イラスト入り
2001年に出版されたシリーズ3巻が文庫化されたのですが、今回4巻目にして完結編が出版された機会に久しぶりに再読しました。
何回読んでも楽しめます。
マイ・フェア・レディーなシンデレラストーリーです。
この手のものは大好き、というかたに超オススメな作品です。
人が成功してくストーリーは読んでいて楽しいですし気持ちが上昇します。
その上美形で仕事のできるセレブな年上の恋人があれやこれや面倒見て石ころかと思った青年が輝くダイヤモンドに変わっていくのを見ているのはワクワクします。
三流モデルの暁斗が、恋人だと思っていたカメラマンから利用価値がなくなっとばかり新しい恋人にその場を奪われ二人からひどい言葉を投げかかられて恋人と住むところを失ったあと出会ったのが美形の年上の男。
うっかり寝てしまったあとで元恋人を見返すために一流モデルになる手伝いをするという謎の男の口車に乗せられて…というのがマイ・フェア・レディの始まりです。
やがて、大きな仕事を得た暁斗に対して元カレがまた戻って来いと言い寄ってきた時も、落ち目だと見切られた暁斗を切ったモデル事務所の女社長が再契約を迫ったときも桐原が出てきて撃退してくれてすっきりした。
惰性でやってきたモデルという仕事だったけれど、初めて本気で取り組んで真面目に努力する日々の暁斗は可愛かったしいい男になっていく様子を読んでいくのが楽しかったです。
マイフェアレディ、素敵な映画でしたよね、そして女の子が憧れるシンデレラストーリー
そんな作品の文庫化再販ものですが、BL慣れした皆様にはなんだか王道過ぎて
物足りないのかもなどと思いはするけれど、個人的に私は大好きです。
いくつになっても夢見る事が出来る、そんな書籍の一つだと思っています。
内容的にはカメラマンの恋人に捨てられモデル事務所の新人に仕事も恋人の座も
全て奪われ、愛していたと思っていた相手には三流扱いされどん底状態で荒れて
酔って周りに迷惑をかけていた時に攻め様と知り合い、酔った勢いと捨てられた悔しさ
悲しさもろもろが溢れ、誰でもいいから縋りつきたい時に出会った攻め様。
そんな攻め様と一夜の関係を持ち、更に受け様を捨てた恋人を見返してやるために
協力をしてくれると言われ、初めは猜疑心もあり、攻め様の元から離れるが、
元恋人の現在の恋人で新人のモデルに辛辣にバカにされた事で怒り、再び攻め様の元へ。
そこから有名人も集まるパーティーが3か月後にあり、そこで受け様をバカにした相手を
見返してやれと言われ、期間限定で攻め様と暮らしながら短期間で一流のモデルに
近づく為のレッスンを始める事になる。
やんちゃで生意気かと思えば寂しがり屋で傷つきやすい受け様、傲慢でオレ様かと
思えば細かい気遣いが出来て、受け様の為に出来うる限りの環境を整える攻め様。
そんな中で受け様の中に攻め様に対しての着実な思いが育つのですが、
受け様はかなりの負けず嫌いで意地っ張り、攻め様の恋人と思われる相手が現れ
嫉妬心が芽生えるが攻め様はマイフェアレディごっこの暇つぶしと受け様は誤解してて
自分の気持ちに気が付いても期間限定の関係で離れる日も決まっている相手だと
意気消沈しながらも、3か月後の本番に向けて攻め様に恥をかかせない為にも頑張る
以外に健気な受け様なのです。
本当に内容的にも流れも王道過ぎるのですが、だからこその安心感と甘さに浸れる
そんな素敵な作品だとあらためて思います。
2001年発行の文庫化。
後に続編・スピンオフとシリーズ化されていますが、後を引くラストでないので単独で楽しめます。いずれも暁斗(受け)が主人公です。
「お手をどうぞ」
暁斗がフラれてヤケになって寝た男・桐原(攻め)が、仕返しに手を貸してくれて、3か月で一流モデルに教育してくれるという話です。
「プリティ・ウーマン」は思いついても「マイフェア・レディ」を知らなかったという点で、暁斗の若さと未熟を感じました。あと、暁斗が眠って意識がないときに悪戯してた桐原に若さと萌えを感じました!
