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どちらかと言うと淡々とした絵柄で、派手なお話って訳でもないのですが、丁寧に進んでいって途中すごい泣いてしまった。
ずっと色んなことを我慢して諦めてた徳永さんの孤独が、その悲しみに好きな人を巻き込みたくないって気持ちが、もうかわいくてかわいそうでページがなかなか捲れなかった。
単に人を好きなだけなのに、会社とか社会とかで理不尽に傷つけられることがあるんだろうなって、でもそこからのすれ違いをちゃんと恋人達のよくある痴話ゲンカだよってしてくれる攻めはすごくいいなって思った。
難しいことがあっても、これは恋の話ですからってスタンス。
理不尽に傷付いて、うわーんと泣いて、慰められて、明日からも頑張ろうっていう、こうやって日々を二人で続けていこうっていうのが、すごく良かった。
『俺と上司の恋のはなし』の続編。
まさか続編が出ると思いませんでした。
きっとラブ甘だったりすれ違ったりのショートなのかしら?と思ったら、予想外のガッツリ1冊。
そこには、いくらゲイ容認とはいえ社会人で働く現実があり、主人公達の切なる気持ちにもう、涙がとまりませんでした。
最初に、前作の簡単なあらすじが漫画紹介されているので入りやすいと思います。
社長の古谷に憧れの様な恋心を抱いている総務勤務の徳永は、ゲイであることで以前は社内の雰囲気が悪かったりもしたのですが、社長のおかげで今はその性癖も認められて円満にしております。
そんな彼の恋人になったのが部下になった高梨。
今回はその高梨が営業配属になり、慣れない仕事に苦労する高梨と、そんな彼を思いやるあまり疎遠になってしまう二人の姿が。
そしてやっと仕事をとれる間際になって高梨が商談相手から同性と付き合っていることを盾に仕事を破談にされたという展開が。
高梨を思いやり、彼に幸せになってもらいたいと考える徳永は・・・
BLはファンタジーということですが、彼等に突きつけられた問題はやけにリアルをまとっていて、凄く切ないです。
ゲイを容認している会社という存在自体がファンタジー?といえなくもないのですが、まだまだ大半の現実はそうなのでしょう。
高梨初めての仕事で苦労してるから、きっとつかれているから、そうやって気遣っている徳永は健気ですが、自分がいるばかりに高梨の仕事に、しいてはその結果は会社へと波及して、社員の生活も脅かすのではという考えは、ネガティブすぎるというより、あまりに切実で本当にあるあるだと思うのです。
徳永が高梨に会えなくなって、別に寂しくないしって意地張っている時、ふと彼がいなくなったらと考えた時に溢れだした涙にまず貰い涙して、
ああー徳永はこんなにも高梨の事を好きになっていたんだって。
高梨が仕事を取れたら名前呼びしようって、約束していたその矢先の出来事にまた涙して。
徳永の彼の思考は決してネガティブじゃなくて、絶対こうふうに考えるよね!ってゲイの哀しさと切実さを魅せるものだったのです。
だけど、高梨は頑張ります!
自分の幸せを想ってくれる人だからこそ、こんなに好きなのだと。
本当!働く者同士のカプの醍醐味ですよ☆
相変わらず古谷社長はいい人でした。
彼ががっちりと部下たちを後方で支え、いざという時には前へ出る。
何か理想の社長を見た感じもします。
まさか続編でこんなに深い話が待っていたなんて!
