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表題作腹ペコ蜘蛛と長い階段

一ノ瀬孝生,援助の代わりに食事を作る大学生
千歳,孝生母親の元セフレで会社社長

同時収録作品セッキンソウグウ

前田,嵐の日に村に越してきた住人
早見,診療所の若先生

同時収録作品さめたキスで起こしてよ

岩佐,病院の外科医
高城,研修医

その他の収録作品

  • 蟻地獄の晩餐
  • ゴハンの時間

あらすじ

「お前の方がタイプかも」
母親のセフレだという美青年がそう囁いた。その日から、俺は千歳と名乗るその青年に援助を受けている。学費と生活費の見返りに食事をつくり、たまにキスをする。それが俺の「仕事」だ。
彼は幾つもの顔を持っている。仕事が出来る有能な社長、女にも男にもだらしないろくでなし、俺の作った飯しか食べない偏食家…深入りしてはいけない、この男を愛してはいけない、そう言い聞かせてきたはずなのに―――。
BL界の鬼才・倫敦巴里子が描く究極の愛!

腹ペコ蜘蛛と長い階段/蟻地獄の晩餐/ゴハンの時間(描き下ろし)/セッキンソウグウ/さめたキスで起こしてよ

作品情報

作品名
腹ペコ蜘蛛と長い階段
著者
倫敦巴里子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796404747
3.6

(56)

(9)

萌々

(26)

(15)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
19
得点
197
評価数
56
平均
3.6 / 5
神率
16.1%

レビュー投稿数19

厄介で、魅力的な蜘蛛

表題作が1番好きなのですが、、、
この話はいつ読んでも面白い。

倫理観なんて言葉はいらないね。
母親のセフレとして、出会った千歳と孝生。
千歳は、貞操観念ゆるゆるで〜飽きたら相手を捨てる男なんだけど、なんでか読んでいて〜千歳をクズとは感じないんだよね。

千歳と孝生の共通点は、家族との関係が気薄な所よね。
千歳は、孝生と最初に会った時に〜いろいろ見出していたんだね。好みも含めwww

幼い頃、孤独だった千歳。
自分自身のパートナーとしても先を読み、孝生に援助し、世話と言う理由を付けて傍に置く。
千歳も孝生の作るご飯以外は、食べられない。
自らも、孝生に命を預けたも同然の行為。
そして、孝生もどんどん絆されて行く。

お似合いのカップルなのに、恋する2人のその後が、もっと読みたかったです。

しかし、幼い頃千歳が、札束を差し出して、尾瀬さんにごはん作って、のシーンは胸が痛かった。
お金があっても、買えないものがあるよね。
尾瀬さんご夫婦がね〜温かい人達だったわ。


その他、2作も心にグゥと来るストーリーでした。

0

表題作はぬるい温度感にハマれず

◆腹ペコ蜘蛛と長い階段(表題作)
 タイトルに惹かれて期待値高めで読み始めたのですが、それが悪かったのか、あまりハマれない作品となってしまいました。淡々と、低い温度で会話を交わす孝生と千歳。ストーリーは悪くなかったものの、2人とも私にはこれといった魅力が感じられないキャラで、萌えるポイントがありませんでした。千歳の掴めないビッチキャラが、1つの大きな理由かなと思いました。幼少期の食事の味気なさの経験からそのキャラに、私の中で上手く結び付かなかったのかもしれません。

◆セッキンソウグウ
 一番お気に入りの作品。こちらも淡々としていて糖度はそんなに高くないストーリーでしたが、田舎での暮らしぶりや、メイン2人の運命的な出会いが素敵だなぁと感じました。早見が村人誰からも愛される医者である反面、実は周りが思っているほど善人なわけじゃなくて、計算高さや田舎を見下しているところもあったと認めるシーンがあり、彼の人間らしさを知ってより共感を覚えたり。これからは前田と一緒に、田舎での人生を満喫できるようになるといいですね。

