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あらすじ

巻頭は、大注目の新人作家・紀伊カンナ大特集。
今までの足跡をたどるインタビューや、市川春子との対談、「海辺のエトランゼ」のメイキングなど、紀伊カンナが描く光と可憐の新世界を徹底解剖。新連載「春風のエトランゼ」もスタート。
他に、阿仁谷ユイジ、彩景でりこ、阿弥陀しずく、のばらあいこ、
黒娜さかき、新井煮干し子、京山あつき、松本ミーコハウス、フルカワタスク、恋煩シビト、河馬乃さかだち、四宮しの、たなと、カシオ、依田沙江美ら、人気のBL作家の連載目白押し!

作品情報

作品名
onBLUE vol.14
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396783471
3.5

(2)

(0)

萌々

(1)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
1
得点
7
評価数
2
平均
3.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

青春と愛憎が混在。

―― vol.14 の特集作家は紀伊カンナさん。
 インタビューでは子供時代の話から、どんな作品が好きだったかの変遷、アニメーター時代の話、アニメとイラストとマンガの仕事の違い、デビュー作「海辺のエトランゼ」についてなどをお話しされてました。
 元々は一般のほうでアニメーターとイラストレーターをやってらした方のようです。
(紀伊カンナとは漫画家としての名義。一般の名義は別にあります。)
 そんな経歴の紀伊カンナさんらしく、対談のお相手も一般誌の作家・市川春子さん。
お二人が知り合った経緯、市川さんの「宝石の国」PVについての話、漫画家生活を始めてみてどうだったかなど。それから、漫画を描く作業についてのあれこれを少し長めに話されてました。

★フルカワタスク「DANCING COLORS」第3話(28頁)
 男性のポールダンスをみせるクラブのダンサーたちのお話です。
男のポールダンス?という方は「Pole Art, men's」や「Male Pole Dance」で検索をすると、実際の映像がヒットすると思います。
 1話目は読切で、話を詰め込むために駆け足で進んでる印象でしたが、連載後は余裕が出てきました。
 クラブを掛け持ちする売れっ子の渚(なぎさ)が「clubグランドブルー」に出演するところから話が始まります。生意気な態度の渚は初日から他の出演者たちと険悪に。
 顔に大きな傷痕のあるトップダンサー・航(こう)にも反発していた渚ですが、一目で彼の演技に引き付けられレッスンを頼みます。一緒に練習を重ねるうちに徐々に打ち解けていき、ダンスの上達と共に周囲の評価も好意的に。
 ところが前回のラストで突然の出来事が。正体を失った状態の航から、顔も覚えてないような態度でつき放されてしまいます。
 訳も分からず拒絶された渚は、グランドブルーに来る前に踊っていた別のクラブへと戻ってしまいます。しかしそこで、ダンスへの姿勢や考え方が以前とは違っていることを自覚。やり場の無い不満を持て余すなか、航が渚のいるクラブを訪れて・・・と、終盤は話の流れに勢いがあり続きが気になる内容でした。

★紀伊カンナ「春風のエトランゼ」第1話(44頁、表紙なし)
 「海辺のエトランゼ」の続編です。かなり幼い顔の主人公達ですが、もう慣れました。
 前作での迷いの無い真っ直ぐな実央(みお)と、なかなか踏み出せない駿(しゅん)の関係が、2作目となる「春風の~」のベースとして活かされてます。
 年齢差をあまり感じなかった二人ですが、今作では外見では量れない経験値の差としてはっきりと見てとれます。
 駿と「恋人」として離島から出た実央が、初めて経験する「公衆の目」。戸惑う実央に対して、落ち着いた様子の駿。回想からもその重みが伝わる駿の強さは、実央にはまだ備わっていないもの。
駿が辿ってきた道のりを、今度は実央が乗り越えていくんだろうと予感させる、良い出だしになってました。
 気になる点をあげるなら、やはり人物の見た目の幼さでしょうか。
どの程度かというと成人男性の駿に対して「中学生?」としばらく思い込んでたくらい。年下の実央は更に幼い。幼さをどう克服するか、出来るのか。この辺の工夫は今後に期待します。

★彩景でりこ「蟷螂の檻」第2話(26頁)
 昭和の名家を舞台にした一族の愛憎劇です。推測ですが昭和40年代以降の設定ではないかと思います。少なくとも30年代より前というのは無さそう。
 主人公の育郎が、思ってた以上に使用人の典彦に依存していて驚きました。1話目にはそのような素振りがなかったので。
 育郎が、典彦に散髪してもらう蘭蔵を見た場面。脳裏の映像からは「典彦まで奪うのか」という情念が伝わってきます。一方で、育郎を見つけた蘭蔵の表情は、赤ん坊だった弟に指をきゅっとつかまれて微笑んだ時のような、幼少時代の彼と重なります。
 2話目の段階で曲者っぽいのは典彦です。跡継ぎは自分を頼りきってる育郎、財産の相続は心神喪失状態の蘭蔵。コレもしかしたら典彦の當間家乗っ取りルートあるかも・・・と、先の予想が捗ります。
(育郎が子供の頃には既に成人のようでしたので、10歳は年上かもしれません。葬式での育郎が20代前半とすれば、典彦は30代・・・もしかしたらアラフォーの可能性も。)

――以下の作品もちょこっとだけ感想。
★阿仁谷ユイジ「もういちど、なんどでも。」第2話(40頁)
 顔で笑って心で泣いての多郎。好きのやり直しを待つ身もツライな~、と。貴博が自力で思い出すと宣言した先に自分(多郎)がいると思えば幸せなのか。でも次回、波乱のDVD事件が起きそうでコワイです。

★のばらあいこ「寄こす犬、めくる夜」第5話(40頁)
 ブロンドの犬と黒い化け猫に懐かれちゃった新谷くん、どーすんのよ状態・・・
最初は巻き込まれだったとしても、今の状況は新谷が決めたことです。どう見ても泥沼。

★松本ミーコハウス「美しい野菜」第10話(28頁)
 学生時代の太郎がお人形さん見たいな可愛さでビックリ。その頃から現在に渡って太郎の人生に大きな影響をもつ「先輩」の存在が気になります。表紙にvolume.9とありますが10話目が正解かと。

 ほか、たなとさんの同人誌作「しるされしアイ」のシリーズ連載化にあたり、予告編として第0話(11頁)が掲載されていました。ヤンキー×ヤンキーラブとのことです。

 次号のvol.15は、10月25日発売です。
特集は、新連載がスタートする新井煮干子さん。対談のお相手は彩景でりこさん。
 そして、vol.15の前に「号外onBLUE」が出ます。発売予定日は9月8日です。

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