとなりました。
続編があるならば、彼等はぜひリバでお願いしたいです!

同級生の北見君がめちゃくちゃいい男なのでこちらでも続編を望みたいのですが、
カバー裏での北見君後日談で何故相手を乃木とは真逆の年上設定にしますか!?(笑)
繋がりがなさすぎるので、そこは替えて欲しいところですね(^_^;)

5

読みながら誰に気持ちが寄っているか。

とてもドロドロしていて、重くて痛くて、
引っかかりの多い作品でした。
読後も考えさせられるというか。
ハッピーエンドなのだけれど
評価がまっぷたつになるのが
分かる気がした。


かくいう私はというと、
読んで泣きました。
感情移入も応援したいとも思わなかったけれど、
気持ちが奏に寄っていんだと思います。
だから、実際は最大萌えポイントであろう、
北見と乃木のキスシーンを読みながら
涙があふれて止まらんと言う状態に。
単純に状況考えずに見たら、
あれほどの萌えシチュは無いだろうに…
クリーム指で押しこんでそのままとかあんた…
でも実際、ココが評価というか
印象・感想を分けるカギになると思ったのです。
私は特別奏が好きではなかったし、
北見はめっちゃいいやつだと思ったけど、
3人で話した後~北見からの告白までが
なんかもう遣る瀬無いというか
諦めへのもどかしさというか
そういうのでいっぱいになってしまった。
気持ちが奏に持ってかれてたのです。
ココで北見の男前さのほうに気持ちが寄ってれば、
乃木が北見を選ばなかったことが
全く腑に落ちなかっただろうと思う。
そして、全体的に息苦しさが連続していくので
途中まで、最終的に誰と誰がくっつくのかが
本当に見えないのも苦しい。

奏が「女装」を手段としたことに関しては
私個人的には、それほど拒否反応出ませんでした。
「別人格」は逃避の一種、
「女装」は乃木の独占欲が恋愛感情だと気付き
自分も乃木を恋愛感情で好きだと
思ってると気付いたからという幼い思考の結果。
3人でいる時、あくまで奏は冷静だし
恰好は女の子ながら男として話してる。
分別はあるだろうし、おかしいと
自分でも思ってるんじゃないかな。
でも乃木への執着が分別を越えてしまった。
だから気が済んだ、と言って消えて
そこで乃木を開放しようと思ったから
女装を解いたんだろう。
あくまで全部推測ですけれども。


最後の乃木の気持ちの自覚が
駆け足だったのは確かに残念だったので
「萌×2」にしてますが、
「神」に近い感じです。
ただ、万人に勧めようとは思わない。
乃木のかわいい小動物系ルックスと
物語の執着、歪み具合のギャップが激しいので。
そして、「女装」が単に「イタい」と
思ってしまう方もいると思う。
シリアス系の話が好きな方は
一読してみては、と思いますが
納得いかない感情を残す可能性も高いです。
奏を心が受け入れられなければ、
理解し難く拒否反応が出ちゃうと思う。

本編ラストにその後が少し描いてありますが、
奏寄りに読んだ私でさえ、
「幸せになれよ」というよりも、
「ちゃんと上手くいってんだろうか、
あんなドロドロがあって」
…と少し心配な気持ちにはなっています。
良かれ悪しかれ、
読んだ人になんらかの爪痕を
残すような作品だと思う。


金木犀で埋め尽くされた美しい表紙、
暖色で日射しある中なのに
そこはかとなく痛みがあって、
読む前からストーリーの重さを感じてました。
心に残ったけれど、
何度も読み返したりはしないと思います。

2

最後が惜しかったなぁ…

思っていたより幾分重めのテーマでしたが
絵柄のせいか、あんまりそういう風には感じさせませんでした。

小さい頃の独占欲は、シンプルでわかりやすかったのに
いつしか湾曲していき、憎しみにも似た感情に…。
ただひとつ、本当の気持ちは
自分を、自分だけを見ていて傍にいて欲しかったという事だけ。

やっと仲直り出来たと思った矢先、
貸したゲームソフトで親も出てくる諍いが起こり
それからは隠れながら会わなくてはならなくなった二人。
“女の子になれば一緒にいても不自然じゃないから”と
カナデになりきる奏がいくらか狂気めいているように思いました。
しかし、壊れてしまったわけじゃなく、
ひたすらあっちゃんの為。
あっちゃんが普通の友達付き合いをしている北見に
女装姿のまま会って、でも普通に男として接して
あっちゃんの隠していた本心を代弁しますが
北見の気持ちを確かめるような真似をしたり
なかなか行動力があるというか、
肝が据わっている男のコだなぁと感心してしまいました。
それだけあっちゃんを好きで、自分との暗い関係より
幸せになって欲しいと願う奏が可哀想で仕方ありませんでした。

だから、あっちゃんの気持ちが奏に戻って喜んでいいはずなんですけど
なんだか急すぎる気がしてしまって…残念でした;
とはいえ、やはり「もうカナデにならなくていいんだ」と言ってくれて
こちらがジーンとしました!

そして北見くん、すごく良いヤツです。
「男を好きになるなんて俺はないんだけど」と前置きしてからの告白、
北見くんらしくて好感が持てました!
しかし、乃木だからこそそういう気持ちになったんでしょうから
カバー裏で新しい恋のお相手が准教授っていうのが少し私的には違うような…。
乃木に似ているヤツを目で追ってしまうという一途さは
勿論良かったんですけれど…。
私だけかもしれません。ごめんなさい。

でも気になっていたので読めてよかった!
Eさん、ありがとう♪


9

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