イラスト付
『媚薬のキキメ』は攻め・男鹿視点、『獣のススメ』は受け・阿立視点の濃厚めの甘々エロ。
渋い男前な見た目と違い、年下美人の幼馴染み・阿立になかなか手を出せずにいかがわしい妄想を溜め込んでいるヘタレ男・男鹿がひょんな事から怪しげな媚薬を入手。
その媚薬を使って溜まっていた妄想を思いっきり満喫できるチャンス!!と、思いっきり乱用するのかと思いきや、常に常識と罪悪感がブレーキをかけて悩む姿が妙にいじらしい。
ヘタレってそう簡単に治らないもんなんだ…
肝心の媚薬の種明かしってのがまあ…呆気ないものの、素面な状態でお互いの想いが通じるっていう効能があって良かったじゃん、ってことで。
阿立のほうも表向きは限りなく悪態をつき、純情よりも欲望ってはっきり言いながらも、
心中は「でも、そういうところがいい」・「そこが可愛い」って答えに必ずたどり着いてしまう程のベタ惚れっぷり。
こちらも負けず劣らずで、愛してやまない男鹿に対する妄想を抱えているってのが堪らない。
見た目がそそる美人で内面はがっつり肉食系、過激なプレイも喜んで貪欲に受け入れたいって心意気がもう勇ましいし潔い。
あまりにも真面目に欲望を追及する姿にどうもギャグに転びそうな気がしないでもないが(笑)、そこはギリギリに踏みとどまっていて、話もキャラもエロも堪能できて面白かった。
てな訳で、ごちそうさまでした~♪
kindle unlimlted 対象作
Amazonにオススメされたので、前知識なしに手に取りました。
特に、オヤジ好きという訳ではない私。
中原一也さんの作品は何作か読みましたが、可もなく不可もなく。
萌えるポイントが私とは微妙に違うなーと、作家買いに至らず。。。
ということで、unlimlted対象でなければ、本作を読むことはなかったはず。
Amazonさん、素敵な出会いを与えてくれて、ありがとう。
神評価です。
本作はドンピシャ、私の萌え要素のど真ん中。
いやー、良かった。
この攻め様のヘタレ具合、そしてエッチの時の攻め具合、最高!!
そして、普段は、ドSなのに、エッチの時はドMになる受け様の心理描写が巧みです。
その気持ち、わかる、わかる!と思わず共感。
ヘタレで情けない普段の姿に虐め倒したくなり、自分に欲情する獰猛な雄の姿にひれ伏したくなる。
ありそうでない、このシチュエーション。
久々にキュンとしました。
「このエロがっぱ!」
罵詈雑言にもいろいろあれど、中でもこれってかなりとんがってて素敵ですよね。そんな台詞をかりにも憎からず思っている相手に対して吐いてしまう男。「どの口が言うか!?」とつらつらその顔を見返せば、「真冬の澄んだ夜気」にもたとえられる冷たく冴えた美貌のバーテンダー。ヤバイです。こらえ性のない野郎ならそれだけで危うくイっちゃいそうです。
そんな超絶毒舌美人・阿立(29)の想い人、つまり「エロがっぱ」呼ばわりされる不憫な攻めが男鹿(36)。過激な作風で知られるハードボイルド作家で、そのシブくて男くさいビジュアルも相まって「誰よりも葉巻とトレンチコートの似合う男」として業界での人気も高い。でも現実の男鹿は葉巻もトレンチコートも持ってない。暴力もギャンブルも嫌い、スーパーの袋はちゃんと畳んでしまい、米のとぎ汁を植木の根元にかけてやるような、善良な小市民なのだ。阿立とは幼馴染で、年が離れているので子供のころは何かと世話を焼いてやっていたが、思春期以降急激に色香を増した阿立に対して危うく欲情しかけてからは、軽蔑されるのが怖くてまともに顔も見られなくなった。それでも会いたくて、阿立の働く店にせっせと通いつめては冷たい視線と容赦ない毒舌を浴びせられ、肩を落とすばかりの日々。「一度でいい、アイツを足元に跪かせて、ご主人様とよばせてみたい」あわれな男鹿の願いは、しかし意外な形であっさりかなってしまう。怪しげな売人から手に入れたクスリ。一服盛られた阿立は豹変する。男鹿に向かって従順に脚を開き、あまくせがむ。「ご主人様・・・」その破壊力の前に男鹿の自制心も小市民的良識も吹っ飛んでしまう。その身体を思うさま貪り、さらに阿立のもとめるまま、みだらな行為はややアブナイ方向へとエスカレートする。日頃の超絶毒吐きとは裏腹に、なんと彼はベッドの上でだけドMだったのだ…
やがて男鹿の策略が阿立にバレる日が来るのですが、同時に男鹿が阿立に盛ったいかがわしい薬の正体や阿立の秘めた思惑、イケナイお買いものの数々までもろもろ明らかになります。後半の「獣のススメ」は視点が阿立に移るため、男鹿に勝るとも劣らぬ彼の執心っぷりが手に取るように分かります。そして阿立に降りかかったトラブルを、いかにも思慮深い、彼らしいスタイルで解決し、男を上げる男鹿の姿も。
まとまってしまえばこのふたり、ただの顰蹙もののバカップルかもですが、完全にふたりの間で需要と供給が一致しているから、誰にも迷惑かけなくって好都合。とことんプレイを楽しめそうです。ドMのMは「ミストレス」のM、そしてドSのSは「サーバント」のSってこの2人のためにあるような言葉だと改めて思いました。
中原作品といえば①品はないけど可愛げのあるオヤジ攻め②どれだけ華やかな世界を描こうが勝手ににじみ出てくるいじましいまでの生活感③異物挿入――が三大セールスポイントだと勝手に思ってまして、個人的に③以外は大好物(お好きな方ごめんなさい。でもやっぱ苺は口から食べる方が好き…)なので、本作もとってもたのしく快調に読めました。
ラヴァーズの一作目とは180度真逆の路線を突っ走る一作。
とにかくこちらは始終口元がニヤニヤして、
ものごっつ楽しんで読破させて頂きました!
やはり特筆すべきは、受けと攻めの普段とベットの中での、それぞれのギャップ。
正に凸と凹が重なるような、相性バッチリな二人。
今までくっついていなかったのが不思議です。
とにかく受けの阿立がかっこよくて強い男前!
それなのに自分に非があれば、素直にゴメンと言える可愛げも満載!
ストーリー自体は、ものすごく大きな事件が起こるでもなく、
しかし、始終アップテンポに進み、
いい感じにスラップスティックな感じで楽しめます。
凄く軽く読めますが、なかなかスパイスが効いていて、美味しく頂けます!
これは「神」に近い「萌×2」!
ジュネ掲載「媚薬の、キキメ」に手を加え、書き下ろしをつけた作品。
掲載作(恋人になるまで)と、書き下ろし【獣のススメ】が半々くらいの割合で
両思いになるのがちょっと早いかな~と思いつつ、
キャラの濃さと、中原さんらしい下ネタには笑わせてもらいました。
人気作家の男鹿は、ハードボイルドな作風と渋い容姿とは裏腹に、超ヘタレで奥手。
ある日、怪しい男に売りつけられた「セックスドラッグ」を
長年の片思い相手で幼馴染のバーテン・阿立に飲ませてみると…。
いつも生意気な阿立が、自分を「ご主人様」と呼び、
どんなプレイにも従順なドMに豹変!
その色香に迷い、いけないと思いつつも
拘束具・スパンキング・異物挿入(イチゴ!)とノリノリで攻める男鹿。
その後ズーンと落ち込む姿など、見た目を裏切るヘタレっぷりが面白いです。
それ本当に媚薬なのか?というのが前半のオチ。
阿立の意外な一途さ、ドSなのにドMというギャップが萌えどころです。
でも阿立。
昔から男鹿のことが好きで、男鹿の気持ちにも気付いていたなら、自分から襲ってしまえばよかったのでは?
そんな、わざわざヤバそうな薬を飲まんでも~…。
性癖はMでも気質はSだから、自分から言い出すのは抵抗あったのかな?
阿立視点の【獣のススメ】を読むと、
遠慮がなさそうに見えて意外と繊細な性格なのかもしれません。
男鹿が友人に利用されていると知っても、傷つけたくなくて言い出せないあたり
優しさとか愛情が出ていた気がします。
男鹿のヘタレでムッツリなところが好きで、
男らしい一面を知ってますます惚れ直し…など、盛大な惚気が微笑ましかったです。
ただ、二人の関係に波風が立つことも、大きく盛り上がることもないせいか
色んなプレイをやっている割にエロくなく、変化に乏しい感じはしました。
収録作の二話ともサラッと事件が解決してしまい、緊張感に欠けるせいもあるのかな。
とはいえ、絡みの時だけSとMが逆転する関係は面白いです。
阿立が、
「見ろよ。俺の恥ずかしい姿を、見ろ」
と白ブリーフ姿を披露する場面!
迫り方はドSなのに、
男鹿の好みを吟味して恥ずかしい下着を選び
お仕置きされることを期待している
屈折したドMっぷりに笑いましたww
SはサービスのSと言いますが、
MだってSをその気にさせるため努力しているんですね~。
男鹿はSといっても鬼畜ではなく、ねちっこい言葉攻のオヤジという感じ。
そ~っと丁寧に剃毛したり、激しい絡みのあと阿立を抱きしめたり、甘口で愛あるSMプレイを楽しめる作品でした。