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表題作花嫁飼育

マフィアのドン ジルベルト・バルロッティ
元ドンの息子で高校の英語教師 美作陽生 25歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

「口の悪い花嫁だ。だが身体はすっかり俺の味を覚えて、貪欲に求めてきているぞ」
真面目な高校教師・陽生の前に突然現れた、傲慢なマフィアの首領・ジルベルト。会った事もない陽生の亡き父は、実は別のマフィアの首領だった――ジルベルトは全てを支配するため、陽生を拉致し、激しく犯す。あげく「自分の花嫁にする」と言い出し、淫らな教育を始める。
嫌なのに…乳首が紅く熟れるほど弄られ、最奥を熱塊でかき回され、蜜悦に溺れていき…。濃厚エロス。

作品情報

作品名
花嫁飼育
著者
眉山さくら 
イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799713884
3

(20)

(3)

萌々

(1)

(12)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
4
得点
56
評価数
20
平均
3 / 5
神率
15%

レビュー投稿数4

愚かな攻め、失う寸前で気がつく愛

ビーボーイSLASHですから、少しエロは多めで、その内容は過去に愛した相手に
裏切られたことで、太陽のように真っ直ぐにどんな時にでも信念を曲げない、
絶対に裏切らない相手などいないと思い込んでいるマフィアのドンのジルベルト。

自分の組織を拡大する為に、亡くなった大物マフィアのドンの忘れ形見で
日本の普通の高校教師だった陽生を父親の事も何も知らずに暮らしていた相手を
イタリアにおびき寄せ、亡き大物ドンの組織をそのまま手に入れる手ごまとして
利用する為に男ながらに花嫁として凌辱し、もう一人の姉の身代りだと脅迫して
利用するジルベルト。

しかし、いくら凌辱され辱められても、己を失わずまなざしに強さと希望を失わない
そんな陽生に過去の出来事がわだかまりになり、逆に苛立ちが尽きないジルベルト。
自分の心の奥底にある感情に蓋をして、陽生を利用するが、陽生に信頼されていた
全てを失った時、そして逃げられて陽生を失いそうになった時に初めて自分の愚かさを
認めて、苦しいまでの愛しさに追い詰められる内容です。

もっとも陽生もジルベルトに裏切られてしまったことで深く傷つくのですが、
以外に男前で、その裏切りそのものが初めから計画的な事だったと気がつき認める、
かなり度量がある受けなのですよ。
結果的にジルベルトに助けられ、自意識過剰かと思っていたジルベルトの熱を
感じていた陽生は愚かなジルベルトと共に歩む道を選ぶと言う擦れ違いラブでした。

9

意外に純愛♪

苦手キーワード「花嫁」でしたが、最近神かかっている小山田絵の為に購入。
父親も知らず母子家庭で育った生徒思いの高校教師が、父親が亡くなったから母親の遺品を引き取りにこいとイタリアから連絡をもらい、そのまま亡くなったマフィアのドンだった父親のその事業の負の遺産を請け負った新興マフィアに、花嫁にされてしまうお話は、案外に純愛でした。

冒頭はエッチシーンから始まります(スラッシュですしね)
ベタコテの攻めのセリフにもう笑いが止まらない(スミマセン!)
「口の悪い花嫁だ。だが身体はすっかり味を覚えて貪欲に求めてきているぞ」から始まり、「そんなにいいのか、びっちりと食らいついて吸いついてくる」「こんなにも感じてるぞ」etc...
そして「あっ、ひぃ、」だのの喘ぎetc...
何かあるとすぐ身体にもつれこむので、その度にベタコテセリフのエッチシーンに、いやぁ~おもしろがってしまってwだけど、これって或る意味王道エッチなのかなとか思ったりv
そして花嫁らしく、綿帽子と打ち掛けに純白の振袖という花嫁衣装もありました。

この花嫁にされてしまった主人公、陽生がめっさポジティブでした。
父親のファミリーの元部下達を説得して信頼を得たり(根の真面目さが好感度?)
自分を買ったジルベルトに体は蹂躙されても、姉の為と割り切って自分でこの借りを返そうと、一応花嫁だし、と受け入れているところ。
何と言っても、廊下をぞうきんがけしてました(爆笑)
外国の屋敷の廊下をぞうきんがけですよ!!w
メイドにも人気とか、ジルベルトの片腕のジャンニにもある程度の信頼をもらったり、もうこの人柄の良ささまさま。

そしてジルベルトがどうして陽生を花嫁にしたのかというのが、これが初恋ではないですが、学校の教師と昔恋人関係にあって、彼に対する理想と陽生の姿が似ているのももちろんですが、その求める理想そのものだったからということなのです。
なので、マフィアですから色々と利権や勢力争いの問題も絡んできますから、そんなのもあって、陽生は自分を信頼してくれてるし、悩んで一人でツンデレてたんですねw
マフィアの純愛とでもいいましょうか。

クライマックスは、このジルベルトが昔恋人にして憧れていた理想の先生・アンジェロが実は権力欲しさの偽りの心を持った汚い人間だったという事から、彼と、彼が取り入った議員の策略でピンチに陥る場面です。
これを通して初めて主人公達の愛情が交わるというものでした。