「キスで起こして」
前作で二人は恋人同士になって1か月後に暁斗のポスターが張り出されたというエンドなのですが、その合間の話です。
桐原に商品としての価値しか求められてないのかと悩むという良くある展開なのですが、気合の入ったサプライズパーティが絡んで楽しい内容になっています。プレゼント姿の暁斗、イラストで見たかったです!
「good morning?」
前作のその後、誕生日の翌朝&ポスター撮影の日の甘さ残る話です。
最終選考に残ったくらいなので素地はあったとはいえ、暁斗はそれまでがあんまりモデルとして努力していなかったので、桐原に見いだされて&愛されて良かったね!という感じでした。
健気でなく意地っ張りなタイプのシンデレラが主人公の、しっかり甘やかされるシンデレラ・ストーリーがお好きな方にお勧めです。
床に摘んでいた本の山を整理しながら「ああ、何か夢のあるものを読みたい」と思って選んだ1冊。
はい、現実逃避には最適の本でした。結局『片付けが終わらない』というおまけ付きですが。
ピグマリオンものというか、マイ・フェア・レディものというか、これらのお話は何度衣替えしても、やはり楽しめます。
なんてったってドリームですもの。
年上のスパダリ紳士に甘やかされる受け様というのは、読んでいて大変気持ちが良いものです。
「飽きた」という理由でカメラマンの恋人にボロクズのように捨てられた暁斗くんが主人公なのですけれど、そいつと一緒にいた時には暁斗くんって二流(下手をすれば三流)のモデルだったんですよ。
『20歳前にスカウトされてモデルを始めて』ならば、それは暁斗くんが悪い訳じゃないよねと思ったんです。で、実はこのお話のキモってここなんじゃないかと。
綺麗な洋服を着れば良いって訳じゃないんですよね、人が輝くためには。
どういうスキルを身につけるか、何を観るか、誰と付き合うか。
そして本人がそこから何を得ようとするか、なんだと思うんです。
『歳をとっている大人は、前途ある若者に与えなければならない』ということに気付きましたよ。
若者から搾取しちゃいけない、って。
肝に銘じておこうっと。
続編があるんですね。楽しみです。
もらうだけじゃなく、暁斗くんが段々と与える側になって行く様になって欲しいなぁ。
スパダリもので甘いお話が読みたいなーと思い、手に取ったので、その点は満足だった。
恋人に捨てられ、その恋人を寝取ったライバルにも馬鹿にされ、やけになっているところを攻め様に拾われた暁斗。そこから、かつての恋人を見返すために攻め様のもとで一流モデルを目指す、という流れになるんだけど。
暁斗がとても大変な想いをして、いろんなレッスンを受けたんだろうな、というのはわかるんだけど、説明だけで、努力をしているという具体的なエピソードがないのが残念。
なので、攻め様が受けのどこをそんなに買ったのか、可能性を見出だしていたのかがいまいち伝わってこなかった。
で、最後まで読むと、結局一目惚れっていうか、好みのタイプだったんだろうな、って感じで…うーん…。この部分、もうちょっとなんかほしかったな。
とは言え、暁斗が変に調子に乗ったり、嫌な感じの子じゃないので、楽しく読めました。
元彼とライバルキャラは、ステレオタイプな感じの敵キャラって感じで、出てくるたびにすごくイライラしたけど。
「キスで起こして」
続編のこちらのお話の方が好みでした。
ちょっとした喧嘩からすれ違い→仲直りエッチという、ベタな話なんだけど、喧嘩の原因が、受けがピーマンを残したから、っていう超絶下らない理由なのが妙にツボだった。
本編の攻めが何を考えているのか掴みにくいキャラだった分、こちらでは意地っ張りだったり、受けのことになると余裕がなかったり、意外とムッツリだったりして、なんか可愛く思えて萌えた。
それにしてもこの攻め様、プラス10歳は上でも良さそうな感じ。34~5歳ってまだまだ若手のイメージなので、ちょっとどっしりし過ぎかも…。