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出会わなければよかったの

deawanakereba yokattano

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表題作出会わなければよかったの

林虎太郎,高校生
朝比奈譲,高校生

同時収録作品隣は何をする人ぞ

黒瀬ケンジ
小鳥遊(タカナシ)

あらすじ

子供の頃遊んだ幼なじみと、高校で偶然再会!!
喜ぶ虎太郎に、元々無愛想だった彼・譲は、冷たい。
人付き合いが苦手でクラスに友達もいない譲を
見かねた虎太郎は、グループ学習に誘う。
実は譲は病弱な兄のため、毎日早めに帰宅していたのだ。
けれどそれ以来、課外活動後にカラオケに行ったりと譲の放課後は一変!!
断らなければと思いつつ、初めての楽しさに虎太郎の手を振り払えず…!?

作品情報

作品名
出会わなければよかったの
著者
湖水きよ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199606366
3.5

(44)

(9)

萌々

(8)

(24)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
151
評価数
44
平均
3.5 / 5
神率
20.5%

レビュー投稿数5

流れの先に見つけたもの

​ 初読みの作家様ですがいつも表紙が素敵で気になっていました。こちらは表紙のイラストと最初のプロローグの絵柄が違う感じがして「なんか違う!?」と一瞬がっかりしたのですが、回想シーンの描き方ゆえでした!ちゃんと中まで綺麗に描かれていました!!

・『出会わなければよかったの』『海は意外と遠くない』番外編

 病弱な兄の面倒を見ることだけを望まれて、ロボットのように無表情だった譲が、小学生のころにただ一人、心に触れてきた虎太郎と高校で再会して…。
 号泣するわけじゃないけれど、ずっと悲しい気持ちで読んでいました。譲は生まれた時から兄のお世話をすることだけを望まれてきたのかな、母親は譲のことも兄の事も結局は重荷に思っていたのかなとか…。こういう家ってリアルにもある。生まれる前から上の兄弟の面倒を見ることを期待されて生まれてくる下の子供たち。親の希望通りにとても面倒見の良い妹弟たちだったけれど、口には出せない辛いことも沢山あるんだろうなと思い心が痛んだ。だけどもしも私が同じ立場の親だったら、やっぱり同じように考えてしまうかもしれない。とっても難しくて悲しい。

 兄と親からの見えない鎖に繋がれて介護ロボットのようだった譲が、押し殺して心の奥に閉じ込めていた感情に初めて触れて来たのは子供の頃の虎太郎で、再会した今、再び大きく揺さぶる存在になる。譲の心が少しずつほどけて行く過程がとても丁寧に慎重に描かれています。虎太郎が歌っていた曲を聞いて、あふれだす涙を拭う譲に泣けました。
 結局のところ、兄は譲がいなくてもなんとかなってしまうので、それならもっと早く解放してあげていればよかったんじゃないの?と思うところもありますが、譲が兄だけを見ていたように、兄も譲だけを見て生きて来たんですよね。だから譲が自我を持ち始めたことに刺激を受けて、兄自身も弟依存から抜け出せたのだと思います。
 母親がどんな風に子育てをしていたら正解だったのかは私にはわからないけれど、自分勝手な台詞のまま終わってしまったのは残念でした。ただ、家族にスポットを当て過ぎたらBLとしては成り立たなくなるので、こんなものなのかなとも思います。

 本編ではキス止まり。正直いうと重いストーリーがBLと言うより友情モノに感じたので、キスすら要らないかも?と思っていたのですが、番外編を読んでキス止まりは正解だったと思いました。海ではしゃぐ譲は可愛いし、浴衣姿の譲は素直だし、初めてのHがとても自然に思えました。
 自分の感情の流れつく源流を壊して埋めたいと思っていた譲が、虎太郎と一緒にキラキラと輝く海まで辿りつけて本当に良かった。

・『隣は何をする人ぞ』
 ケンジの部屋に突然やってきた騒がしいお隣さんは、飼い猫のケンジを追いかけていた…。
 お隣さんの小鳥遊(タカナシ)以外は全員ケンジのお話です。お隣から聞こえる「ケンジ」には色っぽいものもありまして、どんどん気になってしまうのです。お話が短いので小鳥遊がちょっと惚れっぽすぎるかなーと思いました。もう1話欲しかったです。

 作者様の別コミックス『馬鹿で愚図は大嫌い』は、泣き虫で愚図って趣味じゃないかなーと思っていたのですが読んでみたくなりました。

6

キュンと来た

2作品が入っている。

【出会わなければよかったの】
虎太郎(こたろう) x 譲(ゆずる)
小さい時の幼馴染みが高校で再会。
譲は病弱な兄の世話をしているが、実は親が見えない圧力で譲に面倒なことを押し付けてる感。その所為で、譲は小さい時から無感情なロボットになっていた。
そんな時、小さい時に仲良くしてくれたのに譲から決別した相手・虎太郎と再会する。虎太郎はなんとか譲を遊びに誘おうとするが。。。

虎太郎の明るさと自由さに譲もどんどん惹かれていって、最後は兄の束縛、家族の束縛から自由になるって話だけど、兄が結構友達がいて、譲がいなくても簡単にやっていけたのが拍子抜けなのだが、まあ短いお話なのでそこはあまり気にせずって感じなのか。