エロ突入は多かったですが、蓋をあけると純愛の話しだったんですね。
色々はありましたが、甘い1本だったと思います。

小山田絵はやはりいい仕事してました。
まるで芸者のように大きく襟を抜いた着物姿もちょっとガタイがよいのですが、主人公ににあっていたし、絡み絵も素敵で。
イラストを堪能させていただきました。
小説自体は、萌えを感じるというものではなかったのでこんなものなのかな?と、特におかしいと思う所もなかったので、この評価です。

6

表紙買い

3P・複数以外の新刊をわざわざ買うってあんまりないことなんだが、
これはつい表紙の絵につられてポチった作品。

買ってから小山田あみイラストだと知った次第です。
おさえた色調と大胆な構図で、いい仕事してますな~!

さて。
肝心の中身だが、まずは「花嫁」と来たからには花嫁展開だというお約束。
花嫁モノ・ジャンルというのもひそかな人気があるのだろうか…。
自分的には男にワタボウシや打掛を着せて何が楽しいのかよくわからんトコロもありつつ、
細かいところはまるっとスルー。
しかし、この受けさん、なかなかいい。
いきなりマフィアのコワイおにいさんたちに囲まれてモロ肌脱いじゃうわ
マフィアのドンの「女」になってもおごらず、せっせとお屋敷を雑巾がけ。
なかなか潔く、肝が据わっているのであります。

一方、攻めのドンは昔堅気のマフィアではなく、非常に合理的なマフィア
いや、マフィアというよりも、実業家タイプであります。
困ったことに、攻め受けどちらも頭はキレるのに、気持ちにはとことんニブチン。
おかげですれ違いまくる、というややレトロな恋人たちでありました。

ビーボーイスラッシュゆえ、ある程度のエロは期待していたが、
思ったほどエロくはなかった。
ストーリー性、ディテール、エロスとバランスよく配置された作品であります。
それゆえ、もう一つ、何か突き抜けたものが欲しいところ。

5

読みやすいマフィアの花嫁モノでした。

「ビーボーイ&ダリア ノベルフェア2013 inアニメイト」
の告知で初めて知りました。
新刊チェックで粗筋を読んでみて、最近はマフィアの花嫁ものはマンネリ化していて、
そこまで内容に対して強くは惹かれなかったのですが、小山田先生の表紙に惹かれ、
フェア対象商品の中で単発モノだったので、今回はフェアのために購入しました。

表紙絵は、手前に伸ばされた受けの左手が特徴的だと思いました。
受けも攻めも体格差に違いが無く、受けの右手と、右手を掴んでいる
攻めの右手も大きさには大差が無いのに対し、手前に描かれている
受けの左手は遠近法とはいえ、かなり引き伸ばされていて、
ルネサンスの絵画、特にマニエリスムの様式を彷彿とさせる
表紙絵だと思いました。
この表紙絵を見た時、この表紙絵の遠近法とは少し種類の違う遠近法ですが、
マンテーニャの『死せるキリスト』などマニエリスムの作品が思い浮かびました。
一枚の絵画作品として見てみても、ただ単に綺麗な絵だけでなく、
様々に考察できるところが、とても面白い表紙絵だと思いました。

作品の内容については、半分くらいが濃厚な濡れ場を描写している印象を受けました。
その印象から人物描写など内容が薄いものになるような気がしていましたが、
読んでいると要所要所で受けや攻めの心理描写が的確に表現されているので、
内容が薄いと感じることなく適度に萌えて読むことが出来ました。

受けについて、マフィアの世界に囚われて環境がガラリと変わったのにもかかわらず、
芯がしっかりとして強く、凛としていて、どんな逆境にも立ち向かって、逆境の中でも
しっかりと地に足をつけて生きていこうとする姿に漢気を感じ、好感を持ちました。
また、お姉さんの身代わりや男娼の身代わりで心を痛める感情や、攻めに酷い仕打ちを
受けた時の受けの感情がとても伝わってきました。

攻めについて、咄嗟に身を挺して受けを守る攻めが良かったです。
また、ただ受けを利用しているだけと思っている攻めが、実は受けに対して
想いを募らせていっているのを無自覚に気づかないでいるところが、
攻めに対して初々しさを感じました。
受けと想いが通じ合った後は、まるで人が変わったみたいに受けを大切にして
甘々になっている攻めが微笑ましく思いました。

脇役たちも、悪役の議員と男娼を除いて、みんな良い人たちばかりで、
周りの人達と一緒に受けと攻めが仲睦まじく過ごしてほしいと思いました。

あとがきによると、眉山先生にとって初めて受け攻め両視点を書いた作品
ということですが、適度な文量で視点が切り替わり、時間軸が重ならず、
途切れることなく時間の流れが自然で、違和感を覚えることなく読めました。
受けと攻めの感情の僅かな変化も伝わってきて、とても分かりやすくて
読みやすかったです。

今回の評価は、「萌」と「萌×2」で少し迷いました。
物語の内容や展開、人物設定、絵など、適度に萌えることが出来ました。

2

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