好きになってごめん

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表題作馬鹿で愚図は大嫌い

牧 蒼大,兄の親友,大学生,22歳
香椎春,陸上部の高校生→若手俳優,20歳

同時収録作品こう見えて純愛

喜一(きーちゃん),強面の居酒屋大将
陸,失恋続きのゲイ

その他の収録作品

  • 嘘も百回、恋は一回(描き下ろし)
  • カバー下:おまけ漫画&イラスト(描き下ろし)

あらすじ

春は幼いころから兄の親友・蒼大が大好きだった。兄よりも蒼大のあとを追って、真似をして高校の部活も同じだ。
いつも一緒に入られないし、蒼大が振り返ってくれないと不安になるけれど、素直になれない春には言えない。けれど、蒼大の大学進学が決まり、蒼大は地元を離れ帰ってくることはなかった。拒絶されても忘れられない。苦しいのにやめられないのは――?

作品情報

作品名
馬鹿で愚図は大嫌い
著者
湖水きよ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics ihr HertZシリーズ
発売日
ISBN
9784813030638
3.7

(73)

(21)

萌々

(21)

(24)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
265
評価数
73
平均
3.7 / 5
神率
28.8%

レビュー投稿数11

ぐだぐだ恋愛

湖水きよ先生のコミック、初読です。

超ネガティブなタイトルにびっくりしましたが、面白かったです。

「馬鹿で愚図は大嫌い」
幼なじみで兄の親友、蒼大(攻)が大好きな春(受)は、高校生になっても蒼大の真似ばかりしている。追えば追うほど離れていく蒼大を想い続ける春だが、大学に進学して久しぶりに会った蒼大から「鬱陶しい」と言われてしまう。

チビッコ時代から始まる幼馴染同士の刷り込み系ぐだぐだ恋愛。

傲慢ヘタレ攻×ワンコ受。蒼大が面倒見の良いお兄ちゃん→苛めっ子→卑屈ヘタレ攻と見事な進化(退化?)を遂げます。まともな攻が落ちぶれる様を見るのはどうしてこうも心踊るのでしょう。

登場人物達のズレてる会話が可笑しかったです。

「こう見えて純愛」
強面イケメンのきーちゃんはふられてばかりの陸をいつも慰めてくれる。

臆病なゲイに顔の怖い彼氏ができる話。最後のきーちゃんのセリフが胸きゅんでした。

「嘘も百回、恋は一回」
蒼大は、自分に合わせようと嘘をつく春が可愛くて仕方ない。

イチャイチャえっち。春のお兄ちゃん、夏喜が最後にちょっと再登場。出来の良いイケメン弟を持つ夏喜がおバカに振る舞いながら、何を考えていたのか気になります。「馬鹿で愚図は大嫌い」は、実は夏喜の言葉。そんなセリフが出てくるくらいだから、ゆるいおバカキャラと見せかけて相当な激情家?と疑ってます。ノンケっぽいけど、夏喜メインのスピンオフ希望!

7

大嫌い、大嫌い。だけど、それ以上に。

兄の親友、蒼大のあとをついていた春。
蒼大の真似をして高校、陸上部に入った。
しかし、いつも蒼大の真似をしていた春の方が陸上での成績も上回っていた。
後に蒼大は東京の大学へ、春はスカウトされモデルに。
音沙汰のなかった蒼大から会わないかと、誘われた。
そこで春に言い放ったのは、嫌いだった、という言葉だった。


自分より年下が真似をして付いて回るのは、可愛いものです。
親友の弟、なんてね余計に。
しかし、自分の方が先にしていたものを可愛がっていた子に
追い抜かれてしまうとや嫉妬に似た複雑な思いが生まれてしまいますよね。
このあたりの描写はリアルで、蒼大の気持ちが伝わります。

しかし、好きという気持ちは偉大です。
時として嫉妬や、それ以上の感情にも勝るのです。


もう一作、収録されていたこちらも、とてもよかったです。
やさしいのに顔が怖めで損しちゃう居酒屋の店主と
どうも男運が良くない子とのお話。
顔は怖いのに、でもめちゃやさしい人が好きです。

4

なんとなくな

実はこの一冊、帯のデザインが面白かったりします。
視点を変えてみると帯とカバーの組み合わせからも
なんとなく内容を類推できる様な気がするので不思議です。
敢えてこの配色にしたのか、それとも何となくか。
作品自体が言い知れぬオーラを纏っているので
そう思い込まされているだけなのかも知れませんが。

表題作も併録作も、起点と着地点を結ぶ線の
ブレを感じる事はないでしょう。
そう言う点では割合に安心して読めるかと。
ただ登場人物の気持ちに入り込み辛いと
少なからず難航するでしょう。

1

大嫌いだけど大好き

夜光花さん『バグ』の挿絵など
硬派な絵柄でおなじみ、湖水きよさんの
二冊目のオリジナルコミックです。

表紙に一目惚れしての購入でしたが
話自体も、ほのぼの且つ緊張感ある独特な雰囲気に
なかなか惹きつけられるものがありました!


表紙の受け・春は
幼い頃から兄の親友・蒼大(攻め)のことが好き。

容姿にも才能にも恵まれた春。
蒼大を追って入った高校の陸上部では
蒼大より注目され、
その後、スカウトされ何となく入った芸能界では
若手俳優として一躍人気者に…。

ハイスペックで常にモテモテなのに
子どもの頃遊んでくれた「蒼ちゃん」一筋。
クールで無愛想なのに
蒼大に対してだけは健気で泣き虫という
ギャップが可愛いです。


蒼大は、どこにでもいそうなごく普通の大学生。
昔からつきまとわれてウザかったと春を突き放すも、
春が自分の友人(男)といい感じになるとイライラして邪魔するような身勝手さも。

しかし、蒼大の気持ちも分かる気がします。
自分になついている弟分が
自分よりイケメンで何事にも優れていたら
嬉しい反面、コンプレックスや
いつか捨てられそうな不安に駆られ
つい冷たく当たってしまうものなのかも。
悪人ではないけど、そんな弱さや狡さもある、
本当に普通の年相応の若者という感じでした。


タイトルの「馬鹿で愚図は大嫌い」とは、春の好意になかなか応えてやらない蒼大を指した台詞。
でも春はそんな蒼大をどうしようもなく好きで
そこが本作品の萌えどころかと思います。
蒼大のどこがそんなにいいの?と疑問が湧くと同時に男の趣味だけがちょっと残念な春に
不憫萌えにも似た愛しさを感じました。

くっついた後の二人は何だかんだラブラブで
蒼大が何でも自分に合わせようとする春に
ちゃんと自分の愛情を伝えるところが良かったです。


同時収録作は、
強面だけど優しい居酒屋店主と
男運の悪いゲイの常連客のほのぼのコメディ。
(CPとしてはこっちの方が好みでした!)
優しくてねっとりキスが上手い喜一さんと陸の
Hシーンまで見てみたかった!
喜一さんの殺し屋みたいに怖い顔、
湖水さん絵の本領発揮という感じでした☆

12

三つ子の魂百まで的な愛ってやつか

「馬鹿で愚図は大嫌い」
インパクトのあるタイトルに惹かれて手に取りました。

・意固地でちょっとコミュ障ぎみの春(受け)がずーっっと兄の親友であるを蒼大を好きでいるお話。

登場人物のどちらも豊かに感情を示すわかりやすいタイプではないので、とっつきにくく感じるかもしれません。
全体通して甘々で癒されるという作品では決してなくて、途中まで登場人物の気持ちを推し量りながら&疑問を持ちつつ読み進めて、最後と描き下ろしでようやくキタ!って感じのストーリー。

特に蒼大。一回目読んだときは、正直なんでこんな男がいいんだろう?と思いました。
途中まで蒼大の考えが見えにくくて感情移入しにくい人物だったけど、彼が臆病である事と、その理由がわかったらストンと腑におちました。
自分のやる事なす事、真似をしていたくせに、何でも自分を上回った挙句トントン拍子に芸能人にまでなってしまった春は一緒にいるとコンプレックスを刺激される。正直男としておもしろくないのも事実だけど、認めるのもなんだか悔しい。
そんなすごい春が何で自分のことが好きなのか理解できない。

でも春にとっての好きは、○○がかっこいいから好き、とか○○がやさしいから好き、のようなそんな安易なものではなく、理屈抜きで無条件に好きで、ひよこの刷り込みに近い強固なレベルだからこそどうやってもどうやっても諦められないんです。

春と岩田くん(当て馬でいい人・彼に幸あれ)がデートで結構楽しんでいて、こういうのもいいかな・・・と思い始めているところに登場した蒼大に、春が泣きながら言うんです。
「蒼ちゃんなんか大嫌い」
この時のシーンが表紙の泣き顔と同じです。
タイトルの「馬鹿で愚図は大嫌い」は、こんなに蒼大を好きな春を好きにならない、こんなにこんなに蒼大のことを愛する春に気付きもしない蒼大の事を指していった言葉です。

馬鹿で愚図でしかも臆病な蒼大は大嫌いなんだけど、どうしようもないくらい大好きで大好きで大好きで。
一方の蒼大は、そんな春の本当の気持ちまでは解らず、どうせ手に入らないものを欲しがっているだけで手に入れたら飽きてしまうんだろうと思って、怖くて逃げてしまった臆病男。

ほんとは春のことが鬱陶しかったと言って傷つけたあと、キスしたのも、「俺の事が好きなんだろ?」と言ってから一度もこちらを振り返らずに駅に向かった時、春のほうから「そうだよ!好きだよ!」と追いかけて欲しかったんじゃないかなぁって思うんです。
なんでこんな行動したのか最初理解できなかったんだけど、ヘタレ故の試し行動だったんじゃないかなぁって。

その後、蒼大の部屋へ向かう途中、最初は力強く春の手を掴んで引いていたのに手を離しちゃって、春がついてくるか彼自身に選択を任したのもヘタレだなぁって思いました。
ただ蒼大、どんだけ春のことが好きなんだか?
蒼大>><<<<<<<<<<春 に感じたのも事実。

でも描き下ろしの「嘘も百回、恋は一回」では 春の愛がだだ漏れ状態で蒼大に伝わって蒼大も春のことを同じくらい好きな様子が見てとれて嬉しかったです。
蒼大もヘタレから脱却して、自分が黒のものを白と言って春もそれに従うような事はいけない、といった内容を諭すいい男になってました。

その他
・「一回ヤッたくらいで彼氏面・・・してもいいよ!」「するよ!」のやりとり 良かったです。

4

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