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表題作傲慢な貴族の甘い求愛

アルフィオ・トリエステ,イタリア貴族の現当主
若園優月,親友に密かな恋心を抱くパタンナー

あらすじ

シチリアの大貴族が所有する島で生産される、希少な手編みレースを求めてイタリアへ渡った優月。ある事件で島を所有する貴族・アルフィオと知り合い、一目惚れしたと言われて屋敷へと連れ込まれてしまう。そして、門外不出のレースが欲しければ私の花嫁になれ、と言われ、優月は初めて知る激しすぎる快楽と、身体の奧へ受けとめたアルフィオの熱に翻弄されて……?
 俺様貴族に強引に奪われる、甘いロマンス?

作品情報

作品名
傲慢な貴族の甘い求愛
著者
柊平ハルモ 
イラスト
壱也 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
発売日
ISBN
9784048911153
2.4

(5)

(0)

萌々

(0)

(2)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
9
評価数
5
平均
2.4 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

もう1度初めから恋をしよう

舞台はイタリア、貴族の攻め様と自分に自信がない受け様との些細な切っ掛けで知り合い
惹かれ始めた矢先に誤解からすれ違ってしまう。
そして何もかもが分かった時に、後輩と贖罪とのはざまでもう1度始めから恋を
やり直すまでのラブストーリーでした。

受け様は長い片思いの相手の会社でパタンナーをしているが、その友人の頼みで
婚約者のウエディングドレスを飾る、イタリア貴族の門外不出のレースを求め
一人イタリアに向かう。
そこで油断した時に荷物を奪われ、困っていた時に攻め様に助けられ、その日から
攻め様の屋敷に滞在する事になるが、出会って直ぐに攻め様から甘く口説かれ
恋愛に不慣れで、まして日本に片思いする相手がいる事で戸惑う。
その戸惑いは、受け様が探し求めている門外不出のレースを作る島の所有者が
攻め様だった事から、レースを手に入れる目的もあり、攻め様に気に入られている事が
チャンスに繋がると言う思惑もありながら、攻め様を騙しているようで悩む受け様。

攻め様からの甘いアプローチに拒絶することも積極的になる事も出来ない曖昧さで
それでも攻め様の貴族然とした傲慢さも、嫌えない受け様なのです。
そして本来イタリアでレースを手に入れる協力をしてもらう予定だった友人の知り合いに
島に渡ったら、染料を持って来て欲しいと頼まれ、その染料は片思いの友人にとっても
必要なものだからと言われるが、それが全ての誤解の元になるのです。

受け様は攻め様からの申し出で、レースを手に入れるには自分の花嫁になってから
島に渡るしか方法が無いと言われ、受け様は攻め様の申し出を悩みながらも受け入れ、
攻め様と関係を持つが、その時から互いに近づいていた感情が離れてしまったように、
攻め様から冷たい雰囲気を感じ取る事になります。

受け様は、自分でも気が付かないうちに片思いしている友人やイタリア在住の知合いに
騙されて、攻め様を裏切る行為をしているのですが、受け様は全く気が付かない。
そして攻め様も惹かれていた分、受け様の裏切りが許せなくて、手酷い態度で罰と言う
凌辱をしてしまう、全ては誤解からなのです。
誤解だと分かった後の攻め様の苦渋と、誰を恨むことも無い受け様の優しさ。
その事がキッカケで、受け様は一回り強くなり、攻め様との関係も前に進むような
展開で、傷つけあった二人がもう1度やり直すストーリーでした。

3

ちょっと物足りないんですが・・・

柊平さんは一応作家買いだったんですが、特に一時休筆後は何とも微妙な作品が多くて(というかハッキリ言ってほぼハズレ)『もうこれ以上はいいかな・・・』と思っているのに、なんとなく惰性で買ってしまう(でも、最近はさすがに見送る作品も)。

冷静に考えると、ホントに好きで何度も読む作品は数少ないんですよね。決してキライな作家さんではないんですが。

そういうわけで、こちらも何故か買ってしまいましたが、なかなか気が乗らなくてずっと積んでました(他にもまだ未読本がある・・・)。
そういうわけで、久し振りに読んだ柊平さんです。


優月(受)がホントに健気なんですよ。
でも、一途な健気受が大好きな私でさえ、ここまで行くと『健気』というよりあまりにも卑屈でアホ過ぎて痛々しいんだけど!

これが(未熟で当然の)高校生ならまだしも、それなりにイイ年(20代半ば)の社会人だからホントにイタい。
だからと言って、キライでも苦手でもないんですけどね。

ストーリーとしては、優月のビジネスパートナーである神山への片想いと、アルフィオ(攻)との誤解・すれ違いですが、そこから来るアルフィオの仕打ちも痛過ぎることもなく、切なさも甘さもあって悪くはないんです。

それにしても、その誤解が解けるあたりがあまりにも急ぎ過ぎ(というかいい加減過ぎ・・・)な気がしました。
イヤもう、いったいなんなの!?浅い・薄いというのもどうかというくらいさら~っとあっさり流されて呆然としました。

2人のラブと直結してるんだから、ここは端折ったらダメだろう。
設定もストーリーも別に悪くないと思うので、よけいに物足りなくて消化不良な感じです。
それとも、(深みがないのは)レーベルカラーからしてこんなものなのか?

それでも、ここしばらくの柊平さんの作品の中では(個人的好みで)かな~りマシな方ではあります。
一時休筆後の作品で読み返したのは『溺愛レッスン』だけ、こちらも物足りないけどキライじゃないので、そう思えば柊平さんにはこのレーベルは結構合ってるのかもしれません。

ただ、文章(特に優月のモノローグ的な地の文)が回りくどいというかしつこ過ぎて鬱陶しかったです。
柊平さんは、もともとこういう(モノローグ的な)書き方をされる作家さんだったとは思うんですが、以前はそれほど気にならなかったんだけど(たぶん。読むのは久し振りですが、あまり悪い印象はないので)。


イラストですが・・・
壱也さん、絵柄そのものは綺麗で可愛くていいと思うんですが、カラーもモノクロもなんとも不安定(特にアルフィオの目がどうにも・・・)な感じで、ちょっとイラッとしてしまいました。

今までにも壱也さん挿絵の小説は、デビュー作含めいくつか読んでいますが、ここまでじゃなかった気がするんだけど・・・
全体のバランスは悪くないので、余計に気になるのかもしれませんね。
ホントに絵柄は可愛くて結構好きなんですよ。

1

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