• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作甘美なる愛罪

嵩峰蓮児,元後輩で新社長になった世界的建築家
咲本京,元先輩で建築設計事務所勤務,31歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

どうしても忘れられない恋――。四年余り経った今でも、京の心を甘苦しく締め付ける、四つ年下の男。駆け出しの建築家だった蓮児は情熱的に京を求めてきた。初めて知る恋の喜びに耽溺すればするほど、恋がもたらす恐怖は大きくなり、京は蓮児の前から逃げ出した。月日が傷を癒すかと思っていたある日、京が長期出張から帰ってくると、勤める設計事務所は大きく様変わりしていた。そして、今や世界的な建築家になった蓮児がいた――。再会したばかりの社長室で、京は再び残酷なほどの悦楽に呑み込まれ…。

作品情報

作品名
甘美なる愛罪
著者
眉山さくら 
イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775522059
3.3

(11)

(1)

萌々

(6)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
4
得点
35
評価数
11
平均
3.3 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数4

融けるように甘美な罰でした。

新刊チェックで粗筋を読み、初版限定番外ペーパーが付くということで、
いつものお店で予約をして購入しました。

受け視点で物語が始まり、受けの辛さがとても伝わってきて、
どれくらい攻めの罰を受け続けるのか、受けの苦しさを感じながら
読んでいましたが、作品の約三分の一あたりで攻め視点の描写があり、
それ以降は時々攻め視点の描写が盛り込まれているため、
安心して読み進めることが出来ました。
受け視点と攻め視点は米印で区切られているので、
とても分かりやすくて読みやすかったです。

攻めの嵩峰さんのことを思って、断腸の思いで嵩峰さんの元から姿を消し、
再会した後は嵩峰さんからの罰を受けて、苦しい思いをしているのは
受けの咲本さんだけだと思っていたら、嵩峰さんも同じように
咲本さんに対して悲痛な想いと悲願で苦しんでおり、
そんな想いを秘めて罰を与えているのを知り、この擦れ違いが
どのように展開していくのか楽しみながら読みました。

咲本さんが出張から帰ってくると、社内の内装が一新されていて、
社長も代わっていて、それを咲本さんだけが何も知らない状態で、
それを「よう、十日目の浦島太郎。おかえり」と言った上司の台詞が、
まさしく咲本さんが浦島太郎状態になっていたので面白かったです。

嵩峰さん視点が初めて登場する70ページ目からの嵩峰さんの描写で、
無防備に眠っている咲本さんに触れたくても触れられない嵩峰さんの
行動から、もどかしい想いがとても伝わってきて、とても萌えました。
この嵩峰さんの心理描写が とても印象に残りました。

物語の最後、咲本さんの危機に、
重機で豪快に颯爽と登場した嵩峰さんが男前でした。
重機での登場は、人柄や容姿などが一歩でも間違えると
空気が読めない笑い話のようになってしまいますが、
嵩峰さんだと失敗した感が無く、格好良い印象しか受けませんでした。

今作では咲本さん視点が9割、嵩峰さん視点が1割の割合の印象ですが、
もちろん咲本さん視点も良いですが、嵩峰さん視点は1割ほどの描写が
凝縮されていて、咲本さんを想う気持ちが溢れているので、
少ない描写で的確に濃厚に描写している嵩峰さん視点のほうが好みです。

咲本さんに冷たい態度で罰を与えているのに、
咲本さんの体を思いやったり、さり気ない気遣いなど
様々な行動が、咲本さんへの想いが溢れているのが
手に取るように伝わってきて、嵩峰さんに好感を持ちました。

咲本さんは臆病すぎて、ゲイが露見するのを恐れて怯えていますが、
咲本さんの気持ちに共感した所も多々あり、
たとえ臆病すぎて怯えているだけでの人であっても、
不思議と不快感は全く起こりませんでした。

今回の評価は、迷うことなく「萌×2」評価です。
物語の内容や展開が分かりやすくて読みやすく、
人物設定、挿絵など、とても萌えました。
また、受けへの強い想いが分かるだけに、
擦れ違っている受けにとっては苦しくても、
受けと攻めの遣り取りが全て蕩けるような甘さに満たされ、
大変、満腹になる作品でした。

5

萌えポイントだらけでした。

世間体を気にするネガティブな受けを自分のものにするために攻めが外堀を固めていくお話です。
結構無理矢理なシーンもあるけど、そこまで痛い感じじゃないので苦手な人でも大丈夫かな。
ただ、受けが本当にネガティブなので、逆に攻めが可愛そうに思えてくる場面も…
ただ、そのネガティブなおかげでこれでもかってほど勘違い&すれ違いまくって、最後の最後までくっつきません。
私はそういうじれったい話が大好物なので最高でした。とにかくじれったい話が大好き!って方にはおすすめかも。
攻めは俺様 ドS 高慢 執着ですね。
ただ、受けを手に入れるためにわざとそういう態度を向けていた節もあり…
攻め視点の所がお話中に入るのですが、受け可愛い、愛してる、受けから愛の言葉が聞きたいと…
攻めは受けを本当に大切に思っているのがひしひしと伝わってきます。
本来は年下らしい無邪気な所がある攻めなんですよね。
そういう場面を垣間見るとギャップでも萌えますね。
じれったい話大好き、攻めが俺様ドS高慢執着系が好き、でも年下らしいギャップもある、割とエロが濃厚、ストーリーはベタベタな王道が好き、切ない話が好き、

上記に当てはまるならおすすめです!

