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2013年発刊、
挿画担当の絵師の画風が今風ではないので、損をしている?
電子版は挿絵無し
小説は今と変わらない攻の猛愛と健気受。
笑えるほどの猛愛を読みたいなら、宮緒先生の作品を推します。
女神から託され森の獣王が養育した人の子
=ターザンを連想する主人公が人の世界に戻るまでの物語。
ブランカ:白虎型の獣王 人間の言葉を理解 クリスティアンと念で会話
クリスティアン:17才 森の獣王ブランカの養い子
6才から11年行方不明のトゥラン国の王太子 銀髪紫眼
魔鳥ドードや森の獣と友達
ラファエル:森の中へクリスティアン捜索に来た金髪の騎士
王子の忠実な犬、守護騎士
ルイス:ラファエルの部下、ニーナ派の騎士
獣の様なクリスティアンが王太子である訳がないと暗殺を謀る
ニーナ:後添えの后・・クリスティアン廃太を謀るヴォルドウィンの娘
好き、好きですこの感じ。
べったり、ねっとり、貴方だけを愛す、が大好物のわたくし。
ラファエルの、クリスティアンに対する湿度のたかぁい心と身体の寄せ方が大変良かったです♡
クリスティアンに注ぐ視線の卑猥なことよ
(宮緒先生の表現に脱帽です♡)
ラファエルに結婚話が出たときは、どう落とし所持っていくのか⁈とヒヤヒヤしましたが。
獣から王子になっても「らふぁー、らふぁー」と舌っ足らずに煽っちゃって3日もお部屋から出られなかったラストに大満足の読後感。
犬と言えば忠誠、忠誠と言えば騎士、今度のワンコは中世時代を彷彿とさせる
ファンタジー主従ものです。
犬を書かせたらこの作家さんでしょうと言える宮緒葵作品、今度のワンコは
執着一途なのは今までのワンコと共通ですが受けが『獣』で『ケダモノ』でない
BL的なこの文字の違いをまさしくと感じるのです。
読みはじめに感じたのがまるで受けになる王子が狼に育てられた少年みたいだと
感じるのですが、ラストで狼よりももっと神聖な存在だったと解ります。
内容は、王族の権力争いに巻き込まれた不遇の王子が王子を守る騎士と再会するまで
11年もの間獣が住む森で生きて来て、攻めになる騎士が王子を見つけた時には
人間と言うより獣そのままで言葉も半分通じていない。
そんな王子をみすみす攫われ11年もの歳月の間、主をひたすら探す一途なワンコ。
再会してからも暴れる獣王子、まるで吸血鬼ですかと、血肉を首元にかぶりつく姿は
野生の獣そのものです。
その獣王子が、主一筋の騎士の執着と情欲とで獣から王太子殿下に戻り、
敵を滅して主従愛を越えた愛情を育むストーリーなのです。
王子の劇的な変化は愛され愛に応えたくて、でもうまく気持ちが伝わらず
ネガティブな思考をダダ漏れさせる騎士のためにだけに成長した感じですね。
共に相手にこの上なく執着していて、王子のエロ行為は猫科動物の首筋を噛んで
押さえつけてなんて言う獰猛な雰囲気もあり、攻めである騎士がああ~王子なんて
精神的な攻め受け逆転みたいな錯覚を起こしたりもします。
『子種汁』って言葉がエロの決め台詞みたいに出てくるのも一歩違えば下品だと
思うセリフゆえに妙なエロさがあってそれも面白い。
この作家さんには是非とも『犬』を極めて欲しいなんて思いますね。
「ラブ・ガブ」というのは、宮緒さんが編集さんに提案した題名の一つの案だとあとがきにありましたが、最もだと思ってしまいました!
この作品が受けのクリスティアン(森の魔獣に育てられた美しき野生児)が、彼をずっと探していた攻めの守護騎士のラファエルに、ひたすらガブガブしていたお話という印象だったからです。
ガブガブといっても首をガブガブですよ!
最初の方は頚動脈辺りをガブガブ食いちぎる所業です。
それからはもうラファエルの首は、クリスティアンの歯形の痣や傷が消えることがないのです。
ラファエルも「いけません、いけません」と言いながら喜んでいるんですよね~。
ドM攻め!ドMワンコです!
まあ、自分のことを犬と言っていますし、もういいでしょう!
この作品、攻めが自分のことを「犬だ」と発言したり(犬発言する攻め、宮緒さん、多いですよね)、宮緒さん独特の「胎内」「種子を孕ませる」「仔をなす」という言い回しが今回も散りばめられています。
今回良かったのが、攻めのラファエルがクリスティアンに「らふぁ、らふぁ」と言われ歓喜している姿とか、ガブガブされて「いけません、いけません」と言っているのに実はガブガブが快感で、しかもガブガブが自分にだけということに酔っていたら、森へ帰りたいクリスティアンに睡眠薬を盛られてハメられ怒りに理性が焼き切れ、逃げるクリスティアンを無理やり犯すのです。
一生懸命「いけません、いけません」と理性で自身を押さえつけていた攻めが、犯しながら自嘲的に自分の思いを吐露していくのです。
どれだ自分は浅ましい人間か、どれだけクリスティアンのことを思っているのか、絶対に絶対に!逃がさないと、自嘲的に吐露するのです。
はあ~、なんていじらしいのでしょうか!
いじらしいの大好きなんです!
これだけでもう、結構おなかいっぱいです。
クリスティアンは最初、言葉がうまく話せなかったのですが、終盤、努力して言葉・知識を習得して立派な王子になるのですが、私はちょっと寂しかったです。
もう少しあの言葉足らずなクリスティアンが「らふぁ、らふぁ」と言ってガブガブ、「いけません、いけません」というラファエルの微笑ましいやり取りが見てたかったのです。
もう執着攻めが大好物の私が、迷わず作者買いするリストのトップに位置してる作家さんの新作です!発売日に夜更かしして読みましたが、期待通りとっても面白くて萌えました。
今回は前作の強引押せ押せ系の犬とはうって変わって、ネガティブいじいじ犬でした!!従来のパターンだと犬がご主人様大好きーってワフワフ向かって行って、受けは最初ドン引きしてあっちいけーってなった後に、いつのまにか絆されてラブラブという犬的王道なストーリー(笑)で落ち着くのに、犬の方からオレなんてふさわしくないし…と引いてしまったらどうなるのでしょう。答えは受けがカタコトツンデレ受けから華麗に小悪魔受けに変身するのです!そうすればもう受けが押せ押せです。らふぁーなんて可愛く呼んでキモチイい事をおねだりしちゃいます(^^)犬は、俺なんて卑しい者が高貴なこの方に触れるなんて、などと葛藤しつつも、小悪魔の誘惑にはあらがえずイタしてしまっては自己嫌悪に。そしてどんどんネガティブスパイラルに陥り、最後には「そうだ、死のう!」の境地に達するのです。それに対抗する為、受けは最終形態『女王受け』に進化して攻めを自分の物にするのでした。
なんだか新しい定理を発見した気分ですっきりしました。そうか!犬がネガティブだと受けは最終的に女王様になるんだ!!みたいな。夏休みの一研究で発表したいくらいです(笑)
全編を通して攻めがドM過ぎて笑えましたが、一番ウケたのは最初に攻めが思いあまって受けを襲ってしまった時の「卑しい犬の一物」発言でした。なかなかアソコを一物と答える攻めはいないんじゃないのでしょうか。受けが「一物…?」とあどけなく聞き返してくるのにさらに笑いました。
ネガティブ執着犬攻めという新しいジャンルを開拓しましたが、大変美味しく頂けました。