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2013年刊、狗神の花嫁・続巻。
比呂も決心したうえで狗神の元に嫁いできた訳だし、鈴弥も大いに反省しているのもあって、前巻で感じていたわだかまり部分は昇華されていると思う。
それにしても、数十年以上の年月をさらり数年単位の感覚で捉える神様世界の時間軸って並みじゃない…
しかし甘々な新婚生活とは程遠いようで…
狗神の愛の重みは自覚しているものの、それでもかつての彼の眷属を取り戻すのが最善と信じて疑わない比呂の押し切りは如何なものかね。
狗神も比呂も情の深さは持ち併せているが、その情の深さが噛み合わないすれ違いだった。
基本、比呂には違う世界で己を守れないって自覚がないのよ。
だから、自身の考えが正しいと疑わない行動に苛つきを覚えるのも無理はない。
現に今回の青月の暴走も、結局は狗神が大いに譲歩した形で収まっているじゃん。
家族愛を説く比呂の言い分も分かるのだが、今後は狗神側の成長に期待したほうがいいのかも知れないね。
二人のすれ違いはさておき、個人的には狗神に長年仕えている藤の活躍ぶりが目立った。
基本狗神を尊重していて神様内での風格を気にする一方で、軽く俗世にも慣れ親しんでいて砕けた雰囲気もあるし、比呂の身の回りの世話にもやたら張り切っている。
本編は軽快とは言い難いが、藤のキャラクターや頑張りぶりにはほっこりできた。
この物語の神界は、魂の色で美醜を評価します。なので闇落ち寸前の狗神を浄化した比呂は、世界一の美人と憧れの人になっていました。
狗神が、眷属を預けていた青月という狗神が、
大事な伴侶が身代わりになって死亡してからずっと、哀しんで闇落ちしてしまう。
青月が闇落ちすると、狗神が預けた眷属にも影響が及んでしまいます。
青月の事情を知った比呂が、気の毒な青月を救おうとしますが、
不安心配症の狗神が比呂を失いたくなくて 邪魔をします。
青月の問いかけへの答えを持っていなかったので悩む比呂。
比呂は、愛とはなに?全てが善くなる愛の在り方とは?と答えを探して模索します。
青月の愛とは何?の問いかけは、愛とは失うことの怖れ、失った後の辛さなのか?
比呂の答えを掴むまでの物語は、読者が比呂と一緒に愛について考えさせられることになるので、読者自身の今まで経験した愛を顧みることになります。
読者自身の人生の振り返りを誘う、愛についての物語でした。
狗神と比呂とでは子を成せないけれど
眷属に出産が代わりに起きるという一ひねりした筋書きに、感心してしまった。
サスガ。
愛について勉強させられる作品でした。
一度読んだだけでは理解できない難しいところも所々ありましたが、もう一度読み直すとお互いに想い合ってることが端々から読み取ることができ、相思相愛の本来の形を見たような感じでした。
前作から、1人1人が成長していて時間の経過も感じることが出来、樋口さんの作品は凄いなあ‥と改めて思いました。
次回作もあれば絶対読みたいシリーズです。
鈴弥達も気になるし、青月の成長も気になるし、眷属達との新たな生活ぶりも気になるしで、ぜひ続編を希望したい作品です。
狗神の花嫁続編。
うーーん、私的に続編は前作より魅力を感じなかった…。
なんだか比呂の自分勝手さが全面に出過ぎてて、おばあちゃんの教えはどこいった!と心配になってしまいました。
比呂が身代わりとなって死にかけて以来、狗神は比呂がほんの些細な傷を作るのも厭う。
狗神にかつての眷属が戻れば、狗神も乗り越えていけるのではないか。
そう考えた比呂は、眷属たちを呼び戻したいと思うようになり──。
狗神のためにかつての眷属たちを呼び戻したいという気持ちは分かるし、なんとかしたいと動くことも大事だと思う。
だけど、狗神は何よりも比呂がいなくなることを恐れているわけで、仲間が増えようが変わらない気がするんだよなぁ。
自分がどういう立場なのか、自分で理解していなくとも、狗神や藤原の言葉をちゃんと受け入れて、行動するなら勝手にじゃなくてちゃんと話し合ってからしないと。
狗神のために狗神のために、と思っていても狗神に伝わっていなかったら意味がありません。空回りするだけ。
前作はその真っ直ぐさが好印象だったんですけど、今作はなんだかうーーーんと唸ってしまいました。
今回は狗神の成長っぷりが微笑ましかったです。
比呂のことをちゃんと考えて、自分の恐れと戦い、比呂を不安にさせない、と力強く言う狗神にジーンときました。
狗神の成長に萌評価!
これから狗神一家は騒がしくなりそう。
いつまでも『幸せ』な日々を送ってください。
千年以上生きてるわりに精神年齢が二十歳の若者と同レベルな狗神様を愛でるシリーズ第二弾!
前巻に比べて笑い所が少なかったので萌え評価にしました。
波乱の嫁入りから半年(人間界の4年)、狗神と比呂は毎日えっちを欠かさないラブラブ夫婦になっていた。幸せな日々の中、狗神の過保護ぶりに不安を覚える比呂は、狗神の支えとなる家族を増やすため、狗神の元眷属を捜し始める。手始めに八百万の神々が集う宴に参加することになる。
というわけで、新婚旅行編です。狗神一家が千と◯尋の◯隠しを彷彿とさせる神々の世界を訪問します。
神々にとって、美醜は魂の清らかさ(笑うところ?)。情が深い人間は非常に美しいとされており、命をかけて狗神を守ろうとした比呂はモテモテです。当然のことながら、狗神は嫉妬しまくり、マーキングするためにえっちしようする→「暇ならば睦み合っていればいいだろう!」はい、アホ可愛い迷言きました〜(≧∇≦)
人間が神よりずっと欲深い存在として描かれるところが面白かったです。
比呂(受)は相変わらず、欲張りちゃん。もっと幸せになろうと奮闘します。綺麗事ばかり言うところも変わってません。比呂みたいな性格の人は生きづらいから、狗神のお嫁さんになってホント良かったと思います。
狗神(攻)は健気度UP↑↑比呂がいれば、他に何もいらないなんて泣かせる。天気は狗神の心を映し出す鏡なんですが、狗神が黙って傷ついている時に雨が「淋しく、あまりに悲しげに」降るんですよキュンキュン!惚れた弱味で、比呂の言いなりになっているところも可愛い攻です。
次は、八咫神×鈴弥のスピンオフを期待してます。樋口先生の攻は付き合う前はゲス、付き合い始めたら溺愛甘やかしキャラばかりなので、たまには甲斐性なし攻を見たいです。樋口流☆冷え切った夫婦仲を修復する方法にも興味があります!