恋愛Paradox(1)

天才と天然のわちゃわちゃ

知らない世界を覗けるお仕事BLって楽しいですね。
その中でもデザイン会社が舞台というものは、結構多い気がします。
デザイン系は分野としては漫画制作と通じるところがあるから、作家さん自身の前職だったり、知人がそういう系の方が多かったりして、つながりが強いからなのかな？

こちらもデザインの会社が舞台です。
空間デザインかな。店舗の内装とかそういうデザイン。
数々のメディアにも取り上げられて、カリスマと名高い神田に憧れて、NSデザインに入社したものの、まだまだ雑用ばかりの四ツ谷。
憧れの神田に近付く道のりは程遠い…と思っていた矢先に、神田のアシスタントをすることになって…。

クリエイティブな才能で周囲からちやほやされる天才の例に漏れず、神田、自堕落です。
「生活全般のフォローを」とのお達しで自宅へ行ってみれば、玄関には脱ぎ捨てられた女性用下着。それも1人分じゃない、という…。
モテモテな神田なので、お相手もモデルたち。美女でございます。
そんな洗礼を受けつつも、必死で頑張る四ツ谷の成長を神田と共に見守りつつ、神田と四ツ谷それぞれの心の変化を楽しむストーリー。

自分の名前に食いついてくる人たちに囲まれている神田にとって、真っ直ぐに尊敬や憧れをぶつけてくる四ツ谷は新鮮。
四ツ谷にとっても「雲の上の人」と思っていた神田の「雲の上じゃない」部分を知って戸惑いつつも、仕事となればやっぱりその才能に痺れる。
お互いに相手を知っていくうちに、それぞれの気持ちに変化が現れて…という1巻でした。

仕事をされている方は、四ツ谷の姿に新人の頃の自分が重なるかも。
1日も早く認められるためにがむしゃらに頑張って、残業してまで先輩たちの雑用も進んで引き受けるけど、実際は体よく使われてるだけだった…とか、あるあるですよね。
頑張りが空回る辺りも「分かるー！」ってなるはず。
そういう面で四ツ谷が入り込みやすい人物設定なので、気付けば物語の世界にはまり込んでます。

お互いが「あれ…、この気持ちは…？」と思い始めて、それが爆発した1巻。
2巻ではどう進展していくのか、楽しみです。