0

勝手な解釈の感想

倫敦巴里子先生の作品の中でも1,2を争うほど好きな表題作です。同時収録作も好き。

この1冊、かなり捻くれた登場人物が多い。受け攻めどちらかが屈託の無いタイプが多い先生の作品の中では、相当厄介なキャラ達ではないでしょうか。

◾︎表題作
孝生(大学生)×千歳(孝生を援助する社長)
援助する×されるの関係め攻め×受けっていうのがまずツボ。そして千歳のトラウマ。

以下、自由に勝手な解釈をしています。
トラウマなんてどこのBL作品にもあるのですが、トラウマが積極的に解消される描写がないところが特に好きです。
千歳本人が孝生にその癒しを求めていないのが非常に好き。孝生が千歳に何かしようとする事に千歳の安息があるわけではなくて、あくまでも自由にさせている孝生の振る舞いの中に、千歳が好きに安息を見つけ出す…この関係性が非常に良い。甘えあっては居るんですけれど、お互いの自立心が高い。
まぁ、自由にさせているとは言っても、千歳の居心地の良い方向にその自由を操作してるところはありますけどね。孝生もなんだかんだ言って千歳のことが大切なので、そうされるの本意だったりして。

倫敦巴里子先生、年齢層の広いお顔を描けるのに、主役の容姿はほぼ判子絵なのが勿体なく思う。髪型もあんまりレパートリーないし…大好きだからこそ。

0

腹ペコの理由が苦しいです

巴里子先生大好き~
先月末の新作読んで、巴里子熱 再到来。で旧作読み返し中&本棚整理中。
爆笑度がちょっと抑えめだったので 萌2にしました。

1カプ目は、ニグレクトもので、受け親(金持ち)にむかむかしてしまって
ちょっと萌が半減してしまう。
ニグレクトものがダメな人にはきついかも。です。
最後、ちょっと泣きます。
旨くも不味くもないごはん食べてる受けをみて。

2カプ目は可愛い~たぶん1カプ目より読みやすいんでは。
地方の村が舞台。村民や村の小学生がお話推進役で出てくるところが
なごむー。1カプ目より笑えます!
先生、枯れた感じのじっちゃ、ばっちゃ 
お描きになっても超絶いい感じなんですよねー
まあプロなんだから当然 といえばそうなのかもしれないですが
やっぱいろんなものを、先生の味を含んだ形で描けるのって
個人的には重要ポイントなんです。。。。
(そうそう1カプ目の受けさんの面倒みてたカナコ(熟女)、素敵!
 ああゆう キレイな ふっくらおばさんになりたし)

3カプ目は他のお姉さまもおっしゃっておられるように
医者同士のエチシーンが笑える。

そんだなあ、初心者さんや若いお姉さんにはあんまり受けないかも・・・
という気が少々しますです。

2

表題作がめちゃくちゃ好み

これまで読んだことなかった倫敦巴里子さん、
何か読んでみたいと思い、自分好みなトラウマモノのこちらをチョイスしてみました。

表題作と他2つのお話入り。

『腹ペコ蜘蛛と長い階段』シリーズ(全3話)
私的にはかなり当たりでした。
登場人物二人が不健康極まりないお話です。
母親のセフレ(千歳)から大学の学費と下宿代の援助を持ち掛けられて、代わりに身の回りの世話を引き受ける冷めた高校生(孝生)の視点で綴られます。
短いストーリーでグッと掴んでくる作家さんだと思いました。
孝生が千歳に堕ちる瞬間までを描いた1話目がすごく好きです。
何度も読み返してしまいました。
絵は柔らかいけど、表現がめちゃくちゃ耽美でゾクッとします。
「幸せを与えてくれる人じゃなくて 地獄への道連れが欲しい」
だからと言って彼等が不幸へと堕ちて行く訳ではないんです。
こういうの堪らないですね。
大好きです。

『セッキンソウグウ』
『さめたキスで起こしてよ』
どちらも登場人物が過去に何かを背負ってるセツナ優しい雰囲気のいいお話でしたが、私にはちょっと印象に残りにくくて可もなく不可もなくという感じでした。
すみません。

2

掛け合いがGOOD

全部で3つのストーリー入り。

3つなので、短めの作品なのですが
読んでいてあまり短いな~という印象受けませんでした。
という事はお話のまとめ方がウマイという事なんでしょうね!

