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表題作世界はきみでできている

上條悠海,エリート弁護士
甲斐雅敬,同居人で元同僚の独立弁護士

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

大手法律事務所に勤務するエリート弁護士、上條悠海は『悪魔』の異名を持つ完全無欠の超辣腕なのだが…。
プライベートでは同居中の元同僚、甲斐雅敬にデレデレの自称『デレ弁』に。
二人は大学の同期で昔から家族ぐるみのつきあいをしてきた仲。
雅敬が天涯孤独の身となった一年前から、彼を心配する上條の押しかけ同居が始まった。
そして上條から好きだと告白され、以来、雅敬はハグ攻撃・妄想アピール口撃に晒されることに…。

作品情報

作品名
世界はきみでできている
著者
牧山とも 
イラスト
周防佑未 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
アズ文庫
発売日
ISBN
9784781611716
3.4

(33)

(4)

萌々

(15)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
109
評価数
33
平均
3.4 / 5
神率
12.1%

レビュー投稿数9

弁護士も恋すればただの人…?w

牧山さん、初めて読ませていただきました。
デレベンってどんなだ…?と気になってしまいましてw

国内最大級の規模を誇る法律事務所に勤める弁護士、上條悠海は
出世株とも言える有能な男で
その為妬みも買いやすく、つっかかられることもありますが
冷静に言いくるめる事なんて余裕すぎて超絶クール!!
そんなパーフェクト弁護士が愛してやまないのが
同じく弁護士の甲斐雅敬。
甲斐は祖父の事務所を継いでいるため職場は別ですが
大学が一緒だったことから気心が知れた仲です。
上條の、ズバズバはっきりした物言いをするタイプと反して
物腰は柔らかでも言いたい事を言う甲斐なのでバランスが良かったです。

上條が、普段はただひたすらおっかねぇ仕事人間なのに
甲斐の前では愛の言葉なんて何も惜しまないくらい口説くセリフに
毎回「…ぶふっ」となりましたよ!
甲斐は上條を一番の友達とは思っても恋愛対象とは見れなくて
ハグ等断ろうとするのですが
上條は裁判で使われそうな単語で迫るし引こうともしないから
断りきれないのが可愛かった…。

弁護士ものって難しいのかなーと心配な面もありましたが
そんな事は無く、
個人的にラブコメ寄りの方が楽しめたので良かった!
上條の辛辣さは冒頭でも充分でしたし
甲斐を大事に想っているエピソードが多目で満足出来ました!
ちょっと強引そうだけど、甲斐の気持ちは無視しないんです。
両視点で書かれているので、心情もわかりやすいですし
なんたって受けにベタ惚れの攻めってやっぱり好きだなぁ。
安心して読み進められました。

後に起こる事件(?)も、お互いがお互いを想う行動って
萌えないわけにはいかない!!
そして正義が勝つのですw
ここに関してはちょっとあっさり感は否めませんでしたが…すみません;

甲斐が優しくて義理人情に厚いため、ジジキラーと呼ばれたり、
甲斐の事務所に勤める浅田にまで上條が牽制するとかあって、
あれこれもっとその後の二人も読みたい気持ちになりましたので
シリーズ化してもらっても良いくらい☆

海外出張で十日も会えなくなる事を
「お前が大騒ぎしすぎなんだよ」という甲斐に
「恋する男的には、正しい取り乱し方だ」と嘆く弁護士ww
メールは起きてからと眠る前の一日二回ってマメだった…。
“まるで息をするように雅敬を褒める”上條、
絆された感の(勿論それだけじゃありませんが)甲斐、
どうかこれからもお幸せに♪

でも、愛しているがゆえの絶倫は受け身がしんどいだろうから
多少はほどほどにしてほしいとお節介ながら思いましたw

8

丁々発止のラブリーガルコメディ

職場では『悪魔』と恐れられる辣腕弁護士、
プライベートでは同居人の弁護士・雅敬(受)にデレデレ、
自称『デレ弁』の悠海(攻)。

屁理屈や法律用語を駆使しガンガン口説いてくる悠海と
それをしれっと拒絶し続ける雅敬の
コントのような会話劇(攻防戦)が最高に面白いです!


ストーリーは二人の視点が交互に入れ替わる形で進行。

自分の出生の秘密を知り傷つく雅敬を
悠海が慰めるという形で初めて一線を越えます。
その後は、同業者に恨まれている悠海を
今度は雅敬が助けようとする。

お互いに助け合う中で愛が芽生えていくという展開が
なかなか良かったです。


常に自信満々でビッグマウスだけど
意外と忠犬な悠海も、
クールビューティーなのに悠海に抱かれると
思いの外可愛い反応を見せる雅敬も
どちらもキャラに意外性があって楽しい♪

『ラブリーガル』とは作中の悠海の言葉ですが
まさにその言葉がぴったりの
インテリで理屈っぽいのに不思議と可愛い二人でした。


職業柄か(?)ラブシーンまで喋り倒してます。
後ろをほぐすのに
舌とローションどちらを使うかの論争には爆笑ww
また挿入後の、余裕のなさが伝わってくるような
台詞の応酬にはかなり萌えました!
いつもはラブシーンであまりに台詞が多いのはどうかと思うのですが、本書の場合は、二人の丁々発止のやり取りが良いアクセントになっていたと思います。


全体的にテンポが良く、
ドラマCDにしたら面白そうな作品だなと思いました。
メインの二人は滑舌の良い声優さんに超早口で演じていただきたいです☆

5

ジジキラーな受け

この作家さんの作品は軽妙なテンポでかなり好きで毎回楽しみにしています。
それに攻めが受けを溺愛したり甘やかしたり、どんな作品でも攻めが受けを大好きだと
思えるような内容の作品が多くて、この作家さんの攻め像が萌えツボなので
大きなアップテンポが無くても楽しめるのです。

シリアス要素も主役キャラのパワーで全てポジティブに運んでくれるものいいのです。
そして、暑苦しい程に攻めに愛される受けは好きのベクトルが後になって高まるタイプが
意外に多いと思うのですが、今回もそんなパターンでしたし、
無自覚で年上男性、それも高齢者をメロメロにする天然ジジキラーなのも
ほのぼのしていて好きな設定でしたね。

弁護士同士、それも二人ともかなり優秀で受けが亡き祖父の事務所を引き継ぐまでは
二人は大手弁護士事務所の同僚で、攻めは仕事は出来るが言動は辛辣だし、
受けたケンカはどこまでも買って相手をコテンパンに凹ますから悪魔なんて呼ばれてる。
そんな攻めが唯一仕事キャラを180度崩壊させるくらい恋愛脳にさせる存在が
元大学の同期で同僚だった受けだけなんです。

攻めの片思いから始まっていて受けが本当の意味で恋愛を意識して思いに気がつくまでを
二人の軽妙なやり取りと仕事の嫉妬から足を引っ張る大手事務所の先輩のなどを
絡めながら、最後はジジキラーの受けのおかげで丸く収まるが攻めはジジキラーの
受けが逆に心配で仕方ないって終わり方も良かったです。

5

攻が若干飄々とし過ぎておりましてですね…

何と言うか、ムードもへったくれも無い求愛という印象を持ちました。(とは申しましても問題なく面白かったですので萌×萌にしたいところなのですが、そこまでは気持ちがいかなかったです。)

この作品の魅力である飄々とした会話やそれに伴う雰囲気が自分には少し仇になってしまいました。上條が雅敬を深く想っていることは勿論伝わってくるのですが、その愛情を表現する際の言動がちょっとコミカル寄り(※上條はいたって真剣)なので、個人的には心にぐっと迫って来る熱さのようなものを感じにくかったです。上條が胸に溢れんばかりに雅敬への愛を抱えていることは解るんですよ、あまりに直球で雅敬に迫ってもいけないと思ってあえて自分を抑えていることも。ただ、熱情の一方で冗談めかして大真面目に愛を告げる表現のギャップに個人的には少し冷めてしまうのは如何ともしがたく…。反面、上條をいなしながら、寄せられる気持ちに戸惑いながら、ゆっくりとそれを受け入れていく雅敬は可愛い男という感じで、二人の間にある長年の友情と温かい愛情はほほえましく、好感が持てました。仕事や互いの家族に関する記述もバランスが取れていて良かったです。上條視点から始まって雅敬に移り、また上條に移って雅敬に戻って、というように、視点のチェンジもより内面が解って良かったです。

この設定のまま、ユーモア的表現をもっと減らして、違った味付けで別バージョンを読んでみたい気持ちに駆られます。でもそうするとこの作品の良さは失われてしまいますので、これはこれでいいのかな。どちらかと言えば「平安異聞 君ありてこそ」の方が好みでした。そう言えばあちらも受は真面目で穏やかで年長の方に好かれている感じの子でしたので、作者さんの好みなのかな?攻も、上條のように確かな裏付けのある自信家で、若干飄々としていたっけ(上條からやや奇天烈的な要素を除いた飄々さと言えばよろしいでしょうか…)。でもあちらはテーマ的にこの作品よりは重いものでしたので、その分熱さを感じた二人だったのかも。今回の新作も悪くないですが、自分の好みとしては「平安異聞~」みたいな感じの作品をまた読みたいな。次回作も楽しみにしています。

3

コントだー

ほんとに言葉のやり取りが楽しいお話でした。
さしずめ、上條(攻)がボケで雅敬(受)がツッコミといったところでしょうか。

最初から上條が全開なんです。ラブ全開で雅敬に迫り倒すお話。
お互いに口が達者なものだから、ああ言えばこう言う…を繰り返しております。
上條視点だけだと雅敬の気持ちはわかりにくいだろうし、雅敬視点だけだとたぶん鬱陶しくてたまらないだろうし、交互視点でよかったw

でも、ただやみくもにコメディっぽく迫ったりかわしたりしてるわけでもない。
互いが大切な人という認識があるから、そこはなんというか、優しい空気がある。
思いやりあっているという感じですかね…
最初に体をつなげることになったのも、下心よりも(たぶん)慰めが勝った結果だろうし。

ひとつだけ慣れなかったのは、現実シーンの途中に入る回想シーン。
急に入ってきて結構な長さをとるので、気を抜くと現実か回想かで混乱する場面がありました。
でもそれ以外は好きなお話でした。
あ、雅敬のジジキラーぶりをもうちょっと聞いてみたかった!

会話を楽しみたいラブコメをお探しのかたにオススメです。

3

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