• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作汚部屋住人の顛末

槝伊(かしい),新たな同居人
伊智(いち),同棲中の彼氏に出て行かれた汚部屋住人

同時収録作品箱の中の青空 前篇・後編

葛良(かつら),大学生,大企業の後継ぎ
笹本,和裁士

同時収録作品ほうたいのうみで、

眞木,自傷行為が絶えない大学生
琉星,大学生,恋人

その他の収録作品

  • 汚部屋住人の顛末の顛末(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)
  • カバー下:「ほうたいのうみで、」番外編漫画(描き下ろし)

あらすじ

つまんない喧嘩して付き合ってる奴が出て行った。
帰って来ないし、部屋はきたねーし、家賃一人じゃ払えない。
終わりを認めたくない気持ちが積もって、部屋から出られない。

そんな八方ふさがりな状態の伊智(いち)のぽっかりあいた隙間に、いつの間にか入ってきた爽やかイケメン間男の槝伊(かしい)。
あいつがしてくれなかったことをいろいろしてくる間男の存在に困惑する伊智。

頭も部屋も全部ぐちゃぐちゃで、ぐちゃぐちゃすぎてなにも…。
乱されたペースとカラダ、落ち着く先は――?

収録作品:「汚部屋住人の顛末」「箱の中のあおぞら」「ほうたいのうみで、」


作品情報

作品名
汚部屋住人の顛末
著者
禾スパナ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
発売日
ISBN
9784812487617
3.8

(88)

(24)

萌々

(37)

(19)

中立

(8)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
13
得点
333
評価数
88
平均
3.8 / 5
神率
27.3%

レビュー投稿数13

大好きです!

表題作のレビューを書かせて頂きます。
とてもネタバレなのでお気をつけ下さい。

*「汚部屋住人の顛末」
喧嘩をして出ていった彼氏を思い続ける伊智くん(受け)と彼氏がいない間居候する槝伊くん(攻め)のお話

あらすじを読んだときは二人は顔見知りのかなぁと思っていたのですがどうやら違うようで…
家賃が払えなくて困っていたのはわかるけど
友達の友達の友達の友達?のほとんど他人の槝伊くんを入れたら危ないよ伊智くん!と少しつっこんだのですが(笑)

伊智くんの彼氏さんはノンケ、伊智くんが惚れ込んでいて
あらすじを読んだときは
伊智くんがヒモだと思っていたのですが
その逆で家賃以外は全て伊智くんが払って生活をしていました。お金に困って電化製品など売って暮らしてた程の貢ぎようです。

男の自分に欲情するのか?無理してるんじゃないか?と不安を持っていた伊智くんに
突然現れた槝伊くんは初っぱなからぱんつ姿を見て「ムラムラする」発言
男の自分に欲情するのか不安を持っていた伊智くんのびっくりどきどきしてる表情がとてもかわいいです(*^^*)



槝伊くんはかわいい顔してかなりの変態で「俺が勝手にオカズにするだけ」と伊智くんの股間で一人で始めたり…
しかもその時に彼氏さんが家に帰ってきて伊智くんはフラれ、大泣き。
「玄関鍵閉め忘れてた」と槝伊くんは言ってますがわざとな気がしてなりません(笑)

ほとんど無表情な伊智くんが彼氏にフラれたと大泣きするシーンは本当に可愛かったです…!