2

愛から逃げた罪を償わされる

あまり俺様攻めって得意ではなかったのですが
“再会もの、すれ違い、執着、年下攻め、美人受け”に
ついフラフラ惹かれましたw

四年前、大手設計事務所で新人研修の担当となった京はゲイで
中学時代に自覚してから誰にも話せず
高校では同じ弓道部の友人に密かに想いを寄せていたけれど
「気持ち悪い」と言われてしまい傷つき
寂しい人生になるのだろうと思っていた矢先、蓮児に出会います。
男としての魅力に惹かれながら、
三カ月の研修の間蓮児から感じる熱い視線に戸惑い
ノンケだから今だけだと自分を戒めるのです。
でも、研修最後の日、飲んだ後ホテルで結ばれ
その後もところかまわず体を重ねるようになってしまいます。
このままではいけない、蓮児の将来を潰してはならないと自制し、
好きなのに別れを選ぶ京でした。

勿論それをあっさり承諾するわけもない蓮児ですが、
頑なに拒まれ、イタリアへ建築の勉強の為に渡ってしまい
才能ある若き建築士として世界で成功をおさめた連児の記事を見る度、
あの時のツラすぎる決断は正しかったと言い聞かせ
幸せだった頃、優しく激しく抱かれた夢を繰り返し見るのでした。

京が以前の事務所を辞め、一時的に雇ってもらった友人の事務所から
総合建築設計事務所『ランフラット』へ就職し
毎日忙しく仕事に打ち込んで、出張の為10日間ぶりに事務所へ行くと
そこには蓮児が社長として姿を現し…。

別れた事を償えと、京をただ性欲処理の為に抱く蓮児に
悲しくやりきれない京ですが、
甘く愛された過去をまた思い出させ、体は快感を追ってしまい
拒む事が出来ないのです。
それがまた、社長室でほとんど毎日…。

蓮児が連れてきた優秀なスタッフのお陰で
新しい仕事を手掛けるようになったり
蓮児が導入してくれた機材で仕事がやりやすくなって
事務所内は活気に満ちていましたが
京だけまともな仕事といえる仕事も任されず
ほぼ蓮児の相手とスタッフの助手というのが気の毒でした。
やっと自分の指名で仕事が出来ると張り切ったのに
喜べるような結果にはならず…。

冷たい態度の中に、京を思いやるような態度をとったり
裏からそっと手をまわしてくれたり、
蓮児なりの愛が見え隠れしていましたが
蓮児視点がなければ、ただただツライお話でした!
手荒く抱くしか今は出来なくても、もう決して離さない想い、
京との未来を確実なものにする為の努力。
会えない間、寝た相手は沢山いたけれど、愛しているのは京ただ一人。
つい意地悪してしまうのも、想いが鬱積しすぎた為と思うと
少し愛しく感じます。

すれ違い、トラブルに巻き込まれ、誤解の末にちゃんと甘々なので
安心して読める…と思いますw

みずかねりょうさんのお描きになる蓮児!!
雄フェロモン全開でかっこよすぎです!!セクシー!!

5

出だしからすれ違いですね

すれ違い再会もので、受けになる咲本が攻めの嵩峰のことを思うがゆえに
心にもない言葉で傷つけ別れた相手と数年後建築会社で働く咲本の
会社の期間限定の社長に就任しての再会で、いきなり再会したと思ったら
年下社長に傲慢に命令されて社長室で手ひどく抱かれることから始まる。

いまいちその展開が意味不明で身を切るような思いで別れを告げた相手に再会して
なんで命令されるまま脅迫された訳でもないのに抱かれなければならないのだろうと。
大学の後輩であり職場でも先輩後輩で咲本は嵩峰の新人教育の担当者でもあり、
元々ゲイだった咲本は高峰の熱と若さに始めから惹かれていたから肉体関係に
なるのもあっという間で咲本は高峰に溺れるが、同時に将来有望な高峰のことを
思って、苦しさと不安と様々な感情に翻弄され、初めての恋を自ら切り捨てる。

二度と会わないと誓い、そして高峰は海外へ行き、誰もが知る有名な建築家として
咲本のいる建築事務所にやってくるのです。
咲本視点で始まるのでそのまま最後までそうかと思ったら高峰視点もあって、
互の気持ちが見えやすくて受け視点だけならあまりにも臆病でネガティブだと
思っていたので高峰の執着と変わらぬ思いが見えて読みやすい。

すれ違いと誤解、嫉妬、仕事上のトラブルと様々な感情が交差しますが、
再会前から二人の思いは何一つ変わっていない、逆に会えない間に思いは確実に
濃縮しているような気がしたお話です。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP