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会員制クラブのオーナーである攻め鮎川と、痴漢疑惑が原因でリストラされ、無職の受け川崎。
紹介された求人に面接に行ったら…
鮎川のゾクゾクするような色気を奈良さんのイラストで表現されると、まんまその通りで…。お話自体は、攻めが実は学生時代にバイトしていた家庭教師の中学生だった、というものなのですが、川崎の性的嗜好に気がついてしまう過程が上手く描かれていて、なかなかに面白かったです。
ただ、萌か?というところだと、うーん、萌ではないな。
どちらかと言うとノンフィクションを感じさせるような(当たり前ですが、風ってことです)執着の中に見つける愛というか、目覚めというか。
中原さんの作品!っていう感じでもありました。
軽いハッピーエンドじゃないのに、最後はホッとしてしまう。。。
レール人生を生きてきた平凡な37歳既婚者が男に堕ちる…のを期待して読んだのですが、どちらかというと羞恥プレイが主だった気がします。
普通の飲食店だと思った求人は女人禁制のクラブで、自分以外のスタッフは若くて美しい…
その劣等感や、制服に隠された開発されていく身体の羞恥心と戸惑いが複雑で良かったです。可愛いような情けないような、淫靡なのか蓋したいのか混ざり合った感じで。もう少し鮎川が川崎に夢中になってベタベタして欲しかったな。種明かしもあっけなく。
気になっていた中原さん、現代モノ・単巻ということで、こちらで初読み。一冊目がこれで良かったのか……?という一癖ある内容だが、作者らしいとの感想もあったのでまあいいか。
文章はクセや特徴が綺麗に削ぎ落とされていて、内容だけがスルスル入ってくる。読んでいるのに文章の気配を感じないというか、なんかステルスな印象。
受けの川崎は外でも家庭でもとにかくずっと我慢している。最初はいつかキレて爆発しそうに見えて怖かったが、攻めの鮎川が出て来てからは様子が変わった。拒みながらも本音では拒みたくないらしく、一見流され系のようでいて実は嫌よ嫌よも好きのうち系の受けだった。
それにしても鮎川も名のあるモブも、川崎を追い詰める描写がねちっこい。一つ一つのシーンでいちいちしつこく責められるうえに、川崎も上手く反応を返せなくてもどかしい。
本質を隠すために分厚い殻をまとった川崎の中身を暴こうとしているので、それぞれが必要なシーンではあるが、川崎の心理的に抵抗する描写もしつこいため全体をクドく感じてしまう。
間に挟まれる過去エピソードは妖しい空気と萌えがいっぱいで良かった。
鮎川の事情が明かされてからの手のひら返しはあっさり。受けた仕打ちが悦びに変わるほど気持ちが傾いていたようには読み取れず、唐突な愛の告白に驚いた。
口では嫌がっているが本音では悦んでいるんだろう、暴いてやるぜ~っていう開発調教エロと、陥れて手中に収める拗らせ執着BLの王道を組み合わせたようなお話。
ラストはそれなりに綺麗に収まったが、これからが心配な二人だと思った。
女性陣は皆酷い有様で、良文だけが癒し。ただただ彼の今後が幸せであることを願う。
不器用執着調教年下攻めというのでしょうか。すごい執着ですね。
攻めの正体は年齢差や手の描写や名前からそうかな?と思ってましたがやはり。しかも一連の展開まで仕組んでいたとは!
途中までは主人公が気の毒でたまりませんでした。追い詰められる受けは読んでいて辛くて。妻も子もいるのに一体どうやって結ばれるの?と思って読んでました。
正直に生きなかった性癖を認めなかったことがそんなにいけないの?とも。
でもお互いに17年囚われていたのですね。
愛を知らない攻め。初めて自分を見てくれた受けを自分の物だと。
なかなか辛い調教でした。あそこの洗浄はこの作品で初めて遭遇しました。客を取らせずひたすら調教する、これも愛情表現なのでしょうか。
受けもそうなるかな?と思ったら離婚して子供を引き取り生活も立て直して幸せになれて良かったです。
最後の告白エッチも良かったですが、騒動が落ち着いてからの二人の様子も読みたかったです。でも攻めが愛してると言えましたね。受けが攻めを救えたのでしょう。
一度は自分の性癖を自覚することに怖くなり逃げましたが、知らずに再会してやはり助けてあげたい救ってあげたい想いが芽生えましたね。
アダルトなお話でした。半分くらい辛かったです。