人狼の和彦は、外見は男性ながら実は両性具有。その秘密を知られて囚われ、一族の跡継ぎ候補である兄弟に蹂躙され…!?

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表題作獣欲 ―花嫁は狼に奪われる―

真神敬二郎,真神紀三郎,人狼一族直系兄弟,
三峯和彦,ある秘密を身体に持つ人狼一族,24才,

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

人狼の和彦は、外見は男性ながら実は両性具有。その秘密を知られて囚われ、一族の跡継ぎ候補である兄弟に蹂躙され…!?

作品情報

作品名
獣欲 ―花嫁は狼に奪われる―
著者
あさひ木葉 
イラスト
小路龍流 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796405041
3.2

(20)

(3)

萌々

(4)

(10)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
8
得点
62
評価数
20
平均
3.2 / 5
神率
15%

レビュー投稿数8

奥深いテーマが暗喩で両性具有として書かれていると思える作品

新刊チェックで粗筋を読み、特典が付くということで、
いつものお店で予約をして購入しました。

今作は第一話と第二話の二部構成になっており、
第一話は受けが故郷の因習の呪縛から解放されるまでの内容で、
第二話は受けと攻め二人の進展と変化が描かれています。

受けの和彦くんの、潔いところや意思が しっかりしているところ、
冷静になって分析するところ、自分が壊れてでも矜持を
守り抜こうとする意志が強固なところ、真神兄弟との関係を
真摯に考えるところなど、好感を持てるところが多々ありました。
また、決して女ではないのに、女の部分で感じてしまったり、
避けられない反応を認められないことや、
真神兄弟を女の部分で受け止めるのと受け入れるのは違うという葛藤、
性別に対する認識の変化など、
全編に亘る行動や言動、心理描写の全てに非常に共感しました。
終始、凛々しくて格好良い受けだと思いました。

攻めの敬二郎さんと紀三郎くんについて、
性格や外見、行動や言動などが対称的で、
特に第二話では、兄弟の受けに対する真摯な姿勢に、
とても好感を持ちました。
和彦くんを取り合ったり喧嘩をすることなく、
上手く協調しているところにも好感を持ちました。

敬二郎さんが受けに触れるのを静かに耐え、握り拳が震えているところや、
和彦くんと紀三郎くんと添い寝する時に尻尾を振るのを我慢して
耳だけピクリと動かしたり、和彦くんから体温が届くか届かないかの距離で
背中を向けて丸まって寝ているところに萌えました。

紀三郎くんは、スキンシップが過多だったり、感情表現が豊かで、
物語の冒頭から和彦くんに対する好意が分かりやすかったです。
紀三郎くんの名前は「きみろう」と読みますが、
読んでいる間、ずっと「きさぶろう」と何度か読んでしまったり、
何度も読んでしまいそうになったりしました。 f(^^;

今回、三人の添い寝の挿絵がありませんでしたが、
文章の描写だけを読んだだけで、その光景に とても萌えたので、
機会があれば、ぜひ観てみたいです。

最後のエピローグでの、和彦くんの意味深な心の中の台詞が
とても気になっています。
台詞の通りであれば、とても嬉しく、幸せな気持ちになりました。
今後の展開を期待してしまいます。
この後の三人がどうなるのか、続きを読みたい思いで一杯になりました。

あとがきでは、あさひ先生が暫く書けない時期があった中で
完成させた作品ということが書かれていますが、
無事に今作品を書き上げて頂いて良かったと思いました。
スランプに陥っていたようで心配しましたが、一安心しました。
また、小路先生も挿絵の あとがきがあり、可愛らしい絵でした。


今回は、両性具有と3Pの、どちらの設定も軽度の興味で
何も考えずに読み始めたのですが、受けが両性具有の体を持ちながら、
自分の性別は男で決して女ではないという強い認識を持っており、
攻めの祖父と攻めの兄弟たちから女としてしか利用しないことから、
読み始めて直ぐに、まるで性同一性障害のようだと思いました。

私自身、実際には病院で診断を受けた訳ではありませんが、
物心がつく前から、体は女でも心は男だという強い認識を持っており、
身体的な性別と精神的な性別の不一致によって、
今でも自分の性別に苦痛を感じているので、
性同一性障害だと思っています。

このことから、受けの和彦くんの主張や感情の揺れ動きの数々が
あまりにも共感しすぎて、今作は性同一性障害のテーマを
両性具有の設定で書かれているのかなと思いながら読みました。
しかし、あとがきを読んでみると、性同一性障害の単語は無く、
あとがきから全く性同一性障害を匂わす文章も雰囲気も
感じ取ることは出来なかったので、恐らく本当に今作は
性同一性障害とは全く関係ないのだと思いました。

しかしながら、あさひ先生が意図するところではないかもしれませんが、
深く考えすぎだとは思いますが、やはり今作は性同一性障害を
テーマにしているのではないかと、非常に奥深いテーマが
書かれているのだと思わずにはいられません。


今回の評価は、「神」と「萌×2」で迷いました。
物語の内容や展開、人物設定、舞台設定、挿絵に とても萌え、
読後の印象も迷うことなく「萌×2」評価なのですが、
性同一性障害をテーマにしたのではないかと考えると、
全編を通して、ここまで強く共感し続けた作品は
今までBL作品を読んだ中でも他にはないのではないかと思い始めてしまい、
迷ってしまいました。
実は性同一性障害をテーマにした作品であって欲しいという願いと、
最後のエピローグの続きを読みたいという希望が後押しとなって、
最終的に「神」評価にしました。

8

両性具有

両性具有の作品。

約10年前の作品。
検索で出てきた作品で、古い作品であることと、初読み作家様であることから、購入を迷っていましたが、意を決して購入。

結果、大満足。
「神」評価です。

最近、自分の中のBL熱がさめてきたのか、それとも新作の作品自体がそうなのかはわかりませんが、何を読んでもどこかでみたようなお話で萌えにくかったのです。
そもそもBL自体が、お約束の展開を踏襲したものですが。

その中で本作は久しぶりのヒット。

両性具有の作品って、その設定がきちんと生かされてないものが多いのですが、本作はきちんとそこが生かされていました。

もっと、村の様子を掘り下げても良かったかなとも思いますが、十分満足。

終わり方も希望を感じさせるものでよかったです。

0

ハードでシリアスなもふもふ

最近もふもふや、けも耳が多いんですね。
もふもふもけも耳も、大好きなので買ってみました。
ネタばれありです。
下げます



受けの和彦、攻めの兄弟の敬二郎 紀三郎の全員が狼に変化できる人狼という設定です。
受けの和彦は、そのうえに両性具有という重すぎな秘密を背負って頑張っています。
体の秘密は、亡くなった生みの母以外誰にも秘密にしています。
狼の血を引く純血が少なくなって、秘密がばれると本家の当主である攻めの祖父に子供を産む道具にされてしまうと、故郷を捨てて都会でひっそり暮らしています。


それなのにひょんな事からばれてしまい、祖父の裕一郎に無理やりつれもどされてしまい敬二郎と紀三郎に二人がかりで、あれやこれやされてしまいます。
両性の設定なので、致す部分でそういう表現もちょっとあります。
というかBL本でこんなに「子種」とか「孕む」とかいう言葉を読むことになろうとは…。


両性ではあっても、和彦は自分は男であるという矜持を持っているのでなよなよした感じではなく良かったです。
他人任せにせず、逃げ出そうとあれこれ画策もしています。

攻めの敬二郎と紀三郎は最初は、祖父に言われて事に及んだようになっていますが後々和彦を好きだったと告白します。
人懐っこくて大型犬のようにかまってくる紀三郎はともかく、冷たくて生真面目に見えた敬二郎が和彦に接するときに、不器用に遠回しに気持ちを表す様子がホントの人馴れしない大型犬っぽくて可愛く感じてしまいました。
祖父の裕一郎は年甲斐もなく盛っていて和彦の事を雌犬!!呼ばわりする相当嫌なじい様で、何度か和彦に乗り掛かっていくので読んでてもうほんとひやひやしました。(何事もなかったのでよかったです)
狼本体に変身して受けに添い寝したりともふもふ部分もあったりします。

最後に両性ということで、和彦が血筋についての未来を匂わせるような部分があります。
両性の表現の部分やそういう所は自分は平気でしたが、ダメな人はちょっと地雷かもしれませんね。

3

もふもふをもっと~

読み始めて思わずあれっ?ブラックだったかしら?そんな風に思うような
陵辱3Pシーンから始まる作品でした。
始めから人狼設定の話で、主人公で受けになる和彦が古い村の風習や柵から
必死で都会に逃げて1年が過ぎた頃からのお話です。

和彦の村は人狼の住む村で和彦は三峯神社の神官の家系で真神本家と同じように
村では一目おかれる家系だったが村に鉄砲水の災害が起こった時に父と妹を亡くし、
真神本家も次期当主と長男を亡くし、その後未亡人になった和彦の母親を無理やり
真神本家の現当主が愛人にして、子供を産むだけの道具として苛む。

和彦はそんな母親から身体の秘密だけは隠し村から逃げてと最後の力を振り絞るように
逃がされた過去があるのです。
村は過疎化が進み、純血の人狼がいなくなり、真神本家も次男の敬二郎と三男の紀三郎、
その祖父で現当主のだけが純血で後は三峯の和彦だけが純血。
和彦の妹が亡くなったことで最後の人狼純血になってしまうのです。

それを何とかして純血を残したいと狂気にも似た思いと行動で真神本家当主が
和彦の母親を道具扱いにしたように、秘密を知られてしまった和彦は拉致され、
敬二郎、紀三郎兄弟に俺の子を孕めとばかりに陵辱されるのです。
義兄弟として幼い頃から共に育った3人、和彦にとっては二人が真神本家の亡霊にでも
とりつかれているのかと思う恐慌なのです。

表紙イラストにはケモ耳兄弟が和彦を組み敷いていますが、本編を読む限りケモ耳
モフモフ感はあまり感じませんね。
見た目も態度もモフモフは薄くて、最後の方で言葉のイメージとしてワンコが
尻尾振っている感じが少し出てくるくらいですね。
もふもふを期待しちゃうと物足りないかも知れません。

かなり鬼畜攻めの陵辱かと思えば、実は兄弟二人はそれぞれ和彦に片思いで、
相手に思いを告げる前に当主の命令で大好きな相手と結婚できると必死になりすぎて
和彦に嫌われてしまうような行動を起こした話ですね。
和彦は完璧な両性を持っていて子供まで産めるが後半で起こるトラブルで暗雲が
皮肉にもそれで、二人が一族の純血ではなく、和彦自身を求めていたと気がつく展開。

本家の当主様の最後は余りにも哀れですが、因果応報なので狼として処分ですよ。
そして、やはり人狼&完璧良性とくれば子供ですよね。
ファンタジーならではの可愛い子供が生まれることがわかるラストで締めくくり。
はてさて、どちらの子供が生まれるのやら可愛いモフモフを想像しちゃいます。

2

マニアック要素が多い一冊

主人公が両性具有というお話ですので、大丈夫な方しか手に取られないと思うのですが、それに加えて3Pもの、モフモフ系、陵辱監禁とマニアックな要素が詰まっています。
モフモフといっても可愛い癒されるかんじでなく、だいぶリアルな獣でした。

人狼である主人公の和彦は、自分が両性具有であることを受け入れられず隠しているのですが、それが一族にバレてしまい、子供を産む道具として無理矢理監禁、陵辱されるというストーリー。
かなりドロドロしていて、薄気味悪い暗さを伴っています。

前後編になっていて、後編は甘いのですが、バランスがとれているかというと、個人的には納得いかないモヤモヤが残りました。

主人公を襲うのは同じ人狼族の敬二郎と紀三郎の兄弟なのですが、和彦が両性具有者だと知るや女扱いというか、妻扱いというか、ひたすらに孕め孕めと命じています。和彦は自分は男だと思っていますが、二人は只管和彦を女のように扱い、振舞います。
最後まで読むと愛はあるのですが、本当に和彦のことを男だと思っているのかどうかやや不可思議というか…。
それが悪いというわけでなく、スッキリBLを読んでる気分になれなかったなあというところ。
特に子供を成させるために、陵辱のあと、こぼれないように和彦の女性器に栓をするなど、なんだか婦女暴行シーンを見ているような苦さがありました…。

前半そんな展開が続き、いろいろあって後半、2人は和彦に詫び、尽くしてくれるようになります。しかし、前半の強姦シーンがあまりに長く痛々しかったので今更「ごめんね、これからは大事にするよ」と言われても私は読み手として「それならいいよっ」て許すのはちょっと難しく感じました。

気にかかるのは、私は3Pでも複数ものでも好んで読めるのですが、両性具有という独特の設定から、将来和彦は子供を産むのだろうと匂わせるシーンがあります。
2人ともの子を産むのか?とか、どちらが父親かわかるのか?とか、互いにそれでいいのか?という普段BLを読んでる時には感じないこのお話ならではのモヤモヤ感がありました。
えろシーンは濃厚ですが、内容が内容なので萌えという感じではなかったかも。

色々辛口を書きましたが、キャラクターは皆一途で、魅力的だったと思います。
両性具有、ファンタジー、3P、陵辱監禁、妊娠・出産など全ての要素が受け入れられれば読んで損のない作品だと思います。

2

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