大学生になって初エッチ。私は電子版を購入したが、電子特有の残念な修正はないように思えた。

少し切なキュンなお話。

【隣りは何をする人ぞ】
ケンジ x タカナシ。隣人さん。
タカナシがケンジという名の猫を飼っていて、良く脱そうして隣りのケンジさんの家に行ってしまう。
ケンジという名前がキーワードなんだけど、タカナシの可愛さにケンジも好きになっていく。

キスまで。絡みはないお話。
短いので短編で好きになる過程まで入れるのであっさり感。

どちらも短いのでなかなか満足行くまで萌えが到達しなかった。でも、設定はいい。
そして、どちらのお話もキュンとはきたので、内容は萌なんだけど、絵も嫌いじゃないので、萌2で。

7

番外編の初えっちが予想以上にエロくて満足♡

表紙からしてステキなんですが、中身も表紙通りの瑞々しく初々しい高校生の再会LOVEのお話でした。攻めの虎太郎はやんちゃで男前でまっすぐな性格。受けの譲は物静かな美人さんで、彼独特のペースを持っている不思議な感じの人です。譲の家庭環境は少し複雑で、仲が良いはずの兄との関係も少し歪んでいて、そのせいで本人も高校生らしくない冷めたところがあります。

2人は幼馴染なんですが、高校で再会して、家族に縛られていた譲を虎太郎が半ば無理矢理外に連れ出し初めて、譲も徐々に心を開いて、最終的には昔した約束通り譲が未だ行ったことのない海へ2人で行くことに。

海でのお泊りえっちがなんだかすごくエロいです♡やっぱり普段寡黙で静かな感じの男子が乱れるのはそそられます~ (//∇//)そこまでぐずぐずになる訳じゃないですが、ちょっと天然な感じも相まって受けがすごい可愛いです。しかもえっち終わっての感想が「感無量」ってwww このカップルは楽しく付き合っていけそうな予感♪ 

同時収録作品の方は受けの小鳥遊に関わる3人?のお話。隣人のケンジ、元恋人のケンジ、そして飼い猫のケンジ。ほのぼのとした感じのお話です。エロはキスまで!

3

自分の為に生きてくれ!

表題の『出会わなければよかったの』では、受けの譲がどの様にして、誰と、新しい世界に一歩を踏み出していくのかがお話の軸になっています。
小さい頃から譲は「自分に与えられた役割」をこなす事によって自分の存在意義を確認していて、高校生になった譲の役割は病気の兄の看護をする事なワケです。
その役割を放棄して自分の好きな人と小さい頃に交わした約束を果たそうと歩みだすってんだけど。
育ってきた環境のせいでしょーか、他の人に頼るって事をしない(多分思いつきもしない)ために、物事がヤヤコシクなってる感が否めませんだした。
攻めの虎太朗が健全な普通の高校生で良かった(T_T)
彼がグイグイ引っ張ってくれた事で、捕らわれていた日常から割りとアッサリ抜け出せます。
この辺がホント割りとアッサリです。

間に別の短編を挟んで、二人が大学生になってからの後日談がありまして、これは良かった。
二人が幸せそうで文句なしに可愛かったです。


0

メガネキャラでも良かったよ!

表題作全4話と描き下ろし番外編、関連のないカップルの短編の3作品が収録されています。ちょっとですが腐女子が登場しますので、苦手な方はご注意ください。

「出会わなければよかったの」「海は意外と遠くない」
子供の頃、海に行く約束をしたけれど果たせず引越しで別れてから数年。高校で再会した二人。相変わらず反応の鈍い譲(受け)に、虎太郎(攻め)は声をかけて…。

譲のお兄ちゃんが癖のあるキャラで、彼を好きになるかどうかが、この作品を気に入るかのカギになりそうな気がしました。個人的には、お兄ちゃん「たまき」はこの本の全キャラで一番気に入った容姿です。

「海は」では、二人は大学生になり、泊りがけで海に遊びに行き、思いを伝え合い初エッチをするという話です。海ではしゃぐ譲が面白かったです。


「隣は何をする人ぞ」
ケンジは、隣人タカナシの飼い猫ケンジが部屋に乱入してきたことをきっかけに親しくなる。ある日、ケンジはタカナシの恋人ケンジが猫を捨てようとするのを目撃して…。

読後、タカナシは最初何を考えて飼い猫にケンジと名づけたのかが気になりました。飼い猫が先だとしたら、元彼氏とはそう長くなかったのかな?短編なのでそんなこまかいところを気にせず、雰囲気に流されて読むのがベストだと思います。低音ボイスの元彼氏がハゲそうな額だったのがやけに印象的でした。


メガネキャラはいません(残念)。作者様があとがきで「譲はメガネキャラにしようと思っていました」とイラストがありましたが、そっちでも良かったですし、お兄ちゃんでも良かったですよ!と提案したかったです。

独特な雰囲気とテンポのある作品だと思います。そこかしこにコミカルさが散りばめられていて、喧嘩しようが泣こうが100%のシリアスはありません。派手な事件があるわけではありません。思春期高校生の恋愛模様をじんわり楽しむ作品です。

1

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