どの作品も優しい印象。
これは、絵のイメージもあるかもしれません。
でも、なかなかにクールな掛け合いがあって
そのギャップが楽しめる感じで、
そういう所が「倫敦巴里子」さんの作品の好きな部分♪

今回は特に・・・3つとも相手の事をどう思っているか
というのが、言葉としてガッツリ描かれているわけでなく
”匂わせて”いる作品ばかり。
言葉や表情や間から読み取るのも楽しい1冊でした^^

1

美しき毒蜘蛛

表題作「腹ペコ蜘蛛と長い階段」

毒蜘蛛のような受けってイイですね。
毒蜘蛛っていう表現というか言い回しが好きです。逃れられない感じがして。
毒蜘蛛と言い表されているのに色々と不安定なところがあるのにもまた萌えます。

攻めが童貞なのも童貞攻めスキーな私にはかなりの萌えポイントですね。
美しき毒蜘蛛に翻弄される童貞・・・良い響きです。

毒蜘蛛千歳さんにはこれからも色々と苦労させられそうな孝生くんです。
とりあえず孝生くん、頑張れ。

1

凍っていた気持ちが融けるような・・・

「三村と片桐のつれずれ」の小冊子欲しさに購入。
読んでみたら、なかなかよかったです。

表題「腹ペコ蜘蛛と長い階段」

「セッキンソウグウ」
「さめたキスで起こしてよ」の三作品です。

表題についてはみなさんコメントされているので、私は他の二作品を・・・

「セッキンソウグウ」

東京の病院で院長をしていた医師が過疎地医療に携わり
東京で研究をしていた早見もまた、その田舎で医師をしている。
ある日、突然その診療所にけがをした前田が現れ怪我の治療をする。
前田は画家で絵が描けないスランプにこの村を訪れた。
村の子供たちはフランス語を話す前田を「宇宙人みたい」と噂するように。

村では早見に東京に戻られまいと、村中の若い娘と見合いをさせようとするが
「俺と村公認のカップルになろう」と言い出す前田、村中がその話題で大騒ぎ。
スランプで絵が描けなかった前田だが、早見を描きたいと思ううちに
早見がみんなを見る優しい目で人を見たいと心から思い
「先生は俺の空なんだ」・・・と告白する。
早見も、自分がなんでこの村に来たのか
東京にいるとき何があったのか・・・過去の自分が何をしてきたのか話す
前田はフランスに戻ると早見に別れを告げる。
離れてみて、前田への想いに気づく早見。
しかし、実家に一度帰って荷物を全部持ってくるための一時帰国だと知り
ほっとする早見。これからの二人の未来を期待させてのハッピーエンド。

2人とも、人にはなかなか話せない悩みを持ち
知らず知らずのうちに惹かれあい好きになって行く心の動きが
短編ながら素敵に描かれていました。
宇宙人みたい・・と言われたことから「第一次接近遭遇」と昔よく聞いたフレーズで
表現しているところなんか、巴里子先生おいくつですか?
と、突っ込みたくなる感じでした。(笑)


「さめたキスで起こしてよ」

妻を病気で亡くした医師と研修医のお話です。
「私が死んだらどうか他の人と幸せになって、嫉妬するくらい」
そう最後に言い残し逝った妻。
自暴自棄になって、妻の言うとおり嫉妬させてやろうとは思っても
そう割り切れるわけもなく・・・
軽い男のノリで日々明るく仕事に打ち込むのだか
心の奥には人には言えないやりきれない思いが・・・

研修医の高城と妻を結婚1年で白血病で亡くした外科医師の岩佐。
その二人が付き合い始めた。
それも、やっぱり軽いノリで。
でも、高城はいつの間にか本気になっていた。
岩佐はそんな気持ちが嬉しくて、高城を抱いてしまう。

ここからのHが、笑えました。
さすが医者同士。Hの最中も「前立腺刺激して尿漏れ予防」とか
「後ろの生Hは医者としてまずい」とか「直腸の向きからバックの方が楽」とか・・・
医学的観点からのHについてのコメントがかなかな良かったです。
両想いになってからも、以前のキャラは変えずに相変わらず軽い岩佐。
やきもきしながらも、幸せなんだな・・・という終わり方でした。

三作品ともに普段見せない心の中を覗いたようなストーリーでした。
人にはあまり言いたくない過去や、それを知られないように作る自分。
心許せる人が現れた時に、凍っていた心が融かされていくような・・・
そんな気持ちになる作品でした。


1

波立たない

萌えちゃってもうだめだよ!という作品ではなく
底辺をずーっと波打ちもせず、淡々と話が進むような感じでした
いい意味で薄暗い作品でした(;´Д`)褒めてるんですよ!

薄暗い感じですが、主役の2人以外にも複数登場人物がいて
みんないい味がでていて、とてもいい人たちばかりで
癒されます
2人の関係で、こっちまでなんかくら~くなりますが
他のみなさんで一掃される感じですかね

読み終えた後は意外にもスッキリ読めた作品だと思いました

3

どの話も良かったです!

倫敦巴里子さん、好きな作家さんの一人です。
苗字だけで呼ぶ時は、倫敦さんなのでしょうか?いつも気になってしまうのですが。

表題作が気になって読みました。表題作も同時収録の他の絵描きさんの話、お医者さんの話も良かったです。

ただ絵がどちらかというと地味なので、表題作のあらすじにあった「美青年」という言葉にはちょっとひっかかってしまいました。
まあ、確かに美形ですけれど、何というか「魔性の何とか」的な雰囲気はあまり感じられなかったです。絵が真面目というか、あまりいかにも人間失格的な感じが足りなくて物足りないというか。
もっとコテコテにキラキラしたキャラでも良かったんじゃないかなあと少し思いました。
味覚障害のくだりは好きです。

1

落ちればもろとも

最終お互いが必要と実感することが一番大事なんだと思うんだ。
始まりからしてまたハードというか、実際描かれている雰囲気は
そんな深刻な感じでもないので読み流してしまうのだけれど
まず母親と寝ていた相手と・・とか
とっかえひっかえあからさまに寝ていることを提示されてもなおとか
実際に、家庭環境もろもろで、思考自体が私と違うからなんだろうけども・・・
な中盤を越えてのお話でした。

うまくもまずくもない料理がいい。。
一緒に幸せになってくれる人じゃなく
道連れで地獄に行ってくれる人がいい。

後半は、わりと甘めでゆるめのお話。
トータル可愛く読めたから満足ではある(*´∀`*)

1

ろくでなしが見せる可愛さ

ワガママなろくでなしの千歳(受け)のキャラが良かったです。

子供っぽいんだけど、子供のワガママとは違う、影を感じさせるセリフや、
虚弱体質や味覚障害、そしてその原因となる出来事など、
千歳を作り上げているものひとつひとつに説得力があって、人間味を感じました。

孝生(攻め)の母親の元セフレという最悪の出会いがスタートですが、
社長である千歳に援助を受ける代償として、
孝生が千歳の身の回りの世話をするという、不思議な関係を築くことになります。
二人の想いの均衡が、少しずつ崩れて行く空気感が良かったです。

私が好きなシーンは、ある時、たまたま眼鏡をかけていた孝生を見た千歳が
実は孝生が目が悪いということを知って、急に機嫌が悪くなってしまう場面。
「次からかけて来い」と命令するのですが、その理由が…、