ノンケ彼氏に無理をさせまいとえっちだってなんだって我慢してきた子に、しかもフラれた直後に
「ほしいもの全部あげられるよ、ちゃんと恋愛もできるから」って言葉はなんかずるいなぁと思いました笑
槝伊くん、かなりの策士です…笑

あのゴミだらけのぐちゃぐちゃな部屋は伊智くんの心の中を表していて
元彼のことでいっぱいいっぱいにしていた心をからっぽにするために「掃除手伝って」と言った言葉が伊智くんの心の変化です。




2話目は槝伊くん視点です。
いつまでも伊智くんの中にいる元彼に嫉妬して少しヤンデレに見える時も…

部屋が伊智くんの心の中、ぐちゃぐちゃな状態が伊智くんを満たしているということに気づいてる槝伊くんは
「あの部屋もう一回ゴミで埋めてみて、今度は俺のために。それが見たくてからっぽにしたんだから」って言ったり
処女、非処女関係ないって思っていても本能的にこだわって嫉妬していたり
どれほど惚れ込んでいるかが分かります。
「戦略」とか言っちゃってやっぱりこの子計算高いなと確信しました(笑)

計算高いくせに欲が上回って全てを駄目にしてるんですけど(笑)


こんな自分の中で空回りしてる腹黒?攻めは初めて読んだのでとても面白かったです(笑)


この一冊を読んで感じたことは言い回しや表現が独特だなと思いました。
私は理解するまで数回読み返しました。
「汚部屋住人の顛末」は部屋と伊智くんの心の中
「箱の中のあおぞら」は箱
文学的と言いますか、特に「箱の中のあおぞら」は独特な表現が多かったです。
簡単に言えば自分の隠したい性格を「箱」の中にしまっているということだと思うのですが
『無理矢理「箱」を取り出したらこの体はバラバラに壊れてしまう』等の表現が多く最初読んだときはどういうことだろう…と考え何度か読み返しました。
私はこういう表現が好きなのでとても楽しく読めましたが
ストレートな表現が好きな方はもしかしたら苦手かもしれません。

読み返すたび新たな発見があり何度でも楽しめる一冊だと思います(*^^*)
絵もとても細かく線が滑らかで大好きです。
これから作家買いさせて頂こうと思います(*´`*)

6

ぐちゃぐちゃ男子がかわいい♪

「頭も部屋もぐちゃぐちゃ!」ちるちるに貼られた広告バナーでよく見ていたこの作品、汚部屋モノにも興味があり、攻めらしき男子の顔が色っぽいので買ってみました・・・結果はアタリ、期待以上におもしろかったです。
表題作「汚部屋住人の顛末」と他二作、プラス書下ろしが収録されています。
「汚部屋住人の顛末」。受けの伊智の部屋にふとした事情で攻めのカシイ(すみません、カシが変換できません)が転がり込んでくるところからの始まり。伊智は見た目はかわいい男子なのに床が見えない汚部屋の主、カシイは飄々としていながらも包容力がある感じ・・・これはもう、攻めのカシイが格好いいです!バナーの色っぽい顔はダテじゃなかった。
汚部屋にしてしまった伊智も健気な感じで好感が持てました。
「箱の中の青空」。これは和裁師と御曹司の物語。時代設定が現代なのか昔なのか曖昧な感じがありましたがすんなり読めました。
子供時代の思い出と現在が絡んで、めでたく結ばれるというような話であり、全体的な和の雰囲気が良かったです。和服男子には萌えますね♪
「ほうたいの海で」。受けの気を引くために自分の体を傷つける自傷癖がある攻めで、この設定は少し苦手でした。でも、グロくはないので大丈夫です。
「書下ろし・汚部屋住人の顛末の顛末」。きれいになった部屋で二人がエッチしてます。カシイがえろくて大変に結構です。そしてカシイは調理師であると明かされます。

スパナ先生、これ以後はblを書かれているのでしょうか、もっと読みたいです。

4

素敵な感性の新人さん!

とてもクオリティーの高いデビューコミックだと思います。

線が伸びやかで、ちゃんと表情で語ってくれて、空間の使い方も巧くて、
読み進むほどに絵の魅力を感じていきました。
でもその絵よりもさらに、
設定や展開の方がずっと印象的で素敵で、すごくよかった、すごく好き。


■表題作「汚部屋住人の顛末」2話+描き下ろし1話

同棲していたノンケの彼氏がケンカをきっかけにアパートから出て行って、
居ない間少しだけ…ということで、
友達の友達の友達という面識のない相手(表紙右・攻め)が一緒に住む事に。
でも、そのアパートはすごい汚部屋。
(絵がキレイなので、あまり汚らしい感じはしなかったです~)

出て行った彼氏を健気に想って待ってる、
その汚部屋の住人(表紙左・受け)は、どうして部屋を汚くしているのか…
コレ、理由が結構キュンと切ないです。

新たな同居人(攻め)は事もなげに自分はゲイだとカミングアウトしてきて、
マイペースながらぐいぐい受けに迫ってくるのだけれど、
さて、その顛末はいかに?

実は受けは、出て行ったノンケ彼氏とはセックスもキスもしていない。
そんな受けが、新たな同居人の攻めによって、
初めて性的な視線を向けられ、自分に魅力を感じる人がいることを知る。
それが純粋に嬉しくもあり、
でも、想いはまだ出て行った彼氏に残っていて…
その心の動きが繊細な絵とがマッチしていて、とてもいい。
そして、
マイペースながらもぐいぐい押す攻めも、実は意外と余裕がなくて…
攻め視点で語られる後半部分は、
そんなトコがちょっと可笑しく、とても可愛い♪


■「箱の中のあおぞら」前篇・後篇

大企業の跡取りとして小さい頃から受けてきた英才教育を、
つつがなくこなしてきた攻め。
彼にはどうしても秘密にしておきたい過去がある。
それは中学生の頃、
ただ一度だけ本性を曝け出して、和裁士という夢に向かって歩もうとする、
男の子(受け)を殴りつけてしまったこと。
大学生になり、夢を叶えた受けと偶然に再会。
その時の出来事を、自分を、思い出してほしくない、
でも忘れていてもほしくない。
自分でも葛藤する想いを抱えつつ、受けを抱くけれど……

秘密と箱と過去に囚われる攻めが、受けと一緒に見上げる空は……
シリアス調ながら、最後は爽やに可笑しくまとめられたお話が素敵でした。


■「ほうたいのうみで、」

受けの気を引くように自傷行為を繰り返す攻め。
告白の時は薬指の爪を剥がし、受けがエッチを拒否するとカッターで腕を…
いきすぎたヤンデレかと思いきや、その真意は実は……


修正のせいもあって、少々エッチシーンが見にくい気もしましたが、
くちゅくちゅ加減はエロくて、なかなか生々しいです。

オススメ本です☆

6

すべりこむ

表題作も含め欠落が変なリアリティとなって
物語に陰影を与えているので苦手な方は
とことん苦手と思われます。
評者にとっては美味しい部類ですが。
表題作と番外編は殊に息遣いと臭いが
身近に感じられそうなので留意が必要です。
それぞれの併録作も『足りない』人の
一生懸命さが伝わってくるので読む人に
よってはしんどさを先ず感じるでしょう。
ある意味直球勝負を秘めた作品群なので
だからしんどく感じると言うのもあるやも
知れませんね。

2

ショートショートのようなストーリー構造が面白い

ずいぶんと完成度の高いデビューコミックスでした。

描線はやわらかく色気があって、中村明日美子さんや槇えびしさんが好きならお勧めです。神経質でストイックなのにエロい絵で、キャラクターも個性的。今後が楽しみですね。

全部で3つのお話です。
箱の~は主人公(攻め)がかなり独特な人物で、その彼のモノローグが多いためややわかりづらかったです。マイワールド全開だったのが、受けと関わることで徐々に一人きりの世界から開けていくのですが、オチが中々心憎かった。この受けじゃないと成り立たないオチになっていて、それが二人の関係の必然性にもなっています。俯瞰から着地点に到達しつつ、着地点は出発点でもあるような、逆回しを見るような、そんな面白い構造でした。

ほうたい~もどんでん返しもの。短編ですが、ショートショートのような面白味がありました。

理系っぽさとエロさが融合していて、秀作だと思います。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP