• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作むきだしの恋

紺屋,30歳,故郷の友人
野々川肇,30歳,12年振りに故郷へ

その他の収録作品

  • さらけだしの恋(描き下ろし)
  • あとがき(描き下ろし)
  • カバー折り返し&カバー下:おまけ漫画(描き下ろし)

あらすじ

ダムの底に沈んだ故郷へ12年振りに戻ってきた野々川は、そこで、かつての友人・紺屋と再会してしまう。12年前、突如めばえた友人への情欲…。深く心の底に沈めたと思っていた感情が、再び溢れてしまい——?

あの夏、過ちを犯した———。
描き下ろしもあり!

作品情報

作品名
むきだしの恋
著者
カキネ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
コアマガジン
レーベル
drapコミックス
発売日
ISBN
9784864366830
3.6

(36)

(7)

萌々

(12)

(14)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
127
評価数
36
平均
3.6 / 5
神率
19.4%

レビュー投稿数8

前半まではよかった

設定が好きで読み始めたので,物語は凄く良かったです(前半までは)

惜しかった部分は、まず展開が早すぎるところです。
その設定なら、結ばれるまでをもう少し長めにするのが妥当じゃないかと思いました。

そして、全体的に物語が子供っぽいところがありました。勿論、大人っぽくてストーリー重視な話を求めてない方は全然合うとは思いますが、やっぱりどうしても設定負けしちゃってるんです個人的には。

というのも、トーンは若干切ないよりを期待していたのもあり、キャラの明るさや笑える部分もあるところがどうも刺さらないです。

0

盲目的初恋万歳!

10年単位の再会ものは、会えなかった時間がもったいなく思えてしまう派なのに…。
「もったいない」とか全然思いませんでした。
いや、思う隙がなかったというべきか。

ダムに沈んだ校舎。
12年前にその屋上で起こった出来事を、記憶の底に沈めていた野々川。
たまたまニュースで渇水によって干上がったダムの映像を見た瞬間、記憶と一緒に想いが湧き上がってきて…。

幼馴染の紺屋(こうや)がパワフルすぎた。
切ない話なんですよ。
12年前、紺屋を好きな気持ちが抑えきれなくなって、ダムに沈む前の屋上で、出来心でムスコさんを口で…という瞬間を見咎められた野々川は、高校卒業と同時に紺屋に別れも言わずに上京。
偶然見た故郷のダムのニュースで、ついふらっと戻ってきてしまって…という始まりながら、そこからずっと紺屋のターン。
いつ帰るとも知れない野々川を待ち続け、もしかしたら東京にいる野々川にも届くかも知れないと花火職人になったというエピソードは相当胸きゅん。
戸惑う野々川に対して、好きな気持ちを隠そうともしないのも胸きゅん。
だけどやり方がとにかくパワフル。
野々川と一緒にその勢いに押されまくって、切なさよりも楽しくなってきます。
こういうキャラクター、好きだなあ。

好きなものは好き。
誰に知られても構わない。
開けっ広げな紺屋と対照的に、野々川は人目を気にするし、罪悪感もあります。
だけどそういう暗いものを全部台風みたいな勢いで吹き飛ばす。
遠距離だってものともせず飛んで来ちゃう。
良い攻めでした。

途中、野々川の婚約者なんて女子が現れたり、紺屋の母親に顔向けできないなんて悩んだりもしますが、最後は野々川がちゃんと自分で前へ進む。
そこがまた良かったです。
紺屋の勢いに引っ張られるだけじゃなくて、しっかりと自分の気持ち向き合って、紺屋の母親に自分の想いを告げるシーンは、心が震えました。

良かった。
えろすな場面ですら笑える小ネタがいくつもあって楽しい。
でもそれだけじゃなくて、紺屋の真っ直ぐな気持ちが読んでいて頼もしいし、そこから逃げないと決めた野々川の決断も嬉しい。
さらに押し入れでのえろすのシーンの、何と美しいことよ…。

良いものを堪能させていただきました。
遠距離なんて感じさせない猪突猛進な初恋、いかがですか。

0

いつか家族に…

切ない系かと思いましたが、そこまでではなく、どちらかというと甘い系です。

幼馴染の再会もの。
ダムの底に沈んだ故郷…ある日水か干上がり、思い出の小学校が露出した事で思わず故郷に向かう野々川。
会いたいけど会いたくない…ずっと好きだった紺屋に再会する。
紺屋への気持ちを抑えきれず都会に逃げた野々川だが、紺屋もまた野々川のことが好きで…

まぁ両片想いというやつなので、片方が想いを伝えれば両思いです。
両想いになってからは、東京と故郷を行ったり来たり。

大きな障害があるわけではなく、周囲の人々も優しく見守ってくれています。
離れ離れの2人が今後とうなっていくのか分かりませんが、気持ちのつながりが強い2人なので、きっと幸せになってくれると思います。

0

沈めて消えたはずの恋心

長い間、連絡を絶っていた同級生同士が12年という長い年月を経て再会するというストーリーなのですが、何をするにも人の目が気になる小さな田舎で隠し続けなくてはいけなかった親友への思いを、ダムに沈んだ自分たちの母校に絡めて描いたところがすっごく良かった。

高校卒業と同時に故郷を離れ都会で過ごす受けは、ダム底に沈んだかつての母校が記録的な渇水により12年ぶりに現れたというテレビニュースを見て、ふらっと12年ぶりに村へ帰ります。
そして久しぶりに攻めと再会するのですが、気づいてしまうんです。

母校とともに沈めて消えたと思っていた恋心は、あの屋上のようにただ沈んでいただけだった。
心が渇けば むき出しになってしまう……。

こんな表現は読んだことがないので、ここがとても印象に残りました。

それと高校時代のエピソードも記憶に残りました。
沈むことが決まった小学校の屋上にこっそりと忍び込んだ末、ある経緯で勃ってしまった攻め。

それをこれが最初で最後だという覚悟で受けがフェラしようとしたとき、運悪く村人に見つかってしまうんです。
変な噂がたったらどうしようと心配する受けに対して、はっきり見られたわけでないしふざけ合っていたと誤魔化せばいいと慰める攻め。
それに対して受けの返事が切実で哀しいの。

「ふざけていたなんて 俺は言えない」と。

この言葉がすっごく心に残った。

それにしても両片思いだったのに、12年も遠回りするなんて辛い……。
攻めは拒絶されるのが怖くてひたすら待つことしかできなかったというヘタレチキンなのですが、受けが帰郷して気持ちが通じ合って以降、超〜押せ押せ!!!になっちゃうところが微妙に違和感覚えるんですよね。

12年の年月を取り戻したいという気持ちはわかるのだけど、都会にいる受けのところへ突然押し掛けたり、挙句の果てに、LOVE♡という打ち上げ花火をあげちゃったり……。

まさにダムが決壊しちゃったかのような勢いというか、もうちょい勇気出してれば12年も待たずに済んだのに…と思ってしまった。

しかしダムができちゃうような田舎で、公開告白ってちょっとキツイわ……。
攻めのお母さんに対しても申し訳なさで心すくんでしまうような受けが、村人達からの好奇の視線に耐えられるのかなぁ?と心配になる……。

個人的にツッコミどころが多々あるけれど、沈めた恋心の描写が好きなので萌寄りの萌え萌えで。

2

愛が熱い

ダムの底に沈んだ故郷と一緒に、深く沈めて置き去りにした恋心。
12年の時が過ぎ、干上がったダムの底から、思い出の建物と一緒に、あのときの思いもむきだしにされて…。
このカバーイラストからだと、もっと切ない系かと思ったけど意外とドタバタ。
登場するキャラ達の故郷に残った方、紺屋やエイジが、絵柄こそシュッとしたイケメンなのに、言動が田舎ヤンキーで、尻込みしがちな野々川にグイグイ迫ってくる。
職業花火師で、祭りの花火で告白って!
この絵だからサラッと納得したけど、結構、愛が重くて暑苦しい。
夏向き、かも。

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP