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表題作共鳴関係

二階堂信乃,25歳,教会の管理者でオルゴール職人
早瀬奏音,17歳~18歳,高校生

その他の収録作品

  • 同調和音
  • あとがき

あらすじ

夜の教会で秘密の行為に耽る姿を、二階堂に目撃されてしまった高校生の奏音。まるで磁石の両極が引き合うようにふたりは…。

作品情報

作品名
共鳴関係
著者
真崎ひかる 
イラスト
椿森花 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344831315
2.3

(12)

(0)

萌々

(1)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
3
得点
22
評価数
12
平均
2.3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

これってピアノフェチな変態?

読みはじめから思わず引いてしまうような展開にびっくりしてしまいました。
だって、ピアノに欲情して自慰ですよ?どんなマニアックな性癖なんだと思ってしまう。
もっともはっきりした原因と言うかきっかけはあって、
受けになるピアニスト志望だった奏音は中学生の頃に師事した先生に初恋と初めての
発情を1度に覚えてしまい、それがピアノレッスン中だったことから、
ピアノ、鍵盤に向かうと何故かいつも劣情スイッチが入ってしまうようになる。

ピアニスト志望でこんな劣情スイッチを持っていたら演奏なんか絶対出来ませんよね。
演奏するたびに下半身があられもないことになるなんて年頃の奏音にとっては
絶対耐えられないだろうし、ひきこもりにもなろうというものです。

そんなひきこもりの奏音を心配して来たのが5年ぶりに再会する従兄弟。
でもこの従兄弟がお相手ではなくて、従兄弟の友人でオルゴール館を管理している
見た目イケメンで人当たりが凄くいいけれど、何故か奏音は第一印象で怖いと感じる。

そんな怖いと感じた相手と何度もオルゴールを介して会うことになり、
偶然オルゴール館の隣の教会にあるパイプオルガンを前にして欲情してしまった時に
昼に見せる顔とは別の夜の暗さを感じさせる信乃に秘密を知られ何故か互いにみだらに
触れ合うことになっていきます。

この二人簡単に言えば似たもの同士のような気がしないでもないですね。
対人スキルが低い奏音に表面的には誰にでも優しくタラシな信乃だけど人間不信気味で
いつもどこかで他人を拒絶しているような雰囲気があるかと思えばヤンデレ。
心の奥深いところで共鳴し合う二人は破滅の道へいざなわれる流れになりますが
それを引き止めてくれたのが従兄弟で共に倒れる前に強くなれと奏音を諭す流れ。

共鳴しあう二人が闇に落ちる前に踏みとどまる展開で、壊れる寸前に精神的にも
成長途中の奏音が相手を思う気持ちの強さで本当の意味で相手を思えばこそ
一旦離れ、成長して再び再会してのハッピーエンドです。
歳を食っている分、捨て子で自身のアイデンティティーの確立が出来ていなかったような
信乃が奏音と出会ったことで救われて愛を知る話だった気がします。

4

私には響かなかった

ピアノに欲情する高校生(引きこもり)奏音は
従兄弟のすすめで教会併設のオルゴール美術館を訪れる。
そこを管理する優しい青年・信乃と出会い…
…と、導入部は雰囲気あって良い感じ。

奏音の秘密(夜の教会でオルガンに触れながら自慰)を
信乃が知ったことで
信乃も奏音にだけ本当の顔―無感情で冷酷―を見せるところまではまあ面白かったです。


しかしその後の展開が…。

互いの夜の顔を知った二人は共鳴するように惹かれ合い
夜な夜な教会でエロいことを(本番なしで)
するようになりますが
この二人だけで完結した狭い世界の描写に
読者に何らかの共感や陶酔を訴えかけるほどの力を感じず
二人が惹かれ合おうが
心配した従兄弟に仲を裂かれようが
何の感慨も湧いてこないのが残念。

ピアノ教師へ片想い→ピアノに欲情
捨て子→人を愛せない
それぞれの理由付けが
「え、そんなことで(ピアノフェチや冷血漢に)?」
ってほど安直なので
いまいち「普通とは違う二人」設定に説得力がなく
せっかくの幻想的な舞台設定も魅力が半減。

信乃はヤンデレかと思いきや
ただの無害で無気力などうしようもない大人で
大して暴れてくれないのがキャラとしてつまらないし
奏音に会えなかった一年の間、
ろくに成長していないのも情けない感じでした。


また「あれから一年後…」のラスト自体も
ダイジェストのような駆け足感があり、
奏音の成長の過程や心境の変化など色々すっ飛ばして
無理やり良い話にまとめたような歪な印象。

幻想小説とも変態モノとも純愛ともつかない、
なんとも中途半端に思われる作品でした。

3

これは無理・・・

真崎さんは一応作家買いですが、正直なところ(特に)最近のシリアス系統は個人的好みではほぼハズレ。←コミカル系統は、稀に当たりがあるんですけどね。

こちらは、その中でも最低クラスでした。読むのがツラいどころか読みたくもなかった、こんなもの。

詳しく語りたくない(というより、もう記憶から強制的に消去したい)ので、個人的感想のみ。

何よりも、キャラクターに魅力のカケラも感じませんでした。それどころかただひたすらに不愉快でしかなかった。
奏音(受)はまだマシなんです。まったく好みじゃないけどなんとか我慢できる。『好きか』と訊かれれば全力でNOだけど。
でも、病んでる(特に攻)キャラクターが心底大ッッッッッキライなので、二階堂(攻)が気分悪くなるくらいにイヤで堪りませんでした。
ついでに、脇の陽貴(奏音の従兄)も、こういう常識人ぶった無神経で押し付けがましい(としか感じない)キャラクターもものすごく苦手というかキライなんだよね。


とにかく、キャラクターもラブ(もしこれが『ラブ』だというならだけどな!)も何から何まで気持ち悪くて不快だったとしか言えません。

さすがに、真崎さんの(明らかに)シリアスはもう買いたくも読みたくもないと思ってしまいました。冒頭にも書いたように、最近シリアスはハズレ続きではあったけど、これでトドメって感じ。
どうせまたダメだろうと何も期待していなかったので、ガッカリも最小限で済んだのだけがよかったと言えるかもしれません。

今まで、どんなにつまんない作品に当たっても(半ば以上惰性でも)、基本的に作家買いだけは続けてたのに。←というのも『読むまでもなかった』と思うことはよくあっても『読みたくもなかった』と思うまでの作品はほとんどなかったからね。

ただ・・・ここまで言ってはいても、今この時点でも決してキライな作家さんではないんですよ。だから余計に残念で、いっそ哀しい。

5

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