表題作2013 Autumn

来杉隼人
25歳
野衣湊
18歳

あらすじ

『おとぎ話のゆくえ』番外編、「黒い瞳」。
視力が落ちたと言う湊に頼まれ、隼人は眼鏡屋について行くが・・・

作品情報

作品名
2013 Autumn
著者
一穂ミチ 
媒体
小説
サークル
MICHI HOUSE〈サークル〉
ジャンル
オリジナル
発売日
4.3

(3)

(1)

萌々

(2)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
13
評価数
3
平均
4.3 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数2

奪われた幸せ 与えられた幸せ

「おとぎ話のゆくえ」の若様と来杉。
実家の100倍くらい都会の京都で続く学生生活……
湊(=若様)、家庭教師しているんだ!と思いながら読み始める。

どうも最近目が悪くなったようだ(以前は2.0w)という湊は
眼鏡屋に行くのに来杉につきあって欲しいと頼む。
いつもながら適当で口が悪く、でもなんだかんだ言って湊が大事な来杉と
真っ正直な湊。
「やりたくなったか」と訊かれて、こくこく頷いている湊には
来杉は永久にかなわないんだよね〜。

そして、一方の湊も思う。
出会わなければ苦しくなかった……、黒い瞳に。

この二人のなんとも言えない傍から見るとコミカルなやりとりを、
読むといつも切なくてたまらなくなる。
それは、彼らの将来に起きるであろう困難が頭にちらつくからだろうか。
それとも、そんな彼らが出会って共にあれる奇跡に
胸を打たれるからだろうか……

後書きによると、若様は攻めに転じる気満々らしい(笑)
もう暫く、おとぎ話の続きを信じさせて下さい、作者さま!

5

"湊だけの、黒い瞳。"

『おとぎ話のゆくえ』より、隼人と湊。

今秋のJ庭にて無料配布された
「黒い瞳」というタイトルの、6ページの小冊子です。



「結婚する前は両目しっかり開いて、
 結婚した後は片方つむるんや」

家庭教師先の夫婦から、そんな話を聞かされ、帰る道々。
そういえば最近、視力が落ちたと気がつく湊。
今までは2.0あったのが、都会(?)に出てきて
目を酷使した結果、見えが悪くなった模様。

隼人に、どんな眼鏡が似合うか聞いてみるが
「食い倒れ人形みたいな奴」と、いつもながら適当。
でも、一緒の布団に入り、
コンタクトにしようかな~と言ってみると
「やめとけ」
「そんなでっかい目ぇだと、こぼれ落ちんだろうが」
とか、相変わらず不意打ちで甘い台詞を吐きますねーw
後日、ちゃんと眼鏡屋について来てくれるし・・・
ツンデレの見本のような御人です。

で、眼鏡屋にて、衝撃の事実が明らかに!?
なんと湊の視力、2.5ありました。
学校では、2.0以上は2.0としか言われないので
勘違いしていたと・・・元はいくつだったんでしょうw
「―てめえはどこまでアホなんだよっ!」
と、隼人に後ろからスパーンとしばかれ
綺麗にオチがついたのでしたw


コミカルなお話ですが、愛も詰まっていて素敵。

隼人は、湊の視力が落ちたと聞き、内心とても心配していたと。
(口では「悪いのは頭だけでじゅうぶん」とか言ってますがw)

そして、そんな隼人にべったり惚れ込んでいる湊。
冒頭のトーマス・フラーの名言~ロシア民謡「黒い瞳」まで
「瞳」に絡め、
隼人への想いがロマンティックに綴られています。

瞳を開いていても、閉じていても。
見えるのは、隼人の黒い瞳だけ、ですかーー
まさに恋は盲目状態のまま、ずーーっと一緒に生きていてほしい二人です。

3

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