俺はっ あなたを好きになりかけているのに…っ

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表題作スタンス・リバース

宇津木,リーマン,年上の新人後輩,37歳
西村,同会社のリーマン,教育係,30歳

同時収録作品春告げ鳥 前篇 / 後篇

清水勝馬,学生~
佐野律吾,学生~

同時収録作品あなたのために

牧野貴之,受の絵画教室の生徒
藤崎,絵画教室の先生

その他の収録作品

  • スタンス・リバース・アフター(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき・作品解説イラスト

あらすじ

俺はっ
あなたを好きになりかけているのに…っ
ドラマチックなストーリー3編+描き下ろし収録

新人の教育係をしている西村は、今度こそ優秀な後輩が入ってくることを望んでいた。
しかし、入社してきたのは、自分よりも年上で軽そうなおじさん・宇津木だった。
なんでも器用にこなし、女性にもモテる彼に劣等感を抱いていた西村だったが……!?
描き下ろしも収録。

胸が詰まるほど切ない!収録作品
「スタンス・リバース」
あなたはただの「後輩」だったはずなのにーーー

「春告げ鳥」
明治時代を舞台にした切なさ溢れるストーリー
父の知人・清水家に下宿して学校に通うことになった律吾。清水家の長男・勝馬に冷たい目で見られながらも笑顔を絶やさなかったが…。

「あなたのために」
惹かれるこの気持ちを抑えきれないーーー
絵画教室を開いている藤崎。そこへ牧野という男が、絵を習いたいとやってきて…。

作品情報

作品名
スタンス・リバース
著者
野萩あき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA(エンターブレイン)
レーベル
B's‐LOVEY COMICS
発売日
ISBN
9784047295018
3.1

(40)

(4)

萌々

(6)

(24)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
6
得点
120
評価数
40
平均
3.1 / 5
神率
10%

レビュー投稿数6

タイトルにリバースってあったから、勝手にリバBLかと思ったら、普通に違っていた件について。

3つのスタンスリバースが描かれたお話。

個人的にまりあげはは、攻めの立場が社会的弱者っぽいけれど、実はめちゃ勝者だった! な、意外性が大好きなのでとてもツボな1冊でした。


とくに好きだった作品は、やっぱり表題作の「スタンス・リバース」でしょうか。

自分とは真逆の軽そうなおっさんが新人でやって来た。
けれど接していくうちに、仕事がとてもやりやすい相手だと知り、飲みに行ったりするようになる。
そんなある日、攻めに押し付けられた残業を2人でこなしていると、ふいに攻めから好意を向けられる。

以来、妙に攻めを意識してしまう受け。
ストレートなのに。

また別日、職場の呑み会で受けは攻めの肩を借りてしまう事件が。
その後から、受けは攻めを前にすると、ぎくしゃくしてしまうように。
と、突然攻めから、今日で受けの隣の席に座るのは最後だと言われてしまい、、、?!!


オチでなにかあるんだろうなあと、ワクワクしたその結果がまさにスタンスリバース的オチで、スタンディングオベーションでした。
なんだろ、ちょっと違うけれどシンデレラストーリー?!! 的な?!!

夢のあるお話でした。

他、大正時代とかなのでしょうか??
大きな家の跡継ぎ息子と、その父の部下の子どもとの身分差再会ラブのお話と、
実は、才能ある画家が描けなくなり、名も無き絵画教室の講師のもとへ通っていたお話。


どちらも立場逆転のどこか切なく、どこかミルクキャンディのように優しい甘さがほのかに口の中へ残る。
そんな短編集でした!




0

大人の恋

初読み作家さんです。
いつも利用している電子書籍サイトで分冊版の第1話が無料だったのが読んだきっかけでした。
表紙の絵が好みだったのですが、中も綺麗で見やすい絵でした。
全部で3つの作品が収録されていますが、リーマン物、アーティスト物、そして少し昔の時代物と色々楽しめました。
主人公達は10代後半~30代位で、若者の内でくすぶるような熱めの恋愛と大人の落ち着いた恋愛モノを読めたかなと思います。
ストーリーも起承転結が割とはっきり分かるような展開で、予想していなかったことが起こったりして楽しめました。
ヘタレな所もあるのに決める時には男前な攻め様が好みでした。

0

揺れて落ちていく恋心、3編

テイストの異なる3編の収録。本作が作者様のデビュー作だそうです。

「スタンス・リバース」「スタンス・リバース・アフター」
リーマン同士のオフィスもの。
はじめは苦手意識のあった「デキる年上部下」と段々打ち解けていって…するとその部下・宇津木が思わせぶりな態度を取るので、否応もなく意識し始める教育係の西村。
…とノンケが男性との恋に踏み出す話ですが、萌え所はノンケながら宇津木との関係にブレない西村の姿。そして宇津木の正体⁈
若い方からすればおじさんBLかもしれません。地雷の方は注意。

「春告げ鳥」前編・後編
舞台は明治時代。
実業家・清水家の長男・勝馬と、その清水家の支援を受けて下宿している佐野律吾の格差愛、身分差の恋。
はじめは傲慢な勝馬ですが、律吾への愛を貫く展開は一種の悲恋萌えとも言えます。

「あなたのために」
絵画教室の生徒・牧野と、教室の先生で少しフェミニン系の藤崎。
子供が多い絵画教室に通ってくる3才年上の大人の男・牧野に少し戸惑う藤崎だが、絵を描く時のまなざしに惹かれるものを感じ、意識するようになる…
牧野が何者なのか、藤崎がどう応えるのか、が見所だと思われます。短編として少し駆け足気味ですが、大人同士のしっとり系の物語だと思いました。

3作ともエロは控えめながらも「恋心」描写が楽しめました。
カバー下には各話の登場人物の説明がありますのでお忘れなく。

0

リーマン・浪漫・画家

腐心をビンビンにくすぐられるキャラ設定を組み込まれた3編が収録されています。色々と模索されたのだろうなぁと端々から感じ取ることができました。
私は電子書籍を利用したことがないのですが、最近電子系の雰囲気といいますか、そういう風合いには特徴があるように思います。この作品もそうでして、甘いような少しライトなボーイズラブかなと。レーベルによって作風も変わると理解しておりますから、野萩先生もそれに合わせておいでなのでしょうか。ファーストコミックの初々しさも相まってより爽やかな印象を受けました。

[スタンス・リバース]
サラリーマンごちそうさまです。
宇津木さんが素敵にスタイリッシュすぎまして実はオチがなんとなく読めてしまっていました。イケおじさん大好物なので、手をこすりあわせニヤついて拝読していたのは間違いございません。
はじめは、これは宇津木さんが受けかしら?(当方の願望も混じっていますが、今から考えましたら表紙を見れば一目瞭然ですよね…(笑))なんて思っていたのですが、徐々にこの熱血気味な西村くんが可愛いことになっていって、展開に納得しておりました。
あまり宇津木さんがグイグイくるタイプではなさそうでしたから、この二人はきちんと発展するのだろうかと心配していたのも描き下ろしで見事フッ飛びました。宇津木さんの発言ひとつひとつが素敵にエロティック。さすがイケおじさん、最後までイケおじさんでした…絶倫の予感がいたします。西村くんとぜひともお幸せに!

[春告げ鳥]
ウグイスかぁ、確かにあの声を聞くと春を感じますね。
新しい季節、新しいときの始まり、新しいなにかと青々しい世界を。
具体的な時代がどこかを指定されてはおられませんが、お家のことや和服と洋服が混在している様子を窺いますと、おそらくは明治時代後半のお話かなと思いました。
なにかしらの良い家柄、という要素に必ずついて回る『結婚』の話がこの作品でもキーとなります。律吾と勝馬のキャラクター性やふんどし要素、若さゆえのガツガツとした性欲の現れなどは素敵だったのですが、どうしても時代背景と勝馬の家柄から導かれる結婚への道筋が読み慣れた展開に見えてしまったため、良いお話なのだけれども自分にとってはピンとキませんでした。
最後の抱き合う1ページは、非常に印象的です。

[あなたのために]
この作品読了後、3作品とも格差というか身分差? 攻めと受けになにかしらの差があるのだなと認識いたしました。野萩先生の萌えポイントはそこでしょうか。たしかに良いですよね、格差……! 抗いたい、抗えない、飛び越えたい、飛び越えられない、そういうジレンマをひしひしと感じられますもの。
で、こちらでは葛藤の要素が大きいお話でした。絵だけではないと思いますが、自分がなにかを形づくろうとするときってメンタル面が非常に大きく関わってきますよね。揺らいでいるときや心が折れているときは、大抵どんなことも進みません。造形だけでなく、学生ならば宿題であったり社会人ならば報告書も。仕事らしい仕事が進まなくなる。
でもそういうときに自分がいいと思えるものに触れるだけで、世界はパッと華やぎます。ですから、牧野さんの気持ちは誰しもが理解できるところでしょう。藤崎さんの劣等感と浅ましさに潰されそうになる感覚もまた、そうです。
読み手がふっと同化するような作品だと思いました。私は3編のなかではこちらが一番好きかなぁ。

それぞれエロも含まれていましたし、お話やキャラクタたちも創られていると思います。でも、やや薄味かな……もう少しなにかが……というのと展開がどうしても読めてしまったこともあり、評価は萌といたしました。
ですがキラッと光る粒たちでしたので、この次の単行本に期待しております。

3

スローテンポ

可愛い後輩を厳しく鍛えていく。

そんな夢と希望を打ち砕く、年上で、更に要領も良くトントン拍子で仕事を覚えていく宇津木にすっかり苦手意識が先行してしまう西村。

ぐいぐいとプライベートに入り込まない大人の男同士らしい距離の縮め方が清潔感に溢れ爽やかさが強調されます。
宇津木のたぶんそう取られることはないだろうとタカをくくった好意を示す言い回しに、段々平静を装えない程動揺していく西村。

ノリも勢いもなく、言い訳すら出来ない気持ちだけのやり取りがぎくしゃくと進んでいく。
大人の恋にむず痒くなります。

「春告げ鳥」
恋というには乱暴的な2人の真っ直ぐな気持ちだけがゆっくりと熟成されていく。
多少2人を知るエピソードが少なくも感じられますが、美しい恋の欠片を抱えて寄り添うべき道を間違えずに辿り着いた。

選んだ選択の先に幸せを願ってしまうお話しです。

「あなたのために」
絵画教室の先生と年上の生徒。
藤崎のその先へは行けないコンプレックスと、その場所にいる牧野。
ゆっくりと打ち解けていた2人が、互いの描く世界に惹かれるからこそぶつかってしまう感情の激しさと怖さに驚いてしまいます。

その分嵐のあとの静けさのような告白に、心温まってしまうお話しでした。

3

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