「お前に見てもらえないとかやだ」。

…かわいい!!
そのセリフのコマの千歳は顔も幼い雰囲気です。

こういう、ろくでなしがたまに見せる可愛さや優しさって反則です。
そして、毒蜘蛛に捕食される状況に例えるセンスに脱帽。

胸キュンあまあまなハッピーエンドとは少し違う幸せです。
美味しくも不味くもない食事のような、味わい深いお話でした。

他、過疎地に赴任したお医者さんと、
リハビリに訪れた描けなくなった絵描きさんのお話など2篇。
表題作以外はどちらもテーマはありがちで王道っぽいのですが
倫敦さんの絵で読むと、やはり萌えました(*^_^*)
王道分ちょっと差し引いて、萌え×1の評価です。

4

美味しくも不味くもない料理

表題作が非常にどストライクな話でした。
母親のセフレだった千歳に捕食されるみたいにして孝生くんはズルズルと尽くしている訳ですが、偏食というか味覚障害のある千歳に執着してしまってるのがなんとも言えず萌え。
下半身だらしない千歳にも、何故偏食になったのかっていう背景が描かれた書き下ろしがあってやはり萌え。
千歳は浮世離れしているだけに普通の人と違うさみしい人だなあという印象。
このまま孝生に愛されて欲しいなあと思いますが、その愛した先には何が待ち構えているんだろうとこの関係性に疑問を持ってしまう言わば"メリバ"に近い距離感を感じます。
読後感はすっきりしない人もいるかも知れない。
でもこの後、二人がどうなるのか孝生が蜘蛛の巣の糸にからめとられるように千歳に落ちていくのか続きも見てみたいなあという感じ…。
ふえーん結構だいすきですこの二人!
甘やかな幸福じゃなくて、じわじわと泥濘に落ちて行くようなそんなBL。
倫敦さんのご飯の描き方結構好きなので、読んでいると私も孝生くんに美味しくも不味くもない料理作って欲しいなとお腹が空いてしまうのでした(笑)

2

面白かったが、味わいがしっくりこない。

おもしろいタイトルだなぁ、と思い、
表紙のちょっとクラシカルな雰囲気に惹かれ、
読んでみたいと思った作品。
(しかし、この表紙の階段はストーリーのイメージとは違いますね!)

表題作とその関連が二編、もう二編はどちらも医者が出てくる別の話。

表題作は、相手の作る物だけは食べられるという設定が面白い。
高校生の孝生がある日帰ると、母親の愛人・千歳が寝ている。
卒業したら家を出るという彼に学費と生活費の援助を申し出る千歳だが
その対価は「彼の世話をすること」。

キャラも好み。
若き社長だけれどまるで子どものような千歳、と大人にならざるをえなかった孝生。
自分自身が思っているよりも、深く孝生を求めている千歳は切ないな。
ちょっとギャグテイストになるところを含めて細部はすごくいいのだが、
個人的にはストーリーがイマイチ深く心に入ってこない。
この絵柄とシリアスな深みが自分の中でうまく溶けないせいか?


「セッキンソウグウ」は宇宙人のような絵描きと田舎の診療所の医者、
「さめたキスで起こしてよ」は外科医と研修医の話。
誰もが、ちょっと訳をもっていて不器用さを持っている様が愛おしい。

私は「セッキンソウグウ」が一番しっくりきて好きだったかな。


4

面白かったけど萌えとは違う。

三村と片桐の冊子欲しさに購入。

三村と片桐、長生きにゃんこシリーズ大好きなのですが
イラストそのものは、あまり好きではありません。
横顔に違和感。

今回の千歳さん。色男なのかな。
イケメン設定があるものの
決してそうは見えない。
どれもこれも同じ顔。同じ表情。

それでも、物語に引き込まれる。
小説向きなのかな。どうなんだろ。

お母さんのセフレだった千歳さん。お母さんだけじゃなく、沢山の人のセフレの千歳さん。
美青年の千歳さん。
大学の資金援助と生活支援のかわりに千歳さんの面倒を見る。

千歳さんが夜を共にしたであろう
使用済みの避妊具のゴミ含め
身の回りの世話。

食事を摂取することと
セックスをすることは
似ているのだろうし
それをうまく活用した作品でした。

バットエンドじゃないにしろ
両手をあげてのハピエンじゃない人間の闇が見える面白い作品でした。



2

蜘蛛から蟻地獄!?

熟年夫婦ものとはまた違ったちょっと暗いトーンの表紙に、シリアスなのかな?とおもいきや。
勿論下地はシリアスなのですが、そこは倫敦巴里子流。
軽くいなす主人公に、時々笑いも加え、周囲の人間の配置もバッチリとフォローに回り、重苦しさのシコリは残しません。
愛してるよ、君が好きだよ、という実に解りやすい恋愛ではないですが、ストーリーテラーの異名も間違いなく、キャラクターの基盤がしっかりしているために、その気持ちの変遷と交わりだけで、見えてくるものがあるのです。
この本を読んでも、やはり、上手いなーという感嘆が。
そして、どのキャラクターにも愛嬌があるのが魅力なのです。


母親と関係していた男に大学の下宿と学費の援助を申し出られた対価は、彼の世話をすること。
自分の為だけに作られた料理しか受け付けない偏食家で不健康で節操無しの男と、律儀に借りの分は返そうとする大学生のお話。

身体の関係があるかと思えばそこには舌を入れるキスだけ。
そしてその男・千歳はだらしないくせに会社の社長でした。
大学生・孝生は千歳の会社の社員から自分は千歳の会社に引きぬく為の先行投資の青田買いだったことを知らされるのです。
この社員がいいことを言うのです。
雨降りの後の蜘蛛の巣はそこに毒蜘蛛が待っていると解っていてもキラキラ光って近寄りたくなる。
毒蜘蛛は千歳。
孝生は本当はメガネをかけているのだけど、千歳の前でかけなかったのはその蜘蛛の巣を見ないようにするため。
きっとそんな比喩がこめられている設定になっていると思ったのですが、これが小憎いね!と思えた箇所。

そして次の話は、毒蜘蛛は蟻地獄に姿を変えて、もうつかまったら引きずりこまれるという比喩に。
孝生は力を抜いて引きずりこまれるままにすることに、喰われる覚悟を決めることにする。
千歳は節操なしで、平気でいろんな関係を持って刃傷沙汰も起こしたりするらしいが、この蟻地獄の比喩を見て、あ、孝生はだから他と違うんだ!と気がついた。
他は必死でもがいて逃れようとするか、それを逆に支配しようとするか、落ちたくせに自分が落ちたのに気がつかないんだって。
中々に奥が深い心理を抱えたわけのわからない千歳なのであるが、【ゴハンの時間】という子供時代の、彼の心の傷の話を見ることで、千歳という人間が見えたのです。
それと同時に、千歳が孝生を選んだ理由も。
後で補足という形にはなりましたが、そこにあった「自分だけの愛情への欲求」が食べるものに直結するという、味覚障害を伴う偏食の症状、これって現実にもあることなので切ないのではありますが、孝生が特別である理由がわかり結構千歳もかわいいじゃないか、って思えるのです。


【セッキンソウグウ】
過疎地区の医師と、絵が描けなくなって村にやってきた画家の物語。
それぞれがこの村にやってきた理由と、そこに抱える気持ちがあってそれがすれ違ってリンクしていくのが、田舎ののんびりした人情と風景もあいまってとても癒されるお話になっていました。

【さめたキスで起こしてよ】
誰にでも人当たりがよい外科医と、彼に誘われる研修医のお話。
ちょっとラストのエッチまでいっちゃう部分の早急感がこの作品には珍しくあります。
が・・・研修医が美人設定とはいえ気が強そうで一見攻めっぽいのに受けだったことへのギャップの驚き(爆)
エッチシーンの医者であるがゆえの直腸やら感染症やらの医学表現に、前立腺刺激で尿漏れ防止とか・・・色気が~www
しかし、ラストの締めはよかったな♪

作者さんのあとがきは、カバー下の本体にあるのでおわすれなくね。
毒蜘蛛の節操無し千歳が、三村に迫ってるイラストが笑いを誘います(笑)