意表をつかれたと同時に、何か理想の社会人カプを見せてもらって大満足なのです。
男前な部下×可愛らしいクーデレ上司のシリーズ、二作目です。すっきりしていて読みやすく、登場人物の表情が良く感情を表していると思います。スーツやコートもお洒落で素敵。切甘展開がお好きな方にはオススメします。
前巻で無事に結ばれた二人ですが、部下の高梨が営業部に回されることにより少しずつすれ違いが生まれます。
シリーズを通して言えることですが、高梨の幸せを願う気持ち故に独りよがりな考えに走ってしまう徳永の健気さにきゅんときます。そして、彼をひたすらまっすぐ追い掛ける高梨の男前っぷりが好きです。徳永さんはもう、何も心配せずにこのまま高梨にたっぷり愛してもらいなさい!と言いたくなります。
切ないですが、周りの環境には理解者が多く恵まれています。二人の間でのすれ違いですので、そこまで暗くならず安心して読める感じでは?ぜひシリーズを通して読んで頂きたい作品です。
2013年に開催された「ナナメにメグる右肩上がりフェア」で初めて知り、
いつもの書店で独自の企画があり、その機会に購入しました。
この作品は書店のフェアで初めて知ったのですが、
つい先日、発売されたばかりで、
いつものように新刊チェックをしていたにもかかわらず、
新刊チェックで見た記憶が全く無くて不思議に思いました。
まず表紙を開いて目に飛び込んできたカラー口絵が
とても綺麗で惹かれました。
手前に描かれた桜が、まるで写真のようです。
前回は、どちらかというと攻めの高梨くん視点の割合が多かったですが、
今回は殆ど受けの徳永さん視点でした。
そのため、徳永さんの小さい頃の話や入社したての頃の話で
辛い思いをしてきたことが知れて、今度は攻めの高梨くんの仕事で
高梨さんに理不尽な思いをさせてしまったと強い責任感に苦しむ
徳永さんの描写がとても素晴らしいと思いました。
また、ほんの些細な擦れ違いから徐々に溝が大きくなってきてしまい、
最後には徳永さんが追いつめられたところに高梨さんが説いて、
擦れ違いを修正させる描写が、臨場感があって良かったです。
第5話の18~24ページにかけて、
まずは徳永さんの涙と台詞に、徳永さんの想いがとても伝わってきました。
「あんたが苦しいなら2人で逃げる?」など、この場面での高梨さんの
様々な台詞が心に響きました。
徳永さんが入社したての頃は嫌がらせや不当な扱いを受けていたけど、
昔、徳永さんに嫌がらせをしていた社員たちが、今では反省して、
徳永さんのことを理解して受け入れているのが、
とても良い職場だと思いました。
描き下ろし『俺と彼氏の祝日の話』の14ページ目、
「とけるかと思った…」と思わず言った徳永さんの心の中の台詞が、
今の状況を凝縮していて、的を射ていると思いました。
溶けてしまうほど高梨さんに(精神的に)とても愛されているのが
とても伝わってきました。
何だか、こちらまで十分に心が満たされた感じになりました。
人生を早まってしまった伊勢崎さんの分まで、
二人には末永く幸せに関係が続いていってほしいと思いました。
今回の評価は、「萌×2」と「神」で迷いました。
前作に比べて物語の展開、心理描写や表情の描写など、
様々な面で洗練されていると思いました。
また、やはり、現実的で真実味があり、BLならではの様々な問題を
リアルに描写しているところが、これぞリーマンものBLだと思い、
私の求めている理想的なリーマンものBLだったので、
前作と同じ評価にしてしまうのには物足りなさ過ぎたので、
今回は「神」評価にしました。
数ヶ月間評価に迷っていましたが、これだけ読み返すなら「神」で良いと決心がつきました。
ものすごく感動したとか、面白くてたまらない、というわけではありませんが、絵柄が好みで読みやすいのと、年下で可愛く、かつ包容力もある高梨と、年上の意地を張るけどこれも可愛い徳永の組み合わせが気に入って、気が付けば、迷わず「神」評価をした、ほかの本よりはるかに多く手に取っています。
エロがすごく色っぽいところも良いです。
高梨みたいな、普段はスーツにネクタイで爽やかな人が、恋人には欲情を滾らせるところが非常に乙です。
先生には今後もこういうムッツリ君を極めていっていただきたいです。