6

蜘蛛ってところがミソ

2冊同時発売の1冊でもう1冊の「三村と片桐のつれづれ。」とは
一味違った奥深い場所にシリアスさを漂わせているのに、後味の悪さを
全然感じさせない優れものの作品、倫敦巴里子ワールドですね。

受けになる千歳の性別も何もかも関係ない奔放なだらしない暮らし、
そして幸せの味に身体が受付けないくらいに精神的に病んでいるようで、
そんな千歳に目をつけられたのが母親が千歳のセフレの一人である息子の孝生。
大学と生活全般の面倒を見てもらう代わりに千歳のお世話をする内容。
普通の恋愛ものとは違う感じで、相手が毒蜘蛛だと知りつつも自ら捕まってしまう、
そしてそれこそが自身の望でもあったと言う流れ。
甘いふわふわした幸せとは違うけれど、これも一つの愛の形だと思える深い内容でした。

3

毒蜘蛛のような男…はいかが?

三村と片桐の本を2冊読んで、すっかり倫敦巴里子さんにハマってしまいまして、
ちょっと遅れてコチラも買ってみました☆
と言いつつも、
「三村と片桐のつれづれ。」に付いてきた「腹ペコ蜘蛛~」の小冊子を読んで、
ん~~?
これだけじゃよく分からん…あんまり好みじゃないのかも??
そう思ってもいたのですが、
ちゃんとコミックを読んでみたら…すご~く好みでした♡

ワガママなろくでなし男は苦手!他の人と寝るなんて許せん!
そういう方にはオススメできませんが、
そこら辺も理由によっては許容できるよ~という方には、是非読んでほしい1冊です。


高校生の孝生(攻め)がテスト期間中で早く家に帰ると、
母親のセフレという若い男が裸で寝ていた。
その若い男・千歳(受け)は、
高校卒業後は家を出るつもりだった孝生に持ちかける、
大学の学費も下宿代も援助してやろっか、と。
その代わりとして、孝生は会社の社長をしている千歳の世話をすることに。
たいして上手でもない食事を作ったり、膝枕をしたり、舌を絡めるキスをしたり…
童貞でまだ若い孝生にとってそれはまるで、
キラキラと美しく光る雨上がりの蜘蛛の巣に、自ら掛かるようなもので…。

毒蜘蛛、蜘蛛の巣、階段、眼鏡…それらの意味するところが切なく、上手い。

受けの千歳は、可愛い顔をしたなかなかヒドイ男。
孝生の気持ちを知りつつも、他の人とも寝てその使用済みのゴムを片づけなかったり。
でもそんな千歳なりの、
孝生への執着がチラチラと見え隠れして、後半には千歳の過去が描かれて、
なぜ孝生でなくてはいけないのか…その理由を知る。
千歳が幸せのカタチを拒む、その理由を……

色んな事が繋がると、じわっと切なさと愛おしさがきました。

シリアスな部分が結構ありつつも、
エロさと笑いどころもシッカリでとても好きなバランスのお話でした。
もうちょっと長く読みたかったなぁ。
ただ、年の差を絵からは感じにくいのが、ちょっと残念に感じてしまいます。
表紙の後ろのメガネが攻めの大学生で、手前の受けが34歳の社長なんですが…
見…えますかね?w


他にも2つお話が載っています。
どちらも過去のことで傷を持っている医者が出てくるお話ですが、
同じ医者でもこうも感じが違うのか~と興味深く読めました。
続けて医者モノが読めるってなかなか貴重かも☆

8

青白い顔の毒蜘蛛

【腹ペコ蜘蛛と長い階段】【蟻地獄の晩餐】
男女問わず節操なし。
精神が不安定でわがまま。
味覚障害あり。
顔と金はある。
受けがとんでもない男でした。
うわぁ、やだぁ、こんな受け~。私は苦手でした。
一方、攻めは受けの事を一途に想っています。
どんなに受けにわがままを言われても、惚れているからね。
出会いがどうであれ、攻めにとっては受けは初めての相手ですから。
頑張って!と応援したくなる攻めでした。

倫敦巴里子先生の絵が好きなので萌♪

4

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